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【Arsenal×Swansea】バーとポストに3発…焦ったアーセナルは苦手スウォンジーに逆転負け!

プレミアリーグ28節、エミレーツで行われるのは、3位のアーセナルと16位のスウォンジーの一戦。勝てばレスターに勝ち点3差に迫れる一方、負ければ下を気にしなければならないアーセナルは、スタメンにコシールニーの名前がありません。GKチェフ、ガブリエウとメルテザッカーのCBコンビにベジェリン、モンレアル。セントラルMFはラムジーとコクラン。エジル、アレクシス・サンチェス、ジルーに加えて、今日は右サイドにジョエル・キャンベルが起用されています。マンチェスター・ユナイテッド戦の敗戦、チェンバレンの負傷、カソルラがアキレス腱を痛めて今季中の復帰が微妙と、明るくないニュースが続く現状を快勝で払拭したいものです。プレミアリーグで4試合勝利がなく、得点力不足に悩むスウォンジーといえども、前節のトッテナム戦はアウェイながらも残り15分までイーブンで過ごしており、ガナーズは油断できません。

シグルズソンは、残留争いの直接対決となる週末のノリッジ戦を見据えて温存しているのでしょうか。試合開始から、アーセナルがスウォンジーゴールに殺到。気合いが入ったジルーからアレクシス・サンチェスにつないだチャンスはブロックされたものの、スピーディなガナーズのパス回しにスワンズは防戦一方です。7分、短いパスをつないで右のベジェリンが上がり、ジルーに打たせたシーンはシュートが右足となってDFがカット。11分、右サイドのジョエル・キャンベルが浮かしたボールをエジルが珍しくヘッドで後ろに流すと、一度は空振りしながら切り返しを入れて放ったアレクシス・サンチェスの一撃はポスト!15分を過ぎてもアウェイチームはほとんど攻撃できません。

15分、これは素晴らしいゴールでした。ペナルティエリアのすぐ前でコクランが左のアレクシス・サンチェスにつなぐと、縦に出た浮き球をジョエル・キャンベルがスライディングシュート。左足のつま先に引っ掛けた巧みなシュートが右隅に吸い込まれ、さっそく1-0です。なぜ、この選手がレギュラーではないのか。マンチェスター・ユナイテッド戦で使われなかったのか。ジョエル・キャンベルの先制ゴールをきっかけに、いくしかなくなったスウォンジーがようやく反撃を始めます。25分にジョエル・キャンベルのパスを右から狙ったエジルのシュートを止めたスワンズは、27分にフェルが強烈なミドル。32分、エジルがアマトに倒された瞬間、ガナーズ守備陣はファールだと思ったのか棒立ちになってしまいました。ジャック・コークからの見事なスルーパスで抜け出したのはルートリッジ。チェフの動きを見て右を選んだシュートは完璧で、さすがの守護神もまったく反応できませんでした。

勝たなければならないアーセナルは、ボールはつながるもののフィニッシュがうまくいきません。37分、右サイドから中に持ち込んだジョエル・キャンベルは、ベジェリンに渡すよりもカーブをかけて左隅を狙ったほうがよかったのではないでしょうか。40分、アーセナルに3度めのビッグチャンス。ラムジーのロングボールをヘッドで競り勝ったのは、セットプレーの流れで前線に残っていたメルテザッカー。落としたボールをダイレクトで狙ったジルーは、思い切り蹴ったのが仇となってクロスバーに嫌われてしまいました。前半は1-1。圧倒的なアーセナルペースでしたが、焦りがフィニッシュの精度を落としているように感じられました。

後半開始直後は攻め合いとなったものの、次第にペースをつかんだアーセナルが前半同様にイニシアティブを握ります。51分、ロングボール一発で最前線に出たエジルはシュートを空振り。57分のCKは、胸でトラップして回り込んだアレクシスのシュートが右に外れます。アーセナルは、ハーフタイムにシグルズソンを入れたスワンズが前に出てきたこの時間帯に、勝ち越さなくてはなりませんでした。タッチミスが多く、ボールをミートできないアレクシス・サンチェスがエジルのボールを活かせなかったのも、厳しい状況に陥ってしまった理由のひとつでしょう。

65分には、スワンズに決定機。コクランからボールを奪ったアイエウが中に入れると、シグルズソンがトラップでメルテザッカーを置き去りにして、チェフまで抜きさります。角度がなかったシュートが左に逸れていったのは、ガナーズにとって幸運でした。この直後、アレクシス・サンチェスが蹴った直接FKは3度めのクロスバー。アーセナルはジョエル・キャンベルを下げてウェルベック、スウォンジーはフェルをフルトンにチェンジ。残り15分、勝ち越しゴールを決めたのは、アウェイのスウォンジーでした。

右から蹴り込んだシグルズソンの高速FKは、GKと味方の間を狙った危険なボール。落ちていく弾道に幻惑されたのか、アシュリー・ウィリアムズの前にいたチェフが触れなかったのがすべてでした。ビハインドを背負ったヴェンゲル監督は、すかさずウォルコット投入。この交代は、1-2となった直後ではなく、リードしたスワンズがベタ引きするかどうかを見極めてからのほうがよかったのではないでしょうか。ラスト10分はDFを2枚にして前と中盤を厚くし、シュートレンジで勝負する回数をとにかく増やす形にしないとDFが6~7人となった相手に追いつくのは難しかったでしょう。ウォルコット投入で下げたのはアレクシス・サンチェスでしたが、スペースがない状況では14番は活かせません。5分待ってメルテザッカーかベジェリンをエルネニーに代え、アレクシス、ジルー、ウェルベックの3トップに数か所からラストパスが出る布陣にしたほうが、チャンスを増やせたはずです。カウンターで3点めを獲られてもやむなし。リスクをとらない限り、果実は得られない状況だったと思います。

86分にエジルが上げたクロスは、3人が飛び込んで触れず。3分後、ジルーが競ったこぼれ球に突っ込んだラムジーの転倒に笛は鳴りません。サイドを執拗に攻める明快さも、ミドルシュートで相手を慌てさせる工夫もなかったアーセナルが負けたのは、必然だったように思います。後ろからロングボールを放り込むフォーメーション練習など、していないでしょう。ボールが出てこない状況に焦れたジルーが左サイドに流れてきたのをみて、チェルシーが不振だった頃のジエゴ・コスタを思い出しました。混沌。焦燥。戦術なき戦い。終盤は唯一の武器だったエジルのプレースキックも今日は冴えず、アーセナルは苦手のスウォンジーを克服できませんでした。

不幸中の幸いは、トッテナムとマンチェスター・シティがおつき合いしてくれたことです。大事なことは、早く忘れてノースロンドンダービーに集中すること。残り10試合を切って2チームに勝ち点6差以上とされようものなら、目標を3位確保に切り替えざるをえなくなります。まだ、わかりません。次を勝てば、まだ…。(ギルフィ・シグルズソン 写真著作者/CFCUnofficial (Chelsea Debs))

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“【Arsenal×Swansea】バーとポストに3発…焦ったアーセナルは苦手スウォンジーに逆転負け!” への6件のフィードバック

  1. 新参 より:

    センターバックが泣きどころすぎて…
    ディフェンスリーダーが必要ですよ。やっぱり。
    スーパーなチェフに助けられてただけで、守備は何一つ改善されていないですね。
    センターバック、セントラル、ストライカーとオフには背骨の強化が必要です。

    主さんの言うとおり、ノースロンドンダービーが決戦となります。勝てばレスターに追いすがることができ、負ければマンチェスター勢とCL枠争い。単純明快な状況だけに、意地や気迫をビンビンに感じさせる戦いを期待しています。

  2. プレミアリーグ大好き! より:

    ここまでレスターに追い風が吹くとは…
    まさか2,3,4位が揃って今節勝ち点0など予想していませんでした。気付いたらユナイテッド、ウェストハムも近づいてきまたしトップハーフの混沌っぷりは凄まじいですね。日程も密で1つ負けても気にしている暇が無いですよ、プレミアリーグの醍醐味を絶賛賞味中です。

  3. りっきー より:

    正直ガッカリした試合でした。
    内容面もそうですがどちらかというとメンタルの部分で勝とうという気迫を感じられる選手が少なかったことがショックです。
    ガブリエルはまだまだ怖いですね。
    キャンベルが唯一違いを作っていたのでサンチェスを代えても良かった気がします。
    数字的にはまだ可能性はあるものの今日のような試合をしていたらスパーズのホームで大敗する気がします。

  4. ガナユ より:

    いやー歯がゆいですね。トッテナムとの戦いが大きな分岐点になりそうです!
    今シーズンは強豪が揃って足踏みしてるふしぎなシーズンですが、今年取らないと来シーズンからペップや噂されている良い監督が他のチームに来るのでアーセナルには本当に頑張ってもらいたいです!

  5. queen より:

    チャンスを逸した、と取るか。
    他チームも足踏みしたから助かった、と取るか。
    勝者のメンタルがないなーと痛感してしまいます。

    それにしても、ユナイテッドは一時期もうだめかと思ってたのに、いつのまにCL圏が視野に入りましたね。
    やっぱりプレミアは恐ろしい。

  6. makoto より:

    最期まで見続けます‼

    今こそガナーズ愛全開‼

    —–
    新参さん>
    スピードがないメルテザッカーと、連携が未だうまくとれてないガブリエウの組み合わせが悪いですね。ガブリエウは改善余地があるので、CBひとりとコクランのバックアッパーが獲れればいいのではないでしょうか。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    ですね。びっくりしました。トッテナムは相手が強いので微妙だと思ってましたが、アーセナルは勝つと確信してました。

    りっきーさん>
    私も、ジョエル・キャンベルを残したほうがよかったのではないかと思いました。もったいなかったですね。

    ガナユさん>
    ホント、そうです。次勝てば充分チャンスはあります。レスターが最後の3試合大変なので。

    queenさん>
    アーセナル的には「助かった」、マン・ユナイテッド的には「あれ?いつの間にか上が見える…」といった感じではないでしょうか。

    セオさん>
    あっという間にあと10時間です!

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