イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Liverpool×Norwich】彼はいつもの彼ならず。決められなかったリヴァプール、痛恨のドロー!

プレミアリーグにダニエル・スタリッジが戻ってきました。ベンテケとの2トップの下にコウチーニョ、中盤にルーカス、ミルナーという布陣。アルベルト・モレノとナサニエル・クラインが高い位置に構え、最終ラインにはサコを投入。最近ミスが目立っていたジョー・ゴメスとデヤン・ロブレンはベンチです。プレミアリーグ昇格組のなかで、いちばん補強が控えめだったノリッジにアンフィールドで勝ち点を落とすわけにはいかなかったのですが…。何度も決定的なチャンスを手に入れながら、レッズは1点しか決めることができませんでした。

4分、さっそくスタリッジが見せてくれます。右サイドで出した絶妙なヒールパスにミルナーが抜け出しかけ、ペナルティエリアで転倒するもジャッジはノーファール。7分には同じ右でナサニエル・クラインがファールを受け、FKから中央のコウチーニョが右足で狙うもゴール左に外れていきます。後で思えば、コウチーニョの力みは、タイムアップの笛が鳴るまで終始ついてまわることになりました。18分にアルベルト・モレノがロングパスを受け、ひとりかわして的確なグラウンダーを入れたシーンは、ミルナーが決めなければいけませんでした。シュートはDFの足元にいってしまい、ここでもレッズは先制点を奪えません。直後にナサニエル・クラインのパスを受けたスタリッジがバソングのつま先に引っかかったように見えたシーンも、PKを宣告する笛はもらえません。それでもリヴァプールには、今までのプレミアリーグ5試合よりも数多くのチャンスがあります。先制は、時間の問題に思えました。

30分、左からのサイドを変えるボールに反応したナサニエル・クラインのミドルは、GKラディの指先を抜けてわずかにポストの左。前半最大のチャンスは33分、ハーフラインを越えたあたりからルーカスが一発で通したスタリッジへのスルーパスでした。復帰戦のストライカーがダイレクトで放ったシュートが決まらなかったのは、GKが読みやすいタイミングとコースだったからでしょう。42分、アルベルト・モレノのクロスのクリアを直接狙ったミルナーの右足ボレーはGKの正面。0-0のまま、ゲームは後半となります。

ブレンダン・ロジャース監督はギャンブルに出ました。シュートを狙えるボールはもらえなかったものの、ベンテケの動き出し、動き直しの質は決して悪くありませんでした。しかし、ハーフタイムを終えた後にピッチに登場したのはダニー・イングス。入って3分後、昨季プレミアリーグで11ゴールを決めている若きストライカーが、レッズでのリーグ戦初ゴールをゲットします。この日キレキレだったアルベルト・モレノは、28番が裏に走る動きをよく見ていました。縦への浮き球1本、胸トラップ、目の前にはラディだけ、左足インサイドのゴール!アンフィールドのサポーターがますます盛り上がるホームチームは、これで俄然優位に立ったはずでした。54分、スタリッジからのパスをペナルティエリア左で受けたコウチーニョのコントロールショットは、ポストの脇にきわどく外れていきます。シュートの正確さに定評がある背番号10は、この日は最後まで当たりませんでした。

1-0でリードされ、沈黙していたノリッジサポーターが湧いたのは61分。CKで、ミニョレがやってしまいます。パンチングで逃れるなら、手を外に振って逆サイドに飛ばすか、あるいは上に突き出すべきでした。いわゆる猫パンチのような動きになった中途半端なパンチはゴール前5メートルにいたマーティンにトラップされ、ぽっかり空いていたゴールに右足アウトで浮かされて決められます。65分には、右からのグラウンダーに走り込んだマット・ジャーヴィスにあわや逆転というボレーを許しますが、ここはミニョレが抑えて1-1のイーブンをキープします。

スタリッジとルーカスを下げ、フィルミーノとララナを投入したロジャース監督の采配は悪くなかったと思います。77分の絶好機を活かせていれば、監督も選手もサポーターも、手応えを感じながら安らかな眠りにつけたでしょう。自陣からのフィルミーノの縦パスでカウンター発動、コウチーニョとダニー・イングスが2対1。ドリブルで一気にゴール前に出たコウチーニョは、ラディの足元を抜くもよし、横に流して味方に決めてもらうもよしで、余裕がありました。しかしここまで感触がよくなかった背番号10は、GKの手の高さにおあつらえ向きのシュートを放ってしまい、ラディが左手で弾いてゴールならず。この後、ダニー・イングスやララナにもフリーでシュートを狙えるシーンがありましたが、入らないときは何をやっても入らないものです。かくしてリヴァプールは、痛恨のドロー。勝たなければいけない試合を勝ち点1で終わらせてしまいました。

攻撃時に冷静に、あるいは自信をもってプレイしていたのはアルベルト・モレノとダニー・イングスだけでした。ミルナーはもっときわどいシュートが打てる選手で、コウチーニョは正確、ララナは柔らかいタッチが身上なのに、レッズのフィニッシュはGKの正面か巻いてしまってポストの脇に逸れるものが多く、どこかしら焦りや力みがあったように感じました。とはいえ、結果は出なかったものの、この日の2トップは選手たちの特徴を発揮しやすく、続けていけば実を結ぶのではないかと思います。ロジャース監督は、昨季のように悪いところ探しをしてあれこれいじるよりも、信じて熟成させるほうがいいのではないでしょうか。「Not his day」。これまで数々のチームの危機を救ってきたコウチーニョのノーゴールには、この言葉しか浮かびません。

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“【Liverpool×Norwich】彼はいつもの彼ならず。決められなかったリヴァプール、痛恨のドロー!” への6件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労さまです。
    このゲームは勝たなくてはならないゲームだったと思いますが、ロジャーズの采配はそれほど悪くはなかったと思ってます。
    むしろ選手の方の力みが大きかったのでは思います。特にコウチーニョはその辺りが顕著に見られましたね。まあ、決定機を外せばそうなるのも致し方ありませんが。
    ポジティブな要素はサコが良かったですね。ELでもしっかり仕事をしていたので今回もしっかりとこなしてましたね。ただ、3バックはどうなのでしょうか?当面はこの形が続きそうな気配がしてますが、、、。
    あとイングスですね。やはり彼は前半から使って欲しいです。スタリッジはまだまだフィットしていない感じがするので、イングスを最初から使ったほうが得点の香りがします。
    しかし、これで更にロジャーズへの風当たりが厳しくなってきたでしょうね。即解任はないと思いますが、ミッドウィークのキャピタル・ワン・カップと次節のヴィラ戦は流石にドローはまずいと思いますが、今のレッズを見ていると悲観的な思いばかりが先行してしまうのが悲しいところです、、、。

  2. プレミアリーグ大好き! より:

    ロジャース「ベンテケはバーゲン価格!キリ!」

    う〜ん、ロジャースたんおもろいわぁw

  3. makoto より:

    Mackiさん>
    開始直後は4-3-1-2かと思ってみていたのですが、3-4-1-2でしたね。サイドのスペシャリストが少ないので、4-3-1-2と4–3-3の併用のほうが融通を効かせやすいのではないかと思いました。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    最近のダニー・イングスの動きがよかったので、思い切ったのでしょうね。

  4. トーレス より:

    やはりこうなってしまいましたか(╥╯θ╰╥)
    確かにチャンスは多かったですが
    ずっとこのメンバーで1点しかとれない原因は
    もう監督にあると言ってもいいでしょう。
    実質内容だけで言えば全敗していても不思議じゃなく
    残された時間はあまりないでしょう。
    たらればですがこの試合で変えるのであれば
    記事でもあるようにコウチーニョでしたね。
    そういう意味で選手に合わせた戦略
    選手の見極めもできないとしか思えなくなってきました。

  5. プレミアリーグ大好き! より:

    メンバー、実力、順位ともに完全に中堅になってしまいましたね。残念です。

  6. プレミアリーグ大好き!さんへ より:

    ベンテケの交代はハムストリングの負傷が理由みたいなのでパフォーマンスは関係なかったかと思います

プレミアリーグ大好き!さんへ へ返信するコメントをキャンセル