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【Everton×Chelsea】途中出場のネイスミスがハットトリック!チェルシーは必然の連敗!

モウリーニョ監督が、メンバーをいじってきました。ヒザの負傷・手術による長期離脱が報道されたクルトワをベゴヴィッチは既定路線ですが、CBはコンディション優先なのか、テリーとズマ。ガリー・ケーヒルの名前はベンチにあります。セントラルMFにミケルを起用したのは、守備的に戦いつつセスクのパスセンスを前で使いたいという意図でしょうか。動きがいいペドロはともかく、プレミアリーグ開幕から「らしい」ところを見せていないアザール、ジエゴ・コスタのパフォーマンスが戻らなければ、最近5戦で2勝3敗と負け越しているグディソン・パークのエヴァートン戦を勝ちきるのは難しいでしょう。前節のプレミアリーグでスタメンだったクレヴァリーをケガで失ったロベルト・マルティネス監督は、中盤にベシッチを起用しました。ベンチにはアーロン・レノン、ミララス、ネイスミス、デウロフェウという豪華なアタッカーが控えています。先制してもされても、チェルシーにとっては息の抜けないゲームとなるでしょう。

開始からしばらくは、イヴァノヴィッチの攻め上がりからチェルシーの時間です。エヴァートンは、レギュラーを狙うチャンスだったベシッチが足を痛めて9分に無念のリタイア。ネイスミスに後を譲ります。17分、そのネイスミスがさっそく大きな仕事をやってのけます。中央で受けたスコットランド代表FWが左のガロウェイにシンプルにはたくと、ガロウェイのクロスは走り込んだネイスミスの頭にぴったり。3人いたチェルシーのDFは誰もネイスミスをケアできませんでした。先制したホームチームは勢いに乗り、19分には右SBコールマンのクロスに中央に流れたコネがヘディングシュート。これはベゴヴィッチがビッグセーブでしのいだものの、チェルシー守備陣はまたも捕まえきれていませんでした。22分、ルカク、ロス・バークリーとつながったボールがネイスミスにつながると、左足のミドルがベゴヴィッチの左を破って2点め。昨季プレミアリーグ王者に、堅守だった数ヵ月前の面影はありません。

26分、チェルシーの左サイドが初めて空き、アスピリクエタが持ち込んでシュートを放つもののジョン・ストーンズが的確にブロック。エヴァートンの守備は、21歳のイングランド代表CBの読みが効いており、サポーターが歌うとおり70億円積んだチェルシーでもお金で買えない選手であることを証明しています。セスクのパスが味方の足元にしかいかないところに、2点のビハインドを背負ったチェルシーの不調が窺えます。打開策が見えなかったアウェイチームでしたが、しかし36分にひと筋の光が差しました。マティッチの強烈なロングシュートに名手ハワードも届かず、2-1。この一撃は、アザールが消えている攻撃陣が活性化するきっかけになるでしょうか。37分に左からの浮き球を叩いたテリーのヘッドはゴールの上。チェルシーは、苦手のグディソンパークで1点を追いかける展開のままハーフタイムを迎えます。

後半、ポゼッションはチェルシーですが、チャンスの数はイーブン。58分にルカクが縦に抜け出したシーンは、正直なシュートをベゴヴィッチに止められたものの、エヴァートンのカウンターは悪くありません。開始10分でブラジルから来たケネディを投入したモウリーニョ監督は、意図通りの結果が得られません。ジエゴ・コスタにいいときのスピードがないためシュートに至らず、ラストパスはストーンズとジャギエルカに簡単にクリアされます。70分、チェルシーはペドロをファルカオ。ロベルト・マルティネス監督は、コネに代えてアーロン・レノン、足に違和感を訴えたコールマンを新戦力のフネス・モリ。膠着したゲームのスコアは、残り10分になっても動きません。

勝負が決まったのは83分でした。フネス・モリの投入で右サイドに出たストーンズが組み立て、中のロス・バークリーにつなぐと、背番号20が最終ラインの裏に走ったネイスミスにスルーパス。飛び出してコースを切りにいったベゴヴィッチの股を抜いた一撃は、ここしかないというタイミングとコースでした。3-1、エヴァートン。ルカクはそれなりに抑えたものの、2列めの侵入に対応できなかったチェルシーは、昨季プレミアリーグ38試合と同じ3敗めをたった5試合で記録することになりました。

ズマを起因とする最終ラインの穴、セスク、アザール、ジエゴ・コスタのコンディションの悪さ、攻撃の戦術の不足。不振要因が複数にまたがっているように感じられるチェルシーの復活までには、もうしばらく時間がかかることと思われます。1点めはズマのポジショニングミス、ネイスミスのミドルに両手を後ろに畳んで背を向けた2点めのイヴァノヴィッチの守備に、何としても止めるという気概は感じられませんでした。次節のプレミアリーグは本拠地スタンフォード・ブリッジではあるものの、コミュニティシールドで敗れたアーセナルとの対決です。今のこのチームに、ジルーやアレクシス・サンチェスを完封できる雰囲気は感じられません。昨季王者のモウリーニョ監督に、3年めの試練が続きます。

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“【Everton×Chelsea】途中出場のネイスミスがハットトリック!チェルシーは必然の連敗!” への5件のフィードバック

  1. ペドロ より:

    更新お疲れ様です
    エバートンは早くて面白いサッカーでしたね
    チェルシーは点取られたこともあって
    攻め急いでいるように見えました
    チェルシーが既にこんなに負けるなんて想像できません
    それにしてもネイスミスはお見事でした

    —–
    厳しくなるのは解ってましたがここまでやられるとは・・・・。確かにズマのポジショニングの悪さは相変わらずですし、イバノビッチは失点場面以外も寄せが甘い場面が目立ちます。ここまで来たらもっと色々試しても良いと思います。このまま同じスタメンを使い続けても良くはなら無いでしょう。ミッドウィークにはオスカルとラミレスも戻って来そうなのでCLで何かしらのきっかけを掴んで貰いたいです。一昨年のユナイテッドサポの方々もこんな気持ちだったのでしょうか?中々出口が見え無いと憂鬱です。

  2. makoto より:

    シティさぽさん>
    チェルシーは、全体的に動きが悪いのが気になりました。ネイスミス、しぶいです。

    ペドロさん>
    CL勝利を良薬にできるといいですね。アスピリクエタとババの両サイド、ロイク・レミー先発などはやってみたほうがいいのではないかと思いました。一昨年のマンチェスター・ユナイテッドサポーターは、今のチェルシーファンのみなさんよりもっと憂鬱だったかもしれません。モイーズ監督になってからの間延びした中盤に、改善の予感はまったくなかったので。

  3. chelさぽ より:

    ネイスミスには昨シーズンにも決められてましたし、ベシッチに替わって入ってきたときは嫌な予感しかしませんでした。
    記事にも書いてくださってますが、DFラインの気概が殆ど感じられないので修正していけるのか本当に不安です。
    ブラナの失点関与率は異常です。コスタもまだまだ調子は上がりそうにないですし、ババやレミーにチャンスを与えるほうが良くなる気がするのですが、にわかの私よりモウリーニョはいろいろ考えてくれているはずだと信じてみることにします。

    次節はチェフと再会ですね。全く勝利のイメージができませんが(笑)

    CLも始まりますし、不安要素が多すぎます。
    4位以内が厳しくなっていると感じると無性に辛いです。

  4. シティズン より:

    モウリーニョは本当にメンバーを変えませんね
    いつまでジエゴ・コスタとアザールを使ってるんだという
    レミーは早く出た方が幸せでしょうね

  5. makoto より:

    chelさぽさん>
    気持ちの問題が大きそうですね。自信たっぷりのジョー・ハートやCBの必死の戻りなどマンチェスター・シティの守備を見ていると、「あと1歩が出ない」「ボールにつられてしまう」といったチェルシーの覇気のなさ、余裕のなさがよけいに気になります。

    シティズンさん>
    アーセナルやマン・シティに比べて、フォーメーションの工夫も含めて明らかにオプションが少ないですよね。トップはロイク・レミーを出すぐらいしかなく、アザールは代えづらいのだと思います。

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