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【QPR×Liverpool】残り5分から4点の大乱戦。勝負を決めたのは、リヴァプール得意のカウンター!

イングランド代表でホジソン監督に疲労を訴え、スタメン出場を回避したと批判されたスターリングの元気な姿をみて安心しました。リヴァプールには、エムレ・カンが戻ってきています。リオ・ファーディナンドとクラニチャールがスタメンから外れ、GKもグリーンからマッカーシーにスイッチした試行錯誤のQPR相手に、レッズはアウェイでも負けるわけにはいきません。バロテッリをワントップにジェラード、ヘンダーソン、ララナ、デヤン・ロブレン、シュクルテルといつものメンバーが揃うリヴァプールの両SBは、グレン・ジョンソンとホセ・エンリケという懐かしいコンビです。

一進一退のゲームで、最初にチャンスを迎えたのはQPR。8分に左からシュクルテルをかわしたオースティンがGKミニョレと1対1になり、ミニョレがかろうじてシュートを体に当てるというきわどいシーンを創ります。リヴァプールは中盤でパスがつなげず、ゲームは完全なるQPRのペース。27分にザモラが完全に右サイドを崩してグラウンダーのラストパスを通すと、後ろから走り込んできたフェルのシュートはバーを直撃。QPRは貴重な先制チャンスを逃します。33分にも、ザモラのクロスをフェルがシュートし、ボールはゴールの前を転々。ところがここでも、グレン・ジョンソンとシュクルテルが必死にこぼれ球を掻き出し、ホームチームはゴールを奪えません。

リヴァプールの前半の決定機は1回だけでした。44分、中盤でバロテッリがワンタッチでジェラードにつなぎ、左から一気にペナルティエリアに持ち込んだジェラードが、切り返しを入れてインフロントで右隅を狙ったフィニッシュ。しかしこれはわずかにゴール右に外れて、間もなく前半終了。最初の45分の流れをみれば、大半の人がQPRの先制を予想したでしょう。

後半も、ゲームの主導権はQPR。46分、後半から入った右サイドのショーン=ライト・フィリップスがクロスを入れ、DFのクリアのはね返りをフェルがシュートするものの、ミニョレがダイビングしてCK。54分にも、縦に抜けたオースティンが右からクロスにシュートを放ち、リヴァプールゴール前を脅かします。最初の15分、QPRの攻勢を耐え続けたリヴァプールは、61分に逆襲から決定的なチャンスをつかみます。右からのつなぎを受けたララナがゴール前に抜け出し、左足でコースを狙うとGKマッカーシーが必死のセーブ。ボールがこぼれたところにフリーで走り込んだバロテッリは、インサイドで流し込めば今季プレミアリーグ初ゴールというシーンでしたが、力が入ったボレーは無人のゴールの上に大きく外れます。いやー、これは残念!

しかし、ここからスターリングの仕掛けで立て続けにチャンスを創ったリヴァプールは、66分に幸運な先制点を奪いました。FKの素早いリスタートで、スターリングのパスをもらったグレン・ジョンソンが、ファーのバロテッリにラストパスを出すと、これをカットしようとしたDFダンがオウンゴール!リヴァプールはリードすると、後ろを固めてセーフティにゲームを進めます。80分を過ぎても0-1。このまま終わるかと思われたゲームは、実はここからが見どころ。87分、ついにホームチームが追いつきます。クロスをオースティンがヘッドで折り返すと、ゴール正面に飛び込んでボレーを突き刺したのは、途中出場のバルガスでした。1-1となり、追加タイムを入れれば残り5~6分。何としても勝ち点がほしいQPRが前がかりになったところで勝ち越し点を奪ったのは、リヴァプールお得意のカウンターでした。

89分、中盤でボールをキープしたスターリングがジェラードにつなぐと、キャプテンのチョイスは左を走るコウチーニョ。ペナルティエリア左の角でパスをもらった背番号10が、中に2つ持って思い切りよく右足を振り抜くと、ボールはゴール右隅にきれいにおさまります。1-2で勝負あり、と思われたゲームは、しかしQPRが諦めません。92分のCKにニアで合わせてイーブンに戻したのは、またもバルガス!リヴァプールベンチに広がる失望。時間は3分ありません。昨日ドローに終わったガナーズ同様、リヴァプールも勝ち点1に終わるのか。時計が追加タイムの終わりを示したとき、リヴァプールが最後のカウンターを発動します。左からDFラインの裏に抜け出したスターリングがGKを引きつけて左足で中に折り返すと、このボールに最初に触れたCBコーカーは、自陣ゴールに転がるボールを見送るしかありませんでした。この日2発めのオウンゴールで、土壇場で2-3!リヴァプールが、劣勢のゲームを執念でひっくり返し、貴重な勝ち点3をゲットしました。

リヴァプールの問題点を挙げれば、片手では足りなそうですが、この日はエムレ・カンとジョー・アレンの復帰を祝い、勝ち点3を得られた幸運をかみしめるのがいいでしょう。それにしても、バロテッリはゴールを決められませんね。GK不在のゴールへのシュートを外した後、2回のオウンゴールはいずれもバロテッリへのパスを手前でカットしようとしたDFによってもたらされました。どうやら今日も、彼の日ではなかったようで、プレミアリーグでの復帰ゴールはまたもお預けとなりましたが、時折みせる周囲を使うパスには光るものがありました。次戦、アンフィールドで開催されるハル・シティ戦で、背番号45の初ゴールを期待したいと思います。

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“【QPR×Liverpool】残り5分から4点の大乱戦。勝負を決めたのは、リヴァプール得意のカウンター!” への3件のフィードバック

  1. リバサポ より:

    全体練習の時間は取れないと思うので劇的に内容が良くなることは少ないと思いますが、次のレアル戦で若い選手が刺激を受けてくれれば幸いです。この試合に関しては、ジェラードがアンカーの位置にいないと形を作れないというのがわかったことが収穫です。

  2. makoto より:

    リバサポさん>
    この試合は、久しぶりにジェラード得意のロングフィードが決まってましたね。逆にいえば、局地的な崩しがうまくいかなかったのが苦戦の理由でもありました。キープできるバロテッリが、もっともらいやすい位置に入ってくれるといいのですが…。

  3. ぽっぽ より:

    後半から入ったQPRの選手はショーン・ライト・フィリップスじゃなくてマット・フィリップスで元ブラックプールの選手ですよ。

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