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【Crystal Palace×Liverpool】これぞレッズ!ブラジル人コンビが前線をかき回し、4発快勝!

 今季プレミアリーグ7試合3ゴール。復活したクリスティアン・ベンテケのリベンジなるか。首位と勝ち点で並ぶリヴァプールが、持ち前の破壊力を披露して完勝するのか。プレミアリーグ10節、クリスタル・パレスVSリヴァプールは、ホームチームはクロス本数No.1、アウェイはパス本数がトップとキャラクターが立ったチームの激突です。よく走り、ボールがまわるレッズは、ミルナーとワイナルドゥムがいないだけのいつものメンバー。GKロリス・カリウス、ナサニエル・クライン、マティプ、デヤン・ロブレン、アルベルトモレノの最終ライン。アンカーにヘンダーソン、両脇にララナとエムレ・ジャン。前線にはコウチーニョ、フィルミーノ、サディオ・マネです。ドリブルと正確なクロスが怖いウィルフリード・ザハとアルベルト・モレノのマッチアップが、勝負を左右するポイントになるのではないでしょうか。キックオフから間もなく、アウェイのレッズが攻める姿勢を鮮明にしています。

デヤン・ロブレンのクロスをカットされると、すぐさま奪い返して右に展開。ニアのフィルミーノが合わせたリヴァプールと、ザハのハイクロスをベンテケが競ったクリスタル・パレス。立ち上がりから、両者が持ち味を発揮しています。中盤でのせめぎ合いが続いた16分、先にサイドを制したのはリヴァプールでした。左から仕掛けたアルベルト・モレノが突破を諦めて中に戻すとヘンダーソン、エムレ・ジャンを経由したボールがコウチーニョへ。絶妙の浮き球が裏に通り、アルベルト・モレノがダイレクトで折り返すと、ボレーで仕留めたのはエムレ・ジャン。早々に先制したレッズは、直後にも絶好調コウチーニョからマネを走らせる縦パス。ゲームを支配するかと思いきや、クリスタル・パレスがすぐさま追いつきます。

マンダンダの何でもないゴールキックをマティプがデヤン・ロブレンに渡すと、GKに返そうとしたロブレンが痛恨のパスミス。マッカーサーの頭上に浮いたボールに慌てて飛び出したロリス・カリウスは触れず、ヘディングシュートが無人のゴールに吸い込まれます。しかし、イーブンの時間は5分も続きませんでした。21分、左からのCKをヘディングで叩き込んだのは、デヤン・ロブレン。CBがあっさりミスを帳消しにすると、ここからはリヴァプールの時間が続きます。左右のボックス脇のスペースを使い、速いボールを中に入れるアタックにホームチームは防戦一方。26分、キレキレのコウチーニョが左のアルベルト・モレノを走らせると、角度のないところからの強いシュートは外からサイドネットをかすめます。

32分の同点ゴールは、これぞクリスタル・パレスというべきシンプルな攻撃でした。縦に入ったハイボールをベンテケがザハに落とすと、サイドアタッカーが中央に浮かしたボールはマッカーサーの頭にぴったりでした。デヤン・ロブレンが競り負け、ロリス・カリウスは一歩も動けず、2-2。レッズは懸念の左サイドからやられてしまいました。37分、右サイドを突破したフィルミーノが入れたクロスは完璧。コウチーニョのヘッドは微妙に右に切れてしまい、ポストに阻まれます。1分後、コウチーニョが右から蹴ったグラウンダーのこぼれ球を拾ったのは、ナサニエル・クライン。フリーのマネは、ラストパスを右隅に決められればよかったのですが、強すぎたボレーはバーを越えてしまいます。

このまま終わるかと思われた前半終了間際、右CKからレッズが勝ち越しゴールを奪います。コウチーニョのキックを完璧なヘッドで決めたのは、ジョエル・マティプ。トムキンスがマークを外してしまい、至近距離から打たれた強烈なシュートに、GKマンダンダは触るのが精一杯でした。マティプは、これがプレミアリーグ初ゴール。2-3とリードして折り返したレッズは、次のゴールを早々に決めてセーフティリードを築きたいところです。

49分、後方からのFKをトムキンスが縦に落とすと、走り込んだベンテケの強烈なボレーはロリス・カリウスがセーブ。まだまだ勝負はどう転ぶかわかりません。53分、レッズが速攻。中央からドリブルで上がったコウチーニョのスルーパスは絶品。抜け出したマネが左隅を狙うも、足を伸ばしたマンダンダのビッグセーブで追加点は決まりません。58分、ハイボールをベンテケがキャバイェに落とし、リターンをもらってフリーになりますが、インサイドのシュートは力がなくGKがキャッチ。1分後にはザハがボックス入り口でデヤン・ロブレンの足に引っかかり、中でベンテケとマティプが揉み合いながら倒れるも、いずれもファールを示す笛は鳴らず。こぼれ球をコントロールしたキャバイェがシュート態勢に入るより先に、ナサニエル・クラインがクリアし、ホームチームはここでも追いつけません。

67分にイ・チョンヨンをタウンゼントに代えたパーデュー監督は、采配の成果を確認する前に決着をつけられてしまいました。70分、一瞬の隙を突いたヘンダーソンのスルーパスで、最前線のフィルミーノがフリー。GKの飛び出しを見て巧みに浮かしたチップキックがゴールのど真ん中に転がります。残り15分で2点差は厳しい…しかし、レドリーをパンチュンにスイッチしたパーデュー監督は、まだ諦めていません。クロップ監督は、ララナに代えてピッチに送り出すワイナルドゥムにジョークを飛ばしたのでしょうか。笑顔を見せた5番は、いつものインサイドMFに入るはずです。残り10分を切ってもフィルミーノとコウチーニョは走り続け、複数のマークを引きずりながらドリブルで仕掛けています。オフシーズンに、相当走ったのでしょう。レッズは運動量でクリスタル・パレスを抑えつけ、2点差のままゲームを終えました。

CBが2ゴール、ブラジル人コンビとマネが前線をかき回し、ヘンダーソンは後ろから見事なキラーパスをフィード。前半のアルベルト・モレノの仕掛けと、右のナサニエル・クラインのサポートもよく、攻撃に関しては文句なしでしょう。今季プレミアリーグで、1回もクリーンシートで勝ったことがない守備は、相変わらず左サイドを攻められると脆さを露呈します。2失点の原因となったデヤン・ロブレンの反省とミルナーの復帰に託すしかありませんが、今日は多彩な崩しでクリスタル・パレスの守備陣を混乱させた全員攻撃を手離しでリスペクトしてもいいのではないでしょうか。プレミアリーグ24ゴールは、マンチェスター・シティと並ぶ最多。コウチーニョ、フィルミーノ、マネの3トップは、プレミアリーグNo.1の破壊力です。素晴らしい!

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“【Crystal Palace×Liverpool】これぞレッズ!ブラジル人コンビが前線をかき回し、4発快勝!” への8件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    やはりセルハースト・パークは鬼門ですね(苦笑)
    アディショナルタイムまで気を抜けませんでした。
    ロブレンには猛省をして欲しいところではありますが、後半のパレスの攻撃によく耐えたと思います。マティプは見事なヘッドや相手攻撃陣への冷静な対応と言い、この選手獲得できて良かったと今更ながら思います。後はクリーンシートが欲しいですね。
    攻撃陣については、文句もなく多彩な攻めは観ていて面白いですし、ブラジルコンビの躍動はいつも何かを期待してしまいます。最後に次節こそクリーンシートが欲しいですね。

  2. K より:

    モレノ、攻めはなかなかに素晴らしかったですが相変わらず悪い意味で予測不可能な変幻自在のポジショニング、裏を狙われるとすぐ露呈するマークの緩さ、カバーリングの無さが目立ちましたね。積極的にチェックにタイプのロブレンとの相性は最悪でした。
    守備が改善してくれればコウチーニョとの相性もよく恐ろしいSBなのですが…

    —–
    攻撃面は素晴らしかったです。見ていて本当に楽しかったですし、モレノもミルナーにないスピードで何点でも取れそうでした
    特にコウチは守備に奔走してた昨季とは比べものにならない出来です。最前線の3人は若いので決定力は来期さらに伸びると思います

    守備は珍しいミス続き、浮き足立ってましたね。ただパレスのアウェイなのに勝ちしか想像出来ないほど圧倒出来るのは13-14や08-09シーズン以来です。久々に楽しいシーズンです。強豪もシティ除いて消化済み。昨季のレスターのように守備の連携は次第に深まっていくことを期待してます

  3. プレミアリーグ大好き! より:

    リバプールのプラン的に、まずクロスを入れさせないことに重点を置いていた気がします。2失点目のシーン、たしかにロブレンの対応は軽かったですが、モレノのザハに対するチェックも中途半端なもので気持ちよくクロスをあげさせてしまった感じがします。ミルナーであればもっと厳しく詰めていたと思うと、ロヴレン以上にモレノの軽さが目立ってしまったような…

  4. por より:

    昨季のレスターの様にここから守備が締まってくれば…
    いやいや、期待し過ぎは良くない

  5. nyonsuke より:

    更新お疲れ様です。

    まさにこれぞレッズという試合でした 笑。
    ベンテケこわい、ベンテケこわいと思っていたら、まさかのマッカーサーでしたね 笑。
    ロヴレンは最近安定してきたなーと安心してみていたのですが久々にやってくれました。
    1点とられたら2点、2点とられたら4点という試合ができれば今はいいですが、お粗末な失点だけは失くしたいものです。
    しかし難敵を相手に2連勝できたのは大きいです。
    次節も難敵ワトフォードですが、ヨーロッパの試合がない分、しっかり準備して次節も勝点3、できればクリーンシートといきたいですね。

  6. what a hit より:

    いや〜、今日こそは連勝止まるかとドキドキした試合ですが勝ってしまいました。今季のレッズは本当に強いんですかね。
    やってはならないミスはしましたが、自ら取り返したロヴレンのゴールはしびれました。
    個人的に一番凄いと思ったのはフィルミーノのシャツを脱ぐスピードですね。尋常じゃない速さで脱いでましたね。
    シャツを脱ぐ癖は知っていたので、毎回やめてよ、やめてよと思ってましたが、この試合はOK!と思うほど手に汗握る試合のトドメをさしてくれました。ヘンドのパスもしびれました。
    猛スピードで追撃してくるチェルシーが怖いです。試行錯誤してる間にあたっといて良かったです。

  7. makoto より:

    Mackiさん>
    おっしゃるとおり、マティプいいですね。視野の広さといく・いかないの判断が確かだと思います。

    NA28さん>
    攻撃はいいんですが…もったいないですね。

    Kさん>
    コウチーニョ、調子上げてますね。CB以外全員攻撃センスがあるので、守りにくいことこのうえなしです。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    プレミアリーグでいちばんクロスを上げてくるチームなので、警戒してましたね。ザハのクロスはピンポイントで中に合わせるのが難しい球質で、上げたほうもほめたいです。

    porさん>
    13-14シーズンのように、攻撃力にさらに磨きがかかって多少の失点はOK、となる可能性のほうが高そうです。

  8. makoto より:

    nyonsukeさん>
    ほしいですね、クリーンシート。失点はあったものの、レギュラーは、ナサニエル・クライン、マティプ、ロブレン、ミルナーで固めてよいのではないかと思います。

    what a hitさん>
    サポーターからするとたまらない試合ですね。フィルミーノは、シュートはあんなに冷静だったのに…コントラストが凄い!(笑)

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