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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Liverpool×MAN.UTD】マタの2発、ジェラードの退場…リヴァプールの無敗がついにストップ!

いやー、いいですね!何がいいって、まずはアンフィールドの雰囲気。これぞプレミアリーグといいたくなる素晴らしい雰囲気です。そしてもうひとつは、両者がほぼベストメンバーであること。残念なのは、ファン・ペルシの不在とディ・マリアのベンチスタートぐらい。代わりにピッチにいるのはマタ、フェライニ、エレーラで、現在はこれがベストです。マンチェスター・ユナイテッドが勝てばチャンピオンズリーグ出場権確保に近づき、リヴァプールが勝てば4位と5位がひっくり返る極上のシックスポインター。試合開始からのきびきびした試合展開、スピーディーな攻め合いもまた、プレミアリーグならではです。

リヴァプールのプレスの位置が高く、マンチェスター・ユナイテッドはビルドアップに苦心しますが、いつもよりパススピードが速い組み立てには期待感が高まります。いくつかのセットプレーでチャンスを築いていたマンチェスター・ユナイテッドは13分、見事な攻撃で先制しました。フェライニから真ん中でパスを受けたエレーラがフリーで前を向くと、右サイドから斜めに走り込んだマタに完璧なスルーパス。クロスに放ったマタの右足がミニョレを破り、アウェイチームに歓喜の輪が生まれます。追いかけるレッズは、寄せの速いマンチェスター・ユナイテッドの守備に手を焼き、ヘンダーソンからパスをもらったスタリッジのシュートは左に逸れていきます。

20分、フィル・ジョーンズとララナが接触し、ララナが頭を押さえています。負傷者と退場者は出ないでほしい。どうやら大丈夫のようです。ボールを支配する時間が長いのは、依然としてマン・ユナイテッド。26分には、スタリッジの飛び出しを制したデ・ヘアのキックから左を崩し、ブリント、エレーラと立て続けにクロスを入れるものの、いずれも中に通りません。反撃に出るレッズは、スターリングはブリントとアシュリー・ヤングに抑えられています。ファン・ハール監督のチームらしい選手の距離感のよさ、抜群のバランス。30分を過ぎても、リヴァプールはノーチャンスです。

しかし35分、レッズが初めて決定機をつかみます。右サイドでのインターセプト、ヘンダーソンからの大きなサイドチェンジ。左にいたスタリッジがノーマークでゴールに迫ります。エースストライカーは打つと見せかけ、中央に走り込んできたララナに柔らかいラストパス。タイミングのいいボレーに守護神デ・ヘアは棒立ちでしたが、ボールはわずかに左ポストの外。これを最後に、前半終了までマンチェスター・ユナイテッドの守備陣に穴が空くシーンはありませんでした。あっという間の45分。スコアはアウェイチームリードですが、形勢は互角といっていいでしょう。

後半頭から、クラブの顔がピッチに登場です。ララナに代わってスティーブン・ジェラード。しかし開始わずか33秒、アンフィールドのサポーターは信じられないシーンを目撃することになりました。エレーラへのタックルの直後、くるぶしを踏んでしまったジェラード、一発レッド!アンフィールドに、レフェリーに向けられた大ブーイングがこだまします。ひとり少なくなっても、リヴァプールは必死の攻撃を展開。53分、スターリングのクロスはスタリッジの頭上。直後のコウチーニョ得意のミドルも、惜しくのバーの上を越えていきます。55分、ファン・ハール監督は、足を痛めたアシュリー・ヤングを下げていよいよディ・マリア。スローインを焦った背番号7が、ボールはピッチに残っているとハンドを取られると、熱さを増したアンフィールドのサポーターは容赦なくブーイングを浴びせます。

途中出場だったディ・マリアは、59分に大きな仕事をやってのけました。マタのパスを受け、浮き球のパスを最終ラインの背後に通すと、うまく入り込んだマタはバイシクルで左足一閃!GKミニョレの指先を越え、左隅に飛び込むスーパーゴールが決まり0-2。リヴァプール、ピンチです。65分、ロジャース監督はアルベルト・モレノをバロテッリという勝負に出ます。

69分、これが怖かった。自陣でのボールロスト、ショートカウンター。コウチーニョのラストパスは右にまわったスタリッジへ。フィル・ジョーンズを振りほどいたスタリッジは、こういうチャンスを外しません。右足の強烈なシュートにデ・ヘアも及ばず。10人というビハインドを感じさせないリヴァプール。1点差なら、まだまだどうなるかわかりません。

ゲームはいよいよ最終盤。79分、バロテッリとスモーリングが競り合ってピッチ外にもつれ込み、一触即発。サポーターが羽交い絞めにして、既に1枚もらっているバロテッリを制止します。攻勢は1点を追うリヴァプール。ファン・ハール監督最後のカードは、エレーラに代えてファルカオ。前線のチェイシングを強化しつつ、1枚下げたルーニーのキープ力でマイボールの時間を増やすという作戦でしょう。傷心のファルカオに、プレミアリーグ5点めは生まれるのでしょうか。マンチェスター・ユナイテッドの最終ラインは下がり過ぎです。これでは、一発のアクシデントが即、同点ゴールにつながってしまいます。

最後はポゼッションを優先したマンチェスター・ユナイテッドでしたが、92分、ディ・マリアのスルーパスに左から抜け出したブリントがエムレ・ジャンに倒されPK。試合を決めるかと思われたルーニーがミニョレに止められるものの、もう時間はありませんでした。アウェイのマンチェスター・ユナイテッドが貴重な勝ち点3をゲット。ライバルとの差を5ポイントに広げ、プレミアリーグ4位をキープしました。

12月にマンチェスター・ユナイテッドに敗れた直後から始まった、3ヵ月にわたるリヴァプールのプレミアリーグ無敗の旅は、マンチェスター・ユナイテッドに敗れて幕を閉じることになりました。ジェラードの退場後もテンションを緩めず、数的不利を感じさせない攻撃を見せ、最後まで戦い抜いた10人には拍手を送りたいと思います。一方のマンチェスター・ユナイテッドは、今日はとにかく難しいシュートを2発決めたマタでしょう。最後は「アウェイの弱気」が顔を出し、ゴール前に引きっぱなしになる危険な時間帯もあったものの、全体のバランスは悪くなく、キャリックのコントロールは抜群。左サイドのディ・マリアとブリントは効いていたと思います。

勝てたのは非常にうれしいのですが、前半の展開がスリリングで最高だっただけに、後半開始直後の事件が残念でした。リヴァプールは次節アーセナル。マンチェスター・ユナイテッドは次々節、マンチェスターダービーで、その翌週がチェルシー。チャンピオンズリーグ出場権の行方は、まだまだわかりません。

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“【Liverpool×MAN.UTD】マタの2発、ジェラードの退場…リヴァプールの無敗がついにストップ!” への8件のフィードバック

  1. こーこ より:

    前半のキャリック放置とかフェライニ対策無しとかどうでもよくなりました
    ジェラードはもう公式戦には出てほしくない、そう思わせるくらいの愚行でした
    ダービーは熱くなるものですが相手を踏みつけるジェラード、シュクルテルや後ろから足を蹴り飛ばすバロテッリにはがっかりです
    ユナイテッドの選手がけがをしなくて良かったです
    激しいタックルならばまだいいのですが相手を踏みつけるという行為は傷つける以外に何の目的があるのかわかりません
    熱くなる試合で周りを抑えるべきはずの人が子供のように振る舞い、今季だけでなく来季にも影響するであろうこの試合で愚行を犯すというのはただただ怒りを覚えます
    この人の最後の花道を、という思いを一つのモチベーションとしてこれまでやってきた他の選手の頑張りに泥を塗りました
    当分は許せそうにありません

  2. a より:

    去年のチェルシー戦に続き、ジェラードがやらかしましたね。
    ユナイテッドサポとしてはありがたいのですが、ジェラードのすごかった時期を知らないので、なぜジェラードがあんなに支持されているのかがよくわかりません。
    「リバプールが降格してもリバプールでプレーする」と言ったことがあるのは知っていますが、まさかクラブ愛だけじゃないですよね。そう考えると、昔のジェラードを知らないのはもったいないなぁと感じます。
    ランパードもいなくなりますし、去年からスコージーもいません。本当に一時代が終わったのですね。。。

  3. makoto より:

    初めてコメントさせていただきます。
    レッズファンです。腸煮えくり返ってます。
    ユナイテッドに負けたこともそうですが、何よりジェラードの愚劣な行為に対して怒りを禁じえません。この重要なゲームで頭に血が登ってラフプレーで退場って、十代の選手ならまだしも、大ベテランの、しかもキャプテンがやることですか。黄紙赤紙コレクターだった背番号17の頃を思い出しました(懐かしむ気持ちにもなれませんが)。人は年をとると子どもに戻るとは聞きますが、フットボーラーも老境に足を踏み入れるとそうなるのでしょうか。一方、ジェラードとは対照的なヘンダーソンの終始一貫した献身的な姿勢には感動すら覚えました。過去においてはともかく、そして未来については定かではありませんが、今日を含めたここ数ヶ月のパフォーマンスを見るに、いま現在のレッズのキャプテンにふさわしいのはジェラードではなくヘンダーソンだと確信しました。
    ユナイテッドサポの方のブログなのに、長々とレッズのことばかり書いてすみません。ユナイテッドは素晴らしかったですね。レッズにやってほしたかったことを全部やられた感じです。

    —–
    レッズファンにとってジェラードの行為はこの試合の一番のハイライトになってしまいましたね
    サッカーファンとしてマタのゴールは素晴らしく、今シーズンを代表するプレイだと思うのですが、後に振り返ったときあの踏みつけ行為が一番印象に残ってしまいました
    今シーズン、そしてclを賭けた来シーズンを左右する試合で愚行を犯した彼をもう出すな、単純にあの踏みつけは危険で信じられない、という意見も解りますが、04/05のイスタンブールやオリンピアコス戦を覚えてるジェラードファンとしては、これが彼のリバプールでの最後の試合にならないことを祈ります

    —–
    こーこさん aさん 魚虎さん ポポさん>
    後半の展開次第では、今季のプレミアリーグにおけるベストマッチになるのではないか!?というぐらいのハイテンションで観ていただけに、ジェラードの行為は残念でした。入ったばかりで、カッとなる理由も背景も何もなかったんですけどね…。

    長年ジェラードの素晴らしさに触れてきた者として、今後どこかで取り返してほしいと思いますが、その機会があるかどうかも怪しいですね。3試合出場停止は確実でしょうし、ヘンダーソンとジョー・アレンで申し分ない状態なので。アレンが外れるなら、先のことも考えてエムレ・ジャンを上げたほうがいいのではないかとも思います。

    返す返すも残念です。マタとスタリッジの素晴らしいゴールが語られる試合であってほしかったですね。

  4. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    このゲームはユナイテッドが素晴らしかったです。フェライニ、キャッリク、マタとやられました。特にマタのバイシクルは美しかった、、、。なぜスタメンで使い続けないんでしょうね?不思議です、、、。
    しかし、レッズを愛する者としてはジェラードの退場は見たくなかったですが、冷静に映像を見るとレッド相当かと思いました。ジェラード退場後の動きは気持ちを感じました。CL争いは一歩後退感は否めませんが、まだまだ何があるかわかりませんがチームを信じます。最後にジェラードが3試合見られないのは寂しい、、、。

  5. ルタレック より:

    ジェラードの行為は当然許されるべきではありません。おそらくスタメンじゃなかったことに落胆してたんだと思う。エレーラのタックルも少し危ないです。スターリングをトップにしてジェラードをスタメンにすべきでした。今季のスタリッジは前からプレスをかけられません。予想した通り前節と同じく前半完全に押し込まれました。ブレンダンはシティ戦を思い出すべきでした。この試合はブレンダンがカギを握ってました。最後にジェラードに対しての思いはまったく変わりません。

  6. Uボマー より:

    今シーズンはリバプールに3勝か…。プレミアのクラブがヨーロッパのカップ戦で勝てない理由の特集面白かったです。ただリバプールに関してはチェルシー、マンシティ、アーセナルに比べると駒、経験ともに不足していたのかなと今日のゲームを見ても感じました。リバプールがCLで活躍したいなら少なくとも今のユナイテッドには勝っていかないと駄目でしょう。

    逆にユナイテッドは単調なフットボールをしていても選手の経験で勝ててしまうのが強みになっています。あとは上位三強に1勝2分けくらいでいってくれればなぁと。

  7. a より:

    遅くなりましたが。

    試合前、ペレが両チームの10番が試合を左右すると言っていましたが、10番ではなく8番でしたね。2ゴールのマタと45秒のジェラード。

  8. makoto より:

    Mackiさん>
    マタが控えだったのは、ファン・ハールさんが守備とポジショニングに不満があったからでしょう。ジェラード、あと5試合になってしまいました。残念です。

    ルタレックさん>
    ジェラードが抜けてからも調子は悪くなく、プレミアリーグで5戦5勝だったので、ロジャースさんもいじりにくかったでしょうね。おっしゃるとおり、スタメンで入れなかったことと、チームが負けていたことにネガティブな感情があったのでしょう。

    Uボマーさん>
    2勝1分けぐらいはさせてもらいましょうよ。開幕からしばらく、みなさんに先にいく時間を作ってさしあげたのですから。

    aさん>
    8番のコントラストでしたね、まさに。

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