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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Liverpool×Arsenal】課題はセットプレーの守備…ガナーズとレッズ、両者とも痛いドロー!

ロジャース監督の布陣は、このところ重用している3バックで、前線にララナ、コウチーニョ、スターリングを並べた3-4-3。アーセナルはドビュッシーCB、チャンバースがSB。アレクシス・サンチェス、ジルー、ウェルベック、カソルラの攻撃陣と、チェンバレンとフラミニのセントラルMFコンビです。プレミアリーグ17節、リヴァプールとアーセナルの一戦は、どちらも負けられないゲーム。序盤からボールを支配するのは、本拠地アンフィールドの大歓声を背負ったリヴァプールでした。

レッズの前線からのプレスがきつく、アレクシス・サンチェスが完全に抑えられているアーセナルは、まったくシュートが打てません。マルコヴィッチとヘンダーソンに加え、トップのスターリングもサイドにまわって突破を図ろうとするレッズも、アーセナルの守備を崩しきれません。12分のララナの左足とコウチーニョのミドルシュート以外に両者これといったチャンスがなく、中盤での攻防に終始したまま、あっという間に30分。リヴァプール最初の決定機は34分、マルコヴィッチが左サイドから抜け出し、シュチェスニーと1対1になるもシュートはGKが足でブロック。直後のカウンターで、チェンバレンの縦パスにカソルラが抜け出しかけますが、こちらもGKジョーンズが飛び出して大きくクリアします。

ジルーとウェルベックはリヴァプールの速いチェックにノーチャンス。左のコウチーニョとマルコヴィッチに対して、チャンバースがひとりになるシーンも多いアーセナル。守備にまわったときにマークがずれるシーンが多かったアウェイチームの前半終了間際の失点は、自陣でのビルドアップのミスを突かれたものでした。ウェルベックとジルーの意志の疎通が合わず、左サイドでボールを失うと、中央でパスを受けたコウチーニョにドビュッシーがかわされ、クロスに放った見事なシュートがサイドネットに刺さります。最悪の時間帯の失点に、ガナーズサポーターでさえ前半は1-0で終わると思ったでしょう。

しかし、アーセナルは追加タイムに追いつきました。右からのFKを中に蹴り込んだのはアレクシス・サンチェス。メルテザッカーが競ったボールをフラミニがヘッドで前に送ると、頭で押し込んだのは失点の原因となったドビュッシー。今季プレミアリーグでの初ゴールは、前半のうちにゲームをイーブンに戻す貴重な一発。1-1となった後半は、両者とも積極的に勝ち越しゴールを狙うアグレッシブな展開です。開始早々、コウチーニョ、カソルラ、ルーカスが次々とミドルシュート。61分には、カウンターからスターリングが左サイドでシュチェスニーをかわし、慌ててゴールマウスに戻るGKを見ながらラストパスを中に入れますが、ジェラードのヘッドはわずかに枠の上。次のゴールはリヴァプールかと思いきや、64分に勝ち越したのは、ワンチャンスを活かしたアーセナルでした。

左から上がったギブスのパスを前線で張っていたジルーがワンタッチで横に流すと、これに反応したカソルラがゴールライン際からグラウンダーのクロス。ニアにポジションを取っていたのは、ここまで沈黙していたジルーでした。左足のダイレクトシュートはGKジョーンズの股間を抜き、ガナーズ逆転!アンフィールドで負けるわけにはいかないリヴァプールは、必死の反撃を仕掛けるものの、単発のドリブルが多い攻撃にアーセナルの最終ラインは冷静です。

74分、右サイドのヘンダーソンからのグラウンダーを受けたルーカスのシュートはポストぎりぎりに外れます。ロジャース監督は、マルコヴィッチとコロ・トゥレを下げ、ボリーニとリッキー・リー・ランバートを投入。ヴェンゲル監督はジルーを下げてコクランという逃げ切りモードです。86分、スターリングのクロスに合わせたボリーニのヘッドは、シュチェスニーがセーブ。90分のスターリングの強烈なミドルもシュチェスニーがCKに逃れます。頭から流血したシュクルテルの治療時間を加えた、長い長い9分の追加タイム。モンレアルまで投入したアーセナルは、前線にウェルベックだけ残して、プレミアリーグの下位クラブのようなベタ引きです。

攻めを厚くするために入ったボリーニが、立て続けのイエロー2枚で退場。時間を遣うアウェイチーム。このまま終わるかと思われたゲームには、97分にドラマが待っていました。ガナーズ苦手のCK。ゴールの真ん前でシュクルテルをフリーにすれば、打点の高いヘッドが炸裂するのは当然です。レッズ、同点!終了間際に放ったカソルラの左足ミドルは、ブラッドリー・ジョーンズが弾ける範囲でした。2-2、ドロー。シュート数わずか6本のゲームをラスト2分までうまく運んでいたヴェンゲル監督にとって、この結果は痛恨でしょう。

内容的には、3-1でリヴァプールだったと思います。彼らにフィニッシュの精度があれば、勝ち点1を分け合うという結果にはならなかったでしょう。アーセナルは、やはりCBを獲らないといけませんね。19歳のチャンバースは未来ある選手なので、じっくり育てればいいのですが、プレミアリーグで優勝を狙うチームのDFとしてはまだ力不足でしょう。スタリッジ不在で決定力不足が解決しないリヴァプールともども、「1月の移籍市場で誰を獲り、誰を出すか」「主力が復帰するまでどうやって耐えるか」が喫緊のテーマです。(マテュー・ドビュッシー 写真著作者/Ronnie Macdonald)

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“【Liverpool×Arsenal】課題はセットプレーの守備…ガナーズとレッズ、両者とも痛いドロー!” への14件のフィードバック

  1. 通りすがり より:

    アーセナルのセットプレーの弱さはどうしたら治るのでしょう?
    単に空中戦が弱いとかではなく、ちゃんと決まりごとがないのではないかと思うほどです。
    あと、内容とは関係ないですが、「役不足」という言葉の使い方を間違っていると思います。おそらく「力不足」ではないでしょうか?

  2. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    このゲームはレッズの強い気持ちを感じました。前線3人に加え、マルコビッチは良い動きでした。今節も3バックでしたが、うーん、、4バックがいいかと思うんですよね。。。それにしてもシュクルテルDFなのにチームを助けてくれるゴール痺れました!

  3. ぐなきち より:

    更新お疲れさまです
    チャンバース本当に何とかしてくださいボス・・
    ただただ穴でしかなかった
    何回カモにされて突破されたか・・・
    これならまだ攻撃に貢献できるベジェリンのがましでした

    ダイナミックな攻撃も見られなかったのでラムジーが恋しかったです

  4. サッカー小僧! より:

    更新お疲れ様です。
    正直、内容の惨さを考えたら、引き分け御の字でしたが、守りに入って守りきれない
    悪い意味で、いつものアーセナルでした。

    数的優位に立っているのだから、もっとボールキープして、時間を稼ぐ、浪費する
    手段が取れなかったものか・・・、リバプールは良かったですが、それにしても、
    アーセナルにとっては、勝っていたら、こんな内容でも勝てるまで調子が戻ってきたか、
    と前向きに捉えることができますが、ロスタイムの同点で、後味の悪さだけが残りました。
    前にも書きましたが、今シーズンは、取られてはいけない時間帯の失点が多すぎです。

    冬の補強はもちろんですが、それをできたとしても、まだまだ4位さえも危ういな・・・、
    と感じざるを得ない、残念な試合結果と内容でした。

  5. makoto より:

    通りすがりさん>
    ああ、真逆でした。すみません。おっしゃるとおり、力不足です。訂正させていただきました。

    Mackiさん>
    マルコヴィッチ、よかったです。私も4バックのほうがいいと思いますが、この日のアーセナルにはサイドを崩す攻撃のバリエーションが乏しかったですね。

    ぐなきちさん>
    チャンバースは、プレミアリーグの上位や、スピードのあるサイドアタッカー相手だと厳しいですね。ドビュッシーSBのほうが、まだよかったと思います。うーん。

    サッカー小僧!さん>
    そうなんですよね。相手は10人だったんです。ジョエル・キャンベルを入れた意味が、チーム全体として共有されていなかったように思いました。

  6. kop より:

    内容的には3-1でリバプールって…
    内容より結果でしょ
    あとアーセナルは2点取ってるし何故3-1?
    意味不明

  7. 無題 より:

    内容的には、3-1でリヴァプールだったと思います

    これはアーセナルへの敬意を欠いた発言です
    よろしくない

  8. リバサポ より:

    前半、上手くギャップを作って左サイドからボールを運び、ロジャースの工夫が見えたものの。ゴール前でのシュート、パスが少し雑になってしまったのが勿体なかったかなと。精力的に動き回ったのに関わらずハーフタイムでスコアの差がないのは、精神的に疲労があったのかなと。後半もう足が止まってしまいました。

  9. こーこ より:

    敬意敬意めんどくさい
    そんな個人の考えにいちいち文句つけてる人に敬意とか述べる資格ない

  10. プレミアリーグ大好き! より:

    敬意を欠いている。という奴の敬意を欠いてるさ。。。

  11. リッキー より:

    僕はグーナーですが正直勝ち点1に相応しい内容だとは思えなかったですけど。。
    明らかにリバポの決定力不足に助けられました。
    内容より結果といいますが今期は内容の伴った勝ちが少なく、チェルシー、シティ、ユナイテッド、リバポ、スパーズに3分2敗とCL権のライバルに勝ちなし。
    上記5試合で内容では勝ってたと言える試合もなし。結果は大切ですけど今の状況だと内容が良くならないと安定して勝ち点を重ねるのは難しいかと。

  12. 通りすがり より:

    アーセナル戦の記事のコメント欄はいつも賑やかですね

  13. 通りすがり より:

    アーセナルの試合の記事のコメント欄はいつも盛り上がりますね

  14. makoto より:

    みなさま>
    内容的に3-1と書いたのは、双方セットプレーの対応のまずさを割引しつつ、シュート本数や決定機の数を勘案して、というニュアンスです。圧倒的に押していたのはリヴァプールで、それでもアーセナルは少ないチャンスを活かしてうまいこと勝利寸前にまで持っていった、と伝えているだけで、どちらかをくさすような「敬意を欠く」ことは書いていないつもりです。それぞれ、善し悪しあったゲームでした。

    本文ではプレイを描写するにとどまり、明確には書かなかったものの、シュチェスニーは素晴らしかったですね。今までの経緯もあって、私も「リヴァプールの決定力のなさ」とついつい言ってしまいますが、アーセナルのエースGKの貢献は大きかったと思います。

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