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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

どうした2強⁉ 辛勝チェルシー&敗戦寸前マン・シティ、それぞれの苦戦の理由

プレミアリーグ24節は、10試合中6試合がドロー。勝負がついた4試合はすべて1点差で、3点以上獲ったチームはゼロという渋い週末でした。白熱のダービー2試合の合間で、チェルシーとマンチェスター・シティが大苦戦。このところ6試合ノーゴールで、前節のプレミアリーグではアーセナルに5-0と惨敗したアストン・ヴィラと戦ったチェルシーは、先制しながら後半開始早々、プレミアリーグで最少得点の貧攻チームに11時間ぶりのゴールをプレゼント。66分のイヴァノヴィッチの見事な決勝ミドルも、同点のヘッドを決めたDFオコレがこぼれ球の処理にもたついたためにシュートまで辿りついた、幸運な一撃でした。

それでも、アウェイで何とか勝ったプレミアリーグ首位クラブに対して、マンチェスター・シティは本拠地エティハドで負けに等しいドロー。対戦相手のハル・シティは降格ゾーンの18位、ここ3試合はすべてクリーンシートの3連敗です。15分に、ブレイディのクロスをアルムハマディにきれいに頭で合わせられたシーンはクロスバーに助けられましたが、35分の失点は、デミチェリスのクリア、フェルナンジーニョのチェック、サバレタのタックルとすべてが空回り。GKジョー・ハートが弾いた後、シュートがポストを叩き、こぼれ球にも反応できずにマイラーに軽々と決められてしまいました。

追加タイムにミルナーが決めた美しいFKで何とか追いつきましたが、ハル・シティGKマクレガーが壁の作り方を間違えなければ、壁の外を巻いてポストの内側に入ってくるシュートは打てなかったでしょう。1-1となり敗戦は免れたものの、シュート18本、ポゼッション74%という一方的な展開は、勝たなくてはいけないゲームだったと思います。

年末年始はサウサンプトンとトッテナムから勝ち点1しか挙げられず、マンチェスター・シティともどもFAカップ4回戦であっさり敗れたチェルシー。モウリーニョ監督のチームが年明け以降に苦戦する試合が増えたのは、全体的な疲労にあるように思います。アストン・ヴィラ戦のアザールの先制ゴールは、ウィリアンとの連携がお見事。さすがチェルシーという一発でしたが、1-0となった後はいつもの運動量がなく、明らかにトーンダウン。ジエゴ・コスタとセスクの不在以上に、テンションの低さが気になりました。失点シーンも、ファーサイドの選手を完全に見失うなど、チェルシーらしからぬ集中力のなさ。全体的に悪いわけではなく、時間帯によって極端に停滞したり集中力を失ったりするところが、疲労を疑う所以です。メンバー固定で戦ってきたツケを払うべき時期が来ているのでしょうか。

こういうときに、クアドラード、アケなどの若手と新戦力や、ロイク・レミー、ドログバ、ラミレスなどサブの選手が、レギュラーを脅かすようなプレイを見せてくれるといいのですが…。チャンピオンズリーグのパリ・サンジェルマンをはじめ、エヴァートン、ウェストハムなど曲者との対戦が続くチェルシーは、大崩れこそないと思われるものの、春を迎えるまでにさらにいくつか勝ち点を落とすかもしれません。

一方のマンチェスター・シティは、プレミアリーグとFAカップを合わせると9試合連続で失点を喫しており、そのうち4試合で2失点。彼らの課題は、主力のコンディションが上がらないこと。とりわけアグエロとコンパニでしょう。12月6日のエヴァートン戦で負傷するまで絶好調だったアグエロは、復帰してからの5試合でノーゴール。動きはさほど悪くないのですが、シュートが枠を外れたりバーに当たってしまうシーンが多く、秋までの勝負強さが影を潜めています。とはいえ、こちらは試合を重ねるうちに調子を上げてきており、ヤヤ・トゥレの帰国とボニーの合流で、攻撃力はさらに強化されるはずです。より深刻なのは、コンパニのスランプのほうでしょう。ベルギー代表のワールドクラスは、ミドルスブラ戦では強いはずの1対1で何度も簡単に抜かれ、チェルシー戦ではオウンゴールを怖れて足を引っ込め、無力なままにロイク・レミーに先制点を許しています。

コンパニも復帰してから1ヵ月経っていないので、今後コンディションが上がってくればいいのですが、思い切りのいい動きを見せているアグエロに比べて、プレイと表情に自信のなさが見てとれるところが気になります。ハル・シティ戦の失点シーンでも、誰をマークするのか、どこでボールに行くのかが曖昧で、ただ右往左往しているように見えたキャプテンは、フィジカルだけでなくメンタルのコンディションも回復させないといけないのかもしれません。もしそうなら、アグエロよりも時間がかかることも考えられます。

12月までマッチレースを続けていた2強はじりじりと差がつき、現在のマンチェスター・シティは第2集団に飲み込まれかけています。「1強+上位5チーム」状態のなかで停滞が続けば、好調セインツや、上り調子のアーセナル、トッテナムに食われる可能性すら出てきます。ペジェグリーニ監督は、どうチームを立て直すのか。圧倒的な攻撃力で守備のマイナスを埋めてしまうというチョイスもなきにしもあらず、ですが…。

プレミアリーグにおいては、「チェルシーとマン・シティが多少取りこぼしてくれたほうがおもしろくなる」という気持ちもあるのですが、チャンピオンズリーグは、両者ともベストの状態で戦ってほしいですね。「プレミアリーグ勢は、2年連続でベスト8に1チームのみ」などという寂しい結果にならないように。

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“どうした2強⁉ 辛勝チェルシー&敗戦寸前マン・シティ、それぞれの苦戦の理由” への4件のフィードバック

  1. いちマンCサポ より:

    シティはカウンターでやられる試合が多いので、ペジェグリーニもポゼッションスタイル一辺倒を少しは変えてみたらいいのに、と思います。
    あと気になるのはフェルナンジーニョ、フェルナンドの動きが少し悪いですね。

  2. makoto より:

    いちマンCサポさん>
    そうですね。特にフェルナンジーニョが気になりました。

  3. モウ より:

    内容は良くないけど、なんとか勝てた試合でした!
    イバノビッチはやばいですね(笑)
    あの逆足のボレーは、ほんとにDFなのかって思わせるゴールでした!!

    ドログバは精彩を欠いてましたね(^^;;
    あとラミレスがボランチだと攻撃が単調になってるイメージです。
    アケを一回使ってみて欲しいです。
    クルトワも最近ハイボール処理が…

    ビラの右サイドの選手上手いですね!
    オスカルが2回ほど完璧に抜かれてました(^_^;)

    クアドラード来る前はいろいろ言ってましたが、けっこう好きな選手かもしれません(o^^o)笑

  4. makoto より:

    モウさん>
    ラミレス、確かに。セスクと比べてしまうとなおさら、単調さが気になりますね。私もアケが観たいです。いい選手ですよね。

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