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【MAN.UTD×WBA】ポゼッション80%も虚しく…マン・ユナイテッド3試合連続の不発!

おお、いますいます、ルーニーがいます。今週は、モウリーニョVSヴェンゲルの場外バトルがあまりにもおもしろすぎて、負傷したといわれていたわがエースの状態をチェックできていませんでした。トップ下のルーニーの前には、ファン・ペルシの姿もあります。プレミアリーグの残り4試合を全勝して2位にジャンプアップしたいマンチェスター・ユナイテッドは、キャリックこそいないものの、エレーラ、マタ、アシュリー・ヤング、フェライニを中盤に揃えてWBAに負けるわけにはいきません。試合前、ルーニーとフレッチャーが固く握手をするシーンに心を動かされます。大腸を患う前のクオリティを取り戻せず、クラブを去った元副キャプテンには、末永くプレミアリーグで元気な姿を見せてもらえればと思います。

クラブのレジェンド、リオ・ファーディナンドが愛妻レベッカさんを乳がんで亡くしたばかりのこのゲームでは、選手は喪章をつけ、リオの背番号にちなんだ5分にはオールド・トラフォードに拍手が鳴り響きます。序盤はよそ行きのサッカーとなっていたマンチェスター・ユナイテッドですが、10分を過ぎるとボールを支配し始め、マタやエレーラがボールをまわしながら相手の隙を窺います。

先に決定機をつかんだのはWBA。15分のCKで、レスコットをフリーにしてヘディングを許したシーンにはヒヤリとさせられました。これをしのいだホームチームは16分、後ろからのクロスをDFを背負ってトラップしたファン・ペルシが絶好調時を思い出させるような強烈なボレー。GKマイヒルが右に倒れて弾いたボールをアシュリー・ヤングが狙うものの、シュートはドーソンがブロックして大きく枠を逸れていきます。19分には左からアシュリー・ヤングが持ち込み、DFの足の間を狙ってグラウンダーを通すと、ニアのファン・ペルシのボレーがポストすれすれを抜けていきます。

ビルドアップの際にもらいにいく動きが少なく、チェンジオブペースがないために攻めあぐむ時間が長いマンチェスター・ユナイテッドですが、ルーニーが絡むと一気におもしろくなります。32分、ルーニーが中央に走り込んで受けたボールをダイレクトでファン・ペルシに流したシーンは、レフティがDFをさばくのに時間をかけなければ、きわどいシュートがマイヒルを襲っていたでしょう。44分には、バレンシアが角度のないところから強烈なシュート。マイヒルは前に弾くしかありません。前半のマンチェスター・ユナイテッドのポゼッションは78%。中盤が全員引いて守るWBAを崩せなかったものの、アシュリー・ヤングとバレンシアの両サイドからのアタックには、ゴールの予感が漂っています。

後半、ファン・ハール監督は、フェライニを前線に上げてきました。48分のルーニーのミドルはGKの正面。一方的に攻めるマンチェスター・ユナイテッドですが、前半同様8人でペナルティエリア付近を守るWBAを崩せず、しばらくは横パスに終始します。ガードナーやファン・ペルシのミドルシュートの応酬以外に見どころがない、膠着した時間。57分、ようやく左サイドをブリントが突破しますが、速いグラウンダーはシュートにつながりません。60分には、フェライニのポストプレーからエレーラが狙うも、うまく当たらずボールは右に逸れていきます。

いつ、マンチェスター・ユナイテッドがゴールを奪うかが焦点だったゲームが、テーマを変えたのは62分でした。これまでおとなしかったフレッチャーが前線に飛び出すと、マクネアがたまらずファール。FKのキッカー、ブラントが壁の中に入り込んでいる味方をめがけて蹴ると、ヨナス・オルセンに当たったボールがコースを変え、デ・ヘアがまったく動けない右隅に突き刺さります。何と、専守防衛だったWBAが先制。当然、反撃に入ったマンチェスター・ユナイテッドですが、ここから先は焦るばかりで、ことごとくチャンスをつぶします。

72分、バレンシアのクロスがペナルティエリアのなかでベラヒーノの手にヒット。取らないレフェリーもいるであろう幸運なPKは、ファン・ペルシがマイヒルの読み通りの右に蹴って弾かれ、同点ならず。74分、ファン・ペルシのFKをマイヒルが弾くと、こぼれ球をフリーで受けたフェライニが打ちきれず、横パスをもらったマタの左足シュートは簡単にクリアされてしまいます。ブリントに代わったディ・マリアが入ってすぐのCKは、ヘッドで枠に軽く入れればほぼ決まるチャンスボールをマクネアがミス。ディ・マリアが入ったためにポジションを下げたアシュリー・ヤングは怖くなくなってしまい、クロスを再三ミスするディ・マリアは自軍の攻勢を止めるようなプレイに終始してしまいました。84分に登場したファルカオは、今季プレミアリーグで幾度となく見た「何もできないファルカオ」。パスミスを連続し、自ら時間を浪費してしまったマンチェスター・ユナイテッドは、自滅といっていいでしょう。3戦連続でゴールなしに終わったホームチームは、プレミアリーグ残留を決定づける勝利に歓喜するピューリス監督のベンチから目を背け、無表情でピッチを去っていくしかありませんでした。

敗因は、メンタルではないでしょうか。こぼれ球が目の前に来たとき、大事にいこうとし過ぎたアシュリー・ヤングとフェライニはチャンスをつぶし、ファン・ペルシはPKをミス。マクネアがイージーなシュートを外すと、ディ・マリアはフリーで狙ったクロスをGKにプレゼント。キャプテンのルーニーは頭に血が上っていたのか、シュートを打てるスペースに入る動きがなく、DFで渋滞しているエリアに突っ込んでいくばかりでした。ゴール前での判断の速さと冷静さがあれば、0-1から3発決めてレスターを破ったチェルシーと同じスコアで勝てたゲームだと思います。

連敗のショックを引きずってしまったマン・ユナイテッドは、この敗戦で5位のリヴァプールに勝ち点4差に迫られました。次のクリスタル・パレス戦まで落とすようなら、来季の欧州の舞台はヨーロッパリーグになってしまうでしょう。ポゼッション80%、シュート26本という数字が虚しく光る、オールド・トラフォードがため息に包まれた夜でした。

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“【MAN.UTD×WBA】ポゼッション80%も虚しく…マン・ユナイテッド3試合連続の不発!” への5件のフィードバック

  1. MUFC-7 より:

    ペルシは衰えなのか不調なのか。残念な結果ですね。ホームでこのメンバーで連敗してしまうのは最悪の結果です。言い訳できないですね。流れを変えてくれる選手を若手に任せてもよかったかもしれませんね。こんな時にファルカオやディマリアの力みのあるプレーは見ている側にとってはストレスでした。気になるのはLVGの修正能力。補完能力です。同じような内容で負けています。キャリックがいないとは言え、素晴らしいメンバーが揃っています。毎回同じ交代メンバーは流れを変えてくれるどころか泥沼にハメてしまいます。彼の監督能力に疑いはありませんが、何か一工夫、一捻りをしないと次も同じでしょう。ここで戦術を少し工夫するのは難しいですが、LVGの監督としての能力とユナイテッドの選手達のクオリティを信じています。絶対CL圏!

  2. Uボマー より:

    優勝の可能性が無くなったチェルシー戦以降、選手のモチベーションが下がっているように見えるのが気がかりです。監督は士気を上げるタイプではないので、お得意の戦術でしぶとく勝ってもらわないと選手からの信頼も失いかねません。リバプールの調子を考えると残りを全勝してくる可能性は低いかと思いますが、最悪勝ち点が並んでもCLには出るんだくらいの覚悟は必要になってきました。

  3. makoto より:

    MUFC-7さん>
    ディ・マリアを入れることがアシュリー・ヤングのよさを消すことになるなど、オプションが効果的に機能してませんね。

    Uボマーさん>
    来週勝てば、何とか逃げ切れそうなのですが、クリスタル・パレスはやっかいです。確かに覚悟が必要です。

  4. a より:

    >makotoさん
    パレス戦、アウェーですしね。
    なかなか簡単には勝たせてくれなさそうです。

    個人的には、ストレートインの3位で十分かなと思いますがそれも難しそうですね。
    全てキャリック次第。
    4位で終わる結果になったとしても、ガナ戦に勝ってくれれば言うことはないのですが……ゴール前固めてカウンターで勝てますかね。不安です。

    あと、リオの奥さんのご冥福ををお祈りします。

  5. makoto より:

    aさん>
    限りなく3位が厳しくなってしまいました。カウンターでやられるのは、アーセナルではなくてわれわれのほうかもしれません。何とか2勝1敗で乗り切って、4位確保が現実的ですね…。

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