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いじり過ぎリヴァプール、幸運のマン・シティ…明暗分かれたCL出場権争いは、ついに決着!?

リヴァプール痛恨、マンチェスター・シティ幸運…。最近の水色の停滞を踏まえれば、「プレミアリーグ4位争い」という表現が適切でしょう。3月以降3勝5敗と完全に調子を崩したマンチェスター・シティは、ホームに残留争い真っただ中のアストン・ヴィラを迎えて、この日も冴えない戦い方に終始。アウェイのザ・ホーソンズでWBAを押し込んだリヴァプールは、フィニッシュ以外は勝者の振る舞いでした。しかし、勝ち点3を奪ったのはマンチェスター・シティのほうで、リヴァプールはゴールが奪えず。両者の勝ち点差は6となり、得失点差を考えればペジェグリーニ監督は残り4試合を2勝2敗でOKです。リヴァプールのチャンピオンズリーグ出場権は絶望的。今後は、トッテナム、サウサンプトンとヨーロッパリーグのチケットを賭けた戦いにシフトしなければなりません。

ジェラードスタメン、ジョー・アレンがベンチという布陣は正しかったのか。今までうまくいっていたフォーメーションをいじる必要があったのか。前半のリヴァプールには勝利の予感はありませんでした。リスクをとって勝ちにいくのではなく、とにかく負けないことを最優先したようなWBAのゴール前の守備を崩せず、20分のコウチーニョの右足、27分に放ったジェラードのFK、35分のバロテッリのミドルはすべて同じような弾道を辿り、わずかにクロスバーの上。最前線に慣れたスターリングはチームが無敗を続けていた頃と比べて窮屈そうで、レッズの攻撃には持ち味の縦へのスピードが感じられません。前半は両者枠内シュートゼロ。後半に持ち越された勝負が盛り上がったのは、開始10分の攻防でした。

リヴァプールが勝ち点3にいちばん近づいたのは、スターリングの左からの突破がきっかけとなった55分の波状攻撃。グラウンダーを受けて巧みに振り向いたバロテッリ、リバウンドをペナルティエリアの入り口から狙ったコウチーニョ、GKマイヒルが弾いたボールを左足で打ったヘンダーソンは、いずれも決められませんでした。ピンチをしのいだWBAは、直後にブラントが左サイドからロングクロス。グレン・ジョンソンのブロックをかいくぐって足を出したガードナーの一撃がポストすれすれを襲います。62分、バロテッリとのワンツーで左からペナルティエリアに入ったジョーダン・アイブの左足シュートはバーを直撃。周りが見えているときのバロテッリは、確かな技術をシンプルに使って危険なシーンを創出します。64分にWBAが見せたアタックは、今度は右のベラヒーノから。シュクルテルがクロスの対応を誤り、モリソンのヘッドがGKミニョレの指先をかすめてゴールに向かいますが、ぎりぎりでデヤン・ロブレンがクリアし、レッズは難を逃れます。

75分のバロテッリの交代は、適切だったのでしょうか。ボリーニを投入するなら、ジェラードを下げてエムレ・ジャンに中盤をまかせるか、グレン・ジョンソンに代えて後ろを軽くするなどの形がよかったのではないかと思いました。80分、コウチーニョのミドルが他のシュート同様にクロスバーの上に消えると、背番号10は焦って出した強引なパスをカットされる姿ばかりが目立つようになります。88分にはシュクルテルがマクマナマンに簡単に抜かれてミニョレが足でセーブするという敗戦寸前のピンチもあったものの、結局0-0。74%と圧倒的なポゼッションを記録し、相手の倍以上の22本を打ち込みながら、フィニッシュが決まらず。FAカップのアストン・ヴィラ戦を引きずったようなゲームで、レッズは勝ち点を失ってしまいました。

一方のマンチェスター・シティVSアストン・ヴィラは、ホームチームが降格候補の攻撃に手を焼き、ゴールシーンを隠して見せたらほとんどの人がヴィラの勝利と思ったであろう負け試合の流れ。しかし、アストン・ヴィラは昨季プレミアリーグ王者相手に余計なゴールを献上し、自滅してしまいました。前半3分、GKグザンが信じられないキックミスをしてしまい、拾ったアグエロにプレゼントゴールを許したのがアストン・ヴィラのケチのつき始め。66分の2点めはコラロフのFKにバクナが壁に穴を空けてしまい、最後の3点めはCKから。ミスとセットプレーだけで3点を失い、2ゴールを奪ったゲームを勝ち点3にできませんでした。

マンチェスター・シティの守備は組織も連動性も弱く、中に入ったボールに持ち場を離れた選手が過剰に集まってしまう無法状態。ロングボールの競り合いをほとんど制していたベンテケのヘッドの落としが味方につながっていれば、アストン・ヴィラがもう2~3点奪っていてもおかしくない試合でした。26分、フラールのミドルのこぼれ球がベンテケの前に流れ、1対1をジョー・ハートがビッグセーブで抑えたシーンは、中央の狭いエリアにマン・シティ守備陣が7人いて、左右にヴィラの選手が3~4人、フリーの状態となっていました。2-0となった直後、クレヴァリーが決めたミドルもマン・シティの選手は中央に集まっていただけで、足元に入る動きもコースを切るポジショニングもなし。85分にカルロス・サンチェスが同点にしたシーンも、GKジョー・ハートが味方と競らなければ、イージーなボレーを打たれることもなかったでしょう。

87分、映像では最終ラインと並んでいたベンテケがオフサイドを取られなければ、決勝PKとジョー・ハート退場のダブルとなっていた可能性が高く、ここが勝負の分かれ目となりました。その1分後、同点ゴールの主役・サンチェスが、今度はボールウォッチャーとなってしまい、フェルナンジーニョの決勝ゴールにエティハドが湧きます。もったいない、アストン・ヴィラ!運動量が少なく、攻守ともにいいところがなかったマンチェスター・シティにとっては、大きな大きな勝ち点3でした。

かなり重症にみえるマン・シティですが、トッテナム、スウォンジー、QPR、セインツに1勝1分け2敗以下という落ち方はさすがにないでしょう。いいチーム、いいサッカーが必ず勝つわけではないのがサッカーのおもしろさでもあるとはいえ、レッズとマン・シティの結果は逆のほうが納得感がありました。それにしてもロジャース監督、ジェラードは…。

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“いじり過ぎリヴァプール、幸運のマン・シティ…明暗分かれたCL出場権争いは、ついに決着!?” への2件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    レッズはFA Cupの失望から立ち直ってWBA戦の快勝を期待してましたが、このゲームも失望しました。ジェラードの起用はどうだったんでしょうか、、、このゲームも采配に疑問が残ります。良かったのはロブレンとコウチーニョでしょうか。
    ゲームを観ていて思いましたが、今のレッズはヨーロッパで戦えるレベルにないですね。若いチームですから期待してますが、次節のハル戦もドローで終わるようであれば、いろいろ考えてしまいます、、、。

  2. makoto より:

    コウチーニョは、最後は焦りがにじみ出てましたが、気持ちが伝わってくるプレイでしたね。ジェラードが入ると、どうもうまくいきませんね。負けなかった頃のメンバーで戦うのがいいのではないかと思いました。

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