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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ジエゴ・コスタは出場停止、ガブリエウはレッド取り消し…このうえはビデオ判定の早期導入を!

最初にお断りをさせていただきますが、本件、アーセナルとチェルシーというクラブに関しても、ジエゴ・コスタとガブリエウという選手の振る舞いに対しても感情的にどうこうはなく、その善し悪しについて語ることはいたしません。以下に書かせていただくことは、「対FA」と限定させてください。プレミアリーグ第6節、チェルシーVSアーセナルのロンドンダービーで起きた一連のトラブルに関して、レフェリーのマイク・ディーン氏が下したジャッジは、その後の裁定で完全に覆りました。ジエゴ・コスタは3試合の出場停止、ガブリエウはレッドカード取り下げで出場停止はつかず。ここまで結論が真逆になってしまうと試合結果に釈然としないものが残り、再試合としたほうがいいのではないか、とすら思います。

プレミアリーグを運営する側として、再試合という禁断の果実に触りたくない事情は一定、理解します。試合中に下されたジャッジ自体がタイムアップの笛が吹かれた後に変わるという前例を作れば、あれもこれも再試合ではないか、勝ち点はどうなるんだと収拾がつかなくなり、ひいてはプレミアリーグ全体に対しての興味や信頼に影響を及ぼすことは想像できます。ネガティブな議論が続くのを避けるために、「レフェリーが試合中に下したジャッジは絶対であり、試合の結果については変わることはない」という一線は引いておきたいでしょう。これはこれで、わかります。件の試合が無効となり、後日もう一度戦うと発表すれば、まずはボーンマスが抗議するのではないでしょうか。FAは、プレミアリーグ2節のリヴァプールVSボーンマスにおけるベンテケのゴールをオフサイドと認めたわけで、であれば彼らの勝ち点3という結果はおかしいのではないかといわれてしまえば、上記原則論以外で却下する理由はないでしょう。

わかるのですが、釈然としません。

チェルシーサポーターのみなさん、誤解なきよう添えますが、あの日のチェルシーが勝利に値しないといっているわけではありません。ここで述べているのは、「FAが出した結論は合理的ではない」ということだけです。ジエゴ・コスタがレッドカード相当の出場停止を受けたと見做せば、ピッチにいる人数という試合の結果に大きな影響がある判定が2つも覆ったわけですので、結果だけそのままというのはアーセナルサポーターではなくてもモヤモヤします、といいたいのです。

以下、私見です。
■論理的には、「元のジャッジも試合結果も変わらない」とするか、「ジエゴ・コスタに対するジャッジもガブリエウのそれも不当だった。よって試合結果についても何らかの措置を講じます」とするかの二択ではないでしょうか。
■一方で、それをやってしまうと悪しき前例となり、プレミアリーグ全体の運営を難しくするのでやらない、という考え方についても理解はします。ただし、モヤモヤもします。
■一部で「レフェリーに対してもペナルティを科すべき」という意見があるようですが、今回できることがあるとすれば「レフェリングをめぐるトラブルが増えていることを憂慮し、次回以降はレフェリーに対してもペナルティ制度を導入して全体の質的向上に努める」という予告までだと思います。中国には既にこの制度がありますが、プレミアリーグにはないという認識です。就業規則に罰則規定がないのに、いきなり罰を申し渡されれば、当事者や組合は「不当だ」と訴えるはず。自分が当事者なら、そんな組織では安心して働けないと思うでしょう。とはいえ今後は、「一定期間の出場停止と講習受講」等の罰則を導入し、裁定後に広報する(ここが重要)ことを検討したほうがいいのではないでしょうか。これは、半ばはプレミアリーグファンの納得感の問題でもあります。
■ズマの「ジエゴ・コスタはよくインチキをして、相手を試合から追い出そうとする」という発言は、軽かったかもしれませんが許してあげたいと思います。ゴールを決めた試合直後でテンションが上がっていた20歳は、事の重大さに考えが及ばなかったのでしょう。
■いちばんいいたいのは、「ここまでの話になるならば、ビデオ判定の早期導入は必至ではないか」ということです。以前、私はビデオチェックで試合を止めることに懸念をしていたのですが、ラグビーの事例を確認させていただき、考えをあらためました。

いかがでしょうか。FAが線を引いたら、それを是として未来に目を向けるしかないと思っておりますが、何らかの再発防止策は明確に講じてほしいですね。私たちファンは、とにかくいい試合を観たい、プレミアリーグを心底楽しみたいと思っているわけですから。FAのみなさん、ご検討よろしくお願い申し上げます。

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“ジエゴ・コスタは出場停止、ガブリエウはレッド取り消し…このうえはビデオ判定の早期導入を!” への16件のフィードバック

  1. シティさぽ より:

    誰が見ても悪質なファールでしたからね
    3試合出場停止は妥当でしょう
    モウリーニョだからかメディアからかなり圧力があるように感じます
    モウリーニョのコメントが楽しみです

  2. makoto より:

    シティさぽさん>
    ディーン氏の仕切りとジャッジに問題が多すぎて、どんな裁定をしてもメディアからもファンからもさまざまな声が挙がってきてしまいますね。モウリーニョさんの試合後のコメントは、FAの心証を悪くしてしまったかもしれません。

  3. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    私もこのゲームは見ておりました。この行為が起きる前までは、チェルシーが本来の輝きを取り戻し非常に面白いゲームでしたが、あの裁定から変わってしまいましたね。
    今回のFAの最低ですが妥当だと思いますが、Jsportsで解説していたベンさんのレフリングにやや問題があることも指摘しておりました。ラグビーのようにビデオ判定も一考の余地があるかもしれませんね。

  4. ヤヤ・トゥーレ より:

    昔から思ってましたがプレミアやリーガのレフェリーの質は低いように感じます。

    セリエやブンデスリーガのレフェリーと違うのは、試合を公正にコントロール出来るかどうかだと思います。プレミアの審判は誤審が多く、リーガの主審は感情的になり易いという難点があるように感じます。

    今回の件はビデオ判定導入の足掛かりになればいいと思います。MLBでも導入してるようにチャレンジ制でも良いし、試合後にいざこざがあるくらいならその場できちんと答えを出せば遺恨も無くなりますしね。

    ただ一つFAの裁定に疑問なのは、ガブリエウの処分取り消しに関してです。コスタは処分されて当然ですが、アザールに対してのラグビーまがいの危険なタックルもそうですし、挑発に乗って浅はかな報復をした愚かなガブリエウに何の処分が無いのは悪しき前例を作りかねないと思います。FAには度々がっかりさせられますが、世論に負けてガブリエウに処分が無いのは呆れたものだと思いますよ。

  5. デリック より:

    ガブリエルの処分取り消しはガブリエルにはもう退場というペナルティを受けていて、何もペナルティを受けてないコスタとバランスをとるためでしょうかね?まあ、一試合停止くらいが妥当だとは思いますが、何もなしでも全く納得いきませんけどね。
    だって、試合ぶち壊されたわけだし、出場停止と退場は訳が違いますよね。出場停止は10人で闘うわけではないんですし。アザールとのプレーを話しに出す人いますが、正直関係ないと思います。まあ、PK取られてイエローでもおかしくはないと思いますが、それでカード取られてたらガブリエルのプレーも変わってただろうし、今回の処分はコスタとの一連の流れに対する罰ですからね。

  6. プレミアリーグ大好き! より:

    機械でない人間が試合を裁いてる以上、誤審とフットボールは切り離せない問題なんでしょうね。ビデオ判定を導入しない理由は多々ありますよね。ゲームスピードの維持、費用の問題など導入する側からしたら頭が痛くなるような致命的なものばかりに思います。とはいえ誤審もフットボールの一部だよなんてお決まりの着地点ではいつまでたっても誤審により壊されるゲームは減っていきませんしなんの解決にもなりませんよね。今回問題になった試合はビックマッチとはいえリーグ戦の一試合、それも序盤戦のものですし試合後に正しい判決が下されただけマシなのかなとも思いますが、タイトルのかかった試合などで今回のような事があれば膨れ上がったプレミアリーグの規模からして収集がつかなくなるような事例も出てくるのではないかと危惧してしまいます。オフサイドかオンサイドか、PKかPKでないか、レッドかイエローか。これらに関する誤審を無くすのは不可能でしょう。ただ反スポーツ的な行為には遡及的に厳罰を下す事は出来るはずです。ダイブや危険なタックル、人種差別等々見ていて不快になる行為の撲滅を願います。

  7. ヤヤ・トゥーレ より:

    >デリックさん

    プレミアのレギュレーションにはこうあります。暴力行為や悪質なファールでレッドカードになった場合は3試合出場停止となっています。

    ガブリエウの場合は相手の挑発に乗って明らかな暴力行為をしてますので、3試合出場停止で処分すべきだと思いますよ。

    たしかに今回の件は日頃の品評の悪いコスタが絡んだ件なので偏見があるのは分かりますが、ガブリエウが暴力行為をしたのはまた独立した話でこれは処分の対象になるべき事象だと思います。

    それをしなかったという事は、FAは世論に負けたと思いますし、これから報復で退場しても今回のアーセナルサポーターみたいに騒げば処分が無くなるという悪しき前例を作ったと思いますよ。

  8. YNWA より:

    今回の件は完全にウンコスタが100%悪いのでガブリエルの取り消しは仕方ないですね
    アイツにはスアレスと同じ位の処分を下して欲しいですわ
    ブサイクうんこ顔野郎

  9. とっとこ肘太郎 より:

    チェルシーファンですが、コスタの3試合は妥当だと思います。ただ手を出してるわけですしガブリエル取り消しは行き過ぎじゃないですかね?

  10. ジウベルト より:

    ガナは、2-0で試合に負けるという代償を払ってますので、ガブリエウの処分取り消しは妥当だと思います。

  11. プレミアリーグ より:

    いくらなんでも勝負に直結する判定過ぎますね。チェルシーの2得点もこの後だし。再試合ができないならせめてドロー扱いにしてもいいレベル。

  12. makoto より:

    Mackiさん>
    今回の仕切りのまずさは、結果への影響が大きすぎましたね。ビデオ判定を導入せざるをえない状況だなと思いました。

    ヤヤ・トゥーレさん>
    レフェリーのレベルに関しては同感です。アザールの件に関しては別件で、この話は「コシールニートジエゴ・コスタの接触以降」の話ですので、切り離して語ったほうがいいのではないかと思います。

    デリックさん>
    FAから処分内容についての広報はあっても、どう判定したかがはっきりしないので、妥当性や軽重を問うのは難しいですね。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    そうですね。とりわけ暴力と差別に関しては、今後はペナルティの重さを一段上げてもいいのではないかと思います。

  13. makoto より:

    YNWAさん>
    誹謗中傷は控えていただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。

    とっとこ肘太郎さん ジウベルトさん>
    FAがどう判断して今回の着地になったのかが知りたいですね。

    プレミアリーグさん>
    ひとつは前例化させることのリスクをどう見るか、ですね。そしてもうひとつ、気になるのは個人の振る舞いや審判のミスによって、チーム全体の勝ち点が動いてしまうのは、当事者にとって相当重い罰だということ。私が書いた再試合という話も、同様の面があるのだと思います。

  14. リッキー より:

    難しいですね。
    ガブリエルの退場がなければ勝っていた、もしくは引き分けていたとは言いませんが間違いなく試合展開には影響していますし。。
    ガブリエルの出場停止が取り消され、コスタの出場停止であの一件は多目に見てね?というような処分でしょうか?
    納得はいきませんが、どのチームに対しても少なからず誤審の影響は受けていますし致し方ないですよね。

  15. chelさぽ より:

    更新お疲れ様です。

    あくまで個人的には、
    コスタの処分は妥当。ガブリエルの取り消しには疑問(実際に蹴ってますからね)
    私自身スッキリしてないので再試合は良いと思います。
    ズマは年齢の割に英語で答えたのは好印象です。
    後に誤解があったと弁解してましたね。

    簡単ですが、以上になります。

  16. リーガプレミア より:

    コスタの3試合の出場停止は妥当
    ガブリエルのレッドカード、出場停止の取り消しには納得できませんね
    どちらも暴力行為を働いたのは事実ですから
    主審が試合中見れてなかった場合、後から罰を与えるのは良い制度だと思いますが、明らかな報復行為への罰則を後から撤回するのは良くないと思いますね

    —–
    昔チェンバレンとギブスを間違えてカードをだしたことありましたよね
    今更何をという感じです
    誤審で結果がかわるなら今までのCLの優勝チームがいくつ変わるのかって話です

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