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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Arsenal×WBA】空席が目立ったエミレーツ…アレクシスの2発で、アーセナルは3位をキープ!

エヴァートン、ワトフォード、ボーンマス、スウォンジー、WBA。上位クラブにとって、最終盤に戦いやすいのは、プレミアリーグ残留をほぼ決めていながら目標を失ったチームです。残留当確ラインといわれる勝ち点40に到達しつつもヨーロッパリーグには届かず、強いモチベーションがないこの5チームに、チャンピオンズリーグ出場権を確保したいクラブが負けるわけにはいきません。プレミアリーグ30節の延期試合、アーセナルVSウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン。ジルーをトップに、ラムジーをエルネニーの脇に、メルテザッカーをCBに戻した以外はこのところ起用しているメンバーで固めたヴェンゲル監督。両サイドにイオビとアレクシス・サンチェス、トップ下にはもちろんエジルです。開始から主導権を握っていたガナーズにとって、6分の先制ゴールは貴重でした。

エルネニー、ラムジーとつながったボールが中に入っていたアレクシス・サンチェスへ。サンドロに密着されていた17番は、スリップしながらも絶妙なボディバランスを見せてツータッチでマーカーをかわし、右足で文句なしのミドルシュート。地を這うという形容がぴったりの速いボールがGKフォスターの右手の先を越え、ゴールに吸い込まれます。アーセナルは、ラッキーパンチを喰らってドローに持ち込まれたクリスタル・パレス戦のようなことがないよう、早めに追加点を奪いたいところです。9分にイオビのスルーパスからモンレアルが左を抜けたシーンは決定的。緩いボールがニアに出ると、一瞬空いたエジルが左足でボレーを狙うもジョニー・エヴァンスが足元に入ってカット。フォローしたラムジーのシュートは右に外れます。圧倒的なアーセナルペース。15分を過ぎてプレスの強度を上げたWBAに、シュートに持ち込むシーンはありません。

24分、アレクシス・サンチェスはセンスあふれるヒールパス一発でベジェリンをゴール前に送り出しました。右SBが渾身の力を込めて放ったシュートはニアに外れていきますが、サイドの守備が堅いとはいえないWBAにはこういったシンプルな崩しは有効でしょう。アーセナルにとって怖いのは、出会い頭のミドルとセットプレーで追いつかれることですが、29分にWBAがあわやというシュートを放ちます。右からのCK、ニアに飛び込んだのはマコーリー。ジルーをかわして放った決定的なヘッドは、惜しくもクロスバーを叩きました。

攻めながらゴールが奪えない後半戦のアーセナルを象徴していたのが、33分のチャンスです。ラムジーとベジェリンのパス交換でベジェリンが縦にえぐったところまでは完璧。問題は、この瞬間のもらう側のポジションです。ジルーは2人のコンビネーションを棒立ちになって見ており、ニアに入ってきません。ストライカーがニアに飛び込まなければCBを連れてくることができず、その後ろは空かないのです。ファーサイドで待っていたエジルにボールが渡ったのは、幸運だっただけです。左足のダイレクトシュートをフォスターがトンネルしますが、ド―ソンがポスト脇に立っていてアウェイチームは助かりました。

レスターの岡崎慎司は、必ずニアに入ってつぶれます。トッテナムのサイド攻撃は、4~5人がシュートレンジに侵入してくる厚い構えが目を引きます。クロスが入るときの中の動きを改善しない限り、アーセナルはサイド攻撃からのファインゴールを量産できないでしょう。

1点リードでは不安だったアーセナルには、飛び道具がありました。ラムジーが倒されてもらったゴール正面からのFK。アレクシス・サンチェスのクレバーなキックが壁のすき間を抜け、虚を突かれたフォスターはまったく動けません。2-0、これはセーフティでしょう。後半に入っても、ホームチームがゲームを支配しています。50分、エジルの長いパスに反応したアレクシス・サンチェスは、スリップしてシュートに持ち込めませんでした。今日はピッチが滑るようで、バランスを崩す選手が目立ちます。62分、左サイドに流れたエジルがエルネニーの攻め上がりに合わせたベストタイミングのグラウンダー。最終ラインを抜きにかかったエルネニーは止められ、シュートに持ち込めません。相変わらずチャンスメイクの数は多いエジルに、応えてくれるフィニッシャーはいないようです。

67分、イオビ、ジルー、アレクシスとゴール前でつながったボールが右のエジルへ。至近距離からの一撃は、GKフォスターが体で面を作ってブロックします。直後、イオビの素晴らしいラストパスでラインの裏に飛び出したのは、またもエジル。左足のシュートは、今度はヨナス・オルセンにカットされました。2-0とされてからのWBAのチャンスは、72分のCKでファーサイドにいたサロモン・ロンドンがボレーを合わせ切れなかったシーンぐらい。コクランとウォルコットがピッチの感触を確かめ、最後はジョエル・キャンベルが素晴らしいアタッカーであることを披露したアーセナルは、楽勝でプレミアリーグ3位をキープしました。

昨日のオールド・トラフォード同様、空席が目立ったエミレーツ。ミッドウィーク、イレギュラーな日程と物理的な事情はあれど、いつもと雰囲気が違うスタンドはやはり気になりました。2つのスタジアムに足を運ばなかったサポーターの気分には、大きな違いがあるように感じました。「アタック!」と叫び続けたマンチェスターのファンは「諦め」、今季こそプレミアリーグ優勝をと期待に胸を膨らませていたノースロンドンは「落胆」。スコアレスに終わったセインツ戦、2点めを先に奪えずに逆転されたスウォンジー戦、ボラシェしか脅威がなかったのに追いつかれてしまったクリスタル・パレス戦。いくつかのホームゲームでの停滞がなければ、この日のエミレーツは満員になっていたでしょう。

グーナーのみなさんの気持ちは察するものの、プレミアリーグはまだ終わっておらず、アーセナルはチャンピオンズリーグを失うかもしれない大変なところに立っています。どうか、最後までクラブを盛り立てていただきますよう。老婆心だと自らを戒めながら、祈るような気持ちで試合を見つめていました。来週のサンダーランドを落とさなければ、アーセナルはいつものポジションはキープできそうです。

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“【Arsenal×WBA】空席が目立ったエミレーツ…アレクシスの2発で、アーセナルは3位をキープ!” への1件のコメント

  1. ヤンガナ大好き より:

    温かい励まし、ありがとうございます。ガナーズファンとしてはかなりの落胆ありますが、今期もプレミア残すところ4節のみ。ウィルシャーが今週、シティ戦にはできればカソルラが戻り、最終戦にロシツキーの勇姿が観れるかもしれません。最後まで熱いゲームを期待して応援し続けたいと思います。

    ユナイテッドは週末にエバートンとのFA杯準決勝、頑張ってください!

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