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【Watford×MAN.UTD】EL疲れか…覇気がなかったマンチェスター・ユナイテッドはついに3連敗!

この布陣は、モウリーニョ監督の本線に近いのではないでしょうか。プレミアリーグ5節、ワトフォードVSマンチェスター・ユナイテッド。GKデ・ヘア、4バックはバレンシア、スモーリング、バイリー、ルーク・ショー。セントラルMFはフェライニとポグバ、2列めにルーニー、ラシュフォード、マルシアル。トップはもちろんイブラヒモヴィッチです。ベンチにいないムヒタリアンが本調子になれば、右サイドをまかされることになりそうですが、プレミアリーグ1年めに11ゴールを挙げたマルシアルと、大事なシーンで決めてくれるラシュフォードならベストといっても違和感はありません。イガロ、ディーニー、カプェの速攻が売りだったワトフォードは、ロベルト・ペレイラとヤンマートが加入したことで、サイド攻撃の厚みと中央からの崩しの多彩さを手に入れました。キックオフからしばらくは、アウェイのマンチェスター・ユナイテッドが圧倒的にボールを支配しています。

2分、ルーニーのFKをズラタンがヘッドで狙うも、左に逸れてゴールはならず。ワトフォードの攻撃はSBとポグバ、フェライニにカットされ、ハーフラインを過ぎたあたりで終わります。ところが10分、最初のチャンスはワトフォードです。左からのFKをファーにいたプレドルがヘッドで折り返すと、ポスト際に飛び込んだのはディーニー。触れば1点だったボールに1歩及ばず、シュートには至りません。13分には、縦へのロングボールに飛び出したデ・ヘアと引いて処理しようとしたスモーリングが激突。こぼれ球がイガロの前に落ちた瞬間、失点を覚悟しましたが、昨季プレミアリーグ15ゴールのストライカーがガラ空きのゴールを右に外してしまいます。16分、右からのクロスに競り勝ったディーニーの強烈なヘッドは、デ・ヘアが右手を伸ばしてビッグセーブ。ゲームを支配しているのは、いつの間にかホームチームです。

持病の「前半睡眠シンドローム」から覚めないマン・ユナイテッドは、ポグバや最終ラインがミスパスを連発。マルシアルはゲームから消え、イブラヒモヴィッチが歩く姿が目立ちます。22分、右からチャレンジしたラシュフォードのクロスがファーのズラタンに届きますが、左足のシュートはポストをかすめて左に外れます。パスは足元、ダイレクトのさばきはほとんどなし。夏にパリからプレミアリーグにやってきた9番さえケアすれば、読みやすいアウェイチームのアタックは怖くありません。30分、ポグバがようやく「らしさ」を発揮してくれました。中央からの強烈なミドルにGKゴメスは1歩も動けず、ボールはクロスバーに当たって跳ね上がります。しかしこの後、先制したのはワトフォードでした。

33分、左からのFKのクリアをトラップしたマルシアルがブリトスとヤンマートに囲まれて奪われ、ヤンマートがフリーで出したグラウンダーをノーマークで右隅に蹴り込んだのはエティエンヌ・カプェ。ワトフォードの司令塔は、今季プレミアリーグで4発めです。このプレイの前にヘディングの競り合いで頭を強打していたマルシアルは、プレイ続行不可能となり、アシュリー・ヤングがピッチに入ります。42分、ワトフォードのパスミスで裏に流れたボールをイブラヒモヴィッチがゴール前に運びますが、シュートはDFがブロック。オランダに遠征したヨーロッパリーグ直後のランチタイムキックオフが、何人かの選手から正確なキックや判断スピードを奪っているのでしょうか。ハーフタイムは1-0。単発の攻撃しかないマンチェスター・ユナイテッドが、2点を奪うイメージはありません。

47分、中央でクロスのこぼれを拾ったズラタンは、ミドルを巻いてしまいました。マッツァーリ監督は50分という早い時間にヤンマートを下げ、アムラバトを投入します。今日は、ルーニーが冴えません。パスもクロスも不正確でプレイが遅いキャプテンを諦めて、マタのパスワークに賭けてもいいのではないでしょうか。62分にマタが入りましたが、ベンチに戻ったのはバレンシアです。8番が入って間もなく、マンチェスター・ユナイテッドが同点に追いつきました。

速いドリブルで仕掛け、ラシュフォードとのワンツーで左サイドをえぐったイブラヒモヴィッチがクロスを上げると、ラシュフォードがヘディングシュート。ベーラミに当たったボールが再度ラシュフォードの前にこぼれ、左足のシュートがニアぎりぎりを射抜きました。やはり、この19歳は持ってます。これが今季プレミアリーグ初先発で、今までの出場時間は90分に満たないのに、既に2ゴール。ホレバスのミドルが外れたホームチームは、セットプレーと遠めからのシュートにしか可能性が感じられません。79分、左からのフェライニのロングクロスをヘッドで叩いたのはイブラヒモヴィッチ。ゴメスが必死に手を伸ばしてセーブし、逆転を阻止すると、83分に苦しんでいたワトフォードがワンチャンスを活かします。

アムラバトの縦パスに反応したロベルト・ペレイラが右サイドからマイナスに折り返すと、ニアから左隅に決めたのは1分前にカプェと代わったスニガです。マッツァーリ監督の采配は見事に的中。マンチェスター・ユナイテッドは最終ラインのマークが完全にずれており、1点めと同様に走り込んできた選手をノーマークにした失点でした。モウリーニョ監督が85分にルーク・ショーをデパイに代えると、5分後にマッツァーリ監督はイガロをアイザック・サクセス。この交代も、成功したのはイタリア人監督のほうでした。94分にサクセスが左サイドを崩してラストパスをスニガに通すと、フェライニが後ろから倒してしまい、ジャッジはPK。ダメ押しゴールのお膳立ては、またも途中出場の選手たちでした。ディーニーが思い切り蹴り込み、1-3となると、さほど時間を空けずにタイムアップの笛が鳴りました。マンチェスター・ユナイテッドはダービーに負けた後、3連敗。試合を重ねるごとにサッカーの質が落ちており、ラシュフォード以外に、ほめられる選手は見当たりません。

ルーニーがあれだけ下がり、いいボールもシュートもなければ、ズラタンは当たり前のように孤立します。前半の冴えない状態を見れば、後半はズラタンとラシュフォードの2トップで、左にアシュリー・ヤング、右にマタの4-4-2にするぐらいの思い切った手を打ってもよかったのではないかと思いました。一発がある34歳と、唯一周囲を使えた19歳がもっと近くにいれば、ゴールシーンのようなチャンスがいくつか増えたでしょう。開幕直後は大味なサッカーをしていたアーセナルやリヴァプールは、試合を消化するごとにクオリティが上がり、われわれプレミアリーグファンが解釈できるぐらいに方向性が見えてきました。ところがこのチームは、足元、足元、個人技頼みでどんなサッカーをしようとしているのかが見えてきません。うーん、厳しい。プレミアリーグの次戦はレスターですか。ヴァーディ、スリマニ、マフレズ…怖いです。(エティエンヌ・カプェ 写真著作者/Franziska)

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“【Watford×MAN.UTD】EL疲れか…覇気がなかったマンチェスター・ユナイテッドはついに3連敗!” への6件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    ユナイテッドどうしてしまったのでしょうか、、、。
    ELがあったとは言え、この敗戦はモウリーニョにしてみれば想定外だったのではないでしょうか。
    ご指摘の通りイブラヒモビッチワントップでは相手に読まれてしまう感じがしますね。信頼できるCFがイブラヒモビッチ以外にいないのが今のユナイテッドの泣き所なんでしょうか?
    ファン・ハール政権時はグダグダでも勝ち点3or1を獲ってましたが、らしくない負け方が気になりますね。

  2. シティふぁん より:

    開幕3連

  3. mufc7 より:

    ルーニーの衰え、ポグバに自由を与えるゆえにできる広大なスペースをカバー出来ないシステムの欠陥。モウリーニョは修正をしないといけないですが、ルーニーを外すのもむずかしいですよね。これだけのメンバー揃えて意気揚々と来て3連敗は本当に辛い。ELでは苦労する相手でもないですし、ワトフォードだって特段に手強い相手ではないのに、チェルシー時代の悪い状態を断ち切れない癖をそのまま持ち込んできた感じがします。

  4. シティふぁん より:

    ワトフォードは全員守備をしていて良いチームですね
    マーシャルに対するファールがあったと思いますが
    あそこで2人に囲まれてフォローがありませんでした
    イブラヒモビッチもポグバもほぼ常に周りのフォローが少ないように感じます
    ポグバを上手く使わないともったいないです
    スコールズが言うようにキャリックを起用したら
    良いと思いますがキャリックは怪我ですかね?

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  5. K より:

    全く同じ事を思いました、4-4-2が良いと思います。あとルーニーはポジション落とさないと厳しいですね。給料高すぎて追い出すこともできずどう扱うんでしょう

    モウリーニョは人間として好きなんですが、考えてみるとWGのスピード活かした速攻以外に攻撃の形がないですね。このメンバーだと苦労しそう

    戦術マニアとしてはプレミアに3バックを持ち込んでくれたワトフォードには感謝してます。メンバーも5-3-2・3-5-2?に良い選手が多くて楽しいサッカーでした。ここの躍進も今年の楽しみの1つです。良い試合だった!

  6. のこ より:

    うーん、3連敗は凹みます。
    苦しい時に決めてくれるラッシュフォードの好感度が上がりまくりの今日この頃です!(前節からですが)

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