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【Arsenal×Saints】超絶フォースターのビッグセーブ5発にアーセナルは沈黙!

エジル、フラミニ、アレクシス・サンチェス、ラムジー、ジョエル・キャンベル。コクランはベンチスタート、エルネニーは不在ながら、アーセナルの中盤は申し分のない顔ぶれです。プレミアリーグ24節、アーセナルVSサウサンプトン。アウェイチームはペッレがおらず、トップにシェーン・ロング。タディッチ、マネが両脇に入り、ウォード=プラウズ、ワニャマ、ロメウとこちらも中盤はベストといっていい布陣です。チェルシー戦で退場になったメルテザッカーの代わりはガブリエウ。チェフを中心としたガナーズの最終ラインは、セインツの速攻に要注意です。

3分、ウォード=プラウズが得意のFK。手前でバウンドする難しいボールは、チェフが落ち着いて外に弾き出します。アーセナルらしい攻撃は7分。エジル、ジルー、ジョエル・キャンベルとダイレクトでつながった崩しは、ジルーへのワンツーの折り返しが捕まりました。12分にアレクシス・サンチェスとエジルのホットラインがつながります。左サイド深くからのロングパスは、斜めに走り込んだエジルの足元にぴったり。ワントラップでシュートを放ったエジルの淀みない動きに、ゴール裏は先制を確信したのではないかと思われますが、フレイザー・フォースターもプレミアリーグ屈指の守護神です。右隅を狙ったボールは左足に当たり、形勢互角のまま試合は進みます。

22分、ベジェリンのクロスから、アーセナルが2度めの決定機を創ります。ジルーがヘッドでコースを変えると、DFと入れ替わってボレーを放ったのはエジル。至近距離からの一撃は、フォースターが左手に当ててこれも決まりません。悔しそうなエジル。シュートに持ち込めないセインツは、先に失点すれば一気にペースを奪われそうです。30分、フラミニのマークを受けながらようやく放ったタディッチのシュートはチェフの正面です。その2分後、マネの左からのグラウンダーが中のシェーン・ロングに届くもシュートは打てず、落としはバートランドに合いません。後ろからフォローしたロメウのミドルはバーのすぐ上を抜けてしまい、セインツもチャンスを活かせませんでした。

41分にマネが最前線に抜け出しかけたシーンは、ガブリエウが寄せてシュートミスを誘います。44分、右サイドからフリーになってゴールに迫ったジョエル・キャンベルがエジルに通すも、プレミアリーグアシスト王は足元に入ったボールを打ちきれませんでした。前半は0-0。最近の5試合を1勝1分3敗、ボクシングデーのプレミアリーグでは4-0完敗とクーマン監督のチームを苦手にしているアーセナルは、エミレーツでも難しいゲームを強いられています。

47分、エジルの縦パスをジルーが落とし、ラムジーの折り返しをジルーがダイレクトで狙った決定機は、フレイザー・フォースターがこの日3度めのビッグセーブで左に弾きます。52分にアレクシス・サンチェスが股抜きパスをエジルに通したチャンスは、左からのグラウンダーにジョエル・キャンベルが中に入ってきてしまい、ボールとずれ違ってしまいました。ジョエル・キャンベルは、62分にウォルコットとチェンジ。直後に喰らったカウンターのピンチは、ベジェリンがプレミアリーグNo.1のスピードで追いつき、外に逃れます。

67分、アレクシス・サンチェスを中心に左から崩したボールがファーのウォルコットへ。どフリーのチャンスに、背番号14は正直すぎるシュートを2発GKにぶつけて終わらせてしまいます。71分、エジルのCKを後ろ向きになりながらの超絶トラップで足元に落としたアレクシス・サンチェスが、振り向きざまの右足でフォースターを破りますが、左のポストの脇にはウォード=プラウズがいました。残り15分を過ぎても0-0。85分にエジルとアレクシス・サンチェスがワンツーで中央を破りかけるも、エジルはつぶされ、アレクシスのシュートにはフォースターが立ちはだかります。90分のラムジーのミドルはGKの正面。フォンテの負傷で長くなった6分の追加タイムは、無為に終わりました。タイムアップの笛で響いたブーイングは、ドローという結果に対するものか、あるいは左からクロスが上がった瞬間という無情なタイミングへの抗議か。アーセナルは、プレミアリーグ4戦連続勝利なしです。

この試合でびっくりしたのは、フォースターの素晴らしいセービングとクーマン監督の采配です。前者はあらためていうに及ばず、69分にタディッチをグラツィアーノ・ペッレ、83分にウォード=プラウズをファンミと2枚のストライカーを入れたクーマン監督は、勝ち点1ではなくその上を狙っていました。吉田麻也とクラーシがベンチにいるにもかかわらず、枠内シュートをボコボコに喰らいながら86分にマネを諦めてマット・ターゲットを入れるまでの時間を勝ちにいくとは…。この監督は胆力があります。

一方のヴェンゲル監督も、カードを1枚余らせて終わるぐらいなら、途中で入れたウォルコットを下げてチェンバレンといった思い切りがあったもよかったのではないでしょうか。アタックを求められていたはずのウォルコットは、2度のシュートストップの後は役割を果たせておらず、右サイドはSBベジェリン、MFもベジェリンでした。アレクシス・サンチェスがファン・ダイクやフォンテ相手にことごとくヘッドで勝っていただけに、最後の勝負どころで彼に決めさせるボールがもっと多ければ、違う結果があったかもしれません。いや、とにかく今日はフォースターです。エジル、エジル、ジルー、ウォルコット、アレクシス・サンチェス。あれらを全部止めるとは、恐れ入りました。ガナーズの戦い方は、悪くなかったと思います。相手のGKが神がかっていた今日は、「運がなかった」のひとことで忘れて、次戦のボーンマス戦に集中していただきましょう。

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“【Arsenal×Saints】超絶フォースターのビッグセーブ5発にアーセナルは沈黙!” への4件のフィードバック

  1. ヤンガナ大好き より:

    おっしゃるようにフォスター、完全に当たってましたね。それにボランチ二枚とディフエンスラインも屈強でした。

    おっしゃるようにウォルコットのシュートだけは残念でした。二日前のFAのラストシーンの再現フィルムかと思った位、決定的チャンスだったのに。

    ただ、今日は攻めが単調でどこかでミドルを狙ったり、高速グラウンダークロスを入れるとか変化が欲しかったです。

    クーマン監督のセインツ、これから順位を上げてきそうですね。気分を換えて週末に備えます。

  2. 新参 より:

    アーセナルの悪い時期にはこういう試合がよくありますね。そろそろ脱して欲しいですが。

    守備に関しては采配的中だったと思います。フラミニがマネを消し、ロングにはメルテザッカーよりガブリエル。堅い采配で良かったと思います。

    問題は攻撃面。ビルドアップですね。流れがミスで切れることが多く、アーセナルの流れと言い切れる時間帯は少なかったように思います。ギャンブルですが、エジルをセンターの位置に下げ、3センターにしてみてもいいかもしれません。

    とにもかくにも何かしらの変化が欲しいです。

  3. セオ より:

    ちょっと前のガナーズならラスト数分で決められて負けるパターンのゲームだと感じました。負けなかったこたが成長と見るべきでしょうか。2月は全勝してほしいと思ってましたが…。あれよというまにToTに抜かれるという…。よそは気にせず、目の前の勝利あるのみ‼

  4. makoto より:

    ヤンガナ大好きさん>
    あれだけ決定機を創っていたので、悲観しなくてもいいですよね。おっしゃるとおり、気持ちの切り替えが大事だと思います。

    新参さん>
    中盤のパスミスが多かったですね。カソルラの不在の影響を、改めて感じさせられました。

    セオさん>
    この時期の勝ち点5差はどうとでもなりますよね。次戦必勝です。

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