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【Arsenal×Everton】点差以上の圧勝!美しいアーセナルがヘッド2発で暫定首位!

バイエルン・ミュンヘンとの激闘直後のプレミアリーグ。本拠地エミレーツとはいえ、消耗が激しかったであろうチャンピオンズリーグの後は要注意です。ましてや、相手はアウェイのマージ―サイドダービーでリヴァプールを苦しめたエヴァートン。CBにガブリエウ、ラムジーが負傷した右サイドにはチェンバレン、トップにジルーとミッドウィークから3枚変えてきたヴェンゲル監督は、守備を固めてカウンターに徹したあの試合とは、まったく違う戦い方を指示しているでしょう。勝てば暫定ながらプレミアリーグ首位に立つゲームは、やはり立ち上がりからホームチームが攻勢です。

雨のエミレーツ。ダイレクトパスをうまくかませながら攻め立てるアーセナルから伝わってくるのは、疲労ではなく自信です。10分、カソルラのCKを頭で合わせたガブリエウは、前に飛ばすのが精一杯でバーの上。14分にはジルーが見せてくれました。ロングボールの落下点に入ったポストプレーの名手は、背中に当ててフリーのエジルに落とすというアクロバティックなプレイを披露し、一気に決定機。エジルの右足シュートは、GKハワードが足でブロック。ポストの外に逸らしてピンチを脱します。火曜日のしたたかなアーセナルとは打って変わって、今日は美しいアーセナル。エヴァートンの最初のチャンスは、27分にアーロン・レノンがゴール前にクロスを通したシーンでしたが、チェフが弾いたボールを直接狙ったジョン・ストーンズのボレーがミートせず、0-0のままゲームは進みます。

エヴァートンのビルドアップがスローだったのは、アーセナルにとってはプラスだったでしょう。中盤を省略され、長いボールをルカクやデウロフェウ、レノンに一発で出されるような形のほうが嫌だったと思われますが、ジョン・ストーンズやジャギエルカからのパスの出どころは予測しやすく、最終ラインの手前で攻撃の芽は摘まれます。36分、天才と名人のコンビでガナーズが先制しました。右サイドに出たエジルが、中にいたジルーに点で合わせる素晴らしいクロス。GKに向かって曲がってくる絶妙なボールをジルーが巧みにコースを変えると、出ようにも出られなかったハワードはなす術がありません。勢いに乗ったアーセナルは、その2分後にあっさり追加点をゲットしました。左サイドからのカソルラのFKは、中央のコシールニーにぴったり。ネットに突き刺さった強烈なヘディングシュートは、これもハワードはノーチャンスです。

このまま笛が鳴るかと思われた44分、エヴァートンが1点を返します。中央をひとりで持ち上がり、左に流れたロス・バークリーがガブリエウの手前で強引なミドルを放つと、背番号5の足に当たったボールが左に反応したチェフの逆をついてゴールイン。前半は2-1。アーセナルは、セーフティリードを築くべく、後半立ち上がりから攻撃的に試合を進めます。

47分、チェンバレンが右から出した長いスルーパスをジルーがスルーし、裏からダイレクトで狙ったのはアレクシス・サンチェス。シュートは弱く、ハワードが弾きますが、それぞれの動きと判断は変わらず冴えています。52分、ロベルト・マルティネス監督がジャギエルカをフネス・モリに代えたのは、アクシデントでしょうか。53分、中央から上がったチェンバレンがアレクシス・サンチェスにスルーパスを通したシーンは、その前のジルーのポストプレーが秀逸でした。ハワードの飛び出しが速く、アレクシスはシュートを打てなかったものの、アーセナルには3点めの予感が漂っています。55分、エジルが左から上げたクロスをジルーがヘッドで落とすと、チェンバレンからのリターンを受けたジルーが体を寝かせてのボレー。ガナーズはチェンバレンの動きがよく、少人数で決定機が創れています。

アーセナルが好調なのは、エジルのポジションと表情を見ればわかります。いつもにもまして前線に飛び出すシーンが多いドイツ代表MFには笑顔が多く、プレイにも遊びがあります。69分、わざと渋滞している中央に向かってドリブルし、右のジルーをどフリーにしたパスは完璧でした。コースを狙ったジルーのシュートはクロスバーを直撃。アーセナルの攻勢は止まらず、ルカクが完全に抑えられたエヴァートンにはなかなかチャンスが巡ってきません。79分。ようやくルカクのヘディングシュートがバーをかすめ、86分にはデウロフェウがペナルティエリア内でフリーになる決定的なシーンが訪れますが、チェフのビッグセーブで同点ならず。フラミニの後、ヴェンゲル監督謹製「二段重ね弁当」でモンレアルの前にSBのギブスが投入されると、最後はギャレス・バリーがイエロー2枚で退場となってしまい、ゲームはそのままタイムアップを迎えました。

ヴェンゲル監督が見せた終了直後のガッツポーズは、結果と内容両方に対しての満足感なのではないでしょうか。今日のアーセナルはバイエルン戦とは別のチーム。われわれが見慣れた美しいチームでした。とにかくエジルとジルーでしたが、中盤にスペースが空く今日のようなゲームでは、チェンバレンが活きてきます。火曜日のキャピタルワンカップ、シェフィールド・ウェンズデイ戦は、さすがに主力を休ませるでしょう。土曜日に行われるプレミアリーグ11節のスウォンジー戦に勝って、気分よくミュンヘンに乗り込みたいところです。

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“【Arsenal×Everton】点差以上の圧勝!美しいアーセナルがヘッド2発で暫定首位!” への8件のフィードバック

  1. シティさぽ より:

    ユナイテッドとバイエルンに勝って自信がついたように見えましたね
    前半立ち上がりから落ち着いてプレーしてて
    エバートンのチャンスはほぼ無かったと思います
    このまま好調を維持できると良いですね

  2. 実はグーナー より:

    エジルが好調だと全体が躍動しますしジルーも復調でチームに安定感が出てきました
    良い流れです

  3. グローリーグローリー より:

    ロングカウンター主体のチームからスピード感溢れるポゼッションフットボール。ミッドウィークの試合とは全く異なる香りを見せてくれましたね。普段スピード感皆無のなんちゃってポゼッションを見せられてる身としては本当に面白い試合でした。とりあえず今季のアーセナルの試合は全部見ます。爽快感が半端ないです

  4. ゆうま より:

    序盤からの攻勢そして先制追加点と順調すぎる試合展開でしたが
    やはりエバートンは楽に勝たせてはくれませんでしたね。

    この試合ではエバートンの選手を削るようなプレーが目立ったのと
    何時も以上に気の抜けたプレーを多く見せていたチェンバレンは本当に残念でした。

    エバートンではデウロフェのプレーが目を引きましたが、審判からもダイバーと
    認識されているみたいでしたが。あと一歩半踏ん張って前進しようとする姿勢が
    出てくればもっと怖いプレイヤーになれるんじゃないかと思いました。

  5. makoto より:

    シティさぽさん>
    自信たっぷりで、強かったですね。エジル、ジルー、アレクシス・サンチェスの絡みは絶品です。

    実はグーナーさん>
    エジルのクロスは鳥肌ものでした。ああいうボールは、ジルーは外さないですね。

    グローリーグローリーさん>
    そうなんです。最近のアーセナルはスピーディーなんです。見ていて気持ちいいです。

    ゆうまさん>
    デウロフェウは、やはり怖いです。チェフの素晴らしさも忘れてはいけませんね。

  6. 新参 より:

    ヴェンゲル監督にとっては交代カードの切り方が難しい試合だったのではないでしょうか?後半は得点の匂いがしすぎており、試合を畳むには惜しい展開でした。

    守備意識に欠けるチェンバレン→広域をカバーするフラミニは切りやすかったと思いますが、得点の香りがしていたサンチェス→守備固めギブスは難しかったと思います。

    最後に、チェンバレンは結果を欲しすぎている気がします。スタメン奪取にはゴールに絡み活躍が必要だと考えているのかもしれませんが、自分でやろうとしすぎてソリストになってますね。ベジェリンのオーバーラップをうまく利用すれば相手にとってはめちゃめちゃ脅威だと思うんですがねー

  7. ガナユ より:

    チェンバレンの場合ソリストになりたくてなってるというよりは周りが視えてないのと使い方がわからない結果ソリストにならざるを得ないという感じに私は見えますけどね。その状態で個人での突破で結果を出せてしまえる分余計にもどかしいですが。周りが視えて連動出来ればかなり化けると思いますが….軽いプレーには要注意ですが

  8. makoto より:

    新参さん>
    なるほど。チェンバレンは、守備は心もとなかったものの、攻撃時にはいいパスを出しているシーンもあったので、あまり気になりませんでした。スペースがあり、周囲がわかりやすく呼んでくれるときはいいのですが、余裕がなくなると持ち過ぎる傾向があるかもしれません。

    ガナユさん>
    そうですね。周囲が見えていないときがありますね。当面は弱点が出にくい相手を選んでうまく使ってあげて、成長を促せればいいですね。

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