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【Saints×MAN.CITY】最後は9人!堅守セインツから3点を奪ったマン・シティ、CBを失う痛い快勝!

今週末のプレミアリーグで、最も注目すべきゲームはサウサンプトンとマンチェスター・シティの「2位×3位対決」でしょう。バイエルン・ミュンヘンの3失点、ユヴァントスの4失点に続き、欧州主要リーグで3番めに少ない6失点の堅守セインツと、アグエロのハットトリックでバイエルンに勝ったばかりのマンチェスター・シティ。GKフォースター、DFバートランド、アルデルヴァイレルト、フォンテ、クラインが並ぶセインツの最終ラインはベストメンバー。中央に陣取るシュナイデルランとワニャマが、マンチェスター・シティの2トップ、アグエロとヨヴェティッチをつぶしにかかります。ダヴィド・シルヴァとジェコを欠くマン・シティは、フェルナンジーニョとヤヤ・トゥレのコンビに、ナスリとヘスス・ナバスが両サイド。ベンチに控える攻撃のカードはミルナーとランパードで、最前線にオプションがないだけに、先にゴールを奪って優位にゲームを進めたいところです。

プレミアリーグ首位を走るチェルシーに近づきたい両者の試合は、7分にハードタックルのワニャマ、9分にシミュレーションのアグエロと、10分までに2枚のイエローが出る緊張感の高いゲーム。ヘスス・ナバスとアグエロが右サイドを制圧するマンチェスター・シティが完全にペースを握り、16分にはヤヤ・トゥレのミドルシュートがGKフォースターを襲います。ワントップのペッレになかなかボールが出なかったセインツの最初のチャンスは20分。左サイドを上がったバートランドにようやくいいボールが出て、ぽっかり空いた中央のペッレに柔らかい浮き球。エースとGKが絡んだこぼれ球を、スティ-ブン・デイビス、タディッチが次々と狙いますが、いずれもジョー・ハートが体を張ってブロックし、アウェイチームは失点を逃れます。

前線からのチェイシングがいいマン・シティは、27分に中盤でパスを奪ったナスリが、すかさず左のヨヴェティッチにラストパス。ヨヴェティッチの強烈なシュートはGKフォースターを破りますが、後ろをカバーしていたアルデルヴァイレルトがゴールライン上で冷静にクリア。こちらも先制を許しません。32分のセインツのCKは、ニアのペッレがヘッドでうまくコースを変えるものの、当たりが薄いシュートはゴール右にそれてしまい、ジョー・ハートを脅かすに至りません。40分、タディッチからマネとつながったセインツ左サイドからの攻撃も、ゴール前でマンガラがクリア。前半は0-0で終わりますが、両者とも中盤の守備がしっかりしており、よく締まった好ゲームです。中盤のせめぎ合いはマンチェスター・シティに分がありますが、どちらが先にゴールを奪ってもおかしくありません。

ハーフタイムが終わると、何とシュナイデルランがリタイア。代わって入ったのは吉田麻也です。チームの心臓であるフランス代表MFに、アクシデントがあったのでしょうか。ひとつ前にポジションを上げたアルデルヴァイレルトのミドルで幕を開けた後半は、遠めからでも狙ってくるセインツの積極性が目立ちます。しかし51分、先制したのはアウェイのマン・シティ。左サイドに流れたアグエロがペナルティエリアの外で空いていたヤヤ・トゥレに落とすと、フォンテのタックル及ばず、ヤヤ・トゥレらしいグラウンダーの強いシュートがフォースターを突破します。アグエロについていた吉田麻也は、抜かれないようついていくのみで、仕掛けを阻止する守備はできませんでした。

0-1となり、両監督が動きます。追加点を狙うペジェグリーニ監督は、ヨヴェティッチをミルナー、ナスリをランパード。追いつきたいクーマン監督は、マネを諦め前線にシェーン・ロング。試合中にCBを代えたセインツは、64分のCKがファーに流れてピンチを招くものの、ミルナーのシュートはゴールの上。0-1のまま進んだゲームの次の事件は、73分に起こりました。自陣でヤヤ・トゥレが強引なドリブルをカットされ、ルーズボールに走るシェーン・ロングとマンガラ。先に追いついたストライカーを今季新加入のCBが後ろから倒してしまい、2枚めのイエローでマンガラ、退場。ここからセインツが巻き返すと思ったのですが…。

ゲームの趨勢が決まったのは、80分。左サイドをミルナーがドリブルで進んだとき、セインツの中盤は戻りきれず、中央にいたアグエロとランパードに対して吉田麻也がひとりになっていました。吉田のタックルとフォースターの読みの裏をかき、ゴール左に完璧なシュートを決めたのはランパード。このゴールで、セインツは完全に切れてしまいました。83分、アグエロの独走はフォースターのファインプレーで止めたものの、87分にはアグエロとクリシーに対してマークはひとり。左にいたアグエロのアウトサイドのラストパスに吉田麻也のカバーは間に合わず、逆サイドでフリーのクリシーが思い切り蹴り込み、0-3。リヴァプール、トッテナムと昨季のプレミアリーグ上位に勝てなかったセインツは、コンパニが負傷退場して9人になったマン・シティからゴールを奪えず、またも敗戦。守り続けてきたプレミアリーグ2位の座を明け渡す結果となりました。

シュナイデルランの不在はこれほどまでに大きいのかと、思い知らされたゲームでした。吉田麻也には、アグエロのチェックは荷が重かったですね。アウェイチームの5回の決定機に、ことごとく無力だった背番号3には、しばらくチャンスは巡ってこないでしょう。マンチェスター・シティは、勝利と引き換えにコンパニとマンガラを失いました。水曜日の次戦は、チェルシー戦をドローに持ち込んだサンダーランド。サニャとデミチェリスのCBコンビで戦うことになりそうな昨季王者は、プレミアリーグ13戦中8戦を引き分けているしぶとい相手から勝ち点3を奪えるのでしょうか。プレミアリーグ4位以内を巡る争いは、上位チームのケガ人続出で混戦となりそうです。

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“【Saints×MAN.CITY】最後は9人!堅守セインツから3点を奪ったマン・シティ、CBを失う痛い快勝!” への3件のフィードバック

  1. シティサポ より:

    二位浮上とチェルシーとの勝ち点差を縮められて良かったです。
    次節のサンダーランドは、チェルシーを 固い守備で無失点に抑えてました。相手に引いて守られた時には ランパードやトゥーレの強烈なミドル、アグエロの個人技で打開して欲しいです。
    一方、高さのあるサンダーランドのセットプレーに フィジカルだとコンパニ マンガラに劣るであろうデミチェリス サニャで守りきれるでしょうか…
    本職のナスタシッチやボヤタよりもサニャが デミチェリスの相方になるのでしょうかね?
    コンパニが心配です。

  2. プレミアリーグ大好き! より:

    久しぶりに緊張感のある試合がプレミアで見れた気がします
    サウサンプトンは引いて守るようなことはしませんでしたね
    今日も昨季の圧倒的なシティは見れなかったと思います
    需要な選手が離脱した両チームですが優勝争いを面白くして欲しいですね

  3. makoto より:

    シティサポさん>
    ゲームへの慣れを考えてCBサニャ、ではないでしょうか。コンパニ、ローマ戦までに戻ってこられるといいですね。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    セインツは、前半のチャンスで決められていれば…でしたね。ダヴィド・シルヴァとジェコが復帰すれば、強いマンチェスター・シティの復活が観られるのではないかと思います。

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