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【Newcastle×MAN.UTD】甘さが招いた同点ゴール…マンチェスター・ユナイテッド、痛恨のドロー!

セント・ジェームズ・パークで行われる一戦は、負傷者が多くやりくりに苦しむクラブ同士の対戦です。リヴィエール、オベルタン、パピス・シッセなど攻撃のタレントを欠くニューカッスルと、ルーク・ショー、ロホ、フィル・ジョーンズが離脱しており、最終ラインの頭数が足りないマンチェスター・ユナイテッド。12月の停滞で、プレミアリーグ5位に順位を下げたファン・ハール監督のチームは、ゴール欠乏症を克服できるでしょうか。最前線にはルーニー、その下にエレーラ、両サイドにマルシアルとリンガードを据えたアウェイチームは、最近元気がないファン・マタとプレミアリーグの名門クラブにアジャストしきれていないデパイがベンチです。キャリックとシュヴァインシュタイガーがおらず、フェライニとシュナイデルランが中央に構える布陣では、相手がプレミアリーグ18位といえども不安を拭えません。

立ち上がりから積極的に攻めに出ているのはニューカッスル。しかし5分を過ぎると、マルシアルとアシュリー・ヤングの右サイドからマンチェスター・ユナイテッドが押し返し、質の高いクロスが入り始めます。10分、アウェイチームが難なく先制に成功しました。ハイボールに競り勝ったフェライニのヘディングがムベンバの手に当たりPK。ルーニーの今季プレミアリーグ4ゴールめは、GKエリオットの逆を突く右へのインサイドでした。

ビハインドを背負ったニューカッスルは反撃の糸口がつかめず、マンチェスター・ユナイテッドペースで時間が経過します。24分にエレーラがラインの裏を狙い、アシュリー・ヤングのパスを呼び込んだシーンは可能性を感じさせました。最近のマン・ユナイテッドには、この動きが足りなかったのです。マルシアルが制圧している右サイドの崩しには期待が持てます。26分、フェライニがフリーのリンガードにつなぎ、左に流れたルーニーにスルーパスが通ったチャンスは、GKの脇を抜いたシュートがわずかにポストの右。直後にニューカッスルはワイナルドゥムがノーマークでボレーを放つ決定機を得ますが、デ・ヘアが足でブロックするビッグセーブを披露し、0-1は変わりません。

33分、ミトロヴィッチの落としを受けたヤンマートがペナルティエリアに入ると、リンガードとの接触は微妙でしたが笛は鳴らず。37分のダルミアンのミドルは大きく枠を外れましたが、中盤の選手にシュートがない状態を打破するいいトライだったと思います。その1分後、マンチェスター・ユナイテッドが久しぶりに胸のすくゴールを決めました。自陣でのボール奪取からのカウンター。エレーラのスルーパスを左で受けたルーニーがゴール前に持ち込むと、キャプテンは中に持ってDFを引きつけ、見事な落としで外から上がってきたリンガードをフリーにします。ウインガーは余裕を持ってGKの股間を狙い、0-2。ピッチの脇で、背番号35を中心とした赤い歓喜の輪が揺れています。

しかし、ホームチームは簡単には諦めてくれません。42分、コロッチーニのロングボールをフェライニに競り勝ったミトロヴィッチが頭で落とすと、スモーリングを振り切ったワイナルドゥムが素晴らしいボレー。さすがのデ・ヘアもこれには触れませんでした。前半は1-2、勝負はまだまだわかりません。ハーフタイムがなかったかのように、後半に入ってもニューカッスルが攻める展開。前線でポストとして機能するミトロヴィッチと、シソコの運動量がやっかいです。51分、シソコが左から突破を図り、デ・ヘアと1対1になるも左足のシュートをGKに当ててしまいます。

55分にマルシアルがドリブルで右からペナルティエリアに侵入し、中のエレーラが左に流してリンガードがフリーで狙ったシーンは決めないといけません。62分、右サイドのワイナルドゥムのパスからコルバックがゴールに迫ると、フェライニが必死の寄せでシュートを打たせません。リンガードをデパイは妥当な交代。パスミスばかりになったエレーラも諦めどきではないでしょうか。66分のCKで、スモーリングがミトロヴィッチによるストレスに負けてしまいました。体をつかんで倒した瞬間、イエローカードとPK。ミトロヴィッチは落ち着いて右に決め、ホームチームが2点差から追いつきました。75分、ここでエレーラをマタ。マルシアルが中にポジションを移しています。

前にパスがつながらず、ゴール前でのマークがルーズになり、勝つのはマクラーレン監督だと思われた80分。FAカップに続き、デパイの積極性が勝ち越しゴールを生みました。中に持ち込んで右足を振り抜いたミドルがDFにブロックされると、リバウンドを左隅に叩き込んだのはルーニー!3-2、残りは10分です。84分に左サイドで鋭いドリブルを見せたデパイのクロスは完璧でしたが、ノーマークのフェライニのヘッドはエリオットの正面です。チャンスを逸したマンチェスター・ユナイテッドは、リードを守れませんでした。クロスのこぼれ球をダメットに叩き込まれたのは、左サイドのデパイとダルミアンの守備がまずく、ボールを入れさせてしまったからです。3-3、痛い痛い勝ち点1。マンチェスター・ユナイテッドは、アウェイでボーンマスに完勝したウェストハムにかわされ、プレミアリーグ6位に順位を下げました。

守ると奪えず、獲ると守れず。マン・ユナイテッドのショートカウンターとサイドからの崩しは迫力があり、全体的に攻撃はよくなっていたのですが、終盤の決定機を確実に活かせていれば、試合は終わっていたでしょう。最後は、試合の畳み方が曖昧でした。前でボールをキープするのか、中を固めてしのぐのかがはっきりしていれば、ペナルティエリアのすぐ外からのシュートで失点をすることはなかったはずです。マルシアルをマクネアに代えるなど、交代で姿勢をはっきりさせたほうがわかりやすかったのではないかと思います。決定機のシュートもピンチでのマークもベンチの采配も少しずつ甘く、それらが積み重なって勝ち点を失ったのではないでしょうか。(ウェイン・ルーニー 写真著作者/Дмитрий Голубович)

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“【Newcastle×MAN.UTD】甘さが招いた同点ゴール…マンチェスター・ユナイテッド、痛恨のドロー!” への4件のフィードバック

  1. とにかく明るいモイモイ より:

    安心してください!

    3得点も引き分けですよ‼︎(笑)

    1人赤いクラブにプロレスか相撲かと競技履き違えてる奴いたな
    名前はたしかスモーリングだっけ?
    あ〜名前的に納得しました(笑)

  2. シティふぁん より:

    なんだかんだルーニーが大黒柱ですかね
    今日の引き分けはもったいない
    本来ならフェライニを下げて
    キャリックかシュバインシュタイガーを投入したいところだったと思います

  3. セオ より:

    こうゆうゲームを勝ちきれないところが、ファーガソンの頃との決定的な違いなんでしょうか。
    ところでウェストハムのゲームはチェックされてると思いますが、パイェかなりヤバイっすね。BIG4と言われるクラブがピリッとしない時期に、このパイェのウェストハムやケインらヤングライオンのスパーズ、そしてバーディらのレスターなんかがどんどん調子をあげてる感じで、ホントはヨーロッパのこととか考えたらBIG4がCLもあわせて席巻してほしいのですが、リーグで全く気を抜けないとゆう…。
    今シーズンのプレミアはまさに混沌としてきました‼

  4. makoto より:

    もうファンハールでは限界でしょう。彼の率いるチームや彼自身に伸び代はあるのでしょうか?今シーズンのプレミアははっきり言ってレベルは高くないように見受けられます。その一端を担ってるのがユナイテッドだと言うのは残念ですが…。
    ただユナイテッドもまだ優勝出来るラインにいると思うますし、何かきっかけをつかめば今シーズンのプレミアなら十分挽回は可能だと思います。ただそれはファンハールでは難しいと思います。これ以上内容も結果も悪いチームを見続けるのが苦痛なんですが、管理人さんはどう考えますか?

    —–
    シティふぁんさん>
    そうですね。セントラルの大事な2人がいなかったのは、痛かったです。

    セオさん>
    パイェ、すごいですよね。レスターもウェストハムも、さほど落ちずにこのままいくかもしれません。特にウェストハムは、前線に負傷復活組が多く、「セルフウインターブレイク」取ってますので。

    parliamentさん>
    ファン・ハールさんという人は、「戦術家としては一流だけどガラスのハートの持ち主」だと思っております。ブラジルで3位になったオランダ代表やAZ時代、あるいは昨季のマンチェスター・ユナイテッドのように、選手からも経営陣からも支持されていると勇敢なサッカーも大胆な采配もできるのですが、ひとたび批判を受けると冷静さを失ったり手が縮こまったりしてダメになるタイプか、と。よって、どこかで上昇気流に乗れば、連戦連勝モードになる可能性もなくはない、と思います。若手を使う姿勢や、ブリントのCBのようにアイデア豊富なところは長所ですので、今は「何とか勝って、次も勝って、勝ち続けて気分よくなってくれ!」とただただ祈っている次第です。

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