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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Arsenal×MAN.UTD】アレクシス・サンチェス&エジル!いきなり3発でガナーズ快勝

この試合にコシールニーがいないのは、ヴェンゲル監督も頭が痛いでしょう。スピードも技術もあるマルシアルは、ひたすらメルテザッカー狙いでいってもらえればと思います。ところが…。プレミアリーグ第8節、アーセナルVSマンチェスター・ユナイテッドは、開始7分で2-0という予想外の展開となりました。キーマンは、完全にトップフォームを取り戻したアレクシス・サンチェスと天才エジル。6分の先制点は、マンチェスター・ユナイテッドのウィークポイントであるアシュリー・ヤングの左サイドを破られました。

マタの中途半端なクリアを拾ったアーセナルは、ラムジーのスルーパスでエジルがフリー。右足で出したきれいなグラウンダーをニアに入ったアレクシス・サンチェスがラボーナで決め1-0。その1分後、今度は速攻でした。アレクシス・サンチェスのおしゃれなヒールパス、カソルラ、エジル。司令塔のパスを受けたウォルコットがドリブルで左からペナルティエリアに侵入すると、中央に軽く落としたボールをエジルがインサイドで左隅へ。さすがのデ・ヘアも一歩も動けず、マンチェスター・ユナイテッドは重いギャップを背負うことになりました。いくらスロースターターとはいえ、プレミアリーグで最少失点だった首位クラブの2点ビハインドは想定外です。攻めなければいけないマンチェスター・ユナイテッドですが、この後もペースを握るのはガナーズでした。

19分、アーセナルは、またもカウンター気味のシンプルな攻撃を決めます。右のラムジーから中のウォルコットを経由して、ボールは左のアレクシス・サンチェスへ。このアタッカーが中に入ってきて右足で狙うのは、プレミアリーグを知る人なら誰でもわかっています。しかし、ダルミアンは足でボールに触れるもののかわされ、スモーリングも逆を取られてコースを抑えられず、絶望的な3点めがゴールの右上に突き刺さります。眠っているアウェイチームはどこでエンジンがかかるのでしょうか。

20分を過ぎて、マン・ユナイテッドはようやく敵陣で試合を進める時間が増えてきました。キャリックとシュヴァインシュタイガーのさばきから、両サイドの攻略を狙うものの、ルーニーのプレイがはっきりせず、囲まれているのに持ち過ぎるデパイは簡単にボールを失います。34分、アレクシス・サンチェスの完璧な浮き球はフリーのラムジーにぴったり。4点め確実というシーンでしたが、16番がボレーをミスしてくれて命拾いしました。

アーセナルの守備は出足がよく、ハーフライン付近でプレスをかけて奪い、一気に攻めるという戦術が機能しています。マタやデパイがつかまり、ルーニーにシュートがないマンチェスター・ユナイテッドがチャンスをつかんだのは、前半が終わりかけてからでした。44分、ダルミアンのパスを受けてDFを振りほどいたマルシアルが振り向きざまのシュート。プレミアリーグに来てから百発百中だった彼の一撃だけに、やっと2点差かと一瞬思ったのですが、ここにはチェフがいました。ボールは思い切り伸ばした左足に当たり、ゴールならず。残り45分で3点差は、ファン・ハール監督の2年めのチームでは初体験です。

ダルミアン、デパイをバレンシア、フェライニへ。ダルミアンがアレクシスに負けていたのは確かですが、守備云々というよりは、突破力のあるバレンシアでサイドを攻略し、高さを使ってシュートがない状況を打開するという狙いでしょう。後半はゴールに近づくシーンが増えていますが、アーセナルの鋭いカウンターを受けるリスクと引き換えです。52分、直接FKの後にエジルに打たれた強烈なミドルは危険でした。62分、相手のクリアをフェライニがカットし、ルーニーがようやくミドルシュートを放ちますが、チェフのセーブに阻まれ点差を詰めることはできません。

67分、マンチェスター・ユナイテッドに2度めの決定機。前線に出たパスをルーニーがトラップミスすると、後ろにいたシュヴァインシュタイガーがノーマーク。前にはチェフしかいなかったチャンスは、守護神の詰めが速くブロックされてしまいます。72分のマタのカーブをかけたミドルも枠におさまらず。直後にモンレアルのパスを受けたエジルが中央から狙うも、デ・ヘアが正面でキャッチします。75分、エジルとウォルコットが下がり、ジルーとチェンバレン。今日の展開なら、ジョエル・キャンベルのほうがやっかいだったと思います。80分に鼠蹊部を気にしたアレクシス・サンチェスがギブスに代わると、アウェイチームはマタをジェームズ・ウィルソン。この交代は、次戦以降を見つめたものかもしれません。中盤でつなぎ役に徹したフェライニが、高さを活かすシーンはありませんでした。カウンターから最前線に抜け出したチェンバレンのシュートがバーに嫌われると、最近のプレミアリーグにしては短い2分の追加タイムは終わりを告げました。

アーセナルがプレミアリーグでマンチェスター・ユナイテッドに勝ったのは9試合ぶり。今日のアレクシス・サンチェスとウォルコットはクリスティアーノ・ロナウドとベンゼマのようで、エジルのマークを緩めると大変なことになるとあらためて思い知らされました。両者の差は、シュートを決めるという意欲の差。前半はマルシアル以外に貪欲さが感じられなかったチームと、エジル、ウォルコット、アレクシス・サンチェス、ラムジーと、複数の選手がフィニッシュへの意欲とイメージを持っていたチームの差でした。

チェフが止めた3本のうち、ひとつでも決まっていれば、試合の流れは変わっていたかもしれません。3点差をつけたのは攻撃陣ですが、3点差で終わらせたのは守護神の素晴らしいセーブです。マンチェスター・ユナイテッドが久しぶりに手に入れたプレミアリーグ首位は、たった1週間でした。連敗でチャンピオンズリーグやマンチェスター・ダービーを迎えることのないよう、次戦のエヴァートン戦は必勝です。

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“【Arsenal×MAN.UTD】アレクシス・サンチェス&エジル!いきなり3発でガナーズ快勝” への7件のフィードバック

  1. 新参 より:

    エジル・サンチェス・ウォルコットのトリオの相性は抜群にいいのかもしれません。ジルーはますます厳しい立場に追い込まれていますね(嬉しい悲鳴ですが…)。

    昨季の輝きを取り戻したカソルラも捨てがたいですが、個人的MOMはラムジーです。強豪相手のときの彼は献身的な守備とボールキープ、シンプルなパス捌きをしっかりしてくれます。常に今日のようなプレーをしていれば、誰からも愛される存在になれるのになあ…と思ってしまいました。

  2. 実はグーナー より:

    組織的で綺麗な442でブロック作って守ってるの見て驚きました
    セットプレーもターゲットにはマンツーマン気味でようやくベンゲルが守備の改善に乗り出したみたいで光が見えた試合でした

  3. chop-マンUファン より:

    新参さん>
    ウォルコットのプレイが変わりましたね。2点め、3点めは彼の判断スピードがもたらしたゴールでした。ラムジーは、セントラルに置けばもっといいのにとついつい思ってしまいます。

    実はグーナーさん>
    私が大好きだった、名古屋グランパス時代のヴェンゲルサッカーに似てました。もともと、スピーディでフラットな4-4-2を操っていた方なので、ああいう戦い方はお手のものなんですよね。

    —–
    毎試合ユナイテッド戦のようなモチベーションで
    試合に臨めというのは現実的に無理な話で
    それがスポーツというものだと思うのですが
    今日のようなプレーをアーセナルが
    継続できるのであればとても恐ろしいです
    今日の試合はユナイテッドの中盤が
    緩かったというのもあると思いますが
    最初の20分の猛攻
    さらに前半で体力を使っていただろうに
    後半もペースが極度に落ちることなく
    守備をしていたことを考えると
    どのチームが戦っても勝てなかったと思います
    それぐらい今日のアーセナルは強かった
    ユナイテッドはインターナショナルブレイクで
    切り替えてもらって
    また勝利にむけて頑張ってほしいです

  4. a より:

    なぜこれをCLでしなかったのだ……理不尽!!w

  5. FDN より:

    メルテがやってはいけないミスを犯していただけにチェフの存在が大きかったですね
    前半終了間際チェフがマーシャルの1対1をビッグセーブで救った場面メルテはマーシャルがうまくボールをトラップされずっこけていましたがあれはさすがに失点を覚悟しました
    それ以外にもゴール前で前にボールをクリアせず無駄にキープしていた時に後ろからマーシャルにボールを危うく取られそうになったシーンも見ていた時はヒヤヒヤでした

    —–
    更新ありがとうございます。

    アーセナル安定の立ち直り力発揮でした。
    CLでの敗戦が無かったらこの快勝は無かったかもと思うと複雑です…が、やはりユナイテッドに快勝!には心踊らざるをえませんね。

  6. ぐなりんぐ より:

    更新ありがとうございます。
    いつも楽しく拝見しています。

    ベンゲルが4-4-2を使わないのはなぜでしょう…
    ベンゲルの4-4-2は当時世界最高クラスの戦術だったと思います。

  7. makoto より:

    chop-マンUファンさん>
    同感です。強かったし、堅かったですね。これを続けられたら、優勝まであります。しくじりをどれだけ減らせるか、ですね。

    aさん>
    いや、まったく!

    せろりさん>
    マルシアルがメルテザッカーを翻弄するシーンが何回もあり、試合開始前に書いた冒頭の言葉が当たるかと思ったのですが…。さすが、チェフです。

    FDNさん>
    やられました。エジルを自由にさせすぎました。いやー。

    ぐなりんぐさん>
    それ、見てみたいなと思ってまして、相方のグーナーには、ときどきそのほうがいいのではないかとこっそりいって、ちょっとした議論になっています。中盤の外の選手が中に絞って攻めてくるときは、迫力ありましたよね。スペインの台頭でポゼッション色が強くなった際に、中盤に人数を増やすべくチェンジしたのでしょう。今やったら、どうなるでしょうね。存外、めちゃめちゃ強くなるのではないかと想像してしまいます。…失礼。自分の応援するクラブが負けたばかりで、こんなこといっててはいけませんね。

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