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【Liverpool×MAN.CITY】美しく赤きミドル!リヴァプール、完璧な2発で昨季王者に完勝!

「ヨーロッパリーグを捨てた」とまではいいませんが、この日のプレミアリーグ、マンチェスター・シティ戦を最善の状態で迎えることを考え、ロジャース監督はヘンダーソンやコウチーニョのトルコ遠征帯同を諦めたはずです。負けられない戦いの舞台はアンフィールド。両者、考えうる限りのベストメンバー。前線にコウチーニョ、スターリング、ララナを並べたリヴァプールのベンチには、スタリッジとバロテッリが控えています。マンチェスター・シティの両SBはサバレタとコラロフ。ペジェグリーニ監督は、積極的にゴールを奪って勝とうとしています。

プレミアリーグ上位対決らしく、両者とも慎重な立ち上がりを見せるかと思いきや、始まって間もなくゲームはヒートアップします。9分にチャンスを創ったのは、ヨーロッパリーグにいてほしかった男、コウチーニョ。左サイドから突破を図り、ニアに走り込んだララナに絶妙なラストパスを入れると、ワントラップしたララナの左足ボレーがゴールネットに突き刺さりますが、判定はオフサイド。最初のチャンスを活かせなかったホームチームは、その2分後に素晴らしいゴールで先制します。レッズらしい少人数の速い攻撃。コウチーニョからのパスを受けたスターリングが左から上がったヘンダーソンに預けると、右足でカーブをかけたミドルシュートがGKジョー・ハートの左手の先を抜けてゴール右上に吸い込まれます。

リヴァプール、1-0。反撃に出たマン・シティは、13分に縦パス1本でエムレ・ジャンを振り切ったアグエロが左足で狙うも、ポストに嫌われ同点ならず。激しい攻め合いが動いたのは25分でした。ペナルティエリア外でアグエロがボールを受けたとき、最前線にいたジェコをシュクルテルとデヤン・ロブレンが空けてしまいます。フリーでGKミニョレと向き合ったジェコは外しません。右足の脇を確実に通したシュートが決まり、1-1の同点です。

ポゼッションはアウェイチームですが、直線的に攻めるリヴァプールのほうにゴールの匂いが漂います。この日は、ララナがキレキレでした。35分、マルコヴィッチが最終ラインの裏に出した浮き球に反応したララナは、フリーでスライディングシュートをゴール左隅に放ちますが、ポジションがよかったジョー・ハートが気になったのか、ボールはポストの外に転がっていきます。前半は1-1。シュート数はレッズ6本、マン・シティ7本とほぼ互角。試合内容も「両者譲らず」と表現していいでしょう。

後半は、スタート直後からマンチェスター・シティが攻勢。サバレタのクロスをアグエロがヘッドで合わせるも、ボールはわずかにバーを越えます。58分には、リヴァプールにビッグチャンス。右サイドでパス交換したマルコヴィッチからボールをもらったララナのクロスに、中央で先に追いついたのはスターリング。勝ち越しと思われたシュートは、サバレタのぎりぎりのチェックで枠に入りません。直後のFKで、シュクルテルがヘッドで落としたボールをララナがプッシュしてネットを揺らしたものの、無情にもオフサイド判定でこの日2回めのゴール取り消しです。

ペジェグリーニ監督は早い時間に動きました。58分、ジェコに代えてミルナー。リヴァプールの速攻が気になり、中盤を厚くしたかったのでしょうか。残り20分を切っても、相手より2日少ない中2日でプレミアリーグを戦うリヴァプールの運動量は落ちません。73分、こちらもヨーロッパリーグをパスしたマルコヴィッチがコラロフとのマッチアップを制し、縦に抜けてニアにクロスを入れると、ララナのオーバーヘッドは当たらず。攻め続けるリヴァプールがついに勝ち越したのは、74分でした。スターリングのパスをペナルティエリア左のコーナーで受けたのは、ここからのシュートを得意とするコウチーニョでした。1本、中に持って思い切りよく放った一撃は、ジョー・ハートがどうにもできないゴール右上!殊勲者の上に次々と折り重なるレッズの選手たちに、アンフィールドの盛り上がりは最高潮です。

ホームチームはマルコヴィッチをスタリッジ。アウェイチームはフェルナンジーニョが下がり、一発があるウィルフリード・ボニー登場。78分、右からデヤン・ロブレンをかわしてクロスに狙ったアグエロの一撃はゴールを横切り、87分にヤヤ・トゥレをつついてボールを奪ったヘンダーソンのパスに、コンパニを抜き去ったスタリッジの左足もポストの右に切れていきます。89分、ヤヤ・トゥレが右から突進。DFを引きずるようにペナルティエリアに侵入し、最後はダヴィド・シルヴァに落としますが、スペイン人司令塔のシュートは枠にいきません。ペジェグリーニ監督3枚めのカード、ランパードは何もできず、初めての兄弟対決となったコロ・トゥレは最終ラインを落ち着かせます。追加タイム2分過ぎ、ダヴィド・シルヴァとのワンツーから左足を振り抜いたアグエロのシュートが弱々しく左に外れると、間もなくタイムアップ。マンチェスター・シティの枠内シュートを1本に抑えたリヴァプールが完勝です。

この日のレッズなら、「プレミアリーグ最強」を名乗られても拍手しながらうなずくしかありません。ヘンダーソン、コウチーニョ、マルコヴィッチ。このうちのひとりでもトルコにいればとヨーロッパリーグ敗退がとにかく残念ですが、彼らが残ったからこその勝利だと言い聞かせることにしましょう。ロジャース監督は欲張らず、狙った果実をしっかりと手にしました。ペジェグリーニ監督も、この結果には納得ではないでしょうか。いやー、エキサイティングないい試合でした。マンチェスター・ユナイテッドは、このチームに勝てないと来季のチャンピオンズリーグにいけないと思うと、今から気が重くなります。

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“【Liverpool×MAN.CITY】美しく赤きミドル!リヴァプール、完璧な2発で昨季王者に完勝!” への3件のフィードバック

  1. リバサポ より:

    まぁ。ELはそんなに優先度高くないんでしょう。きっと。そもそも主力でなくても抜けられないのならば、まだヨーロッパは早いですね。
    今日の試合はララナよかったですね。彼がいるとコウチやスターリングやマルコヴィッチが助かります。それと、コウチとヘンドは定期的にそのシュート決めてくれ!と思いました。

  2. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    疲れるゲームでしたが、見事なゲームでした。ELの敗戦を引きずるどころか、90分間チーム全体のハードワーク素晴らしかったです。時折見せるミニョレの悪い面にはドキドキされましたが、シティ相手に見事な完勝でした。厳しいリーグ日程を最高の形で乗り切りました。

  3. makoto より:

    リバサポさん>
    ララナ、最高でした。試合としても、今季のベストマッチを争うようないい試合でした。

    Mackiさん>
    運動量落ちなかったですね。あのサッカーをやられたら、プレミアリーグ上位といえども勝てるイメージはありません。

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