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【Swansea×Chelsea】2つの致命的なミスで、チェルシーは痛恨のドロー!

これは痛い!プレミアリーグ4節、リバティ・スタジアムのスウォンジーVSチェルシーは、コンテ監督の下で自信を取り戻した「強いチェルシー」が完勝で終わるべき一戦でした。シュート数は6対28、オンターゲットは2対7。決定機の数をスコアに反映させれば、0-3か0-4が妥当でしょう。しかし、結果は2-2のドロー。プレミアリーグ開幕4連勝で首位マンチェスター・シティに並びたかったチームは、自らのミスによって勝ち点3を手離してしまいました。

GKクルトワ、最終ラインはイヴァノヴィッチ、テリー、ケーヒル、アスピリクエタ。中盤はカンテ、マティッチ、ウィリアン、オスカル、アザールで、トップにジエゴ・コスタ。プレミアリーグ2節のワトフォード戦でペドロを先発させた以外に、コンテ監督はまったくスタメンを変えておりません。2分、得意のインターセプトに成功したエンゴロ・カンテがウィリアンに預けて右サイドに流れると、コースが空いたのをみたウィリアンがそのまま強烈なシュート。チェルシーのワンサイドゲームの幕開けです。アザール、ウィリアンの両サイドがドリブルで仕掛けるスピーディーな攻撃に、ニール・テイラーやノートンはついていくのが精一杯。11分のウィリアンのアーリークロスは、走り込んだジエゴ・コスタの手前でGKファビアンスキがキャッチします。

押していたアウェイチームは、18分に先制しました。イヴァノヴィッチが入れたクロスをフェデリコ・フェルナンデスがヘディングでクリアすると、ボールはGKの左側に高く浮き上がります。ファビアンスキは、自分が出ていって捕ればよかったと反省しているのではないでしょうか。GKは躊躇し、再度フェルナンデスが頭で前に送ったボールがオスカルの足元におさまると、中に流したパスを右隅に蹴り込んだのはジエゴ・コスタ。昨季プレミアリーグでは12ゴールに終わったエースは、新チームでは既に3発と好調です。20分、今度はアザール。敵陣でパスミスをさらい、自ら持ち込んでGKと1対1となった10番のプレイは、これぞコンテ監督のサッカーです。ファビアンスキがコースを塞ぎ、追加点はならなかったものの、22分にもアザールの突破からオスカルがミドルを放つなど、試合は圧倒的なチェルシーペースで進みます。

23分、ウィリアンがニアに流したボールをダイレクトで打ったのはカンテ。アスピリクエタが左サイドを崩し、角度のないところからシュートを放った34分のチャンスで、ファーから上がってきていたのはイヴァノヴィッチです。スウォンジーの攻撃は、40分にジョレンテの落としを右足で引っ掛けて浮かしたシグルズソンのミドルぐらいしか見どころがありません。前半終了間際のウィリアンのCKは、ニアでテリーがコースを変えると、ファーにいたジエゴ・コスタがゴール前2メートルからプッシュ。これは2点め…と立ち上がると、クロスに転がったボールはポストの外。ワンタッチゴールがうまいエースの信じられないミスキックで、前半は0-1で折り返します。

後半も、ウィリアンとアザールが元気です。47分、右サイドのウィリアンが切り返しから左足で中に入れたラストパスは、ジエゴ・コスタもアザールも触れず左にアウト。54分のアザールのドリブル突破も、ラストパスが中に合いません。58分に、最初の事件が起こりました。カウンターから途中出場のバロウが左サイドを疾走し、ロングクロスを中に入れると、飛び出したGKクルトワが目測を誤りキャッチできず、とっさのスライディングを空振りしてシグルズソンの足を払ってしまいます。これは、PKを取られても仕方がありません。シグルズソンが決めて同点。それでもチェルシーがいずれ勝ち越すだろうと思われたゲームは、61分にスワンズが逆転です。

ケーヒルのトラップが大きくなったのを、レロイ・フェルは見逃しませんでした。8番はCBの足を蹴ったのか、レフェリーの判断どおりボールをつついたのか。ケーヒルは転倒し、チェルシーサポーターが期待した笛は鳴りませんでした。フェルが股間を狙ったキックはクルトワの足に当たりますが、ボールはゆっくり転がりゴールラインを通過します。2-1となった64分、今度はスウォンジーのノートンがクリアをアザールにぶつけ、10番が先に触れば1点というピンチに陥ります。猛然とダッシュしたファビアンスキが先着し、ペナルティエリアの外でジエゴ・コスタと接触しますが、ここでもホイッスルの音は聞こえません。

66分のオスカルのミドルはファビアンスキがファインセーブ。勝ち越された瞬間は下を向いていたコンテ監督は、残り15分を切るとマティッチとウィリアンを下げ、セスクとモーゼスを投入。アウェイチームはすぐにでも追いつけそうな勢いでしたが、2点めを奪ったのは81分でした。縦に出た浮き球をオスカルがイヴァノヴィッチに戻すと、強烈なシュートがDFに当たってボールは宙に舞い、落下点にはジエゴ・コスタ。美しいバイシクルは、フェデリコ・フェルナンデスの胸にヒットしてコースが変わり、ゴールに飛び込みました。時間は10分以上ありましたが、コンテ監督のバチュアイ投入は残り2分となってからでした。勝つよりも、負けないことのほうが大事ならば妥当かもしれませんが、もっと早く、後ろを1枚削ってでもストライカーを注ぎ込めばよかったのではないかと思います。2-2、タイムアップ。圧倒的に攻めていたチェルシーは、勝ち点1しか得られずにウェールズのスタジアムを後にしました。

「サッカーは何が起こるかわからない」と、幾度となくつぶやいた言葉が漏れてしまう一戦でした。2つの致命的なエラーで強者が勝ち点をロストしたゲームでしたが、ここだと思い定めてダッシュで詰めたフェルと、素晴らしいセービングで猛攻を2点に食い止めたファビアンスキはリスペクトしたいと思います。チェルシーは、気持ちを切り替えないといけません。プレミアリーグの次節はリヴァプール、EFLカップはレスター、さらに6節はアウェイでアーセナルです。彼らが自信と徹底度を失わなければ、3連勝の可能性も充分あります。「分けてなお強し」、厚みのある攻撃は、エミレーツのグーナーでも退屈とはいわないのではないでしょうか。

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“【Swansea×Chelsea】2つの致命的なミスで、チェルシーは痛恨のドロー!” への3件のフィードバック

  1. チェルサポ 一男太郎 より:

    はじめまして いつもこのブログの情報量や分析力、レビューの速さなどには
    舌を巻いております。
    今回のチェルシーはみすみす勝ち点3を逃しましたね。
    しかしコスタはやはり素晴らしいストライカーだなと。
    フル稼働できれば20点は硬いかなと。

  2. ロム より:

    チェルシーファン目線としては二失点目には文句をつけたいところですが、それ以前に幾つかのミスが痛すぎました。
    明らかに狙われていた最終ラインへの速い攻めに対応しきれなかった感があります。そこら辺はズマや新加入の選手が戦力になってこないと中々難しいでしょう。

    交代に関しても、個人的には違和感は抱きませんでした。失点の様子を見れば、余り前掛かりになるのはリスクが大きいように見えましたし、オスカルとバチュアイの交代が遅れたのは、テリーの様子が気になったからでしょう、多分。

    ルイスとアロンソがなじんでこないと厳しいなぁというような印象を受けた試合でした。この色々と課題を浮き彫りにした試合内容を受けて、コンテが次にどのような采配をするのか、非常に楽しみです。

  3. makoto より:

    チェルサポ 一男太郎さん>
    ありがとうございます。ジエゴ・コスタ、絶好調ですね。プレイの選択に迷いがなく、集中できているのが伝わってきます。長いお休みがなければ20はいくでしょう。

    ロムさん>
    なるほど。テリーは終わった瞬間にピッチでうずくまっていたので、おっしゃるような意図なのかもしれません。試合を観ている間は、失点はいずれもミスによるもので、枠内に打たせてなかったので、勝ち点3のためにリスクをとってもいいのかなと思ってました。それでも、昨季後半よりも明らかに強くなっており、優勝を争えるチームだと思います。ダヴィド・ルイスとアロンソ、楽しみですね。

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