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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Tottenham×MAN.CITY】圧巻スパーズ!積極的な守備でマンチェスター・シティの無敗をストップ!

楽しみだった一戦です。プレミアリーグ7節、無敗対決となったトッテナムVSマンチェスター・シティ。ホームのトッテナムは、GKロリスと最終ラインのカイル・ウォーカー、アルデルヴァイレルト、フェルトンゲン、ダニー・ローズはガチガチのレギュラーメンバー。ワニャマがアンカー、右にはニューカッスルからプレミアリーグに戻ってきたムサ・シソコ、左はソン・フンミン。デル・アリとエリクセンが中に入り、トップはラメラでしょうか。

CLでセルティックに公式戦連勝を10で止められたマンチェスター・シティもまた、GKブラボ、サバレタ、ジョン・ストーンズ、オタメンディ、コラロフまでいつもの顔ぶれです。中盤の底にはフェルナンド、インサイドMFにダヴィド・シルヴァとフェルナンジーニョ。ヘスス・ナバスとスターリングをサイドに配し、公式戦7試合11ゴールのアグエロが最前線です。デブライネ、ハリー・ケイン、ノリートがいないのは残念ですが、絶好調のスターリングVSソン・フンミンのサイドアタッカー対決など、見どころはたっぷりあります。マンチェスター・シティが試合を支配するかに思われた立ち上がり。4分、右のヘスス・ナバスが巧妙に股間を通したグラウンダーは、軽く触ってコースを変えようとしたニアのダヴィド・シルヴァが空振りしてしまい、絶好機を逸します。

ビルドアップの際にはロリスにまでプレスをかけられているスパーズは、珍しく最終ラインが落ち着きません。ところが、思わぬ形でホームチームに先制点が入りました。10分、ラメラのパスを受けたダニー・ローズがファーサイドへのクロス。右足でクリアしようとしたコラロフは、逆の足にボールを当ててしまいました。右ポストの内側を叩くボールは名手ブラボでも見送るしかありません。その1分後、左サイドからドリブルで仕掛けた絶好調ソン・フンミンがニアポストを襲う強烈なシュート。ブラボがセーブし、1点差を守りますが、サバレタはこの後も苦労させられそうです。

トッテナムのつぶしが速く、思うように攻められないマン・シティ。若いホームチームは遠めからでも積極的にシュートを打ってきます。21分にエリクセンが左を狙った鋭いFKは、ポストをかすめて外へ。1分後にコラロフが左からグラウンダーを入れると、フェルトンゲンが出した足でアグエロが倒れますが、ボールに触っているというジャッジです。直後にソン・フンミンが仕掛けたカウンターはオフサイド。攻守の切り替えが速く、期待どおりのスリリングなゲームです。31分、ワニャマのファールでもらったFKは、アグエロの丁寧なシュートをロリスが左に飛んでセーブします。ジョン・ストーンズが自陣から3人抜いて前線に上がっていくあたりが、ペップのマンチェスター・シティです。

37分、出足がよかったトッテナムの守備が、カウンターという形で結実しました。ソン・フンミンがデル・アリに預けると、左に展開しようとしたパスをカットされますが、ボックス手前やや右で拾ったソン・フンミンがデル・アリを裏に走らせる見事なスルーパス。オタメンディは置いていかれ、GKのポジションを見た20番がダイレクトで放ったシュートが左隅に吸い込まれます。アグエロは焦りからか、いつもは打たない距離からのシュートや強引なフィードが多く、スターリングは力を発揮できません。予想外の2-0。プレミアリーグ首位チームは、圧倒的なポゼッションから押しつぶす今までの前半が嘘のような悪戦苦闘です。

後半に入っても、攻勢はトッテナム。ソン・フンミンとワニャマが次々とミドルを放ち、カイル・ウォーカーが再三右サイドを突破します。ペップの1枚めは、53分にフェルナンドをギュンドアン。残り30分を切っても、マン・シティはチャンスを創れません。63分、シソコからカイル・ウォーカー、デル・アリと速いパスがつながった中央突破で、フェルナンジーニョがデル・アリを倒してしまい、PKを取られます。ラメラがネットを揺らせば勝負は決するところでしたが、コースを読み切ったブラボがセーブ!2点差なら、まだわかりません。ヘスス・ナバスに代わったイヘアナチョは、窮地に追い込まれたチームを救えるでしょうか。70分、痛んだシソコが下がり、エリック・ダイヤーが登場。75分、ダヴィド・シルヴァのスルーパスで左から抜け出したイヘアナチョは、ロリスの鋭い飛び出しに1対1のチャンスをつぶされます。

80分のアグエロの左足は、カイル・ウォーカーに当たって跳ねる難しいボールでしたが、またもロリスが素晴らしい反応で弾き出しました。スパーズはエンクドゥ、マン・シティはレロイ・サネと、今季プレミアリーグデビューの若手が起用されますが、持ち味を発揮するには時間がなさすぎました。最後はフィンセント・ヤンセンまで投入したスパーズが守りきり、2-0のままタイムアップ。マン・シティに「らしさ」がなく、ペップ就任以来初のプレミアリーグ敗戦はクリーンシートでの完敗でした。

トッテナムの最大の勝因は、最後まで前に出て勝負していた中盤の素晴らしい守備でしょう。前からのプレス、ハーフライン付近でインターセプトしてからのカウンターなど、ペップのやりたかったことをポチェッティーノ監督にやられてしまった一戦でした。ソン・フンミンが幾度となく積極的に仕掛けてゴールに絡んだのに対し、スターリングは完全に沈黙。危険なアグエロはフェルトンゲンがよく抑えており、決定機は冷静沈着なロリスが完璧につぶしました。デブライネとノリートがいれば、また違ったかもしれませんが、攻撃の形が創れなかった今日のマン・シティは、「相手の気迫と集中力が凄かった」と頭を下げるしかないでしょう。唯一の無敗チームとなったスパーズが、プレミアリーグの優勝争いをおもしろくしてくれました。(デル・アリ 写真著作者/Дмитрий Голубович)

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“【Tottenham×MAN.CITY】圧巻スパーズ!積極的な守備でマンチェスター・シティの無敗をストップ!” への13件のフィードバック

  1. シティふぁん より:

    何もできなかったです
    チャンスもほとんどなかったですし
    アウェイ4連戦は本当にきつかったです
    この4連戦ハイプレスが1度もできませんでした
    それでもまだ1位ですし代表戦後チームが復調してくれることを願うばかりです

  2. ホタ より:

    非常にインテンシティが高い、片時も目が離せなかった試合でした。
    1点めのOGもソンがダッシュしてストーンズを引き付けたことでコラロフが難しい対応を迫られた事があると思います。ソンは素晴らしかったです。
    運動量が落ちた終盤にはベルギーCBコンビとロリスがきっちりゴールの芽を摘み取ってくれるのも大きいですね。

    中盤から前線まで終始プレスをかけまくり、ペップ・シティをてんやわんやさせたパフォーマンスに感動しました。

  3. yuto より:

    ユナイテッドのもどかしい試合を見た直後でしたが、見終わったときには非常にすがすがしい気分にさせてくれました。
    シティ、スパーズのいずれも全員の運動量が多く、動きの質も高い素晴らしいゲームだったと思います。
    倉敷さんもおっしゃっていましたがこの2チームが今シーズンの欧州でプレミアを代表して戦っているのだと感じさせる一戦を見れて大満足です。

  4. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    ニュートラルな目線でこのゲームを楽しみました。
    ポチェッティーノに鍛え上げられた選手達がガツガツ向かっていく様は観ていて面白かったです。対してシティも後半途中は幾つかチャンスがあったと思いましたが、デブライネを欠いたのは痛かったですね。この結果上位が一気にポイントが詰まりましたね。代表戦後のリーグ戦が益々面白くなってきましたね。

  5. nyonsuke より:

    更新お疲れ様です。
    私もニュートラルに観戦してとても楽しめました。
    明暗の差はチームの成熟度だったと思います。
    ケインがいなくとも完璧な走るサッカーができるスパーズの攻守のクオリティは素晴らしく、納得の勝利だと思います。
    デブライネとノリートがいればは、たらればの話でこんなにも早くシティが息切れするとは思っていませんでした。
    しかし、ペップならば建て直してくるでしょう。
    これで上位陣のポイント差が縮まりおもしろくなりました。
    新監督組が苦戦し始めたと思いますが、上半期はどのチームが抜け出すか楽しみです。

  6. おハム より:

    去年もこの時期からポツポツ落として行きましたね。
    しかし、今年は大規模な補強をしたのでなんとかなる気がします。

    トッテナムのサッカー面白いですね。

  7. すぱさぽぽ より:

    素晴らしい試合でした、ここまでで最高の出来ではないでしょうか。
    ケイン、デンベレ不在、ダイアーが病み上がりの中、優勝候補筆頭のシティを倒せたということでローテーションによるクオリティの低下がないことに確信を持てたということが何よりの収穫だったと思います。

  8. にわかスパーズファン より:

    更新おつかれさまです。
    いやー、嬉しい限り!!
    昨シーズンから3連勝と少し前までボコボコにされていたのが嘘のようです。
    ワニャマはポチェが獲得を懇願していたのが分かるぐらい圧倒的存在感でした。シソコもよかったですし、ソンは言わずもがなです。
    中盤より前は劇的にポジション争いが熾烈になったように思います。

    いやー、嬉しい限りです!

  9. nori より:

    更新お疲れ様です。
    とにかく素晴らしいの一言ですね。
    この強いシティを相手に、内容で圧倒できるとは。
    ポチェッティーノの評価が更に上がりましたね。

    昨日の試合はMOMを全員にあげたいくらいみんな素晴らしいかったですが、一人を挙げるなら誰だと思いますか?
    個人的には中盤でバランスをとりながら攻守両面で良い仕事をしたエリクセンにあげたいです。

  10. リバサポ より:

    いやー早めにアウェーでやれといて良かったと思ってしまう仕上がりですね。
    素晴らしかったとしかいいようのないできです。
    当方、スパーズは選手層が薄いと思っていましたが、ソン、ワニ、シソコがここまでのパフォーマンスだとかなり底上げされた感があります。監督、コーチ陣、フロントはお見事ですね〜。
    本当にロンドン勢と早めに当たれてよかったー

  11. nori より:

    更新お疲れ様です。
    とにかく素晴らしいの一言ですね。
    この強いシティを相手に、内容で圧倒できるとは。
    ポチェッティーノの評価が更に上がりましたね。

    昨日の試合はMOMを全員にあげたいくらいみんな素晴らしいかったですが、一人を挙げるなら誰だと思いますか?
    個人的には中盤でバランスをとりながら攻守両面で良い仕事をしたエリクセンにあげたいです。

  12. makoto より:

    シティふぁんさん>
    確かにプレスがかからなくなってましたね。デブライネの不在も大きかったなと思います。

    ホタさん>
    ソン・フンミン、別人ですね。デル・アリへのラストパスにはテンションが上がりました。

    yutoさん>
    プレミアリーグのなかでは最高級のクオリティでした。CLも楽しみです。

    Mackiさん>
    2回も取りこぼしたチームのサポーターですので、混戦歓迎です。

    nyonsukeさん>
    プレスがかからないと苦しくなるのと、逆にプレスをかけられたときにミスが増えるのがとても気になりました。リヴァプールやアーセナルとどう戦うかに興味があります。

    おハムさん>
    おもしろいです。中盤は誰が出ても、守備のクオリティが下がらないのが素晴らしいです。

  13. makoto より:

    すぱさぽぽさん>
    最高の出来でしたね。フィンセント・ヤンセンが機能すればさらに選択肢が増えますね。

    にわかスパーズファンさん>
    シソコとワニャマは適応が早いですね。年明け以降もCLを戦える体制が整ったのではないでしょうか。

    リバサポさん>
    これからのチームにとっては、ホントにうらやましいです。勝てるイメージが湧かないですね…。

    noriさん>
    ひとり挙げるなら、カイル・ウォーカーですかね。マン・シティのサイドを殺した功績で。

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