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【MAN.CITY×Saints】ジョン・ストーンズ痛恨のミス…ペップ・シティはドローで5戦勝利なし!

コンパニのプレミアリーグ先発出場は、半年ぶりです。本拠地エティハドで開催された、サウサンプトンとの一戦。CLのバルセロナ戦ではアグエロを外す奇策が当たらなかったペップ・グアルディオラ監督は、プレミアリーグ6試合5ゴールのエースもスタメンに戻しています。GKブラボ、最終ラインはジョン・ストーンズ、コンパニ、コラロフの3バック。フェルナンジーニョを底に置いてギュンドアン、レロイ・サネ、ダヴィド・シルヴァの中盤に、アグエロ、デブライネ、スターリングが前線です。CLでセルティックに引き分けて、開幕以来の連勝が10で止まってからは一転、2分2敗で勝利なし。今日のゲームで敗れれば、2節から守っていたプレミアリーグ首位の座を明け渡すことになります。アウェイのサウサンプトンは、木曜日のヨーロッパリーグから5人を入れ替え、前線にはフレッシュなレドモンドとチャーリー・オースティンを配しました。欧州で敗れたチーム同士の対戦は、思いのほか静かなスタートです。

レドモンドとタディッチがサイドを崩そうとするセインツに対して、マン・シティはいつもの厳しいプレスをかけず、自陣で奪って縦に速い攻撃を仕掛ける形が目立ちます。ホームチームは、左から再三上がってくるデブライネに好調時の鋭いラストパスがなく、20分を過ぎてもこれといったチャンスが創れません。23分に左からの縦パス1本で、一瞬2対1となるシーンがありましたが、デブライネが逆サイドへのパスをファン・ダイクにカットされてしまい、フィニッシュに辿り着けず。すると27分、マンチェスター・シティに信じられないミスが出ました。ジョン・ストーンズのコンパニへのバックパスがずれ、レドモンドがインターセプト。GKブラボまでかわしたアタッカーは、悠々と無人のゴールに流し込みました。ノリッジから移籍してきたレドモンドは、今季プレミアリーグで早くも3ゴールめ。4ゴールのチャーリー・オースティンとともに主力に定着しており、チームを去ったペッレやマネの穴をしっかり埋めています。

31分、マン・シティの右からのFK。デブライネのキックは完璧、ファーから飛び込みボレーを叩き込んだジョン・ストーンズがミスを帳消しにしたかと思いきや、オフサイドポジションにいたアグエロがボールに関与したと見做され、同点ゴールは認められません。スターリングは、前半終了間際に左から放ったミドルシュートでしか、存在感を主張できませんでした。カーブをかけたボールが右のポストの外を抜けると、何も起こらずハーフタイム。バルサショックか、疲労か。ペップ・シティは、プレミアリーグで開幕6連勝を遂げたチームとは別の集団です。

後半頭から、バルサ戦に出ていなかった選手を投入したほうがいいのではないかと思いながら観ていたのですが、ペップは最もショッキングな荒療治をチョイスしました。入ったのはイヘアナチョ。ピッチに姿を見せなかったのは、ニアに入ったアグエロへのパス1本しか「らしい」プレイがなかったデブライネです。クラーシのミドルで始まった後半、レロイ・サネやスターリングがサイドからグラウンダーを入れる攻撃が増えています。53分、右のスターリングのアーリークロスにイヘアナチョとサネが飛び込みますが、両者ともわずかに届きません。堅守のファン・ダイクとフォンテのコンビには、準備する時間を与えず早いタイミングで勝負するのが効果的でしょう。

ペップの采配は、55分という早い時間に実を結びました。厳しいプレスから敵陣でボールを奪うと、フェルナンジーニョが左サイドのレロイ・サネに一発で届く素晴らしいロングフィード。右足の優しいグラウンダーを、ファン・ダイクに競り勝って右隅に蹴り込んだのは、入ったばかりのイヘアナチョです。マンチェスター・シティに、勝ち続けていたときのサッカーが戻ってきました。プレスで奪い、サイドを蹂躙し、人数が揃った中央でフィニッシュするのが彼らの形のひとつです。64分、右のスターリングから斜めに出たパスを、中央から流れてきたイヘアナチョが受けると、振り向きざまに入れたラストパスはダヴィド・シルヴァが打ちきれません。

バートランドとマット・ターゲットがおらず、21歳のマックイーンが起用されている左SBは、セインツのウィークポイントのひとつです。まったく攻められなくなったピュエル監督は、タディッチとクラーシを下げてホイビュルクとブファルを投入。67分、イヘアナチョが最前線に上がったギュンドアンに縦パスを通すと、右隅を狙ったギュンドアンのシュートはフレイザー・フォースターのビッグセーブに阻まれます。75分、セインツに久々のチャンス。ゴールやや右でフリーになったチャーリー・オースティンの渾身の一撃は、ブラボの守備範囲に飛んでしまいました。78分、コンパニが下がってヘスス・ナバス。今季プレミアリーグで初めて長時間プレイしたキャプテンは、まずまずだったのではないでしょうか。フェルナンジーニョをCBに落としたペップは、残り10分でリスクをとって勝負に出ました。

82分、チャーリー・オースティンがアウトとなり、ウォード=プラウズ。直後、ハーフラインから一気にゴール前に持ち込んだアグエロは、左からクロスに放ったシュートがポストの外でラインを割ります。ゴール前に釘付けのセインツに、ペップはレロイ・サネに代えてノリートを投入。アグエロ、イヘアナチョ、ダヴィド・シルヴァが幾度となく左から仕掛けますが、フォンテを中心としたセインツ守備陣はラストパスを許しません。ヨーロッパリーグから中2日だったアウェイチームは、耐えきりました。追加タイムを入れれば15分以上時間があったタイミングでCBを削ったペップの采配を、勝ちにいくのが遅かったとは咎められません。ホームで勝ち点1に終わったのは、前半の停滞と軽率なミスの代償を支払ったということなのでしょう。

イヘアナチョの一撃で覚醒してからの35分という時間は、完全に引いた堅守セインツを攻略するには短かったということなのかもしれませんが、キレキレの21歳にもっと意図的にボールを集めてもよかったように思います。ボックス脇のスペースを必ず使うマン・シティの攻撃は、守る側からすると読みやすく、アウェイチームはラストパスのコースをきっちり塞いでシュートを打たせませんでした。ペップのチームは、これで5試合勝利なし。得失点差でプレミアリーグ首位を守ったものの、ついにリヴァプールにも並ばれてしまいました。

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“【MAN.CITY×Saints】ジョン・ストーンズ痛恨のミス…ペップ・シティはドローで5戦勝利なし!” への3件のフィードバック

  1. シティふぁん より:

    なかなか勝てませんね
    ここ5試合常に先制されてますし
    初めてペップは5試合未勝利だとか
    開幕連勝してた4141にしないのですかね?

  2. makoto より:

    シティふぁんさん>
    先を見て、フォーメーションをいじっているのかもしれません。5戦勝利なしは2008-09シーズンにあります。そのときは三冠です…。

  3. パチ より:

    ギュンドアンがネックになってる気はしますね。
    攻→守の切り替えが遅いし、彼が守備で手を抜いたシーンで大ピンチを迎えてるシーンも多いなと感じます。じゃあ攻撃ではどうかというといい場面もあるけどパスミスも多いですし、そのままカウンターでピンチになったりと…もやもやです。
    正直自分もシルバ・デブライネ・フェルナンジーニョのトライアングル中心の4141の方が良かった気がします。

    まあ先を見越してだろうし、どう改善していくのかというのが楽しみではありますね。
    ただ5戦勝利なしは2008-09シーズンのバルサと同じですといわれても、確かメッシが化け物化し始めたころだったので慰めにはならんような気も…(笑)スターリングが更に覚醒しますかね?

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