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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【MAN.CITY×Tottenham】冷静さを欠いたマンチェスター・シティ、7年ぶりのホーム連敗!

エティハドでのプレミアリーグは5連敗中、最近2試合は得点わずか1、失点は何と10。過去の戦績で予想するなら、トッテナムに張れる要素はありません。しかし今回は、フェルトンゲンとヌジエ以外は全員元気なアウェイチームに対して、マンチェスター・シティは満身創痍。長期離脱のナスリとデブライネを筆頭に、デルフ、ヘスス・ナバス、サニャ、マンガラ、ボニーを欠いたチームは、消去法でダヴィド・シルヴァとスターリング、ヤヤ・トゥレが2列めに並ぶ布陣となります。ボクシングデーのサンダーランド戦にたった10分顔を出して以来、1ヵ月半ぶりのプレミアリーグとなる主将コンパニは、レスターに3失点を喫した不安定な守備を締めてくれるでしょうか。6連勝中のスパーズは、ハリー・ケイン、エリクセン、デル・アリ、デンベレらが揃う攻撃陣が17ゴールを挙げており、簡単に抑えられるチームではありません。負ければ2008年以来のホーム連敗となるマン・シティは、立ち上がりからトッテナムに押され気味です。

5分を過ぎてリズムをつかみ始めたマンチェスター・シティの最初のチャンスは、11分のCK。ファーにいたアグエロのボレーはバーを越えるも、スパーズ守備陣は積極的に仕掛けてくるヤヤ・トゥレに手を焼いています。16分、スターリングのパスからダヴィド・シルヴァが左サイドを抜けたチャンスは、アルデルヴァイレルトがニアを締めてシュートを許しません。トッテナムの攻撃は、中央に固執し過ぎてオタメンディとコンパニ、フェルナンドの壁に捕まっています。24分、右からのFKをファーサイドのコンパニがヘッドで落としたシーンは、オタメンディのボレーはうまく当たらず、スターリングの強烈なシュートはダニー・ローズが体を張ってカットします。ここまではマンチェスター・シティペース。エリクセンやデンベレは、ソン・フンミンやSBを使ってサイドを攻略する形を創りたいところです。

28分、ダニー・ローズががんばって中央に戻したボールをエリクセンが強烈なミドル。これはジョー・ハートに弾かれますが、ようやく見せてくれたスパーズらしい積極的な攻撃でした。マン・シティが優勢な時間が続くなか、アルデルヴァイレルトの最終ラインの統率が見事です。自分がサイドに出ていく際は、空いたスペースにカバーが入るのを見届けるまではプレイを遅らせ、スターリングやアグエロが侵入してくるスペースを読んでつぶしています。終了間際にはスパーズがボールをまわす時間帯があったものの、ダニー・ローズの左足以外にシュートはなく、0-0でハーフタイム。ハリー・ケインが完封されたアウェイチームにプレミアリーグ4連勝の勢いは感じられず、予想以上に苦しんでいます。

一気に攻めるのか、守備から入るのか。後半のゲームプランは、両監督にとって悩ましかったと思われますが、スターリングが右にまわっているのが目を惹きます。ペジェグリーニ監督は、スターリングの攻撃力を活かすというより、ダニー・ローズの攻め上がりを抑えたかったのではないでしょうか。49分、ヤヤ・トゥレのクロスがDFに当たり、右から走り込んだアグエロの足元に落ちる決定機がありましたが、昨季プレミアリーグ得点王はハーフボレーをふかしてしまいます。53分、スパーズの先制点のきっかけは、やっかいなダニー・ローズでした。クロスにジャンプしたスターリングの背中に当たったように見えたシーンに、クラッテンバーグさんのジャッジはハンド、PK。このジャッジに、エティハドに詰めかけたファンは納得できません。ハリー・ケインの今季プレミアリーグ16ゴールめは、ジョー・ハートの逆をつく文句なしのキックでした。

1点を追うマンチェスター・シティは、ヤヤ・トゥレがギアチェンジ。55分の左足ミドルは左に外れ、その1分後の直接FKはクロスバーに阻まれます。攻めるマン・シティ、耐えるスパーズ。66分、フェルナンドをイヘアナチョは納得の交代です。ヤヤ・トゥレのミスパスをさらってゴール前に躍り出たソン・フンミンは、トラップミスでハンドを取られてチャンスを逸してしまいました。残り20分、ペジェグリーニ監督には有効な攻めのカードはなく、ポチェッティーノ監督はカードを切っておりません。72分、ソン・フンミンをトム・キャロルは、中盤の守備の強化でしょう。

アーセナルとレスターの試合でもそうでしたが、微妙なPK一発で終わってくれるなと思いながら試合を観ていました。最低ひとつは、どちらかがファンタスティックなゴールを決めてほしい。その意味で、74分にマン・シティが追いついたときは少しほっとしました。クリシーのグラウンダーに走り込み、完璧なボレーをゴール左上に叩き込んだのは、入ったばかりのイヘアナチョ。1-1となった直後に、コラロフを投入したペジェグリーニ監督のメッセージは勝ち点3でしょう。勝負はこれからです。78分、ヤヤ・トゥレのドリブルシュートはロリスがセーブ。トッテナムはほとんど攻められなくなっています。

81分、デル・アリをラメラは、ポチェッティーノ監督も勝ちにいっているということです。スパーズの指揮官の思いにラメラが応えたのは、ピッチに入ってからわずか2分後でした。83分、中央をするすると上がったラメラが、オタメンディの股間を抜くスルーパス。コラロフとコンパニの間に入り込んだエリクセンは、ジョー・ハートが触れない右隅に冷静に流し込みました。1-2、またもアウェイチームがリードです。88分、中央で一瞬空いたアグエロは、いつもなら迷わず左足を振っていたのではないでしょうか。89分、ポチェッティーノ監督がハリー・ケインを下げてシャドリを入れたのは、店じまいの合図でしょう。

ホームとはいえ、マン・シティがプレミアリーグ最少失点のチームに追いつくには、10分は少なかったようです。93分、コラロフの高速クロスにオタメンディが飛び込んだシーンは、アルデルヴァイレルトが冷静にクリア。終了間際にアグエロが右から突破し、オタメンディがヘッドを狙ったラストチャンスは、ロリスが必死に手を伸ばして触り、こぼれ球に反応したダヴィド・シルヴァの左足ボレーが宙を舞います。決してスマートではなかったものの、気持ちを切らさなかったトッテナムが、苦手のエティハドでマンチェスター・シティに競り勝ちました。

ホームゲームで厳しいジャッジを受けてPKを決められ、0-1から残り20分を過ぎて同点。アーセナルとマンチェスター・シティは、ここまでは同じ道を辿りましたが、最後に明暗が分かれました。マンチェスター・シティは、19本のシュートを放ちながらも力んだフィニッシュが多く、失点シーンは冷静さが足りませんでした。自陣でボールを奪われれば即座にピンチを招くのをわかっていながら、相手が3人いるところにドリブルで突っ込んでしまったヤヤ・トゥレ。人数的には足りていたのに、ラメラとエリクセンの2人だけの攻撃に、マークがずれてしまった最終ライン。イヘアナチョが不運なPKをなかったことにしてくれた後の20分は、自陣ではセーフティファーストを徹底し、SBの裏を突く得意の攻撃を仕掛け続けていれば勝ち点3をもぎ取れたのではないかと思いました。

残念な敗戦ではあるものの、プレミアリーグ首位との6差は試合前と変わっておらず、まだまだ逆転は充分可能です。大事なことは、敗戦のショックを引きずらないこと。チェルシー、キエフ、リヴァプール、リヴァプールと大事なゲームが4つ続きますが、ここをしのいで負傷者が戻ってくれば、優勝争いの経験が豊富なマンチェスター・シティが再び首位に立つシーンもあるでしょう。すべての大会で勝ち残っている唯一のチームでスケジュールがタイトなことと、プレミアリーグの上位対決で1度も勝っていない勝負弱さは懸念材料ではありますが…。

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“【MAN.CITY×Tottenham】冷静さを欠いたマンチェスター・シティ、7年ぶりのホーム連敗!” への11件のフィードバック

  1. スパーズ推し より:

    よく勝った、という内容でしたね
    やはりコンパニがいるとケインが中央で消えてしまいました
    トビーを中心に、よく粘りました
    交代のラメラもピタリと当たり、エリクセンのパースデーゴールまでついて本当に良かったです

    判定はラッキーだった、としか言いようが無いです^^;
    一応主審を擁護しておくと、あの瞬間の主審の位置からはボールがスターリングと被っているように見え
    またスターリングの脇も大きく開いていましたから、主審からハンドに見えたとしても理解はできます
    クロスに対して脇を広げてしまったことが若干軽率だったかもしれませんが、DFでもない若手にそこまで求めるのも可哀相ですし
    対戦相手から見ても同情できる判定でした

    ただ、だから判定で勝った、とは思いません
    あれだけ攻めて、シュートもスパーズ以上に撃ち、しかもエティハドだったのです
    最後にエリクセンに決められてしまう前に、決着をつけるだけの攻撃が出来たはずです

    長文、失礼しましたm(_ _)m

  2. シティズン より:

    当たって欲しくない結果が当たり 当たって欲しい結果が外れました

    シティは優勝争いから完全に脱落しました
    もうCL圏内であれば文句ないです
    今季は対強豪にあまりに無策です
    メンバーが揃わないからといってここまで何もできないと 来季以降のペジェが心配なんですが
    雇い先あるんですかね…

  3. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    ニュートラルな目線でゲームを観ておりましたが、決勝ゴールのラメラからエリクセンのパスはラブリーパスでした。まだまだ優勝戦線はわからないですね。面白くなってきました。

  4. ロビーサベージ より:

    更新お疲れ様です(^∇^)

    こちらの試合も見たのですが、スパーズは若くてフレッシュな良いチームですね。しかも苦手なエティハドで勝ちましたし、勢いを感じます。

    私の勝手な思いで申し訳ないのですが、最終的にはレスターかスパーズに優勝して欲しいなと思ってます。まだまだ試合はありますが、これからの展開が読めなくて面白くなってきましたね。

  5. とにかく明るいモイモイ より:

    1位シティ
    2位ガナ
    3位ユナイテッド
    4位チェルシー
    5位リバプール

    誰の予想だっけなぁ
    センスあるわぁw
    そもそもリバプールがスパーズより上に行くわけないだろ
    ベンテケはハマる!キリ!(笑)

    ほんと誰の予想だっけなぁw

  6. シティ より:

    クラッテンバーグ、前回のスパーズ戦の2つのオフサイドの見逃しに続いてまた疑惑の判定をしましたね。ハンドや接触プレーに甘いプレミアであのハンドを取るのは厳しい気がします。エリア内か外か微妙でかつ、明らかにハンドとは言えない場面で。前回に続きクラッテンバーグはシティに恨みでもあるんですかね…あんな形で試合が動くなんてファンとしてみればやってられません…あの誤審がなければ勝てたとは言いません、しかしもし負けたとしてもこのやり切れなさは感じなかったでしょうね

  7. にわかスパーズファン より:

    更新お疲れ様です。
    ヴィマーがヤンの代わりをしっかり出来てることが勝利につながったかなと思います。CBが安定しない最近のスパーズからは考えられない驚きですが。
    ここから過密日程になりますが、いい形でNLDを迎えてほしいです。

  8. プレミアリーグ大好き! より:

    プレミアの優勝争いが混戦になるのは毎度のことですが争うチームがレスター、トッテナム、アーセナル、マンチェスターシティになるとは誰が予想できたでしょうか。ただ最後に笑うのはマンチェスターシティだと思います、他の3チームは優勝争いの経験がチームとして無いまたは遠ざかっているからです特にレスターと若いトッテナムは終盤戦になれば正気ではいられないのではないでしょうか。
    最後にいつも更新お疲れ様です
    馬鹿げた揚げ足取りコメントにいたるまで一つ一つのコメントに返信する豆さには頭が下がります、ただ無理をして体を壊さないようにしてくださいね。

  9. 新参 より:

    スパーズ推しさん>
    マンチェスター・シティがひっくり返す流れになっているなか、ラメラがよくやってくれましたね。PKは幸運でしたが、ポチェッティーノさんの交代策は適切で、胸を張れる勝利だったのではないかと思います。

    シティズンさん>
    今まで上位に勝てなかったのは、ペジェグリーニさんの問題もあったかもしれませんが、昨日はさすがに打ち手の選択肢がなさすぎました。とはいえ、イヘアナチョを入れた後、どう攻略するのかをもっとはっきりさせていれば、別な結果もあったかもしれません。

    Mackiさん>
    マンチェスター・シティがこのまま沈むとは思えないので、よりおもしろい並びになったのは確かですね。

    ロビーサベージさん>
    トッテナム、いいチームです。CBを中心に守備がいいのが躍進の最大の理由だと思いますが、SB4人がよく走るのも見逃せません。

    とにかく明るいモイモイさん>
    これ以上、コメント欄に何かを書くのはやめていただけますでしょうか。ここは私がお金を払って使っている場所で、フラットに会話できる方々と交流するための場ですので。内容的なことに関しては、どんなことにでもきちんとお答えしたいと思い、対応させていただいておりますが、そもそも最初の見るに耐えないハンドルネームに対する謝罪なきまま、コメント欄を汚されるのは一方的かつ大きな被害です。今後、一切書き込みをしないよう、よろしくお願い申し上げます。

    シティさん>
    ファンの方にとっては、やりきれないですよね。アーセナルファンのみなさんも、逆転に漕ぎ付けていなければモヤモヤが残っていたのではないかと思います。

    にわかスパーズファンさん>
    ヴィマー、いいですよね。今季の補強は素晴らしかったと思います。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    ありがとうございます。レスターとトッテナムのここまでの躍進と、チェルシーがあそこまで厳しい状況になることは、さすがに読めなかったですね。昨季のリヴァプ―ルとトッテナムは、最終節までリヴァプールのほうが上にいたわけですから。10月に仕切り直しとなったレッズと、指揮官の若手起用と補強で力をつけたスパーズを見ると、あらためて監督の重要さを感じます。

    —–
    プレミアの一番の魅力は予測不能性にあると思ってます。リバプール、アーセナル、チェルシー、ユナイテッドがビッグ4と呼ばれていた時代があるぐらい、優勝を狙えるチームが1、2チームだけではないリーグは世界広しといえど、プレミアぐらいのものです。
    主さんの集められたデータやそれに基づく予想には感心しまくっておりますので、気にされてはいないと思いますが、当たらずとも懲りずに予想し続けることを願っております。アーセナルの 良い予想は是非当たって欲しいですが…

  10. シティさぽ より:

    わざわざ前回スパーズと戦ったときと同じ審判にしなくても良いのに前回も疑惑の判定でした
    第4審判はスパーズファンのマイクディーンだったとか
    勝ちに値するとは思いませんがとても複雑な気持ちです

  11. makoto より:

    新参さん>
    ありがとうございます。シーズン前に、ああでもないこうでもないと、順位予想するのは楽しいですよね。今季は大ハズレ必至ではありますが、懲りずにやらせていただければと思います。

    シティさぽさん>
    レフェリーは、初戦と2戦めで代えたほうがいいですね。ファンのみなさんのなかに、釈然としないものが残るのは無理もないかなと思います。

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