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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Crystal Palace×MAN.CITY】判断ミスと連動性の弱さ…マン・シティ、必然の敗戦で4位陥落!

プレミアリーグ優勝を狙うどころか、チャンピオンズリーグ本大会ストレートインの3位キープが危うくなっているマンチェスター・シティ。1月にパーデュー監督就任してから運動量が増え、降格ゾーンから完全に脱出したクリスタル・パレスに敗れるようなことがあれば、今週末は自分たちよりも上位となったマンチェスター・ユナイテッドとダービーを戦うことになります。最近、スロースタートが目立つ昨季プレミアリーグ王者の布陣は、ジェコ、アグエロの2トップにダヴィド・シルヴァ、ヘスス・ナバスがサイド。先に点を獲って余裕を得たいアウェイチームは、開始1分、ケリーのアーリークロスにザハとパンチュンがフリーで走り込む大ピンチ。ザハのスライディングシュートが枠にいかず事なきをえますが、何かが起こりそうな怪しい立ち上がりです。

ロングボールからのカウンターの応酬が続く攻め合いのゲーム。12分、クリスタル・パレスのセットプレーをさばいたGKジョー・ハートがゴールキックを最前線のアグエロに合わせると、アグエロはGKスペロニをかわして左からダヴィド・シルヴァにラストパス。決まったかに思われたダヴィド・シルヴァの左足は、ゴールマウスに戻ったスペロニがかろうじて手に当ててゴールはなりません。トップのマリーがコンパニとデミチェリスを執拗にチェイスするクリスタル・パレスの強いプレスに、マン・シティは思うようにビルドアップができません。それでも中盤でパスがまわるようになった19分、右にいたダヴィド・シルヴァからのボールを思い切って狙ったアグエロのシュートが左ポスト直撃。28分にはダヴィド・シルヴァの中央からのミドルをスペロニが右に飛んでセーブ。マン・シティの圧力を受け、8人がゴール前に引くようになったクリスタル・パレスに攻める時間はほとんどなくなっています。

31分、CKからヘスス・ナバスの速いグラウンダー、コンパニのヘッドときわどいシーンが続き、直後には左から突破したアグエロが逆サイドを狙ったシュート。クリスタル・パレスは防戦一方です。ところが、何と何と先制はクリスタル・パレス!34分、CKのクリアにデミチェリスがラインを上げずに残ってしまい、左のレドリーが裏に抜け出しGKと1対1。ジョー・ハートが足に当てたボールにマリーが飛び込み、ここでもデミチェリスは負けてしまいました。前半のうちに追いつけるか、マン・シティ。しかし、これといったチャンスがないまま、ホームチームのリードでハーフタイムを迎えます。マン・シティがアーセナルの上に立つには、残り45分で2点が必要です。

後半開始直後の47分、2人をかわして突進するマリーをフェルナンジーニョが倒してFK。レフティのパンチュンを前に、ジョー・ハートのポジションは適切だったのか。左足でカーブをかけたシュートはイングランド代表GKの手が届かない右隅に落ち、クリスタル・パレスが2-0です。マン・シティの反撃に迫力がないのは、ジェコがサイドに流れてしまう時間が多く、ゴール前にいてほしいときにいないからでしょう。これでは、アグエロと並べた意味がありません。60分、ようやく最前線に走り込んだジェコがロングボールを受けてシュートを放ちますが、DF2人のマークにつぶされ枠にいかず。マンチェスター・シティは60分を過ぎても2点のビハインドを埋められません。66分、ペジェグリーニ監督は、たまらずジェコに代えてランパード。この交代は、もう10分早くてもよかった妥当な打ち手だと思います。

71分、CKからのフェルナンジーニョのシュートが、ゴール前に引いて守っていたマリーの手に当たるも笛は鳴らず。73分のフェルナンジーニョの一撃も、マッカーサーがオウンゴールすれすれのクリアを見せて、またも決まりません。プレミアリーグ2位がようやく1点を返したのは、78分になってからでした。途中出場のナスリのクロスのクリアを拾い、GKが動けない超スピードのミドルを左足で決めたのはヤヤ・トゥレ!追加タイムを入れれば、まだ15分あります。しかし…。

この後の時間で決定的だったのは、86分にヤヤ・トゥレのシュートがDFに当たり、おもしろいコースに飛んだシーンぐらいでした。ベンチにヨヴェティッチもボニーもいない状況で、ペジェグリーニ監督のカードを切る順番は裏目に出ました。イーブンの時間帯にジェコを活かせず、負けている最終盤にはもうジェコがおらず、ターゲットンマンに合わせることができない…。期待通りの動きを見せられなかったジェコを代えたこと自体はわかるものの、唯一のストライカーはジョーカーとして持っていたほうがよかったかもしれません。「早く終われ」というセルハーストパークの大ブーイングのなか、94分、タイムアップ。マンチェスター・シティはついにプレミアリーグ4位陥落。アウェイで戦う次のダービーに負ければ、アーセナルからの2位奪回は苦しくなるでしょう。

オフサイド、ハンドなど重要な場面でのレフェリーのジャッジが、ホームチームに利するものだったのは間違いありませんが、判断ミスによる2つの失点と連動性がなく個に頼った攻撃を見るにつけ、「あれさえなければマンチェスター・シティは勝っていた」とはいえない試合だったと思います。状態だけで判断すれば、ダービーはファン・ハール監督のチームが勝ちそうですが、とはいえダービー、マンチェスター・シティも気合いを入れ直してくるでしょう。これはおもしろくなってきました。しかしまさか、正月にチェルシーと並んでいたチームに対して、マンチェスター・ユナイテッドが上に立つなどということがあるとは…。プレミアリーグは、まだまだ何が起こるかわかりません。

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“【Crystal Palace×MAN.CITY】判断ミスと連動性の弱さ…マン・シティ、必然の敗戦で4位陥落!” への4件のフィードバック

  1. MUFC-7 より:

    ダービーで勝てばシティの息の根を完全にとめてしまう勝利になるかもしれませんね。ホームで迎えるはここ最近、ユナイテッドの上に立ち続けた水色。絶対に負けられない。

  2. 熊サポ より:

    更新お疲れ様です。

    セットプレーの弱さと守備組織のまずさがずっと改善されてない気がします。このサッカーだと押し込んでいる時に可能な限り点を取らないと勝ち点を落としやすいんじゃないでしょうか。やっぱり長いシーズンを勝ち切るには守備力が不可欠ですね。

  3. Joe より:

    という事は、残りの試合アーセナルが全勝したとしても、チェルシーは8試合で5勝すれば優勝確定ですね (^ー゜)

  4. makoto より:

    MUFC-7さん>
    ファン・ハールさんも「決定的な試合になる」といってましたね。マン・ユナイテッドが大勝すれば、マン・シティのショックは大きいでしょう。

    熊サポさん>
    最終ライン構築が危なっかしかったですね。この弱点が如実に出たのがジョー・ハートでしか止められなかったバルサ戦でしたが、改善は時間がかかりそうです。

    Joeさん>
    そのとおりですね。マンチェスター・ユナイテッド戦とアーセナル戦に両方負けたりしなければ、当確でしょう。

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