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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Swansea×MAN.UTD】堅守を崩せずダブルを喰らったマン・ユナイテッド、ついに5位転落寸前!

思い起こせば、開幕戦のオールド・トラフォードでスウォンジーに1-2で敗れたのが、今季がプレミアリーグデビューだったファン・ハール監督の苦難の道の始まりでした。初戦から負傷者だらけだったマンチェスター・ユナイテッドにはファン・ペルシやルーク・ショーがおらず、ロホやディ・マリア、ダレイ・ブリントはまだ他クラブの選手でした。昨日のマンチェスター・ユナイテッドには、開幕戦にいなかった代表クラスのメンバーが5人加わり、一方のスウォンジーは、勝利を挙げたゲームで前線に張っていたウィルフリード・ボニーが移籍。リバティ・スタジアムでのゲームとはいえ、ルーニー、ファン・ペルシ、フェライニ、デ・ヘアまで揃ったプレミアリーグ3位が負けることはないと思ったのですが…。「現状では、プレミアリーグ最強のチーム」と自画自賛していたファン・ハール監督は、中堅クラブにダブルを許し、あっさりアーセナルに3位の座を奪われてしまいました。

開始早々、バフェティンビ・ゴメスにヘディングシュートを許し、ゴールラインテクノロジーでエレーラのクリアをチェックしなくてはならないピンチをしのいだものの、10分のCKでもマークを外したゴミスがヘッド。このところのプレミアリーグの例にもれず、「前半からきし」が恒例となったマンチェスター・ユナイテッドはパス回しに正確さを欠き、いきなりスワンズに押されます。15分、右からのディ・マリアのFKのこぼれ球をファン・ペルシがバーに当てると、17分にはスウォンジーが反撃。左からのグラウンダーを受けてフリーになったルートリッジの強烈なシュートは、デ・ヘアが正面でキャッチして事なきをえます。マークがずれるシーンが目立ったマンチェスター・ユナイテッドは、先に点を獲られるのではないかと不安でしたが、27分のルーク・ショーのクロスをきっかけに先制します。ルーニーが後ろに落とし、ディ・マリアが右に展開すると、フリーで待ち構えていたのはアンデル・エレーラ。右足で放った地を這うようなシュートが左のサイドネットを捉え、GKファビアンスキはまったく反応できませんでした。

このゴールで波に乗るかと思われたアウェイチームは、しかし3分後に追いつかれてしまいます。左サイドに出たシェルヴィのクロスに反応したのはMFキ・ソンヨン。ゴール前に走り込んで軽くタッチしたシュートがGKデ・ヘアの左手の先を抜け、あっという間に1-1の同点です。前半、ボールを支配していたのはマンチェスター・ユナイテッドでしたが、チャンスの数は互角。ファン・ハール監督は、ハーフタイムに右SBのマクネアをバレンシアに代え、積極的に勝ち越し点を狙いにいきます。

後半のマンチェスター・ユナイテッドは、決して悪くはありませんでした。ファルカオと組むとボールに絡む回数が極端に少なくなるファン・ペルシは、積極的にもらいにいくルーニーというパートナーを得て、明らかにやりやすそうです。58分、ファン・ハール監督はルーク・ショーをアシュリー・ヤングにチェンジ。守備のリスクをとってでもサイドからの圧力を強めようという戦術をとった以上、先にゴールを奪わなければなりません。アシュリー・ヤングは59分にルーニーにクロスを通すと、ルーニーの落としを受けたファン・ペルシが角度のないところからニアにシュート。マン・ユナイテッドのここぞというシーンでのシュートは、なかなか枠を捉えられません。この日のスワンズは、カイル・ノートンを中心とした最終ラインが集中しており、アウェイチームにシュートコースを与えませんでした。

圧倒的に攻めてはいながらも、バレンシアとアシュリー・ヤングが揃ってからはサイド攻撃が単調になってしまったマンチェスター・ユナイテッドは、73分に自陣のミドルレンジを空けてしまいます。エレーラ、ブリント、フェライニが全員左サイドに寄ってしまったところを、右から侵入したのはジョンジョ・シェルヴィ。ロホがコースに入ろうとしたにときにはすでに遅く、シェルヴィの強いミドルシュートは前線のゴミスに当たって角度が変わり、さすがのデ・ヘアも触れません。スワンズ、勝ち越し!ただでさえ堅かった守備は、リードを奪うとまったく隙を見せず、2-1のままスコアは動きませんでした。

この試合は、何よりもまず、スウォンジーの守備の素晴らしさを称えるべきでしょう。動きは悪くなかったルーニーは、ファン・ペルシと近い位置をとってチャンスメイクに徹し、フェライニもターゲットとしての機能を果たしていたものの、ホームチームは失点シーン以外でポジションを間違えてくれませんでした。悔やまれるのは、先制点に絡んだルーク・ショーを下げてしまったこと。ただサイドに張って右足クロスを入れようとするだけのアシュリー・ヤングよりは、周囲と連携しながらさまざまな形で揺さぶりをかけようとするショーのほうが、スウォンジーを悩ませることができたのではないかと思います。

それにしても、痛い。今日のゲームでセインツがリヴァプールに勝てば、マンチェスター・ユナイテッドはプレミアリーグ5位に陥落。リヴァプールが勝って2差に迫ってくるのも脅威です。3月から4月にかけて、トッテナム、リヴァプール、マンチェスター・シティ、チェルシーと、5戦中4戦が上位対決となる厳しい時期が待っているマン・ユナイテッドとしては、ここでつまずいている場合ではなかったのですが…。今のうちにルーニーとファン・ペルシの同時起用を重ね、3月にはいま一度、息の合ったコンビとして強豪クラブと戦えるようにしていただきたいものです。今日は、完敗でした。しかし、やろうとしているサッカーとメンバーは、悪くなかったと思います。(ジョンジョ・シェルヴィ 写真著作者/Olly Groome/Harry Murphy)

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“【Swansea×MAN.UTD】堅守を崩せずダブルを喰らったマン・ユナイテッド、ついに5位転落寸前!” への2件のフィードバック

  1. Uボマー より:

    ここのところ個の力に頼ったフットボールで勝ってきていたので、いずれ破たんするだろうとは思っていました。でもスウォンジーに負けるとは…。ファンペルシも怪我したようですし、本当に泣きっ面に蜂。次節はファルカオ、ルーニーでいくんでしょうか。

  2. makoto より:

    Uボマーさん>
    ルーニー&ジェームズ・ウィルソンか、ルーニー&フェライニがいいと思うのですが、どうするのでしょうね。

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