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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Liverpool×Swansea】エースと主将が帰ってきた!PK一発のリヴァプール、貴重な勝ち点3

貴重な勝ち点3でした。プレミアリーグ14節、リヴァプールVSスウォンジー。サコ、コウチーニョ、ヘンダーソン、スタリッジと「背骨抜き」のスタメンを強いられたクロップ監督は、ミルナーのPKのみという最少得点ながら、1-0で勝利。スウォンジーには枠内シュートが1本もなく、負ける可能性は感じられなかったものの、スコアレスドローで終わってもおかしくない試合でした。WBA戦の前半にコクランを欠いてから、下位相手の2試合を1分け1敗と停滞したアーセナルや、ファン・マタが調子を落としてから、まったく攻められなくなったマンチェスター・ユナイテッドの貧攻を見ると、主力抜きでもサッカーの質がさほど落ちないレッズにはたくましさを感じます。

このところのレッズの攻撃を支えているのは、ジョーダン・アイブです。6分にララナの絶妙なスルーパスを受けた19歳は、シュートを打つタイミングが遅れてバートリーのスライディングを許すものの、このクリアがポストに直撃してあわやオウンゴール。リヴァプールは楽に勝てるのではないかと思わせる出だしでしたが、ここから先制点まで60分以上の時間を費やすことになりました。13分に、敵陣でカットしたボールをすかさずエムレ・ジャンが縦にフィードし、ベンテケに託した一連の動きはまさにクロップ監督のチーム。トラップが中に入ってしまい、ベルギー代表FWのプレミアリーグ5ゴールめはならなかったものの、レッズの優位は明らかです。

24分、ミルナーが左サイドでボールを奪取し、ララナ、アルベルト・モレノとつないでクロスが入ると、胸でトラップしたのはジョーダン・アイブ。決まるかと思われたシーンは、アイブが足を滑らせてしまい、アシュリー・ウィリアムズにクリアされてしまいます。41分のアルベルト・モレノのFKは、ドライブをかけたキックが落ち切らず、クロスバーの上。後半に入っても、49分のキ・ソンヨンの左足ミドルよりも、52分に左から中に持ち込んだ放ったジョーダン・アイブの鋭いシュートのほうに可能性が感じられます。

リヴァプールがなかなかゴールを奪えなかったのは、攻撃が正直すぎたからでしょう。ペナルティエリア付近にさしかかってからはスピードと工夫がなく、ラインの裏を取るダッシュやダイレクトパスで崩す動きがあれば、10本に終わったシュートの本数は格段に増えたはずです。60分、ミルナー、ナサニエル・クラインとつながったボールを中央に入ったフィルミーノが受けると、左足のシュートはDFに当たりますが、こぼれ球を自ら拾ったフィルミーノは右のジョーダン・アイブへ。右足で丁寧に上げたクロスはニール・テイラーの腕に当たり、しばらく間があったジャッジはPKです。ミルナーは落ち着いて正面に蹴り込み、ようやくホームチームが先制です。

試合の結果もさることながら、リヴァプールにとって最もうれしいトピックスは、ヘンダーソンとスタリッジがプレミアリーグのピッチに戻ってきたことでしょう。74分、ジョーダン・アイブからのパスを受けたヘンダーソンが、左でフリーになっていたミルナーにラストパスを通すと、左足のシュートはポストの右へ。ファーポスト際に走り込んだスタリッジは、惜しくも触れませんでした。ここまでほとんど負傷者を出していないスウォンジーが元気がなかったのは、シェルヴィの不在が原因でしょうか。82分にCKのクリアをペナルティエリアの外からキ・ソンヨンがボレーで狙い、アシュリー・ウィリアムズがヘッドでコースを変えたシーンぐらいしか、これといったチャンスはありませんでした。1-0で勝ちきったリヴァプールは、クロップ監督就任以降のプレミアリーグ6試合を3勝2分1敗とし、4位に勝ち点4差と迫る6位に順位を上げました。

ヨーロッパリーグ直後、しかも主力を欠いた試合で勝ち点3を獲れたことと、キャプテンとエースが2人同時に元気な姿を見せてくれたことが大きかった一戦でした。調子を崩している4位アーセナルがマンチェスター・シティやセインツとのゲームを年内に残しているのに対し、リヴァプールの強豪相手のカードはボクシングデーのレスター戦しかありません。これは、2015年のうちにひっくり返るかもしれませんね。クロップ監督のチームが、秋の入り口には考えられなかったプレミアリーグ2位で新年を迎えても、もはや驚く方はいないのではないでしょうか。

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“【Liverpool×Swansea】エースと主将が帰ってきた!PK一発のリヴァプール、貴重な勝ち点3” への6件のフィードバック

  1. グッチ より:

    中々ベストメンバーが揃わない中で(別にリヴァプールに限った話ではありませんが)勝ち点を落とさず粘っているのはチームとしてやりたいことがはっきりしているからなのでしょうね。疲労や負傷が不安視されるクロップサッカーですが、いい意味で誰もが変えのきくようならばそのリスクも小さく済みそうです。
    ララーナが毎試合良いところに顔を出して全然の流動性を支えているのでコウチーニョやフィルミーノに隠れがちですが注目です!

  2. グッチ より:

    コメント誤送信すみません…

  3. サージェントペパーズ より:

    更新お疲れ様です!

    長らく離脱していたキャプテンの復帰にエースの復帰。貴重な生え抜きフラナガンもトレーニングに復帰し、サコーも予想されていたより早く復帰できる見込み、そしてアメリカからレジェンドが一時的に帰ってきました。今メルウッドは本当にポジティブな雰囲気に包まれています。近頃の選手たちは笑顔に溢れていて、サポーターとしてこれほど幸せなことはないです。
    指揮官のポジティブさがクラブを飲み込んでくれているようで、本当にクロップには感謝感謝です。
    いままでであったら、うまく進んでる時にあまり期待しすぎるのは禁物

  4. サージェントペパーズ より:

    (すいません…↑の続きです。)

    いままでであったら、うまく進んでる時にあまり期待しすぎるのは禁物だと思っていたのですが、今回は多いに期待したいと思います。
    「成功を疑う者から信じる者に変わろう。今、この瞬間からだ。」
    というクロップの言葉を思い出して。

  5. macki より:

    更新ご苦労様です。
    EL明けのゲームなのと、コウチーニョ不在がどこまで響くか不安視してましたが、やはり苦戦はしましたね。管理人様ご指摘の通り攻撃が正直すぎましたね。しかし、どんな形にせよ勝利が大事かと思います。DFのロブレンは安定してきましたね。元々ポテンシャルは高いので、今後サコとスタメンを争う良いライバル関係が築けるのではないでしょうか。順位も上がり楽しくなってきました!

  6. makoto より:

    グッチさん>
    いえいえ。こちらこそ、使いづらくてすみません。ララナは、車でいえば柔らかくていいサスペンションですね。余計なことをしないところが彼のよさだと思います。

    サージェントペパーズさん>
    4位が視界に入ってきましたね。メルウッドがポジティブになっているのと裏腹に、キャリントンには疑心暗鬼が充満し始めています…。

    mackiさん>
    こういう試合を勝てるのは大きいです。デヤン・ロブレンは、ようやく彼らしさが漂ってきたなと思います。

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