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【Stoke×Liverpool】レッズ貴重な勝ち点3。勝負強いコウチーニョ、ラスト4分の渾身のミドル!

「リヴァプールはこの夏に数人の新戦力を加えたが、即戦力といえるような目覚ましいスター選手ではなかった。ラヒム・スターリングがどれだけ重要な戦力だったかと考えると、僕は今季のリヴァプールはよくなったとは思わない」。レッズからストークに移籍したグレン・ジョンソンはこう語っていますが、私はこの意見には真っ向から異を唱えたいと思います。昨季プレミアリーグで13本決めているベンテケ、ブラジル代表の10番のポジションを担うフィルミーノ、経験豊富なジェームズ・ミルナー、右SBでは国内トップクラスのナサニエル・クライン。いい補強ではありませんか。ここはひとつ、昨季プレミアリーグ最終戦で6-1で惨敗したストークにリベンジを果たして、ロジャース監督のチーム作りが的を射たものであることを証明しましょう。ブリタニアでプレミアリーグ開幕節を戦うレッズには、ワクワクする名前が並んでいます。

左SBには18歳のジョー・ゴメス。中盤にはミルナーがいて、右サイドにはスターリングを忘れさせてくれるはずの19歳ジョーダン・アイブ。トップにはさっそくベンテケです。ディウフ、ウォルターズ、チャーリー・アダムが前線に並ぶストークは、新戦力のアフェライとファン・ヒンケルはいるものの、ボージャン・クルキッチとアルナウトヴィッチを欠いています。試合開始からしばらくは、互いに慎重モード。レッズはナサニエル・クラインがサイドからのクロスをしっかりケアしており、デヤン・ロブレンとシュクルテルのCBコンビもディウフとウォルターズをよく見ています。期待のベンテケが裏に走ってコウチーニョのパスを引き出すシーンもあり、シュートこそ少ないものの見ごたえある展開です。

32分、シュクルテルの短いバックパスは、いち早く飛び出したミニョレがディウフより先に触って事なきをえました。35分にはストークに決定機。右サイドでジョー・ゴメスをかわしたウォルターズがディウフにつなぎ、クロスはシュクルテルがクリアしたものの、こぼれ球をアフェライがボレー。さらにリバウンドがグレン・ジョンソンにまわります。正面でフリーだったグレン・ジョンソンでしたが、シュート態勢に入るのに時間がかかり、デヤン・ロブレンのプレッシャーを受けてシュートはバーの上。リヴァプールはほとんどシュートがない前半を過ごしましたが、コウチーニョは常にベンテケの位置を確認しながらプレイしており、後半は2人のコンビからの一発があるかもしれません。

しかしセカンドハーフは、最初の15分まで両者ともこれといったチャンスがありません。レッズの攻撃は、ベンテケに長いボールを当てるか、コウチーニョ、ジョーダン・アイブが個人技で持ち込むかしかなく、単発かつ単調。最初のまともなシュートは、63分にシュクルテルのパスを受けたデヤン・ロブレンの左足でした。ロジャース監督はララナに代えてエムレ・ジャンを投入。直後にストークはチャーリー・アダムがFKを放り込み、ディウフが触れば1点というシーンを迎えますが、GKミニョレが体を張ってセーブし、先制を許しません。67分、コウチーニョの突破からようやくベンテケがシュート。直後のCKはシュクルテルが決められなかったものの、レッズがゴールに近づき始めています。

70分、ミルナーが右から上がったヘンダーソンに通した浮き球は絶品。キャプテンが冷静にベンテケの居場所を見ていれば、クロスが流れてしまうことなく、きわどい勝負になっていたでしょう。ストークも、73分にファン・ヒンケルが強烈なミドルを放ち、勝ち点3を諦めていないと主張します。78分に投入されたフィルミーノは、今後の可能性は感じさせたものの、決定機を創るには至らず。ブリタニアにはスコアレスドローを予感したサポーターの弛緩した雰囲気が漂い始めます。86分に左サイドで粘ったジョー・ゴメスがコウチーニョにパスを出した瞬間は、ストークのDFがカットして攻撃はとだえると思われたのですが…。

コウチーニョのターン、ドリブルのコース、シュートのタイミングと弾道はすべて完璧でした。GKバトランドは指先で触るのが精一杯。美しいミドルがゴールに吸い込まれます。レッズ、ついに0-1!シュクルテルを中心に落ち着いた守備を披露していたアウェイチームは、ここからの8分間、ホームチームに逆襲を許しませんでした。昨季プレミアリーグ最終戦で喫した惨敗のリベンジを完全に果たすには、ゴールが4つほど足りませんでしたが、リヴァプールは苦しかった初戦を勝ち点3という最高の形で締めました。

ナサニエル・クラインとミルナーがチームの中心として機能することを確認でき、ベンテケとブラジル人選手たちも、これからコンビが合ってくればゴールを重ねてくれるでしょう。今日はデヤン・ロブレンをほめてあげてもいいのではないでしょうか。ジョー・ゴメスには、若さゆえの粗さ・無謀さが感じられましたが、CBコンビとナサニエル・クラインは自分たちの役割をきっちり果たしました。ストークは、惜しかったですね。ウェストハムがアーセナルに勝ち、ストークがこの試合を勝てなかったのは、ワンチャンスを活かせたかどうかという紙一重の差だったと思います。35分の決定機に、グレン・ジョンソンが決められなかったのが悔やまれる一戦でした。

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“【Stoke×Liverpool】レッズ貴重な勝ち点3。勝負強いコウチーニョ、ラスト4分の渾身のミドル!” への6件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    シーズン初戦からコウチーニョの目の覚めるシュートで、またしても、今シーズンも初戦から彼に助けられました。懸案だったDFは良かったと思います。DF陣が3人カードもらった時は不安がよぎりましたが、、、(苦笑)管理人さんご指摘の通りロブレンは良かったです。不用意な肘打ちありましたが、終始安定していたと思います。
    攻撃のカードを切るのが遅いロジャーズが気になりましたが、まずはブリタニア勝てた事は大きいと思います。次はホームですし、ベンテケのゴールを観たいですね。

  2. グナDENCH より:

    Jスポでこの試合の解説をしたベン・メイブリーさんが
    「90分見所は無かったのに、コウチーニョのシュートの為だけに見る価値があった」
    というような事を言ってましたがまさにこの通りでしたね。
    今シーズンもやはりコウチーニョは脅威です。

    個人的には特にミルナーとフィルミーノ、当たり補強だと思います。
    グナとしては、はまって当たり出す前に再来週倒したい所なんですがアーセナルがあれだと。。
    不安です。笑

  3. プレミアリーグ大好き! より:

    ロブレンは安定してましたね!ジョンソンがいきいきプレーしてたのはちょっと笑まあ、彼はジェラードと移籍がかぶってほとんど労われることはありませんでしたから悔しかったのでしょう。笑

    ロジャースの交代カードを切る遅さ、下手さは相変わらずですね。

  4. シティさぽ より:

    ヘンダーソンに通した浮き球のところ以外
    連携で崩せたところがほとんどなかったですよね
    ミルナーとヘンダーソンの特徴が似てますが
    セスクとマティッチ、コクランとカソルラ、ジーニョとヤヤ
    他のチームと比べると役割が被ると思いますが
    リバプールの目指すところはどんなサッカーだと思いますか?
    それにしてもコウチーニョのゴールは完璧でしたね

  5. ぐら より:

    アフェライには期待できそう!
    スタンドで観ていたシャキリはいったいどうなるのか…

  6. makoto より:

    Mackiさん>
    緒戦の緊張感、ストークを意識せざるをえないなか、完封できたのはよかったですね。ベンテケは早いうちに決めるのではないかと思います。動きは悪くありませんでした。

    グナDENCHさん>
    コウチーニョ、いいですね。フィルミーノも才能の片鱗は見せてくれました。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    早い時間にララナを下げてイングス、もおもしろいのではないかと思ってました。ロジャース監督はコウチーニョに助けてもらいましたね。

    シティさぽさん>
    キャリックとフレッチャーのコンビをずっと見ていた者としては、2センターが完全に並列でも違和感はさほどありません。レッズは、直線的な速攻型をめざしているのではないかと思います。ベンテケも「クロスを決める人」ではなく、DFとの駆け引きで一瞬のスピードを活かしてシンプルに決める人という補強だと認識しています。

    ぐらさん>
    シャキリはメディカルが終わったという報道がありますね。二転三転でびっくりです。

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