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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Arsenal×Bournemouth】偉大なGKと世界最高のMFに震えた、2015年の最後にふさわしいゲーム。

おお、ヴェンゲル監督がターンオーバー!負傷したフラミニの代わりにチャンバースはいいとして、モンレアル、コシールニー、ジョエル・キャンベルをベンチに置いて、ギブス、ガブリエウ、チェンバレンです。エジルが出ずっぱりなのは気になるものの、アレクシス・サンチェスが戻ってくるまでは、だましだましでも、いてもらわないと困ります。プレミアリーグ19節、エミレーツに迎えたのは、ここ6試合負けなしと絶好調のボーンマス。ワトフォードともども、マンチェスター・ユナイテッドやチェルシーよりも明らかに怖い「12月の上位クラブ」です。ガナーズは大丈夫だろうか…と、不安を抱きながら観ていたのですが、試合が始まって30分もしないうちに、「だましだましでも」などと考えた自分が恥ずかしくなるような華麗なショータイムが始まります。

4分、最初のシュートは、ペナルティエリア外で一瞬空いたジョシュア・キングでした。押しているのはボーンマス。13分には左から上がったニック・ダニエルズが完全にフリーになってしまい、ニアへの決定的なパスはメルテザッカーとラムジーが2人がかりで何とかブロックします。アーセナルは、セインツに4-0で完敗した前節のプレミアリーグの続きを戦っているようで、ここまではエジルがいい形でボールを受けるシーンがまったくありませんでした。

始まりは24分。やっと出た、一発で裏を突くエジルの見事なアーリークロス。完全に抜けたウォルコットは、せめて足に当ててほしいボールでした。予告編の後の27分、今季プレミアリーグで16個めとなるエジルのアシストは、フリーのガブリエウを捉えた見事なCKでした。頭を突き出したヘディングシュートはゴール右上に突き刺さり、久しぶりにピッチに立った背番号5が歓喜に包まれます。先制された試合で勝利がないボーンマスは、動きは悪くないだけに、早い時間に追いつきたいところです。

しかし、ここからは「エジル様のゲーム」でした。34分、右サイドからDF3人の間を通し、GKの目前でウォルコットをフリーにしたパスも絶品。直後のCKもガブリエウにぴたりと合わせ、ヘディングシュートが左のポスト。リバウンドに詰めたメルテザッカーに当たる角度がよければ、試合はここで決まっていたでしょう。さらにそこから1分も経たないうちに、左でウォルコットをフリーにする完璧なスルーパス!世が世なら、カップラーメンが仕上がるぐらいの暇に3アシストを積んでいたかもしれない恍惚の時間でした。42分のCKで、またもニアのガブリエウが勝ちますが、逆サイドに流れたボールはボーンマスの抵抗でゴールならず。前半は1-0。ウォルコットに気のきいたプレイがあれば、残りの45分をクルージングで終わらせることができたはずです。

48分、ジョシュア・キングが右から抜け出すも、プレイが遅くシュートに至らず。ここから先は、一進一退の時間が続きます。アーセナルの守備は、チャンバースのポジションが行くのか引くのか中途半端なのが気になりましたが、最終ラインは冷静でした。勝負がついたのは、62分。ラムジーからパスをもらったエジルが右から持ち込み、ジルーとのワンツーで裏に抜け出すと、GKの足元を軽やかに抜く「ゴールへのパス」で決まりです。リーグ記録をはるかに上回るペースでアシストを積んでいるトップ下が、今季プレミアリーグでまだ3ゴールというのも不思議な話で、ヴェンゲル監督が10発は決めてほしいとオーダーするのもうなずけます。

今日のウォルコットは、「昨年までのウォルコット」。66分にベジェリンのパスで右から突破したシーンは、シュートではなくて逆サイドのラムジーでしょう。70分のジルーのミドルはGKボルツがセーブ。79分、エジルがまたも見せてくれます。自ら奪ったボールをジルーにつなぎ、リターンを受けると左からドリブル。ラストパスはゴール前でノーマークだったジルーにぴったりでしたが、トラップしていても決まりそうだったチャンスは、慌てたジルーがボレーを外してしまいます。83分のカウンターは、ウォルコットのラストパスから切り返しを入れたチェンバレンが狙うも、ポストに当たって枠の外へ。アーセナルがやられる気配はなく、偉大な記録の瞬間が近づいています。

主役は、最後に少しだけ仕事をしました。グレン・マーレーの左足のシュートを指先で弾くと、間もなくタイムアップ。ペトル・チェフはプレミアリーグで170回めのクリーンシートを達成し、歴代単独1位となりました。最後にエジルが、本日何度めかの完璧なラストパスをウォルコットに通しましたが、ウォルコットは本日何度めかの微妙なプレイでシュートをボルツにぶつけてしまいました。2015年の最後にチェフが新記録で締めるというドラマティックな結末を迎えるためには、ウォルコットがゲームの緊張感をキープさせ続けてくれたのはよかったのかもしれません。ともあれ、おめでとうございます!ガナーズは2-0に留まったものの、エジルのプレミアリーグ年間アシスト21本という新記録まで同時に出てもおかしくなかった完勝でした。どう表現していいのかわかりませんが、心が震えます。偉大なGKと、世界最高のゲームメーカーの凄さを目の当たりにして、感無量です。

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“【Arsenal×Bournemouth】偉大なGKと世界最高のMFに震えた、2015年の最後にふさわしいゲーム。” への7件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    エジルの凄さに感動して、魅入ってしまいました。
    凄い選手になりました。
    エジル本人の努力もですが、ベンゲルさんにも脱帽です。

  2. ちくちく より:

    トップ下ですと、比べられる選手がいないレベルですね…エジル凄い。本当にそれしか出てこないです笑。

  3. ヤンガナ大好き より:

    44時間前の完敗を払拭して今年のラストゲームはチェフのクリーンシート記録達成で締め括ることが出来ました。久々先発のガブリエルもチェフの激に見事に応えてました!本当は後2点位取って、エジルをベンチにが最高の終わりかたでしたが。相変わらずウォルコットのオフザボールの動きは最高なのにフィニッシュ力が低く、年越しの課題ですね。
     エジルの世界最高のタクトプレイで締め括ることができ、安心しました。年明けのガナーズのカードはかなり厳しいので、まずはアレクの復帰を心待ちしています!

  4. ジダネス より:

    エジルファンでチェフも好きな自分は、今年は嬉しい限りです!
    そう、この二人は凄いんです!(笑)

  5. queen より:

    私が最も好きな選手はルイ・コスタなんですが、全盛期の彼を思い出させるようなパスの連続に感動しました。というより、もはやルイを超えていますね。ジダンの領域に入っているでしょうか。昔のトップ下のパサーは動かないから抑えやすいというイメージでしたが、エジルは運動量もあるので本当に厄介。他チームからするといやらしい選手です。

  6. M より:

    チェフ!本当に大好きです!
    アーセナルの一員でも、彼だけは特別(グーナーの方、失礼)です!
    心からおめでとうございます

  7. makoto より:

    プレミアリーグ大好き!さん>
    感動しました。レアル・マドリード時代よりも、引き出しの多さを感じます。

    ちくちくさん>
    バルサに勝ってCLで上位にいければ、バロンドール候補ですね。

    ヤンガナ大好きさん>
    こちらこそありがとうございました。気が付けば首位で折り返しですね。負傷者が多いなか、よく耐えたなと思います。

    ジダネスさん>
    それはうれしいですね!チェフの守備範囲の広さは、クルトワと並んでリーグナンバーワンだと思います。

    queenさん>
    サイドにいても怖いですし、自分でボール奪取してカウンター始めますからね。エジルとアレクシス・サンチェスが揃うと、対応がかなり難しくなります。

    Mさん>
    どこまで記録は伸びるでしょうね。ファン・デル・サールのように、長く活躍してほしいです。

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