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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【WBA×MAN.CITY】スターリングの船出はまずまず。マン・シティ、ヤヤ・トゥレの2発で好発進!

プレミアリーグの開幕が例年より1週間早まり、より準備不足が際立ったのか、週末登場の強豪クラブは軒並み低調な戦いぶりに終始してしまいました。セットプレーとアクシデント以外でゴールを奪ったのはコウチーニョだけ。パスをフィニッシュした選手はゼロ。共通項は、ストライカーの不調です。ジルー、ルーニー、ジエゴ・コスタ、ベンテケ、ハリー・ケインが機能しなかったとき、オプションを発動させて状況を打開できたチームはありませんでした。そしてもうひとつ、注目すべきポイントがあります。4試合のうち3つまでが、GKのプレイが勝負の行方に大きな影響を与えた試合だったことです。ベゴヴィッチは晴れ、ロメロは曇りのち晴れ。昨季までプレミアリーグ優勝クラブでレギュラーを争っていたクルトワとチェフは、片や退場片やミス連発と土砂降りという結果に終わってしまいました。

さあ、大トリはマンデーナイトのマンチェスター・シティです。プレシーズンで不安定な守備が露呈した彼らの開幕戦はアウェイ、しかも曲者ピューリス監督のWBAと、ジャイアントキリングの要素満載な一戦。チェルシーがドローで終わりアーセナルは不覚を取ったなか、コパアメリカ帰りのアグエロやデミチェリスがスタメン回避、サバレタはベンチ外となったチームは勝ち点3を奪うことができるのでしょうか。プレミアリーグの覇権奪回をめざすチームのファーストゴールは、DFに当たったボールがサイドネットに転がる幸運な一発でした。

8分、ダヴィド・シルヴァがクロスに放ったシュートがうまくミートせず右サイドに流れると、これを拾ったヘスス・ナバスはニアにいたヤヤ・トゥレに流します。ヤヤ・トゥレのシュートは、ドーソンの前にいたダヴィド・シルヴァに向かって飛んだため、DFもGKもよく見えなかったのでしょう。マン・シティの司令塔がふっとよけると、ドーソンの左足に当たったボールが角度が変わり、ゴール左隅にゆっくり転がります。GKマイヒル、一歩も動けず。ダヴィド・シルヴァを中心に攻め続けていたアウェイチームは、先制点を得てさらに勢いを増します。

マンチェスター・シティの2点めは、ポストプレーのお手本のようなゴールです。24分、ヤヤ・トゥレからのパスを受けたボニー・ウィルフリードは、最高にシュートを打ちやすいタイミングで出し手にリターン。走り込んだヤヤ・トゥレは、ノープレッシャーで余裕を持ってゴール右上にミドルをコントロールします。早い時間の2点差は、慎重に守るGKハートと守備陣に落ち着きをもたらしました。リッキー・リー・ランバートとベラヒーノの初めての2トップで攻めるWBAには、明確な崩しのプランがあるようには見えません。マン・シティ注目のスターリングは、サイドからゴールラインをえぐるシーンもあり、彼らしさを発揮できています。とはいえ40分に最終ラインの裏に抜け出し、シュートをGKマイヒルにぶつけたプレイは正直すぎました。冷静にもうひとつタッチを入れ、GKと駆け引きしていれば決められたのではないでしょうか。

ハーフタイムは2-0。WBAは、終了間際に最終ラインとうまく入れ替わってチップキックでシュートを決めたベラヒーノが、オフサイドを取られたのが残念でした。前半のシュートはわずかに1本。このままでは2点差をはね返すのは至難の業です。

後半開始からは、ホームのWBAが攻勢をみせます。50分にMFモリソンの浮き球からゴール前に飛び込んだベラヒーノの一撃は、ジョー・ハートがセーブ。ピューリス監督の淡い望みを完全に打ち砕いたのは、59分のCKでした。ダヴィド・シルヴァのニアへのボールをフリーでヘディングしたのはコンパニ。シュートは完璧、美しい弧を描いたボールをファーのサイドネットに落とされては、GKは反応できません。勝負はこれで決まりました。63分のアグエロ投入は、アーセナルのアレクシス・サンチェスとは違って、0-3になったからこその余裕の試運転でしょう。ナスリとデミチェリスまで調整させることができたペジェグリーニ監督にとっては、文句なしの開幕戦だったのではないでしょうか。0-3、マンチェスター・シティが快勝です。

マン・シティの攻撃は、今後に期待を抱かせるものでした。プレシーズンからダヴィド・シルヴァとスターリングのコンビネーションには見ごたえがありましたが、この試合でもスペインの司令塔はスターリングをうまく使っていました。新加入のスピードスターを止められなければ、プレミアリーグ上位クラブでも相応の失点を覚悟しなければなりません。そしてもうひとり、今季は結果を出すのではないかと思わせてくれたのは、フィット感が増したボニーです。2点めのアシストには、あらためて彼のセンスのよさを感じました。このうえ若いイヘアナチョが機能すれば、ジェコとヨヴェティッチを放出したこのクラブにストライカーの補強は要らず、安心して噂のデブライネに高額の移籍金を突っ込むことができるでしょう。一方で守備のほうは、後半にサイドを突破されてシュートを許すシーンが見られ、元気なチームと当たってみないと何ともいえません。週末のチェルシー戦が、マン・シティの守備力を計る最初のチェックポイントとなります。

開幕節にマンデーナイトのゲームが行われるようになったプレミアリーグ10-11シーズン以降、優勝はすべて月曜日に試合を行ったクラブとのこと。5年も同じことが続くと、何らかの理由があるのではないかと探ってみたくなりますが、最初の1試合が最終結果に与える影響をはっきりさせるのはどうも難易度が高そうです。ライバルの失敗を見た後に戦う開幕戦は落ち着いてプレイできる、といった効果でもあるのでしょうか。あくまでも「縁起の世界」で気になることがあるとすれば、マン・シティがマンデーナイト発進から優勝を決めた2シーズンはいずれも緒戦を4-0で勝っており、1点足りなかったことでしょうか。いやいや、0-3で勝ったアウェイゲームにつけるケチなどどこにもありません。マンチェスター・シティ、順調な船出です。

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“【WBA×MAN.CITY】スターリングの船出はまずまず。マン・シティ、ヤヤ・トゥレの2発で好発進!” への1件のコメント

  1. シティズン より:

    他のチームが苦戦してるなか
    守備にまだ不安が残りますが
    勝てたことは大きいと思います
    もう次がチェルシー戦とは早いですね

    —–
    見事なくらい管理人さんの予想が外れましたねw
    これだからサッカーは面白い

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