イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Crystal Palace×Liverpool】ランバート待望の一発もボラシエが止まらず、リヴァプールは3連敗!

ついに、この男がゴールを決めました。若い頃、リヴァプールを追われ、つい3年前まではリーグ1(3部相当)でプレイ。2年連続でリーグ1の得点王となり、サウサンプトンをチャンピオンシップ、プレミアリーグとジャンプアップさせると、昨季はついにイングランド代表へ。2014-15シーズンより、念願だったリヴァプールへの復帰を果たしたリッキー・リー・ランバートです。前半2分、ハーフラインを越えたところから、最前線に通したララナの左足のロングパス一発。やや左にポジションをとっていたランバートは、見事なトラップでDFをかわして中央に持ち出すと、GKスペロニの脇に流し込みます。ランバートを取り囲む、リヴァプールの選手たちの大きな輪。チームにとっても本人にとっても貴重なゴールで、アウェイチームが0-1とリードを奪います。これを観たときは、リヴァプールの久々の快勝を期待していたのですが…。

このままリヴァプールペースで進むと思われたゲームは、ホームのクリスタル・パレスの抵抗でわからなくなります。この日、最高に脅威だったのは、鋭いドリブルでリヴァプール守備陣を翻弄したヤラ・ボラシエでした。前半17分、中央に持ち込んだボラシエに、リヴァプールのDFは誰も当たりにいかず、右足のクロスのシュートは左ポストを直撃。このリバウンドを拾ったドワイト・ゲイルの強いシュートに、GKミニョレは触るのが精一杯。ボールはゴールに吸い込まれ、リヴァプールの優勢は15分しか持ちませんでした。ボラシエは28分にも、左から中に持ち出すと、GKミニョレの手前でバウンドする危険なシュート。リヴァプールDF陣は、彼にボールを持たれると、一気にピンチに追い込まれてしまいます。

前半のリヴァプールが今までと違ったのは、ヘッドが強いランバートに合わせるクロスが多かったところ。しかし、ジェラードのFK、ジョー・アレンのクロスとどのボールも微妙に合わず、リヴァプールは勝ち越し点を奪うことができません。黄色いユニフォームに身を包んだアウェイチームのきわどいシュートは、37分に中央から狙ったジェラードのミドルぐらい。この日、左に入ったグレン・ジョンソンとスターリングがサイドの攻略を図るものの、縦一辺倒の攻撃は単調で、ゴール前を固めたクリスタル・パレスのカウンターの脅威にさらされます。

42分、ゴール前でのクリアがボラシエにつながり、自陣からのドリブルとワンツーで左から完全に抜けた背番号7があわやの2点めというシュート。46分にもパンチョンのロングパスを受けたボラシエが、やはり左足で狙うなど、クリスタル・パレスに決定的なシーンが多かった前半。リヴァプールの攻撃には厚みがなく、中盤のきついプレスにあえぐコウチーニョが目立ちません。後半も、開始当初はリヴァプールが押し込んだものの、ジェラードのミドルもCKからのシュクルテルの左足も枠を捉えず。58分には、ペナルティエリアのすぐ外でマンキージョがファールを犯してしまい、先日「オプタ」のデータでプレミアリーグNo.1のMFと報じられたジェディナクのシュートがミニョレを襲います。シュートが打てず、フリーの選手を創れないリヴァプール。71分、右サイドで久しぶりに前が空いたマンキージョのシュートは完全に力んでしまい、クロスに大きく外れていきます。

72分にララナをボリーニ。74分にはジョー・アレンをエムレ・チャン。選手交代で状況の打開を図るロジャース監督でしたが、スターリング、コウチーニョのドリブル以外に手がないリヴァプールはパスの精度も低く、シンプルに前につないでシュートで終わろうとするクリスタル・パレスのほうにゴールの匂いが漂います。均衡が崩れたのは78分。やはりクリスタル・パレス、やはりボラシエ。右サイドでデヤン・ロブレンを完全に抜き去ったボラシエは、ゴール前でおとりになったゲイルの裏に決定的なグラウンダー。走り込んできたMFレドリーは、GKミニョレの位置をみてインサイドのシュートを冷静に突き刺します。そして2-1となった3分後、クリスタル・パレスが試合を決める3点め。ミニョレの左手の先を抜けるきれいな直接FKは、ジェディネク。リヴァプールはこれで完全に沈黙し、2点のビハインドのままゲームを終えるほかはありませんでした。

結局、リヴァプールの枠内シュートは、リッキー・リー・ランバートのゴールのみ。彼らがいいシュートを打てなかったのは、ラストパスの精度というより、中に入った選手のポジショニングの悪さでしょう。スターリングやマンキージョがサイドからクロスを上げるとき、誰もニアに入ってこず、いつも複数の選手がファーに重なっていたので、クリスタル・パレスは守りやすかったと思います。幸先いいゴールを決めたランバートも、サイドに流れるプレイが多過ぎ、後半はゼロトップのような布陣になっていました。ボラシエにいいようにやられて2度の失点の原因となってしまったデヤン・ロブレンもさることながら、ゴール前に走り込んだ選手にパスが合うシーンが先制点しかなかったという最前線の連携不足が、またも1点しか獲れなかったリヴァプールの課題なのではないでしょうか。

負傷者が戻ってくれば、チームのクオリティが上がりそうなアーセナルとマンチェスター・ユナイテッドに比べて、リヴァプールの問題は根が深そうですね。アンカーのジェラードは相変わらず効果的とはいえず、トップの枚数を増やしてもシュートチャンスは増えません。これは、スタリッジが戻ればうまくいくという単純な話ではなさそうです。ロジャース監督が答えを見つけるまでに、どのくらいの時間がかかるのでしょうか。その答えが出ようが出まいが、プレミアリーグで3連敗、レアル・マドリード戦を入れれば4連敗を喫したチームは、水曜日のルドゴレツ戦に2点差以上もしくは1-0で敗れれば、チャンピオンズリーグを失います。プレミアリーグ4位以内とチャンピオンズリーグのグループステージ突破を目論むリヴァプールにおいて、41歳の若き指揮官に残された時間はそう多くはなさそうです。

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“【Crystal Palace×Liverpool】ランバート待望の一発もボラシエが止まらず、リヴァプールは3連敗!” への5件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    ランバートに待望のゴールが決まり今回こそは行けるか!と思ったのも束の間でした、、、。
    ボラシエ、ゲイルにいいようにやられてましたね。相手チームはフットボールを楽しんでましたね。
    レッズの問題は根深いです。もはやスタリッジの復帰云々ではありません。
    ミッドウィークのCLルドゴレツ戦はアウェイなので厳しいでしょうね。また、CL後のリーグ戦は今季いずれも低調です。
    私はジェラードをスタメンから外すのもありだと思います。また、ロブレン絡みの失点が多すぎます、、、コロやサコに変えるのも一考かと思うんですが、、、、あと、ボリーニは難しそうですね、、、。。。公式戦4連敗はここ数シーズンなかったと思いますが勘違いですかね、、、。カラガー始めOB連中が怒ってましたね。ロジャースもいよいよ追い込まれたと思います。でも早期解任には反対なんですよね、、、。

  2. makoto より:

    更新ご苦労様です
    今回ばかりは降格圏内の相手と言うこともあり明確な変化を求めていたのですが、スタメンが発表され、バロが怪我してランバートになっただけといっても過言ではないほどいままで通りだったので少し驚きました。
    サポーターとしては試行錯誤してる姿を見たかったです。
    正直言って、自分の補強がうまくいってないのを認めたくないがゆえに、低調なできの新戦力を使い続けるのもどうかと思いますし、それだと他の選手のモチベーション低下にも繋がります。
    どんだけルーカス使いたくないんだって感じです。
    このまんま根本から考え方を改めず、頑固に我流を貫くのなら状況は悪くなる一方です。
    挑戦者だった頃を思い出して欲しいです。

    —–
    Mackiさん カモノハシうどんさん>
    マイナーチェンジでしたね。おふたりの「試行錯誤してる姿を見たかった」「早期解任には反対」「挑戦者だった頃を思い出して欲しい」という言葉は、応援するクラブは違うものの、サポーターの気持ちとして非常に共感します。ジェラードを外してエムレ・チャンとルーカスに中央をまかせる、スターリングをバロテッリの近くに置いて新しい2トップを組ませるなど、荒療治があってもいいと思います。結果がどうなるかはともかく、今必要なのは「明確な変化」だと思いますので。

  3. リバサポ より:

    正直、4位以内は望み薄と考えた方が良さそうですね。チェルシーとシティが独走状態に入れば可能性アリでしょうが…
    私はロジャースにかなりの不信感を抱いているので、解任も仕方ないとおもっています。前半あれだけカウンターを仕掛けられているにも関わらず、何も手を打たなかったのは大きな問題です。アレン、コウチ、ララナを活かすために、底にルーカスを入れるか、マンキージョ下げて3バックにするなどリスク管理が適当すぎます。明確な変化とメッセージを試合中に発信できなさすぎます。

  4. プレミアリーグ大好き! より:

    更新ご苦労様です
    今回ばかりは降格圏内の相手と言うこともあり明確な変化を求めていたのですが、スタメンが発表され、バロが怪我してランバートになっただけといっても過言ではないほどいままで通りだったので少し驚きました。
    サポーターとしては試行錯誤してる姿を見たかったです。
    正直言って、自分の補強がうまくいってないのを認めたくないがゆえに、低調なできの新戦力を使い続けるのもどうかと思いますし、それだと他の選手のモチベーション低下にも繋がります。
    どんだけルーカス使いたくないんだって感じです。
    このまんま根本から考え方を改めず、頑固に我流を貫くのなら状況は悪くなる一方です。
    挑戦者だった頃を思い出して欲しいです。

    —–
    スアレスが異次元だっただけで
    ここ最近のリバプールの強さ通りな感じがします
    Cl権獲得は厳しそうですが
    監督解任がプラスになるのですかね
    解任が噂されてますが次の監督でふさわしい人がいるのかわからないです

  5. makoto より:

    リバサポさん プレミアリーグ大好き!さん>
    ロジャースさん自身が、解任を覚悟していると匂わせる発言をしており、これからさらに騒がしくなりそうです。とはいえ、この時期に解任となると、誰にまかせるのかが難しいですね。

プレミアリーグ大好き! へ返信するコメントをキャンセル