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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【QPR×Arsenal】復活アレクシス・サンチェス!カウンターと個人技が冴え、アーセナル完勝!

先週のプレミアリーグ27節、エミレーツでエヴァートンに快勝したアーセナルは、エジル、カソルラ、アレクシス・サンチェス、ジルー、ロシツキが揃ったベストメンバーで臨んだにもかかわらず、プレミアリーグ18位と降格ゾーンにいるQPRに予想外の苦戦を強いられました。やっかいだったのは、前線で起点となり、しつこいチェイシングを繰り返していたボビー・ザモラと、今季プレミアリーグでアレクシス・サンチェスの上をいく14ゴールを決めているチャーリー・オースティン。ボールをつなごうとするアーセナルに対して、シンプルに縦に出してくるQPRは、前半のボールポゼッションが4:6とは思えない互角の勝負を展開しました。

12分、最前線でDFに体をぶつけたザモラが落としたボールをオースティンがミドル。25分にも、メルテザッカーとコンビを組むガブリエウ・パウリスタを肩で倒したザモラがコースを作り、チャーリー・オースティンが強烈なシュートを放ちます。前半が、シュート数6対7というどちらに転ぶかわからないゲームになったのは、アーセナルが悪かったのではなく、相手の嫌がることをやろうとするQPRの集中力と徹底度が高かったということでしょう。34分、左サイドから右足で巻いてきたフィリップスのクロスは、手前で相手が触ればコースが変わり、触らなければサイドネットに入ってくるGK泣かせのボール。ぎりぎりまで相手とCBの動きを確認し、左手で弾いたオスピナは冷静でした。

37分には、ホームチームにとって前半でいちばんの決定的なチャンス。コクランをかわして右足で狙ったチャーリー・オースティンの強烈なシュートは、オスピナが届かないコースに飛びますが、わずかにポストの左。アーセナルの決定機は44分。カソルラが裏に抜けようとしたギブスにふわりとした浮き球を通して折り返しを受けると、ジルーとのワンツーからきれいな右足ボレー。このシュートが好調のGKグリーンに阻まれると前半終了、0-0。36分に左足を痛めてコシールニーと代わったガブリエウ・パウリスタは軽傷でしょうか。

後半開始直後、右サイドを単独で崩したロシツキがゴール前に走り込んだエジルに合わせますが、DFのプレッシャーを受けたエジルは足に当てながら枠に押し込めません。シンプルなサッカーで早く前線にボールを出そうとするQPRのサッカーは変わりませんが、アーセナルは相手のやり方に慣れ、前半よりも余裕を持って対応しています。足りないのは、シュートにつながる勝負のパスの精度だけ。62分のCKに合わせたロシツキのボレーはグリーンがキャッチ。ボールの流れがよくなり始めていたアーセナルは64分、ついに先制します。

自陣でボールを奪ったカソルラが中央のエジルにつなぐと、エジルは両サイドを確認して左を走るアレクシス・サンチェスへ。アレクシス・サンチェスはドリブルでギブスの上がりを待って左SBを縦に走らせ、ギブスのクロスがDFに当たったところに入ってきたのはジルー!左足の泥臭いシュートがネットに刺さり、地力に勝るプレミアリーグ3位がリードを奪います。

67分のアレクシス・サンチェスは素晴らしいのひとことでした。相手のビルドアップを3人まで追い続け、ジルーと囲んで奪うとGKと1対1。最後はパスを出そうとしたところを左手で止められ、追加点はなりませんでしたが、この2分後、止まらないアレクシスが感動的な2点めを決めます。左サイドでギブスからのパスを受けた背番号17は、ゴールライン際まで持ち込むと、2人のDFの間を通すピンポイントのシュート。これがGKとポストのわずかなすき間を抜け、ゴールに飛び込みます。奮闘していたGKグリーンも、お手上げ。0-2となれば、プレミアリーグ残留をめざすQPRは捨て身で攻めにいくしかありません。

74分、ベジェリンのクロスをロシツキがボレー。DFにあたったこぼれ球をエジルが右足でクロスに狙うと、ボールは惜しくもポストに当たって跳ね返ります。アーセナルの快勝と思われたゲームで意地を見せたのは、エースのチャーリー・オースティンでした。82分、左からのクロスをザモラがスルーすると、中央でコシールニーをかわしたオースティンが右足一閃。ボールはオスピナの左手の先を抜け、観戦していたイングランド代表のロイ・ホジソン監督に非凡なシュートセンスを見せつけました。1-2となり、QPRは必死で同点をめざしますが、ハイクロスとミドルしかない「シンプル」という長所は、ビハインドを背負うと単調という弱点に変わります。結局このままスコアは動かず。アーセナルが順当に勝ち点3を積み上げました。

この試合は、何といってもアレクシス・サンチェス。ギブスとのコンビはバッチリで、特に後半はゴールシーンだけでなく、センスあふれるシュートを連発。いいときの彼を完全に取り戻していました。前線で相手の隙を探してフィニッシュを狙うジルーの動きもよく、ポゼッションが高いときより、むしろ鋭いカウンターが脅威です。GKにパスしてもらったボールを決めてやっと勝てたマンチェスター・ユナイテッドは、このチーム相手にどう戦うのでしょうか。来週月曜日のFAカップ準々決勝が今から不安です。

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“【QPR×Arsenal】復活アレクシス・サンチェス!カウンターと個人技が冴え、アーセナル完勝!” への3件のフィードバック

  1. 新参 より:

    カソルラ、ロシツキの2人は攻守のバランスの取り方が絶妙なんで、コクランはやりやすそうでした。ラムジー、ウィルシャーはこの2人のベテランから多くを学びとって欲しいものです。あと、チーム全体の意識と個々の役割がはっきりしてきているのが安定した成績を残せている要因になっていると思います。

  2. サッカー小僧! より:

    更新お疲れ様です。

    上位陣が全部勝ったので、アーセナルも無事勝ち点3を獲得できてよかったです。
    今は我慢比べ状態なので、内容より結果、とにかく取りこぼさないことが大事でしょう。
    リバプールとスパーズが好調なので、おそらくどこのチームも嫌な相手と感じている
    でしょうが、自分は、内容はいまいちなのに、なぜか勝ち点3獲得しているマンUが
    非常にやな感じですね…、まぁそれを言えば、アーセナルも微妙ですが…(苦笑)。

    せっかく試合に起用され始めてきたガブリエウが負傷したのは残念ですが、ハムストリング
    みたいなので、無理せず直してほしいです。
    この試合は、久しぶりにサンチェスらしいゴールが見られたのが収穫ですね、ここんところ
    ゴールから遠ざかっていたので、これで再び量産体制に入ってくれることを願いますね。
    じゃないと、ジルー以外、得点を挙げられる選手がいないアーセナルは、ここから苦しくなる
    と思いますので…、負傷したコクランが問題なさそうだったのは、よかったです。

  3. makoto より:

    新参さん>
    ロシツキの存在は大きいですね。毎年のように終盤のガナーズを支えてくれてます。

    サッカー小僧!さん>
    いやー、今のアーセナル、チェルシー、リヴァプールにマンチェスター・ユナイテッドが勝てるイメージはないですね…。とはいえ、どこかを叩かないとプレミアリーグ4位はないのですが。

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