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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Liverpool×Crystal Palace】決まらないベンテケ…クロップリヴァプールは初の敗戦!

3引き分けの後、3連勝。クロップ監督のリヴァプールが結果を残せるようになってきました。プレミアリーグのチェルシー戦は、ゴール欠乏症だったチームに自信をもたらす3発快勝。スタンフォード・ブリッジで勝ったのも大きいでしょう。ヨーロッパリーグのルビン・カザン戦は、0-1と最少得点差ながら守備が完璧でした。6試合で3失点は合格ライン、より大きな課題は得点力のほうです。アンフィールドに乗り込んできたクリスタル・パレスは、直近のプレミアリーグ3試合を1分け2敗と失速気味ですが、前節のマンチェスター・ユナイテッド戦では、ボラシェとザハが相手SBを大いに苦しめました。リヴァプールのスタメンにはシュクルテルが戻り、最終ラインはいつもの顔ぶれ。中盤は、ルーカスとエムレ・ジャンが中央に並び、ララナ、コウチーニョ、ジョーダン・アイブ。トップはもちろんベンテケです。ゴールがほしい状況になれば、フィルミーノが投入されるのでしょう。

雨が降りしきるアンフィールド。開始早々から、ザハやパンチュン、ボラシェが元気なクリスタル・パレスが押し込みますが、リヴァプールは冷静に対処し、シュートを打たせません。8分、カウンターからジョーダン・アイブが中にドリブルで持ち込み、右に出たララナがクロスを上げたシーンは可能性を感じさせてくれました。13分、カウンターから右サイドを上がったバカリ・サコは、戻ったアルベルト・モレノがカット。この選手の馬車馬のような強引なドリブルも要注意です。

20分、エムレ・ジャンの不用意な横パスをインターセプトしたキャバイェが、GKミニョレの上がり目のポジションをみてロングシュート。アウェイチームの速い寄せに手を焼いていたリヴァプールは、21分に先制点を奪われてしまいます。右サイドのザハからのグラウンダーに、クリアが小さくなったところをボラシェに拾われ、振り向きざまの強烈な左足シュート。アンフィールドで1点を追う展開となったレッズは反撃に出ますが、中央にいるコウチーニョのDFラインの裏を狙うパスが味方と合わず、ジョーダン・アイブのミドル以外にシュートがありません。29分のCKは、ベンテケのヘッドをGKヘネシーがよく弾きました。35分、攻めていたリヴァプールにアクシデント。膝を痛めたサコは1度はピッチに戻ったものの、その後デヤン・ロブレンにチェンジ。37分、右から持ち込んだララナが左足でコースを狙った一撃は、ポストを巻いて外れてしまいます。

このまま終わるかと思われた41分、リヴァプールが同点に追いつきました。右サイドからジョーダン・アイブが入れたグラウンダーを、ララナがかかとでコースを変えると、ファーサイドにいたコウチーニョのダイレクトショットは完璧!アンフィールドは一気にボルテージが上がります。2つのCKからデヤン・ロブレンが放ったヘディングシュートはいずれも中央に飛んでしまい、デラニーのクリアミスもベンテケはシュートに持ち込めません。前半は1-1。両者とも攻撃的で、スリリングなゲームです。

48分、コウチーニョが一瞬空いたベンテケに出したラストパスは、ベルギー代表のストライカーが左足のシュートを打ち上げてしまいます。ここからしばらくは、クリスタル・パレスのペースとなるも、レッズのプレッシャーが速くパンチュンらはいい形でシュートを打てません。61分、ザハが2人を振り切ったカウンターは、バカリ・サコのシュートが左に切れ、直後にララナが浮かしたクロスをフリーで叩いたベンテケのヘッドは枠の上。ベンテケは、これは決めないといけません。65分にパーデュー監督がバカリ・サコをウィッカムに代えたのは、カウンターを決めようというメッセージ。同時にクロップ監督が切ったエムレ・ジャンをフィルミーノというカードは、リスクをとって勝ち越しを狙う意志表示でしょう。

70分、右のフィルミーノがベンテケに出し、落としをララナが左足ダイレクトで狙ったシーンは、シュートが浮いてしまいます。73分、パンチュンの強烈なミドルはミニョレが右に飛ぶナイスセーブ。フィルミーノのフィット感は上がっているものの、この日のレッズはベンテケが当たらず、フィニッシュに怖さがありません。79分、コウチーニョが右に展開し、ジョーダン・アイブが入れたクロスはわずかに高く、ララナの頭の上を抜けてしまいます。すると82分、クリスタル・パレスがワンチャンスを活かして勝ち越しです。キャバイェのCKをスコット・ダンが強烈なヘッド。ミニョレが弾いたボールは再度、ダンの頭の高さに浮き、2発めがゴールの左隅に吸い込まれます。追いつきたいリヴァプールは、85分にコウチーニョが素晴らしいミドルを放つもヘネシーが美しいセーブ。クロップ監督はオリギを投入して同点をめざしますが、ここからのレッズの反撃は雑になってしまい、後ろの枚数を増やしたクリスタル・パレスを崩せませんでした。

ララナが非常によく、両サイドからクロスが上がるシーンが多かっただけに、リヴァプールにとっては残念な敗戦でした。ベンテケが2度の決定機を外してしまったのを筆頭に、今日の彼らはシュートとラストパスの精度が足りませんでした。クリスタル・パレスのパーデュー監督にとっては、後半は狙い通りの試合展開だったでしょう。決勝ゴールは、守備云々よりも、速いボールをファーに完璧に合わせたキャバイェのキックをリスペクトするしかありません。敗れたクロップ監督はプレミアリーグ10位となり、4位まで7勝ち点差と厳しい状況ではあるものの、めざすサッカーは明確で、攻撃の組み立ては悪くありませんでした。インターナショナルマッチウィーク明けは、エティハドのマンチェスター・シティ戦です。ここはぜひ意地を見せていただき、レスターが首位と1差という今までにないプレミアリーグを、さらに混戦にしていただければと期待しています。

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“【Liverpool×Crystal Palace】決まらないベンテケ…クロップリヴァプールは初の敗戦!” への5件のフィードバック

  1. ルタレック より:

    守備がいいユナイテッドが羨ましい。ロジャース時代からなんですが、守備をなんとかして欲しいですね。リバプールはまだまだ辛抱ですね。

  2. YNWA より:

    試合前に負傷したミルナーに続きサコーまで怪我と、また怪我人が増え始めてきて厳しいですね。
    代表ウィーク明けまでにどれだけ怪我人が戻ってこれるのかが重要になりそうです。

  3. makoto より:

    ルタレックさん>
    クリスタル・パレスには、マンチェスター・ユナイテッドもやられかけましたので…。ボラシェ、ザハは怖いです。ザハを放出したクラブのサポーターがいうのも何ですが。

    YNWAさん>
    代わりがいないという意味では、サコは痛いですね。マン・シティ戦は、ベストに近い布陣で戦ってほしいです。

  4. nyonsuke より:

    更新お疲れ様です。

    今節の試合はどちらが勝ってもおかしくない、いい試合だったと思います。
    途中オープンな時間もあり、ベンテケが決めていれば結果は逆だったと思いますが、チャンスをものにしたクリスタル・パレスはやはりいいチームですね。
    クリスタル・パレスはレッズのDFとMFの低い位置でのパスカットを狙っており、いいプレスができていました。
    レッズはことさらDFラインからプレスをかけられると簡単にパスミスする癖があり、クロップ監督もこの癖だけは未だに改善できない、というか今いる選手の限界なのだと思います。(一昨年シーズンから同じのような…)
    ここはパーデュー監督をさすがと褒めるべきか、悩ましいところですね。
    やはりコウチの背後にヘンダーソンがいればもう少し精度の高いサイドチェンジが増えて、プレスをかいくぐることもできると思いますが。
    主様のおっしゃる通り方向性は間違っていないので今は、冷静に順位を気にせず応援していきたいですね。

  5. makoto より:

    nyonsukeさん>
    執拗なプレスを徹底したクリスタル・パレスをリスペクトすべきゲームだったと思います。リヴァプールは、攻撃に貢献できるサコの相棒がほしいところです。ヘンダーソンは、うまくはまるでしょうね。

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