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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Norwich×Liverpool】壮絶な撃ち合いを制したのは、95分、アダム・ララナ!

ノリッジのスタメンには、この冬新加入のイヴォ・ピントとネイスミスがいます。プレミアリーグ23節、やりくりに苦しむクロップ監督のチームは、アウェイでの難しいゲーム。フィルミーノがトップ、両脇にジョーダン・アイブとミルナー、セントラルにはヘンダーソンとエムレ・ジャンが並び、アンカーにルーカスが構えています。サコとコロ・トゥレ、ミニョレでクリーンシートは難しいでしょう。リヴァプールは、中盤で相手の攻撃の芽を摘み、攻めきって勝ちたいところです。試合開始から、アウェイチームがアグレッシブにボールを追いかけています。これぞクロップサッカー。今日はおもしろいゲームになりそうです。

左のジョーダン・アイブ、右のミルナーというレッズのウインガーと、イヴォ・ピント&ブレイディの両SBとのせめぎ合いは、リヴァプール優勢。サイドからのボールが中に合わず、フィニッシュは少ないものの、先制するのはレッズでしょう。18分、アルベルト・モレノのパスを受けたミルナーのスルーパスは完璧でした。ダイレクトで右隅を狙ったフィルミーノの左足シュートに、GKラディは足に当てるのが精一杯。ボールはサイドネットに転がり、あっさりレッズがリードします。これがプレミアリーグ4点めのフィルミーノは、やはり最前線がいちばんはまるようです。

21分、フィルミーノのパスで完全に抜け出したミルナーには決めてほしかった!ドリブルにスピードがなくCBの帰陣を許してしまい、完全にゲームを掌握する追加点は入りません。25分にFKから狙ったアルベルト・モレノの強烈なシュートは、ポストの左。ここまで決定的なチャンスがなかったノリッジは、29分、レッズの泣きどころであるCKから同点にします。ファーに飛んだボールの折り返しは一度はクリアされたものの、リバウンドがゴール前に戻ると、ミニョレに背を向けたムボカニのヒールキックにサコは触れず。1-1となり、キャロー・ロードのスタンドはヒートアップしています。

同点にされてから動きが重くなったリヴァプールに、ノリッジの攻撃陣が襲いかかります。41分、レッズの左サイドは、危険な男をフリーにしてしまいました。サイドからペナルティエリアに侵入したフーラハンが短く出したボールに走り込んだのは、スティーブン・ネイスミス!エヴァートンにいた昨秋のチェルシー戦で、見事なハットトリックを決めた7番のプレミアリーグ4点めは、クロスに放った正確なシュートでした。2-1、ホームのノリッジが逆転。キックオフ直後とまったく違うムードになったゲームは、そのままハーフタイムを迎えます。

正直にいいましょう。53分に危険なネイスミスを止められなかったアルベルト・モレノが、ネイスミスの足を後ろからはさんでPKを取られたときは、ノリッジの完勝だとばかり思っていました。ミニョレの動きをみたフーラハンが余裕を持って右に決めると、クロップ監督の渋い顔がクローズアップされます。しかし、窮地に追い込まれたレッズは55分に1点を返し、最悪の状況を引っ張りませんでした。ナサニエル・クラインのクロスをフィルミーノがスルーすると、ダイレクトで左隅に決めたのはキャプテン・ヘンダーソン。残り時間は30分以上あり、3-2ならわかりません。59分、クロップ監督はジョーダン・アイブを下げて、ララナを起用します。

この交代の効果は、5分もしないうちに同点ゴールとして現われました。ルーカス、ミルナーとつながったボールに反応し、左サイドから抜け出したララナのクロスは絶品!ラディの前で完全にフリーとなったフィルミーノは、GKが触れないコースに軽く流し込むだけでした。3-3という点の取り合いは、75分に思わぬ形で7点めが入りました。ラッセル・マーティン、痛恨のバックパス!GKに戻したボールが前線にいたミルナーの足元に入ってしまい、ひとり旅となったレッズのベテランMFは、GKをかわしてインサイドで確実に押し込みます。3-4、今度はレッズが逆転。ホームのノリッジはジェロームを入れ、必死の反撃を開始します。このまま終わる雰囲気ではなかったとはいえ、まさか追加タイムにゲームが二転するとは思いませんでした。

「このゲームは何が起こるかわかりません」。おそらく実況は、何の気なしに口走ったのだと思われますが、それから1分もしないうちにノリッジが追いつきました。自陣からのFK、ゴール前に放り込まれたボールのこぼれ球を左足一閃、ここしかないコースに突き刺したのはバソング。4-4となり、ようやく終わると思われたゲームには、感動のフィナーレが待っていました。残り時間は1分ありません。エムレ・ジャンのクロスを落としたのは途中出場のベンテケ、これを右足で狙ったのは5分前に入ったばかりの「FWコーカー」、DFのクリアをボレーで叩いたのはアダム・ララナ!殊勲のMFはシャツを脱ぎ、まっすぐクロップ監督に向かって走ります。抱擁の輪、レッズサポーターでなくても涙が出ます。ラストプレーのひとつ手前のチャンスを活かしたレッズが、4-5で撃ち合いを制しました。

こんな劇的な試合には、ここがよかった、悪かったはいらないでしょう。クロップ監督のメガネは最後の興奮で壊れてしまった、とだけ添えておきます。素晴らしい。本当に素晴らしい。諦めず、しかし冷静に、リヴァプールが貴重な勝ち点3をゲット。この勝利は、今季プレミアリーグで9勝めです。

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“【Norwich×Liverpool】壮絶な撃ち合いを制したのは、95分、アダム・ララナ!” への5件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    アディショナルタイムでバソングに同点にされた時は力が抜けましたが、まさか1分後あのような劇的な瞬間が
    起きるとは、、、しかしセットプレーからの失点はもう重症ですね、、、今シーズン最後まで悩まされそうです。
    本当に勝てて良かったです。
    ノリッジは負けてしまいましたが、よい補強をしたのではないでしょうか。
    イヴォ・ピントとネイスミスはしっかり仕事してましたね。
    最後にクロップのメガネ壊れちゃいましたが、ベンテケの手が入ったみたいですね(笑)

  2. ヤンガナ大好き より:

    いやー、ハラハラドキドキの楽しい試合でしたね。自分はそんな中、レッズが勝利したのは2点目を返し、絶対に諦めないというスピリッツを鼓舞したヘンダーソンのキャプテンシーが一番大きかったと思いました!前キャプテン、ジェラード後の大役は難しいと思いますが、このゲームを観てよいキャプテンになったなあと感心しました。乱戦ではありましたが、チームの雰囲気はベンチ含め最高でしたね。

    ノリッジ、惜しいゲームでしたがネイスミスの挨拶がわりの移籍初戦の一発は今後、攻撃力アップ、期待出来そうですね!

  3. K より:

    アレコレ言うのは無粋ですね。ただ、フィルミーノがスーパーポストプレイヤーに覚醒しつつある事と、ブレイディに蹂躙されていた右サイドに安定をもたらし、フィルミーノを輝かせる決定的なパスや最後の決勝点を決めたララナの2人は本当に本当に素晴らしかったと叫ばせてください。みんな最後まで諦めずに良く戦った!

  4. nyonsuke より:

    更新ご苦労さまです。

    皆様のいうとおり、この試合にいろいろ言うのは無粋ですね。
    後半アディショナルタイムは、絶望と歓喜が続けざまに襲ってきて、正直呆然としてしまいました 笑。
    とりあえず、監督のメガネを代償に勝ち点3を取れたことでよしとしましょう。
    今日のメンタリティを忘れず、コウチーニョや噂される新戦力が加われば、後半戦さらに楽しみになります。
    しかし、今季のレッズはまだ赤子のような若いチームだと思うので、今後もハラハラドキドキしそうですね。

  5. より:

    更新ご苦労様です。
    今回は本当に疲れました。正直PKの後に自分も8割方諦めました。「またか・・」と。
    しかし、ヘンドの1点が再度気持ちを高めてくれましたね。

    アディショナルタイムに同点にされたときは本当にガクっと来ましたが、ララーナが決めた時は子供が泣きそうになるくらい抱擁して叫んじゃいました。
    アイブは以前に比べると最近はいまいち機能してないように見えます。突破ばかりを狙ってるからでしょうか。

    フィルミーノ、ララーナは調子良さそうですし、ミルナーも戻ってきたし、これにコウチ復活&新加入選手とか来ればもっと上を狙えそうです。

    DFとGKが見えてないじゃないかってツッコミは多々あるかと思いますが・・・。

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