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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【MAN.UTD×Burnley】監督退席、余裕なきシュートの山…マン・ユナイテッドのノルマは年内無敗!?

プレミアリーグ10試合で4勝3分3敗、得点13失点12。マンチェスター・ユナイテッドはホームでバーンリーに引き分け、首位に勝ち点8差と離されるとともに、降格ゾーンからも同じ8差と順位テーブルの真ん中で停滞しています。モイーズ監督の2013-14シーズンは5勝2分3敗、得点17失点13。ファン・ハール監督の初年度だった2014-15シーズンは3勝4分3敗、得点16失点14。このシーズンは、11月以降の10試合を7勝3分というハイペースで走っており、最終的にはプレミアリーグ4位で着地しています。初年度の戦績比較からいえるのは、モウリーニョ監督がかつてのボスであったファン・ハールさんのように10月で試行錯誤期間を切り上げられれば、チャンピオンズリーグ出場権を争うことができ、今までのように迷い続ければモイーズ監督の悪夢をなぞることになるということです。

戦力的には、アレックス・ファーガソン勇退以降で最強であるはずのマンチェスター・ユナイテッドに、何が起こっているのでしょうか。開幕3連勝の後、1勝3分3敗と低迷。プレミアリーグでは3試合連続ノーゴール。勝った試合は、ズラタン・イブラヒモヴィッチがゴールを決めた最初の2試合と、追加タイムにルーニーとラシュフォードで決勝点を奪ったハル・シティ戦、4-3-3にモデルチェンジしてマタとポグバが躍動したレスター戦のみ。4-2-3-1では、ズラタンが決めなかった試合は軒並み苦戦しています。勝利した4試合はすべてマタが先発出場しており、彼が欠場あるいは途中出場だった試合は1分3敗、得点2失点10。この4戦のうち3つはマンチェスター・シティ、リヴァプール、チェルシーで、モウリーニョ監督は相手が強いとみるとマタを外すものの、守りきれずゴールを奪えずで、さしたる成果なくゲームを終えています。

プレミアリーグとカップ戦において2点差以上で勝った試合は、ズラタンかポグバが決めており、例外は実力差があったEFLカップのノーサンプトン戦のみ。ポグバが2センターに入った試合は苦戦が多く、マルシアルは1ゴールと沈黙。攻撃陣で好調のラシュフォードはゴールから遠い位置でプレイしており、マタは出たり出なかったりで役割が定まりません。攻撃の戦術がなく、ワールドクラスの選手たちが個人力を発揮した時だけ勝てる状況。守備は悪くはありませんが、昨季まで窮地に立たされたチームを救ってきたデ・ヘアが神通力を発揮する試合は減っており、ストーク戦では追いつかれる原因となってしまいました。こういうときは、内容はどうあれ勝ち続けることが特効薬だったりするのですが、EFLカップのマンチェスターダービーを制した直後の大事なプレミアリーグで、マンチェスター・ユナイテッドは結果を出すことができませんでした。

CBをかわして右足を振り抜いたズラタンのシュートで始まったバーンリー戦。10分までにポグバ、マタ、ズラタンが次々とシュートを放つ一方的な展開ながら、シュートはことごとくGKの正面か枠の外で、ネットに突き刺さる期待感はありません。35分にアーフィールドが左サイドのワードを走らせたバーンリーのチャンスは、中が3対2となっており危険でした。流れたボールをボックスの外から狙ったグドムンドソンのダイレクトショットは、デ・ヘアがキャッチ。41分、ズラタンとポグバがきれいなワンツーで崩した決定的なチャンスは、エースのシュートをベン・ミーがヘッドでクリア。エレーラの完璧なクロスをヘッドで決めにいったリンガードは、GKヒートンのビッグセーブを見て頭を抱えます。

44分、右から仕掛けたダルミアンが倒れた問題のシーンは、VTRをチェックすると「ボックスの外からのFK」に見えます。これに激高したモウリーニョ監督は、ハーフタイムの抗議で退席となったと報じられました。厳しい状況に追い込まれているチームの指揮官が、優位に進めているイーブンのゲームでなぜこんな暴挙に出たのでしょうか。過去、何度も同じペナルティを受けている監督には、自らの行為の結果はわかっていたはずです。後半も、マン・ユナイテッドのペース。56分にはイブラヒモヴィッチが左サイドを突破し、マタにボレーを打たせますが、ヒートンが足でセーブ。こぼれ球を拾ったリンガードがポグバとのポストプレーから放った一撃は、体勢を立て直したGKがキャッチします。61分に右を攻略したエレーラがクロスをふわりと上げたシーンが、この試合最大のチャンスだったのではないでしょうか。ファーでノーマークだったズラタンがボレーの態勢に入った瞬間、目の前にはヒートン、ゴールマウスに5人のプレーヤー。思い切り打ったシュートは、GKの右手に当たって0-0は変わりません。

67分にマタのクロスをズラタンがヘッドで狙うと、高く舞ったボールはクロスバーにヒット。この直後、両足でタックルをしたアンデル・エレーラが2枚めのイエローで退場になってしまいます。37本のシュートは、ゴールに嫌われ続けました。87分のブリントのミドルは相手に当たってバーの上に跳ね、左から巻いて入れたポグバの素晴らしいクロスに、ファーで合わせたズラタンがゴール前2メートルを外すと、やがてタイムアップ。いちばん冷静でいなければならない人物が45分で職場を去ったチームは、本拠地オールド・トラフォードでゴールを決められませんでした。

シュートシーンでナーバスになるマンチェスター・ユナイテッドの選手たちに必要なのは、自信と余裕だと思います。監督の行為は、チームを動揺させることはあっても、発奮材料にはならないでしょう。2年前のファン・ハール監督は、7勝3分の快進撃中にアーセナルとリヴァプールに勝っています。次戦から同じペースで勝ち続けなければ、優勝はおろかCL出場権まで厳しくなるモウリーニョ監督のチームは、ここからの数試合を指揮官なきベンチで戦うことになりそうですが、ノルマを達成できるでしょうか。3週間先のプレミアリーグ12節にアーセナル、12月の頭にはトッテナムが待ち構えています。

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“【MAN.UTD×Burnley】監督退席、余裕なきシュートの山…マン・ユナイテッドのノルマは年内無敗!?” への5件のフィードバック

  1. シティふぁん より:

    バーンリーのGKが素晴らしかったです
    この夏の補強でユナイテッドは間違いなく優勝を争うと思ってました
    チャンスを作れてますしいい崩しもありました
    カップ戦でシティに勝ったユナイテッドでしたが
    やはり不調は続きそうですね

  2. kou より:

    更新お疲れ様です。今回は単調な攻撃に終始ということもなく運がなかった、相手の守備が良かったというのも仕方ないかもしれません。まあその台詞を取りこぼすたびに聞くから重みがないんですが。

    これで首位とは8ポイント差、CL圏とは7ポイント差、EL圏とすら5ポイント差となってしまいましたね。
    ユナイテッドにELは相応しくないという言葉が虚しく聞こえるようになってきました。

  3. トマト より:

    ヒートンはほんといいGKですね

  4. どど より:

    試合後、管理者様はどのように思われたのか、書くの辛いだろうなと思ってしまいました。

    ファーガソン以降、継続性のない補強にシステムでは、致し方ないのかなと
    ユナイテッドファンではありませんが、やはりユナイテッドには、絶対的なスカッドと強さを持っていて欲しいと改めて感じた試合でした。
    勝つ為の打開策はあるんでしょうか
    ニュースなどでは冬の移籍話で持ち切りですが、それまでにも試合ありますよね…

  5. makoto より:

    シティふぁんさん>
    ヒートンが素晴らしかったのは間違いないのですが、冷静さがあれば入ったんじゃないかなと思うシュートもありました。しばらくは厳しい時期が続いてしまうかもしれません。

    kouさん>
    マン・シティもGKステケレンブルクの大当たりににやられているのですが、「今は余裕がないので、それはやめてください」とお願いしたい気分でした。

    トマトさん>
    いいですね。残留の立役者になるかもしれません。

    どどさん>
    今季の補強は評価していました。ポグバとマタを中心にした4-3-3にすれば、相当よくなると思っているのですが…。

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