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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【WBA×Arsenal】壊れた右サイド…エジル&ジルーで先制のガナーズ、まさかの逆転負け!

スタメンを見たときは、ドローはあってもアーセナルが負けるとは思いませんでした。右サイドMFの全滅により、アレクシス・サンチェスをまわしギブスを左という布陣は急場しのぎではあるものの、ノースロンドンダービーでうまくはまったプランです。これ以外はベストといっていいメンバーが揃ったガナーズに気がかりがあるとすれば、フランス代表として緊張感の高いゲームを戦ったジルーやコシールニーの精神的ダメージでしょうか。プレミアリーグ首位をめざすアーセナルは、慎重にゲームに入りました。

負傷が治ったばかりのベジェリンは、トップフォームではないのでしょう。WBAの左からの攻撃に完全に後手にまわるシーンがあり、チェフが忙しくなりそうな展開です。14分、いちばん痛いアクシデントがアウェイチームを襲います。右ヒザを痛めたコクランが交代を要求。今季プレミアリーグで長時間の出場が不足しているアルテタは、アーセナルの中盤に安定をもたらすことができるでしょうか。

15分、モンレアルが倒されて得たFKは、アレクシス・サンチェスの素晴らしい一撃が左隅を捉えますが、コースを読んだマイヒルがキャッチ。エジルが引き気味で、ゴールに近い位置に入ってこないのは気になるものの、彼のパスの多くは前線にチャレンジさせるボールで、やはり背番号11は攻撃のエンジンです。28分、アレクシス・サンチェスが転がされてFK。右からのエジルのキックは予想通りのボールではありながら、ジルーしか触れないパーフェクトな弾道。DFはただ見送り、GKマイヒルはヘディングシュートに反応できず。エジルがプレミアリーグ連続アシスト記録を7試合に更新し、この後はアーセナルがイニシアティブを握るものと思われました。

しかし、ここからWBAが押し返します。やっかいだったのは馬力があるサロモン・ロンドン。相手を追いまわす時間が増えたガナーズは、35分に「背番号11のFK」というほとんど同じ形でお返しをされてしまいました。ブラントのキックは、ジェームズ・モリソンにぴったり。アルテタがマークを離してしまい、脛に当てたボレーがチェフの頭上を越えて右隅に吸い込まれました。1-1となると、完全なるWBAペース。40分、サロモン・ロンドンへの対応でコシールニーが右サイドに引っ張り出された後のスペースをケアできなかったのが逆転につながりました。ベジェリンがマクレーンを離してしまい、ゴールラインまでえぐって出したクロスを、アルテタが痛恨のオウンゴール。ヴェンゲル監督は、ドビュッシーがトップフォームであれば、ベジェリンの復帰はミッドウィークのチャンピオンズリーグにしたかったのではないでしょうか。前半は2-1、アーセナルはリスクをとって攻めなければなりません。

48分、モンレアルのクロスをアレクシス・サンチェスが巧妙に左足で落とすと、同点と思われたエジルのシュートは無情にも右ポストを叩きます。するとその直後には、途中出場のアルテタがリタイア。代わって入ったフラミニが壊れれば、アーセナルは中央の選手も足りなくなります。53分、アレクシス・サンチェスが中央から強引に突破を図り、ギブス、ジルー、ギブスとシュートを連発したシーンは迫力がありましたが、ゴール前に集まったWBA守備陣が何とか抑え、1点ビハインドは変わりません。

59分、フラミニのダッシュにタイミングを合わせたエジルのスルーパスは絶品でしたが、ジョニー・エヴァンスが足を伸ばしてぎりぎりでクリア。63分、ヴェンゲル監督は、1枚しか使わせてもらえなくなった攻撃のためのカードで、ギブスをジョエル・キャンベルにスイッチします。67分、カソルラが右に浮かしたクロスにジョエル・キャンベルがフリーで合わせますが、痛恨のミスキック。72分、WBAのCKで、オルセンのヘッドがバーを叩いてゴールライン上に落ちますが、テクノロジーはノーゴールの判定。3分後のベジェリンの素晴らしいクロスは、アレクシス・サンチェスのトラップが大きくなってしまい、シュートに持ち込めません。

83分、カソルラのクロスにアレクシス・サンチェスを引き倒したブラントがファールを取られ、PK。今度こそと思われたキックの瞬間、カソルラの軸足がスリップしてしまい、ボールはクロスバーの上に外れていきます。93分、コシールニーのボレーがやっと枠内に飛んだものの、GKの正面。攻め込みながらもフィニッシュが決まらなかったガナーズは、レスターとマンチェスター・ユナイテッドにかわされプレミアリーグ4位に転落しました。

感情的な解説者に90分ぶっ続けでディスられるほどには、アーセナルは悪くなかったと思います。残念だったのは、コクランの後、フラミニの前の「アルテタの時間」でした。この時間帯に守備の連携と冷静さを欠いてしまったのが致命傷となりました。攻撃面は、決定機にことごとくシュートミスをしてしまったのと、エジルがポストに当てたような遠めからのシュートが少なかったのが、ゴールを奪えなかった理由ではないでしょうか。大事なのは、敗戦を引きずらないことです。ミッドウィークのCL5節、ザグレブ戦もヴェンゲル監督はスタメンに頭を悩ませそうですが、この取りこぼしを忘れさせてくれるような快勝を期待します。

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“【WBA×Arsenal】壊れた右サイド…エジル&ジルーで先制のガナーズ、まさかの逆転負け!” への4件のフィードバック

  1. リッキー より:

    ここにきて怪我人が増えてきてますね、、
    ウィルシャーやロシツキーなど復帰見込みではあるものの、コクランの離脱は激痛です。。
    おそらく靭帯をやっているので1、2ヶ月はかかりそうですね
    試合内容としてはWBAのラインが低く、パスでの崩しが難しいのでミドルを増やしてほしかったのは勿論ですが、やっぱり守備が安定していなかったがゆえに良い形で奪ってのカウンターがほとんどなかったのは厳しかったです
    裏を狙うシーンがほとんどなかったことからも、ラインの低さがうかがえましたが、WBAの前線が前から追ってくるシーンもあり、たまに真ん中が間延びしていたもののそこも上手く使えなかったです。

  2. 実はグーナー より:

    コクランの離脱が痛すぎます
    全員疲れきってる中での怪我人続出を現実的に考えると優勝は相当厳しいです
    まあそれも冬の移籍次第ですけどそろそろFAカップもスケジュールに入ってきますしね
    マンC以外は下との戦いが続くのが救いです

  3. queen より:

    更新ありがとうございます。
    毎年この時期にけが人祭りが始まること、ベンゲルはそれに備えた補強をしないこと
    このふたつにはもう突っ込みません。毎年疲れました。
    にしても昨日の守備はどうにかならないんでしょうか。あのマークの甘さでリーグやCL狙うとは片腹痛い、という印象を受けました。

  4. makoto より:

    リッキーさん>
    コクランは、ただの打撲ではなさそうですね。当面はフラミニでしょうか。後半早い時間のチャンスを活かせていれば、また違う展開があったのかなと思います。

    実はグーナーさん>
    ラムジーが戻ってくるのが救いになればいいですね。あらためて、彼の存在の大きさを感じた数週間でした。

    queenさん>
    メルテザッカーも気になりますが、特にアルテタとベジェリンが厳しかったですね。ベジェリンのほうはすぐに何とかなりそうですが、セントラルが悩ましいです。いっそのこと、カソルラ+ラムジーで3-1、4-2で勝つ戦い方をするというのも手かもしれません。走力があるガブリエウ起用をmustで。

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