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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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最後はズラタン!マンチェスター・ユナイテッドが21回めのコミュニティシールド制覇!

ウェンブリーで開催されるこの試合を観ると、いよいよプレミアリーグが始まるのだという期待感に支配されます。FAコミュニティシールド、2016年はプレミアリーグ王者レスターと、FAカップを制したマンチェスター・ユナイテッドの対戦です。ラニエリ監督が選んだスタメンは、移籍したカンテのポジションにアンディ・キングを置いた以外は昨季のレギュラーメンバー。トップにアーメド・ムサの姿はなく、岡崎慎司とヴァーディの2トップです。一方のマンチェスター・ユナイテッドは、GKデヘアにバレンシア、ルーク・ショー、バイリー、ブリントの最終ライン。フェライニとキャリックの2センターに、リンガード、ルーニー、マルシアルが2列め。最前線にはイブラヒモヴィッチが入り、ムヒタリアンはベンチスタートです。

大方の予想通り、マン・ユナイテッドがボールを支配し、レスターはカウンター狙い。5分に左から突破を図ったヴァーディはブリントがクリア。10分のマルシアルの左足は、角度がなく外からサイドネットです。その2分後、ルーク・ショーのクロスにルーニーがヘッドで合わせるも、GKシュマイケルの正面。15分にはバレンシアのクロスにイブラヒモヴィッチが競り勝ち、落としたボールをフェライニがボレーで叩きますが、これもシュマイケルの守備範囲です。

ここから2回の決定機を迎えたのは、岡崎慎司でした。19分、カウンターからヴァーディがドリブルで持ち上がると、ラストパスを受けた岡崎が左足で狙ったコントロールショットは、ブリントに当たって左ポストのすぐ外。直後、オルブライトンが蹴ったCKに岡崎がニアで頭を出すと、クロスに飛んだボールはクロスバーに阻まれます。ピンチの後にチャンスありで、32分に先制したのはマンチェスター・ユナイテッドでした。ムヒタリアンをベンチに置いたモウリーニョ監督は、中央を単独で切り裂いたリンガードの4人抜きゴールにしてやったりだったのではないでしょうか。昨季プレミアリーグでは、ゴール前で決定機を外すシーンが多かった14番は、シュマイケルの左足に当てながらも貴重な一発をねじ込みました。

マンチェスター・ユナイテッドがボールを支配していたものの、マルシアルが中に入ってこず、ズラタンに活きたボールが入らない攻撃には不満が残ります。1-0で前半が終わると、ラニエリ監督は岡崎慎司とオルブライトンを下げ、アーメド・ムサとデマライ・グレイをピッチに送り出しました。速い選手を揃え、縦の突破に活路を見出そうとしているのでしょう。モウリーニョ監督は、安全運転に徹するのか、追加点を獲りにいくのか。前者ならシュナイデルラン、後者ならムヒタリアンやマタが呼ばれるはずです。

後半も開始からしばらくはマンチェスター・ユナイテッドペースでしたが、50分にルーク・ショーがロングフィードにかぶってしまい、マフレズがフリー。絶好のチャンスはムサへのラストパスが読まれ、シュートにつながらなかったものの、この2分後にレスターが同点に追いつきます。左からドリブルで上がったムサのヴァーディへのパスはフェライニがカット。しかし、フェライニが出したバックパスは弱く、デ・ヘアの前でヴァーディにさらわれてしまいました。ヴァーディはデ・ヘアを軽々とかわすと、左足で無人のゴールに流し込みます。1-1になると、ムサを中心としてプレミアリーグ王者のカウンターに勢いが出てきました。

61分、マンチェスター・ユナイテッドはキャリックをエレーラ。レスターはナンパリス・メンディとルイス・エルナンデスの新戦力コンビが入り、キングとシンプソンが下がります。直後、先制点のリンガードが負傷し、マタとチェンジ。好調だったリンガードのプレミアリーグ開幕直前のアクシデントは、モウリーニョ監督にとっては大きな誤算でしょう。69分、マルシアルが左から仕掛け、フェライニ、ルーニーとつながった攻撃はキャプテンの左足シュートがシュマイケルの正面。残り20分、モウリーニョ監督はマルシアルとルーク・ショーを諦め、ラシュフォードとロホを投入します。イブラヒモヴィッチは消え、ヴァーディやマフレズが仕掛ける姿が目立つ展開。ラシュフォードは左サイドに張り付いており、彼らしいゴールに向かう動きが見られません。

79分、右CKの競り合いの後、シュマイケルの目の前でルーニーが落としたボールはイブラヒモヴィッチがミートできず。81分のレスターのロングスローは、フートのヘッドをフリーで受けたムサが頭で狙いますが、シュートが浮いてしまい、勝ち越しはなりません。すると83分、決勝点はやはりこの男でした。右からバレンシアが縦に持ち込みクロスを上げると、ウェズ・モーガンに競り勝ちヘディングを右隅に沈めたのは、ズラタン・イブラヒモヴィッチ!この時間のビハインドは、最終ラインの裏にスペースがほしいレスターにとっては激痛でした。途中出場のウジョアとシュラップは何もできず。最後にパワープレーに出たレスターに対して、30分前に入れたばかりのマタをムヒタリアンにスイッチする周到さを見せたモウリーニョ監督が、2-1のまま試合を畳みました。マンチェスター・ユナイテッドは、史上最多となる21回めのコミュニティシールド優勝です。

マルシアルやラシュフォードが、単なるサイドプレイヤーになってしまった攻撃には懸念が残りましたが、フェライニは致命的なミスがありながらも中盤を締めてくれており、慣らし運転モードだったズラタンは最後に仕事をしてくれました。ルーク・ショーと新戦力バイリーは、危険なかわされ方はあったものの、試合を重ねるうちに連携のクオリティは上がってくるでしょう。今後、リンガード、ムヒタリアン、マルシアルが両サイドから中に斬り込むプレイが増えれば、得点力は格段に上がるのだと思います。レスターにはムサというスピードが加わり、一気にゴール前に殺到するカウンターは今季も脅威です。今夜は、よりパワフルな飛び道具を持つチームが勝ちましたが、シーズンに入ればまた違った勝負になるでしょう。岡崎慎司、ヴァーディ、マフレズ、ムサが揃ったプレミアリーグ王者に、翳りは感じられません。

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“最後はズラタン!マンチェスター・ユナイテッドが21回めのコミュニティシールド制覇!” への5件のフィードバック

  1. シティふぁん より:

    マタは途中出場で交代、ムヒタリアンは最後少しだけ
    モウリーニョらしいけど少しかわいそうにも思えました
    ただ変わりのリンガードが素晴らしいゴールだったので選手の調子を見て決めたのかな?
    イブラヒモビッチは目立つところがなかったですがゴールを決めるのはさすがですね

  2. makoto より:

    シティふぁんさん>
    リンガードの調子がよかったのでしょうね。イブラヒモヴィッチは、やはり役者ですね。

  3. yuto より:

    ポグバのメディカルチェックのアナウンスが入るなど試合前から興奮し、それを冷めさせない内容の素晴らしいゲームでした。
    ディフェンスについてはバイリーは落ち着いてますし、カウンターを受けようとする際にはブリントの素晴らしいポジショニングが効いていた印象です。
    攻撃陣はラッシュフォードを真ん中で使ってほしいところです。
    ズラタンについては決める形、時間帯のどれをとってもパーフェクトでした。
    得点の瞬間にモーガンが悔しがってピッチをたたくシーンがそれを象徴していた気がします。

  4. プレミアリーグ大好き! より:

    試合を見ていていろいろ驚きました。
    まずリンガード先発に驚き結果を出してすごく今後のためにもよかったと思いました。そして大ポカをやらかしたものの、フェライニが中盤の空中戦でことごとく競り勝ちマイボールにするという形でかなり機能していることもびっくりです。そして交代も特殊なルールだったからなのか万篇なく使っていくような交代で、ロホ使うんだとかアクシデントの応急とはいえこの交代マタがファーストチョイスなんだとか。
    なんだか色々意外なことがあり、そしてそれらが凄いいい形になりそうとかそこまではまだ見えなかったものの、単純に興味深くて面白かったです。祝一冠!

  5. グローリーグローリー より:

    フェライニ良かったですね
    カンテやワニャマがチームに加わって欲しかったんですが、フェライニにその穴を埋めて欲しいです
    あのサイズであのフィジカルであの機動力とスタミナなので、もっと守備特化型のセンターハーフを目指しても良いと思います

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