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【Arsenal×Saints】追加タイムのPKでようやく勝ち越し…アーセナルはセインツに辛勝!

ムスタフィとルーカス・ぺレスがスタメンです。プレミアリーグ4節、アーセナルが待つエミレーツに乗り込んできたのはセインツ。GKチェフ、ベジェリン、コシールニー、ムスタフィ、モンレアルはベストメンバー。カソルラとコクランが中央に入り、ウォルコット、エジル、チェンバレンの2列めにルーカス・ぺレスのワントップです。ジャカとアレクシス・サンチェスがベンチにいるのは、コンディションの問題でしょうか。SBのセドリク・ソアレスとバートランドが、タディッチやジェイ・ロドリゲスと連携してサイドを崩しにくるセインツは、ロメウ、クラーシ、スティーブン・デイヴィスで中盤を締め、最前線にはノリッジから来たネイサン・レドモンドです。両者とも慎重に立ち上がったゲームは、予想通りサイドのイニシアティブを争う展開となりました。

17分、ネイサン・レドモンドがモンレアルに引っ掛けられたペナルティエリア手前のFKを、タディッチが直接狙うと、チェフが弾いたボールはクロスバーヘ。守護神が体制を整える前に落ちてきたボールが背中に当たり、ゴールに転がってしまいます。0-1、先制はアウェイのセインツ。攻めなければならないガナーズは、19分に敵陣でパスをカットしたムスタフィがそのまま右から上がってクロス。これは中の上がりが間に合わず、GKフォースターにキャッチされるものの、高い位置で奪って素早く攻める形が増えれば、堅守のフォンテとファン・ダイクを慌てさせるシーンを創れるでしょう。

28分、アーセナルの速攻は、チェンバレンからエジル、ウォルコットにつながるもクロスが通らず。こぼれ球を拾ったエジルからの二次攻撃も、モンレアルのシュート性のグラウンダーをファン・ダイクにクリアされます。しかし、ここからアーセナルは同点に追いつきました。カソルラのCKをコクランが競ると、浮いたボールをオーバーヘッドで叩いたのはコシールニー!コクランの股間を抜けてきたシュートをフォースターは触れず、フランス代表DFは自らのバースデーをゴールで飾りました。勢いに乗ったアーセナルは、これをきっかけに完全に攻勢に入ります。

36分、ウォルコットが鋭い身のこなしで前を向いてベジェリンを走らせると、ファーに流れたクロスに左足を振り抜いたのはエジル。シュートはDFに当たり、逆転はならなかったものの、ガナーズらしい流れるような攻撃でした。42分、ウォルコットが浮かしたクロスをゴールに背を向けてトラップしたチェンバレンは、振り向きざまのシュートを必死のディフェンスに阻まれます。前半は1-1で終わりますが、同点になってからは完全なるアーセナルのペース。プレミアリーグデビューのルーカス・ぺレスは、前線でつぶれ役となり、ハイボールを競るだけに終わりましたが、ムスタフィのほうは落ち着いてプレイしています。

今季、プレミアリーグにやってきたばかりのクロード・ピュエル監督がハーフタイムに動きます。機能していなかったジェイ・ロドリゲスをシェーン・ロングにスイッチ。54分、右からのクロスをヘッドで流したウォルコットは、ニアのすき間を抜けませんでした。61分のベジェリンの強烈なミドルは、わずかに左ポストの外。直後、ヴェンゲル監督はチェンバレンとルーカス・ぺレスを下げてジルーとアレクシス・サンチェスを投入。プレミアリーグ初登場のスペイン人ストライカーにとっては、苦いデビュー戦となりました。自陣に人数を残しつつ少人数で攻めるセインツは、67分にタディッチとシェーン・ロングがコンビでゴール前に運び、11番のヒールパスで抜け出したシェーン・ロングがチェフと1対1。決定的なシーンは、チェフの飛び出しを見たストライカーがシュートをミスしてしまい、2度めの勝ち越しはなりませんでした。

67分にエジルのパスを持ち込み、左45度から狙ったアレクシス・サンチェスの一撃は浮いてしまい、敵陣でアレクシスがボールを奪取した絶好機は、右から走り込んでスルーパスをもらったカソルラが相手にシュートを当ててしまいます。79分、エジルが右に出したロングフィードから始まった速攻は、サイドチェンジがモンレアルに届いた瞬間、決まったかと思いましたが、左足のシュートは相手に当たってポストの右に逸れました。カソルラがゴール前に上げたFKは、フォースターががっちりキャッチ。84分には久々にセインツの逆襲です。中央から放ったホイビュルグのミドルは、チェフが右に飛ぶビッグセーブで弾き出し、フォローしたシェーン・ロングの一撃も守護神が足でブロック。その1分後にカソルラが左からドリブルで上がると、アーリークロスに合わせたジルーのヘッドは、30センチだけ左にずれてしまいました。

このまま、終わると思っていました。92分過ぎ、相手のゴール前でコシールニーが倒れています。プレイを続けたガナーズは、前線でフォンテを背負ったジルーにパスが出ると、こぼれ球を追いかけようとしたエースが倒れ、PKを示す笛。セインツには厳しいジャッジでしたが、抗議を許さなくなったプレミアリーグでは、レフェリーに執拗に絡んでもイエローカードが溜まるだけです。カソルラが自信たっぷりに蹴ったボールが左に決まると、エミレーツは大歓声。時計が97分を示すほどの長い追加タイムにグーナーのブーイングが鳴り響きますが、アーセナルはリードを守りきり、何とか勝ち点3をゲットしました。

ガナーズにとっては幸運な勝利でした。両者の決定機の数を比べればドローが妥当で、チェフがひとつでもポジショニングを間違えていれば、押しているチームがカウンターに沈む典型的な負けパターンにはまっていたと思います。ルーカス・ぺレスはプレミアリーグに慣れるための時間が必要で、今季2試合めだったジルーはやはり本調子ではありませんでした。ストライカーに決めさせる形が創れなかったのが、苦戦の原因のひとつだったのではないでしょうか。ともあれ、勝ちました。次のハル・シティ戦を落とさず6節のチェルシー戦で勝てれば、首位の背中がまったく見えなくなることはありません。ムスタフィは、早期にプレミアリーグとガナーズにフィットしてくれるのではないでしょうか。10月は下位との戦いが続くヴェンゲル監督のチームは、コンディションが上がり切っていない今が踏ん張りどころです。

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“【Arsenal×Saints】追加タイムのPKでようやく勝ち越し…アーセナルはセインツに辛勝!” への3件のフィードバック

  1. queen より:

    セドリクはユーロ優勝の影響か自信を付けてきているように見えましたね。
    ガナーズは新戦力がどれだけ早くフィットしてくれるかがカギになりそうです。

  2. ヤンガナ大好き より:

    苦手セインツに良くないゲームながら勝てたのは大きかったです。それにしても、枠内シュート率がガナーズは低く、攻撃に関してはまだまだ改善の余地がありそうですね!

    そんな中で光ったのは両センターバックのディフェス力とチェフの好セーブでした。プレミアデビューのムスタフィは、危機察知によるインターセプト力が高く、フィード力も流石でした。今後のコンビネーションが楽しみです!セインツの両センターバックを中心にしたディフェンス力も相変わらず高く、両ディフェンス対決という目で見るとかなりハイレベルなゲームでした。ルーカスは時間がかかるかも知れませんが、長い目で応援して行きたいと思います!

  3. makoto より:

    queenさん>
    ムスタフィは早そうですが、ルーカス・ぺレスは何ともいえませんね。決め出すと続くタイプのようなので、早く一本ほしいですね。

    ヤンガナ大好きさん>
    チェフはさすがですね。FKはアンラッキーでしたが、後半のピンチにポジショニングのミスが皆無でした。セインツがよかったので苦戦しましたが、こういう試合で勝ち点を落とさなかったのは大きいと思います。

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