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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Tottenham×West Ham】ハリー・ケイン2発!「走るトッテナム」がハマーズを圧倒

プレミアリーグ13節、トッテナムとウェストハムが激突したホワイト・ハート・レーンのロンドンダービーは、こんなペースで走って最後までもつのかと心配になってしまう、すごいゲームでした。パイェがいないならまっすぐ前へとばかりに、激しいプレスを仕掛けてきたのはウェストハムのほうでしたが、走るサッカーなら負けないとトッテナムも受けて立ち、互いに寄せが速くボールをゆっくりキープしている時間はありません。

アグレッシブなウェストハムの守備を崩す手立てが見えない時間が続いていたトッテナムは、23分にエースが一瞬の隙をついて先制点をゲットします。デル・アリのシュートのディフレクションに反応し、DFとうまく入れ替わって左足を振り抜いたハリー・ケインの一撃には、GKアドリアンもお手上げ。ハマーズは、直後のクヤテのオーバーヘッドがクロスバーに阻まれたのが悔やまれます。勢いがついたホームチームは、33分にエリクセンのCKをニアに走り込んだアルデルヴァイレルトが完璧なヘッドで合わせ、2-0とします。ポチェッティーノ監督のチームは、アルデルヴァイレルトの的確な読みが冴えており、今日も守備に致命的な綻びはありません。

ソン・フンミンのシュートのこぼれ球をヘッドで狙ってバーに当てたデル・アリや、GKと1対1のチャンスを左足でこねてしまったハリー・ケインのシュートが枠を捉えていれば、前半で終わっていた試合でした。とはいえ、後半が始まって5分で、勝負を決する3点めがあっさり入ります。このゴールは、トッテナムの前線の守備が秀逸でした。デル・アリがDFを追いかけてパスコースを限定させ、エリクセンが苦しいパスを読んでインターセプト。中央に構えていたハリー・ケインは、どんなボールをもらってもすぐにシュートと決めていたような淀みない動きを見せ、強烈なブレ球でアドリアンの足元を抜きました。

トッテナムに心配があるとすれば、攻め疲れて運動量が落ちることぐらいでしたが、71分にデル・アリがライアン・メイソンに後を譲り、それまでと変わらずに攻撃的な姿勢をキープしています。83分、エリクセンのパスを受けたカイル・ウォーカーは、ソン・フンミンとワンツーをかわして中に入ると、右足アウトにかけたきれいなシュートでアドリアンを破り、4-0。サコと小競り合いを演じて一緒にイエローをもらったときは、冷静さをキープできるか心配でしたが、このゴールはGKをよく見ていました。ここまで来たらクリーンシートで終わりたいところでしたが、87分のランジーニの一撃は、直前のカイル・ウォーカーの軽率なプレイを咎めるよりも、GKの泣きどころである肩口を抜いた正確な左足をほめるべきでしょう。ライアン・メイソンに2回のチャンスがあったもののいずれも決まらず、5点めはならなかったものの、トッテナムの完勝です。アルデルヴァイレルトとフェルトンゲンのCBコンビが崩れるシーンはありませんでした。

ウェストハムは、2点めを失ってからは守備が荒くなり、マークがずれるシーンが目立ちましたが、スピーディーな攻撃は脅威で、決して弱いチームではなかったと思います。決定機を確実に活かして、自分たちのペースで試合を進めたスパーズの強さが際立った一戦でした。2発決めたハリー・ケインがヒーローなのは間違いありませんが、私のなかのMVPはエリック・ダイアーです。彼が中央から繰り出す長短のパスによって、ソン・フンミン、エリクセン、ハリー・ケイン、デル・アリが前を向いてボールを持つ機会が増えたのが、ウェストハムを守勢に追い込んだポイントだと思います。逆に気になったのは、左サイドかつ下がり目でプレイする場面が多かったエリクセンです。中に入ってきたときこそ輝いていたコントロールタワーは、やはりハリー・ケインに近いポジションにいたほうがいいのではないでしょうか。2アシストを決めた選手に「今ひとつ」というのも、贅沢な話ではあるのですが…。

トッテナムは、この勢いに乗って、来週のプレミアリーグでチェルシーを叩いて4位以内奪取に近づきたいところです。直前のヨーロッパリーグ、アウェイのグラバグ・アクダム戦でいかにターンオーバーを使って消耗を抑えるかがポイントでしょう。中2日でなければ、プレミアリーグで13戦負けなしを続ける白の勝利に賭けますが、火曜日にイスラエル遠征があるチェルシーに2日のアドバンテージがあるので、何ともいえません。何しろ好カードですので、マンデーナイトにずらしてあげたいところではあります。悩ましいですね、EL対応。

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“【Tottenham×West Ham】ハリー・ケイン2発!「走るトッテナム」がハマーズを圧倒” への5件のフィードバック

  1. スパーズ推し より:

    ナイスゲームでした
    最後の失点はスパーズらしさということでご愛嬌です(笑)
    全体的に素晴らしい出来、本当に安定するCBベルギーコンビは安心して見ていられます
    ただ、アリは次節を考えると軽率な行動で、貰ってはいけないカードでした
    若いので仕方ないと言えば仕方ないんですが、チェルシー戦で彼がいないのはなかなか痛いように思います

  2. にわかスパーズファン より:

    更新お疲れ様です。
    まるでビッククラブの試合を見ているようでしたが、最後の失点で「あ、やっぱスパーズだわ」と思わされた試合でした。笑
    次のチェルシー戦で負けなければ13試合無敗のクラブ記録樹立ですので、是非とも勝ちで決めてほしいです。
    個人的な直感ですが、コスタとヤンは何かしらやらかしそうな予感がします。

  3. makoto より:

    スパーズ推しさん>
    先制点までの時間は、エキサイティングでしたね。次節はデンベレとライアン・メイソンに期待しています。

    にわかスパーズファンさん>
    カイル・ウォーカーがやっちゃった、という感じでしたが、ランジーニのシュートは完璧だったと思います。ジエゴ・コスタはようやくゴールを決めたので、落ち着いてプレイするのではないかと思います。どちらにとっても、善し悪しありそうですが。

  4. 佐藤晴哉 より:

    コクラン離脱は今年一番のピンチと考えます。ここは伸び悩むチェンバースの守備的MFとしての覚醒を期待します!ライバルスパーズに負けないよう若手抜擢に期待したいです。ついでにメルテに換えてガブリエル抜擢で守備の改善にきたいしたいです!

  5. makoto より:

    佐藤晴哉さん>
    私も、ガブリエウ起用には賛成です。セントラルは、ラムジーとチェンバレン、フラミニで何とかするのだと思われますが、ビエリク抜擢が見てみたいです。

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