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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Arsenal×Watford】怒涛の4発!サイドを蹂躙したアーセナルがFAカップのリベンジに成功!

プレミアリーグ優勝を勝ち取るためには、1試合も落とせないアーセナル。エミレーツに迎えた相手は、3週間前にこの場所でFAカップ3連覇の野望を断たれたワトフォードです。ヴェンゲル監督は、今日もトップにウェルベックを入れ、彼とコンビがいいイオビが左、アレクシス・サンチェスが右というフォーメーション。プレミアリーグ18アシストのエジルは健在。新加入のエルネニーとしつこいコクランが中央を締めます。立ち上がりから左サイドを執拗に攻めたガナーズは、4分に幸先いい先制ゴールを決めました。ドリブルで持ち上がり、左からファーに通したイオビのクロスは完璧。ナタン・アケの裏に入って競り勝ったアレクシス・サンチェスのヘディングシュートはゴメスに止められるものの、こぼれ球をアレクシスがプッシュすると、寝ているGKはゴールに吸い込まれるのを見届けるしかありませんでした。リードしたアーセナルはペースを落とし、中盤を支配しながら次のチャンスを創るべくサイドを狙います。

13分、自陣からの速攻は、右から持ち込んだアレクシス・サンチェスの絶妙なラストパスをウェルベックがシュートミス。直後、ウェルベックとのコンビで左から上がったイオビは、ストライカーからの落としをカーブをかけて狙いますが、ゴメスが上に弾いてCKに逃れます。15分、エルネニーを起点にダイレクトパスがつながり、右から抜けたエジルがウェルベックの足元に合わせると、決定的なシュートはプレドルの足に当たり、ポストすれすれに外れていきます。

21分の決定機は、コクランのボール奪取から始まりました。右サイドに出たエジルのグラウンダーに、ウェルベックとアレクシス・サンチェスは触れず、弱いクリアに突っ込んだコクランの強烈なシュートはDFがブロックします。3分後のアレクシスのFKはゴメスがセーブ。ワトフォードはディーニーがひとり元気で、今季プレミアリーグ14ゴールながら7試合ノーゴールのイガロは完全に沈黙しています。32分、ようやくイガロが左からのクロスでフリーになりかけますが、切り返しを読んでいたベジェリンがクリア。試合の主導権は、アウェイチームに移りつつあります。

しかし38分、ガナーズに待望の追加点。足元へのパスばかりだった膠着状態を打破したのは、アレクシス・サンチェスが裏に出たのを見逃さなかったコクランの素晴らしいスルーパスでした。右サイドを突破したアレクシスは、いちばん遅れて入ってきたイオビが空いたのを見逃さずに正確なラストパス。ボレーで合わせたイオビは、2試合連続となるプレミアリーグ2ゴールめです。キケ・フローレス監督は41分、中盤を仕切る大黒柱のカプェを下げて、イケチ・アンヤ投入という荒療治に出ました。2点めのシーンでアレクシス・サンチェスを見失った守備の軽さを咎められたのでしょうか。前半は2-0、左右のサイドを崩しまくっている今日のアーセナルは盤石です。

2時間前、チェルシーがアストン・ヴィラを諦めさせたのとほぼ同じ時間帯に、アーセナルも勝利を決めました。48分、右サイドで軽やかにパス交換を繰り返したのはベジェリンとアレクシス・サンチェス。結局アレクシスがゴールライン際まで持ち込み、浮き球をファーに出すと、右に上がったクリアを叩いたベジェリンのボレーがワトソンに当たり、そのままゴールイン。3-0となってもアーセナルのショータイムは続き、イオビの左足シュートがバーを叩くとエジルがゴメスと1対1となり、アレクシス・サンチェスのミドルをゴメスが体を伸ばしてセーブするなど、息をつく暇がありません。56分、ワトフォードはワトソンのFK。高く上がったボールをプレドルがヘッドで狙うも、コースに入っていたモンレアルが頭でクリア。ハーフタイムにエースのイガロをアムラバトに代えてしまった激おこ状態のキケ・フローレス監督に、もはや打開策はないでしょう。

69分、やはりジルーが出てきました。ヴェンゲル監督は、勝っているときはウェルベックと代えようと決めていたのでしょう。5分後のイオビをウォルコットにも、同じ匂いが漂います。楽しそうにプレイしていたアレクシス・サンチェスは、たしなめられるようにジョエル・キャンベルに後を譲ります。70分に振り向きざまのシュートをオスピナに止められたディーニーは、それ以上の仕事をできませんでした。86分、左サイドのジョエル・キャンベルがアウトにかけたラストパスは、ジルーが追いつかなかったものの決定的なシーン。最後に結果を出したのは、ウォルコットです。自陣からエジルが出した鳥肌もののロングフィードを、左サイドのジョエル・キャンベルが縦に持ち出し、フェイントでニョムを抜き去って出したラストパスに14番は触るだけ。レスターと得失点差になる可能性があることを考えれば、もう1~2点ほしいところではあったものの、アーセナルが4-0で完勝です。ヴェンゲル監督は、プレミアリーグの最終盤で活躍の場がくるであろう選手たちを使えたことにも、満足しているのではないでしょうか。

今日は、最初から最後まで強いアーセナルでした。1ゴール1アシストのアレクシス・サンチェスや、エヴァートン戦に続いてゴールを決めたイオビも素晴らしかったのですが、ゲームの主導権を握れたのは攻守に効いていたコクランの存在が大きかったのではないかと思います。右サイドでナタン・アケとカプェの裏に出ようとしていた味方をコクランがうまく使ったことが、ターニングポイントとなった2点めを生みました。今日のサッカーを継続できれば、連勝街道を走れるでしょう。明日、レスターと戦うセインツががんばってくれれば、いま一度首位の背中が見えてきます。アーセナルがプレミアリーグの優勝争いに残った一戦でした。

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“【Arsenal×Watford】怒涛の4発!サイドを蹂躙したアーセナルがFAカップのリベンジに成功!” への9件のフィードバック

  1. ヤンガナ大好き より:

    久々にホームで勝ててほっとしました。何よりも嬉しかったのは、久しぶりにキレキレのサンチェスを観れたことです。南米でチリ代表として2試合フル出場したとはとても思えない動きでした。また、コクランも本当に落ち着いたプレイで中盤を閉めてくれましたね。彼らに後押しされてヤンガナ、イオビ、ベジェリンも躍動してました。

    次週のウエストハム戦、何とボランチ クヤテが今節レッドカードで出れないようですが、熱いダービーを期待します!

  2. ぐなきち より:

    更新お疲れ様です。
    今日は気楽に見れました。MOMはエルネニーにあげたいです。的確にパスを散らしながらパス成功率96%は圧巻です。個人的にはラムジーにもこのくらい玉離れをよくして、思考停止で上がるのでなく気を見て上がり、戻ってこれるようになって欲しいと願っています。シティ戦まで全て勝利で望みを繋げて欲しいです!

  3. 新参 より:

    更新お疲れ様です。試合の所感は…
    エルネニー、コクランのコンビは機能性抜群。
    サンチェスの右は効果的で、ケースバイケースで左右をキャンベル、ラムジー、イオビらと入れ替わるとより怖さが増しそう。

    ちょっと掲示板を覗いてきたら、ラムジー不要論が 多く上がってたのが気になりました。私はセントラルのラムジーは厳しいと感じていますが、ウイングのラムジーはよく機能してるとおもうのですが、主さんはどうお感じでしょうか。ゲームには関係ない選手を話題にあげるのは心苦しいですが、意見をいただけると幸いです。

  4. りっきー より:

    サンチェス、イオビ、エジルと素晴らしかったですがやっぱり今日はコクランが良かったですね!
    守備面では相変わらず相手の攻撃の芽をしっかり潰しており、最近では攻撃の貢献度も大きいと思います。

  5. FDN より:

    久々のエミレーツでの快勝、日曜日のこの清々しさは久々です。

    コクランもパスに潰しにとても効果的でしたが、
    エルネニーも彼の動きがいい潤滑油となってチームが上手く回っていて個人的には彼がMOMでした。
    ラムジー離脱後エルネニー台頭により見つけたチームの最適解、ラムジーそしてカソルラ復帰後どうやりくりしていくのかベンゲルの手腕が問われますね。

  6. queen より:

    ちょっとあやういシーンもありましたが、良かったです。
    他の方もご指摘の通り、コクランとエルネニーのコンビになって守備が安定しましたね。ラムジーどころか、カソルラも頑張らないといけなさそうです。心配な点を挙げるなら、ガブリエルのクロスからのマークが緩いことと、ジルーですかね。

  7. makoto より:

    ヤンガナ大好きさん>
    アレクシス・サンチェスは、コンスタントに体を動かしていたほうが調子が上がるタイプなのかもしれないですね。ベジェリンはアグレッシブで素晴らしかったと思います。

    ぐなきちさん 新参さん>
    私は「セントラルのラムジー」もまた、ガナーズに必要なのではないかと思います。彼の運動量があるからパスがまわるシーンがあり、彼がマーカーを連れていくからチャンスになるシーンもありで、前線に出ていけるセンスはプラスも多く、うまくいかないシーンばかりをクローズアップしないほうがいいのではないかと思います。(悪いところ探しをし出したら、われわれのクラブにおけるマタも、実はツッコミどころ満載です)

    「波があるので、安定感のあるプレイをしてほしい」「エルネニーがいいので、サブにまわってしまうかも」とは思いますが、不要論は極端ではないか、というのが私の見解です。

    りっきーさん>
    コクランが意識して裏をみていたからこそ、エジルの飛び出しやアレクシスのアシストがあった、と思います。続けてほしいですね。

    FDNさん>
    カソルラが戻ってきたら、悩ましいですね。攻撃的にいきたいときに3-4-3(3センター+トップ下エジル、ウィングにベジェリンとアレクシス、とか)にする、などのオプションを使えるとおもしろいのですが、ヴェンゲルさんがそれやったらびっくりです。

    queenさん>
    エルネニーは、パスコースを切る動きがとてもよく、彼のポジショニングが相手の攻撃を遅らせたシーンが多かったですね。ジルーは、途中出場でも結果が出れば、トップフォームに戻ってくれると期待しているのですが…。

  8. K より:

    ワトフォードの運動量不足はあったにせよ、トラップとパスの精度に加えてパスコースを作るフリーランのレベルの高さ! やっぱこれがポゼッションのポジショナルプレー戦術する4-2-3-1の2センターに求められるクオリティだよなぁと感心しました。おまけに守備も出来る万能センターハーフが羨ましい。

    ウェルベックもゲームメイク戦術のポジショナルプレーにおける1に相応しい献身性を示しましたし、オスピナは某昔のビッグクラブの正GKよりレベル高いし、怪我人の管理という素人でも出来そうな仕事が出来ないからってベンゲルさん低く見られすぎと思います。

    ジルーもキープ力や狭い局面でのシュート力はカウンター・ダイレクトプレー戦術だともっと評価されると思いますが、オプションとしての価値は高いし、ラムジー戻れば4-3-3のオプションもあるし、北の赤いチームや首都の青いチームより金使わずにこのサッカーは本当にいい監督ですわ。

  9. 新参 より:

    主さん、ラムジーに対するコメントありがとうございます。先ほどまでレスターの試合を見ていたせいか、ないものねだりをするのではなく、あるものを最大限に活用するべきだなと思いました。

    シーズン終盤、イオビ、キャンベル、エルネニーの台頭によって、危機感のあるポジション争いが繰り広げられそうですね。カソルラ、ラムジー、ウィルシャーら離脱組がどういう状態で戻ってきて、どうチームに割って入っていくのか楽しみです。

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