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【Liverpool×QPR】シュートが決まらず危なかったリヴァプール、最後はジェラード!

最近のプレミアリーグ5試合を1勝1分け3敗と、不調に陥っているリヴァプール。スタリッジもバロテッリもいないトップにはリッキー・リー・ランバートが入り、コウチーニョ、ララナ、スタ―リング、ヘンダーソンの後ろにアンカーのジェラード。最終ラインはCBシュクルテルとデヤン・ロブレンが並び、両SBにエムレ・ジャンとグレン・ジョンソンが入る4バックです。プレミアリーグ19位と降格ゾーンにいるQPRは、死に物狂いで勝利をめざしてくるでしょう。今季17ゴールのチャーリー・オースティンをはじめ、フェル、ジョーイ・バートン、サンドロ、マット・フィリップスらが揃うアウェイチームの攻撃は侮れません。試合開始から10分過ぎまでは、攻める時間が長いのはQPRのほうでした。

開始早々のCKでフェルがゴールを陥れたQPRは、マット・フィリップスの蹴ったボールがラインを割っていたと判定されて先制ならず。高い位置からプレスをかけてくるQPRに手を焼き、攻めの形が創れなかったレッズがようやく「らしい」攻撃を見せたのは13分。左のコウチーニョからまわってきたボールを後ろから走り込んで思い切り叩いたのは、ジェラードでした。強烈なシュートはポスト左に外れますが、キャプテンが攻撃に絡む形を数多く創れれば、リヴァプールの決定機は前節までより格段に増えるはずです。

19分、先制ゴールの仕掛け人はリッキー・リー・ランバート。セインツから来たストライカーは、ボールさえ集めてもらえればゴールにつながるプレイができることを証明しました。右に開いて縦パスを受けたランバートは、ペナルティエリア手前で軽い切り返しを入れてDFをかわすと、逆サイドにいたフリーのコウチーニョに見事なラストパス。コウチーニョはワントラップで右足を振り抜き、GKグリーンが反応できない完璧なコントロールショットを枠に収めます。レッズ待望のリード。QPRはゴールを奪わないと勝ち点を持ち帰れなくなりました。

ゴールの直後、ララナが中央から左足でミドルを狙うなど、レッズに勢いがついてきました。33分、スターリングがGKグリーンと1対1になって決めたシーンはオフサイドを取られましたが、これも起点は左にいたリッキー・リー・ランバートです。35分、チャーリー・オースティンの振り向きざまのミドルが右に外れていったシーンが、QPRの前半唯一といっていいチャンスでした。アウェイチームは前がかりになった裏をランバートやヘンダーソンに突かれて、速攻を喰らうシーンが目立ちます。40分、ジェラードがカーブをかけて右隅を狙った直接FKはグリーンが横っ飛びでセーブ。追加点こそ入らなかったものの、前半1-0なら問題はないでしょう。レッズは前半をリードして終えたゲームで、69試合負けなしという偉大な記録を続けています。

セカンドハーフの49分、リヴァプールの速攻。中央のコウチーニョが左を並走するララナに流すと、前にGKしかいない決定的なチャンスに、冷静さを欠いたララナがシュートを左に外します。55分、右サイドに出たヘンダーソンが、DFラインの裏を横切る絶妙なクロスを逆サイドに通しますが、どフリーのボレーをスターリングが打ち上げてしまい、なかなかとどめを刺せません。64分、コウチーニョが左サイドで粘り、パスを受けたランバートが左から狙ったシーンは、中で呼んでいたヘンダーソンに出していれば決まっていたでしょう。ロジャース監督は68分、ララナを下げてジョーダン・アイブを投入します。

入ったばかりのジョーダン・アイブが左を突破し、通したグラウンダーはランバートが触れず、フォローしたジェラードのミドルもGKがクリア。ここからのCKはデヤン・ロブレンの頭にぴったりでしたが、強烈なシュートはグリーンの正面にいってしまい、またしても1-0は動きません。こういう試合は、劣勢のチームがワンチャンスで追いついたりするものです。73分、QPRのCK。ジョーイ・バートンのボールを中央からボレーで決めたのは、開始1分のCKもニアでゴールに押し込んでいたリロイ・フェルでした。デヤン・ロブレンもシュクルテルもマークを外してしまっては、決められても仕方がありません。

79分、焦りが感じられるリヴァプールに願ってもないチャンスが転がり込みます。ゴール前の攻防でCBオヌオハがシュクルテルを倒してしまい、PK。リヴァプールが勝ち越すと誰もが信じた大事なキックは、慎重になり過ぎたジェラードがグリーンに止められてしまいます。82分、ハーフライン付近でスターリングを引っかけたオヌオハがイエロー2枚で退場。10人となったQPRは、勝ち点1キープにシフトしてくるでしょう。残り10分、リヴァプールは決勝点を奪えるのでしょうか。その答えが出たのは退場劇から5分後、アンフィールドに歓喜の声を呼び起こしたのは、キャプテンの意地の一撃でした。

コウチーニョのCKは絶品。ニアで2人に競り勝ったジェラードが、ヘディングシュートを右のサイドネットに流し込みます。このゴールは、リヴァプールにとって勝ち点3以上の価値があるでしょう。キャプテンのPK失敗で勝ち点を落としていれば、来週以降にショックを引きずり、トッテナムやセインツとのヨーロッパリーグ出場権争いが厳しい戦いになっていたかもしれません。

リヴァプールが2-1で勝利を決めると、サンダーランドの本拠地スタジアム・オブ・ライトからはセインツ敗戦の報が聞こえてきました。レスター、アストン・ヴィラ、マンチェスター・シティと、好調クラブと強豪クラブとの対戦ばかり残しているセインツにとって、レッズとの勝ち点4差は絶望的なギャップだと思われます。チャンピオンズリーグには届かなかったものの、リヴァプールの来季の欧州行きは、ほぼ決まりでしょう。

それにしても、危ないゲームでした。決めるべきを決めないと、信じられない同点・逆転劇がときどき起こるのがサッカーです。ララナとスターリングには、来週のチェルシー戦で今日の失敗を活かしていただくこととしましょう。

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“【Liverpool×QPR】シュートが決まらず危なかったリヴァプール、最後はジェラード!” への3件のフィードバック

  1. カモノハシうどん より:

    本当に危ない試合でしたね。
    キャプテンがPKを外したのを見たのは久しぶりです。確かにララーナには決めて欲しかったですが、彼がいるのといないのとでは全然違いますね。より流動敵になり決定機が増えたのはランバートだけでなくララーナの力もあると思います。それにしても、スターリングはあそこで外しただけでなく、とことん彼らしさが無くなってきてますね。昨シーズン、今シーズン序盤の華麗なドリブルでの仕掛けは完全にアイブにその職を譲り、完全に抜け出し専門になり、ドリブルに以前の怖さはありませんでした。
    このレベルでのプレーを続けられると、彼にあんなに莫大なサラリーを与えるくらいなら、、、と考えざる終えません。

  2. makoto より:

    カモノハシうどんさん>
    ジョーダン・アイブがいいので、ミルナーと大物ストライカーをひとり獲れれば、最悪スターリングが出ていっても何とかなりそうですね。私も、ララナは重要だと思います。

  3. makoto より:

    更新ご苦労さまです。
    久々の勝利は嬉しいものですね。特にキャプテンのPK失敗後のゴールは涙モノでしたね。
    今回はララーナの豊富な運動量が非常に光ったと思います。怪我さえなければ従来持っているポテンシャルを十二分に発揮できると思いますので来シーズンに大いに期待したと思います。また、個人的にはランパードは残したほうがいいんじゃないかなって思いました。昨日のゲームを見ている限り、継続して使う事によって力を発揮していくタイプだと思いました。ELも多分出ることでしょうから必要な戦力だと思います。

    —–
    Mackiさん>
    ランバートは、見た目のイメージより器用で、周囲としっかり絡めるタイプなので、信頼を得られればおもしろいと思います。

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