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【MAN.CITY×Everton】ハワードがビッグセーブ連発!マンチェスター・シティはホームで沈黙

プレミアリーグ21節のマンチェスター・シティVSエヴァートンは、裏で盛り上がっているレッズとガナーズ、スパーズとレスターに次ぐ好カードでしょう。本拠地エティハドで戦うマン・シティは、コンパニとフェルナンジーニョが不在で、ダヴィド・シルヴァ、サバレタ、コラロフがベンチ。対するエヴァートンはジェームズ・マッカーシーとコールマンを欠き、ギャレス・バリーと中盤の真ん中に並ぶのは、最近よくなってきたベシッチです。ロベルト・マルティネス監督がジョン・ストーンズを右に入れたのは、オヴィエドよりもスターリングを抑えられるという読みでしょうか。殴り合いとなったアンフィールドとは対照的に、両者とも慎重にゲームに入っています。

9分、右に流れたデブライネを見てスターリングが縦パス。シュートはニアポストの脇に外れますが、エヴァートンにとっては危ないシーンです。右のヘスス・ナバスと中央に入ったスターリングのコンビで崩そうとするマン・シティに左からの攻撃が少ないため、エヴァートンの守備陣はジョン・ストーンズが中に絞ってジャギエルカ、フネス・モリと3バックのような形になっています。

17分、サニャのクロスをタイミングよく捉えたヤヤ・トゥレのヘディングは決定的でしたが、名手ハワードが素晴らしい反応を見せてこれを防ぎます。直後のエヴァートンは、ルカクが左からペナルティエリアに侵入し、切り返して逆サイドへのラストパス。ロス・バークリーを越えたボールはファーサイドをフリーで走り込んだデウロフェウに合いますが、ジョー・ハートが飛び出して体に当て、こちらも先制はなりません。デブライネのクロスがDFに当たってこぼれたところを勇敢に飛び出し、アグエロより先に触ったハワードのプレイも見事。ここまでのエティハドは、「GKがいい試合は締まる」の典型が繰り広げられています。

23分、デウロフェウがデミチェリスを抜き去って出したグラウンダーは、ニアでオタメンディがクリア。31分にギャレス・バリーが前線のルカクに縦パスを通した形は、エヴァートンの狙いのひとつでしょう。マークを背負ってためたストライカーは、左から上がったレオン・オスマンにぴったりの浮き球をフィード。完璧にミートしたボレーは、20センチ内側なら「今節のプレミアリーグのベストゴール」だったでしょう。エヴァートンがアグエロを抑えているのに対して、デミチェリスはルカクを止められません。34分、アグエロがジャギエルカとフネス・モリを次々とかわすも、ベシッチがカバーしてシュートは打たせません。前半は0-0。マンチェスター・シティに足りないのは、サイドを崩したときの中央の厚み。アウェイのエヴァートンはこのまま守って、カウンターで一発に賭ける戦い方でいいでしょう。

49分、ベシッチの縦パスをそのまま打ったルカクのシュートは、オタメンディがブロック。昨季プレミアリーグ得点王のアグエロと、今季のリーディングスコアラーの競演は、ここまでは後者に分があります。53分、ヘスス・ナバスのミドルは左にアウト。デブライネを中に、スターリングを右にスイッチした効果が出たと思われたのは55分でした。チームアシスト王のグラウンダーでスターリングがフリーになり、これは決まりとゴール裏が立ち上がった瞬間、ジョン・ストーンズのスライディングがゴールを阻みました。66分、CKのクリアをオタメンディが右に展開すると、デブライネの高速グラウンダーがニアのアグエロに向かいますが、ハワードが足でカットしてこれも入らず。69分に左からフネス・モリを抜いたアグエロは、1対1になりながらもハワードのブロックを破れません。両者ノーゴールのまま、残り時間は20分を切りました。

71分、ロベルト・マルティネス監督が2枚代え。クロスの精度を欠いたデウロフェウと運動量が落ちたレオン・オスマンをピーナールとコネは、納得の采配です。74分、ミドルシュートを大きくふかした後、ダヴィド・シルヴァと自分の交代を確認したデブライネは悔しそうです。77分、クリシーが浮かしたボールを頭で狙ったヘスス・ナバスのシュートはバーの上。81分に角度のないところから狙ったアグエロの右足も、体のひねりが足りなかったようです。

ヘスス・ナバスをイヘアナチョに代え、アグエロの近くに置いて絡ませる形もおもしろいのではないかと思いましたが、ペジェグリーニ監督はカードを1枚しか切りませんでした。リズム一定、サイドを2枚で崩してグラウンダーという仕掛け方を繰り返すだけの最終盤は、エヴァートンは守りやすかったのではないでしょうか。タイムアップ、0-0。マンチェスター・シティはホームでドローに終わり、プレミアリーグ首位のアーセナルとの勝ち点差3を詰めることはできませんでした。

プレミアリーグの優勝争いもさることながら、キャピタルワンカップ準決勝のセカンドレグを前に、対戦相手のエヴァートンから決戦の場となるエティハドでゴールを奪っておきたいところでした。アグエロの後ろからゴールに迫る選手が少なく、エースのシュート以外できわどかったのはヤヤのヘッドぐらい。ベシッチとギャレス・バリーがペナルティエリアの外を堅実に締め、ジャギエルカとジョン・ストーンズの読みがいいエヴァートンからゴールを奪うなら、ペナルティエリア内でマークを分散させる動きが必要だと思います。月末、三たび激突する両者は、それぞれどんな戦い方を選ぶのでしょうか。マンチェスター・シティがエヴァートンと3回やって1回も勝てないとなれば、地味ながらもちょっとした事件です。

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“【MAN.CITY×Everton】ハワードがビッグセーブ連発!マンチェスター・シティはホームで沈黙” への4件のフィードバック

  1. シティさぽ より:

    ハワードは素晴らしかったですね。それはそれで置いといて、終了間際のスターリングとストーンズの接触は、確実にPKだったと思います。ボールに一切触れてなく、かつ後ろからのスライディング。あれがPKがでないのは余りにも酷いジャッジです。レフリーに寄りますが、プレミアリーグはフィジカルコンタクトに甘すぎです

  2. シティさぽ より:

    バークリーとルカクを抑えようとしたのがよくわかりました
    それでも前半は結構チャンスを作られました
    PKがあったと思いますがそれでも他のチャンスで決めないといけないでしょう
    2枚交代枠を残しましたがチャンスを作れてなかったわけではないので不満はないですね

  3. シティズン より:

    ハワードを讃えたいんですが本当にあれがPKにならないのは腹立たしい
    スターリングというだけでもうPKを取る気無いんじゃないかと

  4. makoto より:

    シティさぽさん シティズンさん>
    記事を書くときは、試合の内容よりも盛り上がってしまいやすいレフェリーへの疑義は極力避けるようにしているのですが、この試合については「ジャッジに一貫性が感じられないな」と思いました。ファンの方々のメーターが上がるのは理解します。

    シティさぽさん>
    おっしゃるとおり、チャンスはあったのですが、エヴァートンのGKとDF、そしてベシッチがよかったですね。アグエロへの対応以外に大きなミスはほとんどなく、アグエロについてはハワードが拾い切りました。

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