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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【WBA×Chelsea】救世主ペドロが王者を救う!10人のチェルシーがプレミアリーグ初勝利!

ペドロ・ロドリゲスがいきなりプレミアリーグスタメンデビューです。ウィリアンが中央、アザールとペドロが両翼、セスクとマティッチがセントラルという布陣でしょう。ゴールマウスにはクルトワが復帰し、CBはズマとテリー。最前線のジエゴ・コスタは、いいときのプレイを取り戻せるでしょうか。ベンチのベルトラン・トラオレとロフタス=チークも観たい選手で、私は、活きのいい若手がレギュラーに食い込んでくるような活躍を見せれば、チェルシーはより連覇に近づくとみております。プレミアリーグ第3節、WBAとアウェイで戦うチェルシーには興味が尽きません。ザ・ホーソンズのキックオフは日本時間21時30分。当地は雨。イギリスは猛暑のようですが、この天気ならレスターVSトッテナムのような給水タイムはないでしょう。モウリーニョ監督復帰後、クリスタル・パレスとWBAで唯一スペシャル・ワンからプレミアリーグ2勝を挙げているピューリス監督に、秘策はあるのでしょうか。

開始早々、チャンスをつかんだのはWBA。クロスがゼニトから来たばかりのサロモン・ロンドンに出てクルトワがパンチで逃れるシーンがあり、波乱の予感がピッチに充満します。4分にはチェルシーが反撃。アザールの仕掛けから左に出たジエゴ・コスタがクロスにシュートを放ち、右のポストすれすれを襲います。WBAはチェルシーボールになるとドン引きしており、アザールやペドロにスペースはありません。13分、WBAに大チャンス。右から持ち込んだマクマナマンがマティッチに倒され、PKのジャッジ。ところがモリソンが正面に強く蹴ったボールをクルトワが足でクリアし、昨季プレミアリーグ王者はピンチをしのぎます。

18分にもFKからフリーのヘディングシュートを許すシーンがあるなど、チェルシーの最終ラインは落ち着きません。しかし19分、停滞したチームに救世主が現れました。ハーフライン付近からドリブルを始め、セスクとのワンツーから右隅に緩いシュートを決めたのはペドロ・ロドリゲス!狭いスペースでも確実なプレイができるウィンガーは、「バルセロナ・ホットライン」を活かして劣勢のチームを救う貴重な先制点を決めました。引いて守ろうとするチームにとっては、ペドロの加入はやっかいです。

29分、攻めるしかなくなったホームチームを切り裂いたチェルシー得意のカウンターは、左から中に出てきたウィリアンから始まりました。右サイドをフリーで走るペドロにパスが出ると、シュート性のグラウンダーをスライディングで押し込んだのはジエゴ・コスタ。30分も経たないうちに1ゴール1アシストを記録したペドロにとっては、最高の自己紹介でしょう。しかしWBAも黙っていません。35分、イヴァノヴィッチが簡単に裏を取られてクロスが上がると、ロンドンがボレーで中央に落としたボールをモリソンが強烈なシュート。PKを外した背番号7はミスを帳消しにしたものの、スコアは1-2、勝ち点を得るにはもう1点必要です。

40分、チェルシーがまたもやカウンター。ドリブルでDFを翻弄したペドロからの優しいパスは、フリーで打たせてもらったウィリアンが決めないといけません。42分、セスクのふわりとした浮き球をジエゴ・コスタがつぶれながら落とすと、オーバーラップしていたアスピリクエタがゴール左隅に流し込みます。アザールが霞んでみえるようなスペイン人選手たちの大活躍で、前半は1-3。チェルシーがここから負けるとはさすがに考えられません。

しかし53分、余裕で試合を畳むかと思われたチェルシーに、またも事件が起こります。最前線に出た縦パスに走り込んだロンドンにテリーが手をかけてしまい、決定機阻止でレッドカード。前節のプレミアリーグで鼻を痛め、フェイスガードを付けたケーヒルがウィリアンに代わってピッチに入ります。リッキー・リー・ランバートを用意させていたピューリス監督に2点めが転がり込んだのは59分。マクマナマンの左からのクロスをモリソンが見事なバックヘッドをバーの下に当てると、さすがのクルトワも何もできません。63分、チェルシーが3人のカウンター。ペドロのクロスをファーサイドからジエゴ・コスタが左足ボレーで狙いますが、枠をおさえることができません。

71分、この日キレキレのマクマナマンがペナルティエリアに侵入。切り返しからファーポストを狙ったシュートはわずかに外れます。ジエゴ・コスタの単独突破からのシュートがバーを越えた後の77分、チェルシーはエースを下げてファルカオ、WBAはマクマナマンをアーセナルから来たニャブリへスイッチ。ロンドンが前線に飛び出し、ニャブリが右からミドルを放つなど、完全なるWBAペースです。84分にペドロをミケルに代えたモウリーニョ監督は逃げ切り態勢。93分に左からのクロスをリッキー・リー・ランバートが落とし、ロンドンが倒れ込みながらシュートを打ったのが、ホームチーム最後のチャンスでした。退場者を出して押しまくられた試合にモウリーニョ監督の納得感はないと思われますが、チェルシーが2-3で今季プレミアリーグ初勝利を飾りました。

2ゴールのモリソンは素晴らしかったものの、13分のPKが決まらなかったことがこの試合のターニングポイントだったと思います。チェルシーを勝利に導いたのは救世主ペドロでしたが、セスクとジエゴ・コスタが確実によくなっており、攻撃陣については全体的に収穫の多い試合でした。一方、最終ラインは相変わらず不安定。イヴァノヴィッチはマクマナマンに再三やられ、余裕のない対応が多かったマティッチとCBがサロモン・ロンドンに翻弄された結果、テリーを失うことになりました。次戦のクリスタル・パレスは2勝1敗と絶好調。チェルシーの守備陣は、キャバイェ、パンチュンらが揃う攻撃的なパーデュー監督のチームを抑えきることができるでしょうか。昨季プレミアリーグ王者が彼ららしさを完全に取り戻すには、もう少し時間が必要のようです。

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“【WBA×Chelsea】救世主ペドロが王者を救う!10人のチェルシーがプレミアリーグ初勝利!” への5件のフィードバック

  1. シェバ より:

    更新お疲れ様です

    ペドロがスタメンで更にこんな活躍するとは思いませんでしたし、守備でもしっかり走るしチェルシーは良い補強をしましたね。
    アザールはドリブル取られないですし、ウィリアンはもっと観たかったですが交代は仕方ないですね。
    イヴァノビッチは寄せきれず簡単にクロスを上げられてましたね。2失点もしてるのはモウリーニョのチームらしくないので、次のクリスタルパレス戦はクリーンシートを期待します。

  2. makoto より:

    シェバさん>
    最終ラインが裏を取られるのが気になりますね。攻撃陣のコンディションは上がってきたのではないでしょうか。

  3. 熊サポ より:

    更新お疲れ様です。

    チェルシーの守備が不味いのは、DF陣の問題以外にも、中盤の問題があると思います。特にセスクの守備は軽く、シティ戦も今回も簡単に相手に前を向かれてました。
    もともとセスクを3列目にコンバートしたのは、攻撃的に行くという変化の表れだと捉えているので、それ自体は良いことだと思います。しかしclやビッグマッチで勝つにはDF陣はもとより中盤の守備もどうにかする必要がありそうです。

  4. パチ より:

    ペドロ良いですね。
    シュールレを失って以来無かった、タイミングのいいフリーランニングが見られましたし、セスクもやりやすそうでした。

    守備に関してはDFラインをどうしていくかですね。
    テリー中心にまた低いラインにするのか、中盤とDFラインとの間をコンパクトに保てるように選手を構成していくのか。セスクを3列目に置いたままならドルトムントのようにコンパクトなシステムを作り上げていくしかないかなって気もしますが・・・。

  5. makoto より:

    熊サポさん>
    マティッチがいるチェルシー基準でいえば、セスクは軽く感じるのかもしれませんが、ファーガソン時代からキャリックが裏を突かれるのを見慣れているわれわれとしては、まずまずなのではないかと思ってしまいます。全体のラインをどこらへんに設定するのかが悩ましいですね。昨季はうまくいったとはいえ、下げ過ぎるのもリスクですし。

    パチさん>
    ペドロ、素晴らしかったです。おっしゃるとおり、セスクは楽しそうでしたね。

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