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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【MAN.UTD×Swansea】素晴らしきルーニー!決勝ヒールキックで久々の勝ち点3!

12月は未勝利、プレミアリーグで6戦勝ちなし、欧州まで入れたら8戦勝ちなしのクラブが、このところのプレミアリーグで3連敗中の「天敵」と当たるゲーム。オールド・トラフォードだから、相手が絶不調の17位だからという理由で楽観視はできません。マンチェスター・ユナイテッドVSスウォンジー。モンク監督解任以降、4試合を戦った今でも新監督が決まっていないチームに、チャンピオンズリーグを勝った名将が戦術や采配で完敗するわけにはいかないでしょう。

立ち上がりから、マンチェスター・ユナイテッドが積極的です。開始30秒に右から抜け出したエレーラがシュート。出場停止明けのシュヴァインシュタイガーのポジションはいつもより前で、シュナイデルランはキャリックのように縦パスを連発しています。5分にルーニーとスイッチして、左から突破を図ったマルシアルの動きも悪くありません。

しかし、15分を過ぎると、マンチェスター・ユナイテッドはトーンダウンしてしまいました。ボールを奪われた直後の対応はよく、カウンターを許すシーンこそないものの、ビルドアップ時にプレスをかけられてボールをロストすることが多く、いい形で縦にパスが入りません。19分、ルーニーの直接FKは壁に当たり、スウォンジー守備陣がクリア。その2分後にアシュリー・ヤングが右から上げたクロスをファーサイドで受けたルーニーの一撃も、惜しくもニアポストの外です。プレミアリーグ18位というシュートの少なさは改善しておらず、サポーターのストレスが溜まる時間が続きます。29分、ルートリッジの思い切りのいいボレーはデ・ヘアがキャッチ。ポゼッションでは明らかに下回るアウェイチームのほうが、ゴールへの積極性は高く見えます。

マン・ユナイテッドの希望は、右サイドでフリーになったときのアシュリー・ヤングのクロスです。37分、ルーニーに合わせたボールは完璧。叩きつけたキャプテンのヘッドは悪くありませんでしたが、ジャック・コークに当たってしまい、枠に飛びません。前半は0-0で終わりますが、セカンドハーフの開始直後に、アシュリー・ヤングがプレミアリーグでは7試合ぶりとなる先制ゴールをお膳立てします。

フィル・ジョーンズは足首を痛めたようです。後半から登場したのはダルミアン。開始直後にルーニーが左足で強烈なシュートを放ち、ホームチームに勢いがつきました。相手に一度もボールを渡すことなく、47分にはシュヴァインシュタイガーの倒れながらの縦パスでアシュリー・ヤングがフリー。右からの浮き球は、マルシアルのヘッドにぴったりでした。叩きつけた一撃は、今度は文句なし。ファビアンスキはまったく触れず、待ちに待った先制点です。サッカーはメンタルスポーツだなと感じるのは、こういうときです。重苦しさから解放されたマンチェスター・ユナイテッドは、引き続き攻勢。アシュリー・ヤングの積極的な仕掛けだけでなく、シュナイデルランまでサイドを上がり、スウォンジーの守備を揺さぶります。

57分、ルーニーは右のヤングに出さず、自ら強引に狙いましたが、ストライカーらしいナイスプレイだと思います。左サイドを主戦場とするマルシアルの脅威が、スワンズのサイドプレイヤーを自陣に釘付けにしており、一方的な展開となりました。追加点を先に獲れれば、今日のマン・ユナイテッドはセーフティでしょう。60分にアシュリー・ヤングが中のルーニーにスルーパスを通し、落としをエレーラがダイレクトで打ったシーンもいい攻撃でした。64分、後半になって初めてスウォンジーがチャンスをつかみました。後ろからのボールをうまくコントロールしたアイエゥのヘッドは右ポスト直撃。3バックにしていたファン・ハール監督は、スモーリングとブリントのCBコンビに戻したようです。

ホームチームのペースだった試合は、71分にバローが創ったワンチャンスで追いつかれてしまいました。右からのクロスにシグルズソンのマーカーはマタになっており、絶妙な軌道を描いたヘディングシュートにデ・ヘアは触れません。今季プレミアリーグ3ゴールめを挙げたシグルズソンは、直後にアイエゥとの絡みで逆転を狙います。勝負はわからなくなりましたが、スタジアムに不穏な空気が漂い始めた77分、2人のアタッカーの素晴らしいプレイでマンチェスター・ユナイテッドが勝ち越しに成功します。

マルシアルが左からの巧みなドリブルでゴールラインまでえぐると、グラウンダ―に先着したのはウェイン・ルーニー。ヒールで右隅に決めたファンタスティックなゴールは、プレミアリーグ歴代2位となる188点めです。さすがにこれで決まりだろうと思われた試合は、結局デ・ヘアのビッグセーブを必要としました。92分、アシュリー・ウィリアムズの強烈なミドルは守護神が右に弾いて同点ならず。終了間際のCKでは、GKファビアンスキのヘディングシュートがポストすれすれを襲います。最後まで息が抜けない厳しい試合でしたが、マンチェスター・ユナイテッドが1点を守りきり、久しぶりの勝ち点3をゲットしました。

ルーニー、マルシアル、アシュリー・ヤング。前線の3人が見せたゴールへの意欲が実を結び、長いトンネルを抜け出しました。守備陣には課題はあったものの、今日はキャプテンの活躍を素直に喜びたいと思います。こうして見ると、フェライニのセントラルMF起用が、クラブが不振を招いた理由のひとつだったように思います。彼はジョーカーとして前に置くぶんにはいいのですが、シュナイデルランやシュヴァインシュタイガー、キャリックと比べると、攻守ともに明らかに見劣りします。マタが秋口の調子を取り戻してくれれば、いま一度プレミアリーグ4位以内奪還に向けてエンジンがかかるはずです。攻撃力においてはレベルが一段上のアーセナルとマンチェスター・シティには、追いつけないかもしれませんが…。(アントニー・マルシアル 写真著作者/Дмитрий Голубович)

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“【MAN.UTD×Swansea】素晴らしきルーニー!決勝ヒールキックで久々の勝ち点3!” への2件のフィードバック

  1. ヤンガナ大好き より:

    マルシアル、ヤングの崩しもさることながら、この試合はルーニーの攻める気持ちが実を結んだゲームだしたね!中盤のシュバインとシュナイデルランのコンビでボール奪取できてました!

    怪我人の多さが気になりますが、やはりキャプテンがシュートでチームを鼓舞すればこれから浮上すると思いました。おめでとうございます。

  2. makoto より:

    ヤンガナ大好きさん>
    ありがとうございます。おっしゃるとおり、ルーニーが見違えるようなプレイを見せてくれました。シュナイデルランとバスティが並んでくれるとテンションが上がります。再浮上に期待しています。

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