イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Chelsea×MAN.UTD】アザール一発、ファルカオ沈黙…チェルシー、優勝を引き寄せる順当勝ち!

キャリック不在の中央にはルーニー、そしてトップにファルカオです。プレミアリーグ33節、スタンフォード・ブリッジで激突するのはチェルシーとマンチェスター・ユナイテッド。キャリックに加えてブリント、ロホ、フィル・ジョーンズを欠いたマンチェスター・ユナイテッドに対して、モウリーニョ監督は守備を固めてきました。セスクをドログバの下に置き、マティッチの相棒はズマ。ベストメンバーではないマン・ユナイテッドと、ベストコンディションとはいえないチェルシーの前半は、いかに攻めるかではなく、いかに先制されないかを重視した慎重な立ち上がりです。

4分、最初のチャンスはマンチェスター・ユナイテッド。左サイドをえぐったルーク・ショーのグラウンダーは、ペナルティエリアの外でフリーで待っていた「セントラルMF」ルーニーに届くものの、左足シュートはポストの外。13分のマクネアのミドルは当たりが弱く、コースを見切ったクルトワが見送ります。ボールを支配しているというより、持たされる時間が長いといったほうが正しいマンチェスター・ユナイテッド。ドログバ、セスク、アザールらがビルドアップを追いかけ、ここで奪えなければ縦に入ってくるボールにマティッチやズマが当たりにくるチェルシーは、明らかにショートカウンター狙いです。

最近のチェルシーのゲームに多い、両者シュートがない神経戦。前線にルーニーがいれば、中盤の選手が上がる時間を稼いでくれそうですが、ファルカオはチェルシーの網のなかで無力。中が薄いマン・ユナイテッドが遠めからクロスを上げても、テリー、ケーヒル、クルトワが慌てるシーンは創れません。

38分、均衡を破ったのはチェルシーでした。ハーフタイム付近でテリーがファルカオからボールを奪うと、セスクがすかさず中央のオスカルへ。左から縦に走り込んだアザールに通した、オスカルの絶妙なヒールパスで大勢は決しました。完全に抜け出したアザールは、落ち着いてデ・ヘアの股間を抜いて1-0。これは厳しい。中央を締められ、サイドからの突破に頼るしかないアウェイチームですが、イヴァノヴィッチとアスピリクエタはクロスのコースを空けてくれません。前半終了間際にファルカオが抜け出しかけたシーンもクルトワが冷静に対処し、チェルシーリードのまま折り返します。

後半に入っても、試合の展開は変わりません。攻めあぐむアウェイチーム、少人数でチャンスを創るホームチーム。53分、ここまで冴えなかったエレーラのパスミスからドログバが突破。マクネアに当たったシュートがデ・ヘアの頭上を超え、ファーサイドでアザールが追いつくも、シュートがクロスバーに当たってマン・ユナイテッドは命拾いします。ファン・ハール監督は、いつまでファルカオを引っ張るのか。何かが起こるとすれば、自ら打開する力も裏に抜ける駆け引きもないコロンビア代表FWより、ドリブルと強烈なミドルがあるディ・マリアではないでしょうか。

 後半開始10分を過ぎると、マンチェスター・ユナイテッドにようやくエンジンがかかってきました。59分のマクネアのミドルはクルトワがセーブし、ひとり気を吐くルーク・ショーのグラウンダーは惜しくもフィニッシュにつながりません。64分、ルーク・ショーのクロスがフェライニにつながり、短く落としたボールをルーニーが狙いますが、オスカルのブロックでCK。直後に敵陣でエレーラがインターセプトしたチャンスは、フリーのシュートチャンスに足を滑らせたファルカオの左足が枠を外します。受けにまわる時間が長引くモウリーニョ監督は67分、最近信頼感が薄れているオスカルをラミレスにチェンジ。ファン・ハール監督もずかさずディ・マリアとヤヌザイ。封じられていたマタとヤングの両サイドを、飛び道具で打開しにいきます。

1-0、残り15分。ゲームは完全にチェルシーが望む展開になりました。76分、ルーク・ショーのパスでやっとズマの裏を取ったファルカオは、中に倒れたクルトワの逆をとったにもかかわらず、枠に入れさえすればよかったシュートを決められません。ベンチには、オールド・トラフォードのゲームで終了間際に同点ゴールを決めたファン・ペルシがいます。しかし、ファン・ハール監督最後の選択は、ルーク・ショーに代えてブラケットでした。

左から再三、突破とクロスを狙うディ・マリアはそれなりに働いていたものの、ヤヌザイは空回り。83分、ディ・マリアのCKにルーニーがヘッドで合わせるも、ボールはバーを越えてしまいます。ここから先のマンチェスター・ユナイテッドに、チャンスはありませんでした。ミケル、ウィリアンを次々と投入して時間を遣ったモウリ-ニョ監督。94分、ケーヒルの足に絡みにいって倒れたエレーラがシミュレーションを取られると、間もなくタイムアップの笛が鳴り響きました。

この日のマン・ユナイテッドのぎこちないサッカーは、3ヵ月前にタイムスリップしたかのようでした。キャリックもブリントもいないなか、ルーニーやフェライニが下がってつなぎに徹している状態では、モウリーニョ監督のチームの最終ラインを脅かすことはできません。チェルシーは決してよくはなかったものの、1-0という結果は順当。これで、プレミアリーグ首位の座が揺らぐことはないでしょう。うーん、残念。いちばん前はファルカオでしたか。ディ・マリアCFという奇策もありではないかと思い巡らせるぐらい、9番が機能しないことを懸念していたのですが…。

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“【Chelsea×MAN.UTD】アザール一発、ファルカオ沈黙…チェルシー、優勝を引き寄せる順当勝ち!” への9件のフィードバック

  1. 熊サポ より:

    いつも更新お疲れ様です。

     結果的にはチェルシーが”らしい”勝利を決めましたが、キャリックとブリントを欠きながらもマンUは魅力的な試合ができたと思います。この調子でいけば来期はチェルシー、アーセナルとともに興奮する優勝争いが見れるのではと期待しています。一時はどうなることかと思いましたが、ちゃんと半年で立て直すとは、やはりファンハール監督は名将ですね。来年のCLも楽しみです。
     最後に一言、やっぱりアザール凄い。

  2. a より:

    去年よりずっとましですよね。
    ベストメンバーなら……と思ってしまいますが、ユナイテッドにとっては勝たないといけない試合、チェルシーにとっては引き分けで万歳な試合でしたし、うんまあこんなもんですよね。

    ただ、負け惜しみですが、チェルシーのサッカーは見ていてつまらなかったです。勝ちは勝ちですが、ファンハールはエキサイティングで勝てるサッカーをするチームを作ってほしいです!!

  3. Uボマー より:

    これで今シーズンは事実上終戦ですね。問題は今日の敗戦がCL出場権を賭けた戦いに影響を及ぼさないか、というところでしょう。ファンハールは有能な監督だとは思いますが、その頑固さでチームを壊してきたと批判されてきました。残りを上手く戦っていかないとリバプールに足を掬われかねません。流石に二年連続でユナイテッドがCLに出られないとプレミアのカップ戦出場枠が危うくなってしまいます。

  4. makoto より:

    熊サポさん>
    チャンスがあっただけに悔しい結果でした。ルーニーが前でプレイしていたらと思うと残念です。やっぱりアザールは怖いですね。

    aさん>
    おっしゃるとおり、昨季よりは格段にいいです。チェルシーらしいサッカーにしてやられましたね。

    Uボマーさん>
    そうですね。気持ちを切り替えて、次戦を勝ち切ってもらわないといけません。

  5. MUFC-7 より:

    モウリーニョの作戦通りといったところでしょうか。しっかり守りきり、時間を使われて負けてしまいましたね。
    交代したブラケット(謎)ディマリア、ヤヌザイは違いを作れず、ファルカオは決めきる事が出来ませんでした。私が思うにペルシ復帰となる前のこの試合が彼の最終試験だったのではないかと思っています。当然、不合格でしょうね。ただユナイテッドにはポジティブな面もありましたね。流動的なポゼッション。マクネア、ショーは素晴らしいプレーを見せてくれました。ルーニーはCHでも存在感を出してくれましたし、エレラを見るたびにスコールズの後釜がようやく来た。と思えました。
    気がかりなのはペレイラです。多くの若手が出たなかで1人ベンチから戦況を見つけていた彼にはもう契約延長の意思は完璧になくなってしまったでしょう。また無料でユベントスに優秀な若手を提供してしまうのかと思うと胸が痛くなってしまいます。

  6. より:

    アンドレペレイラはユベントス内定済み。
    ポクバと同じくユナイテッドと契約更新すればペレイラは出場させて貰える。
    しかし契約更新したらユベントスは契約してくれない。ベンチで試合を見せ続け気持ちが変わるのを待っているようです。
    ただポクバもユベントス移籍1年目はずっとベンチだったようにペレイラは移籍してもセリエ内でレンタル確実だと思います。

  7. パチ より:

    やはりキャリック欠場は痛かったですね…。
    ズマがフェライニにかかりきりに近かったんでルーニーが浮くシーンが前半結構あったんですけどね、そこを上手く利用できず後半にはマティッチが対応するように修正してきてからはもういつものチェルシーの守りきりって感じでしたね。

    でもユナイテッドはショーやマクネアらが良かったですし、来シーズン結構面白いチームになりそうで、CLでも見たいなと思えるチームになってきたなと。
    逆にチェルシーは後ろをガチガチにしてアザールの一発に頼ってる今のサッカーだと来シーズン以降厳しいかもなと。

  8. プレミアリーグ大好き! より:

    この試合を見てユナイテッドが良かった、チェルシーは弱いって思ってる限りチェルシーが勝ち続けるんだろうな

  9. プレミアリーグ大好き! より:

    でしょうね
    長年課題と言われていた下位相手の取りこぼしが減ったので、今日みたいな戦術をとるチェルシーを叩けるチームが無いと彼らを首位争いから引き摺り下ろせないと思います
    CLではアトレティコ、PSGと既に2シーズン連続で崩されている訳ですし、プレミアがまたCLで輝くためにもチェルシーを叩きのめすような戦術を確立して欲しいですね
    ペップやクロップが来たら面白くなりそう

熊サポ へ返信するコメントをキャンセル