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【MAN.UTD×Arsenal】ラスト1分、ジルーの同点ヘッドでガナーズは執念のドロー!

いよいよ再開!プレミアリーグ12節最大の目玉カードは、マンチェスター・ユナイテッドVSアーセナル。メディアでは、「ヴェンゲル監督は、モウリーニョ、オールド・トラフォード、毎年停滞する11月という3つのハードルを越えられるのか」といった論調が多かったのですが、現状を冷静に見ると、この試合によりプレッシャーを感じているのはジョゼ・モウリーニョのほうではないでしょうか。「アウェイゆえにドローでもやむなし、いつも通り戦うだけ」のヴェンゲル監督に対して、「負けたら首位と最大11ポイント差、勝ち点3が絶対必要。負傷者が多いなか、攻めるか守るかを考えなければならない」のがマンチェスター・ユナイテッドの新指揮官という図式。最初の注目ポイントは、ホームチームのスタメンです。

GKデ・ヘア、DFバレンシア、フィル・ジョーンズ、ロホ、ダルミアン、MFポグバ、キャリック、エレーラ、マルシアル、マタ、FWラシュフォード。なるほど。キャリックとエレーラをセントラルに配した4-2-3-1でしょうか。アーセナルは、コクランとエルネニーを中央に置き、エジル、ウォルコット、ラムジーが2列め。トップにアレクシス・サンチェスといういつものフォーメーション。ベジェリンの代役はジェンキンソンです。ヴェンゲル監督がイオビとジャカでなく、ラムジーとエルネニーを起用したのはアウェイ仕様でしょうか。立ち上がりからホームチームが押しており、3分にはサイドに流れたラシュフォードがポグバの頭に合わせました。弱いシュートはクリアされたものの、ポグバがトップ下にいるマン・ユナイテッドが元気です。

13分、敵陣でインターセプトに成功したバレンシアが持ち込んで上げたクロスは中に合いません。ガナーズも、エジルの縦パスから折り返しのボールは出るものの、両者ともCBとセントラルMFが危険なエリアを埋めています。19分、またも相手の陣内でボールを奪ったマン・ユナイテッドは、ラシュフォードの素晴らしいクロスにポグバもマルシアルも触れません。24分にはアーセナルに久しぶりのチャンス。右からの攻撃のクリアを叩いたコクランのミドルは、ゴールの右に切れていきます。

中盤でのせめぎ合いが続き、シュートがなかったゲームは、35分に初の決定機が訪れます。ポグバの縦パスでムスタフィと入れ替わったマタが一瞬フリーとなり、ボックス手前から放ったシュートは右のサイドネットに一直線でしたが、読んでいたチェフが見事にセーブ。40分、右サイドでボールを奪取したホームチームは、短いパスをまわして左のマルシアルにつなげたものの、右足でカーブをかけたシュートはチェフがジャンプして上にクリアします。前半は0-0。マンチェスター・ユナイテッドの守備は寄せが速く、危険なスペースをつぶしているためエジルもアレクシス・サンチェスもシュートを打たせるパスを出せません。ガナーズの左サイドは、縦への脅威がないラムジーよりもイオビのほうがいいのではないでしょうか。1点を争う展開で、ヴェンゲル監督がいつ、どう動くのかに注目です。

後半に入り、押しているのはマンチェスター・ユナイテッド。シュートは相手のブロックに引っかかってしまうものの、ボールを奪われた直後の対応が速く、アウェイチームの反撃を許しません。53分のキャリックのミドルは左にアウト。直後にようやくウォルコットがワンツーで右から抜け出しますが、折り返しはフィル・ジョーンズが冷静にカットします。63分、先に動いたのはモウリーニョ監督。マルシアルを下げてルーニーを入れ、キャプテンがトップ、19歳は左サイドとなるようです。2分後にダルミアンをブリントにスイッチしたのは、サイドからの的確なクロスを期待したのでしょうか。完全にゲームを支配したホームチームは、ついに69分に先制します。右サイドに出たポグバが縦パスでエレーラを走らせると、ボックスに入ってダイレクトで入れたグラウンダーに合わせたのはマタ!左足でコントロールされたシュートは、右に飛んだチェフもさすがに触れませんでした。好調の司令塔が決めた今季プレミアリーグ3点めで、ゲームはいよいよ残り20分です。

73分、ヴェンゲル監督はエルネニーをジルー。相変わらず試合のイニシアティブを握っているのはマンチェスター・ユナイテッドです。80分のブリントのクロスはロホの頭にぴったりでしたが、うまく左隅に打てずにポストの外。ガナーズはここまで枠内シュートゼロ、後半はシュートが1本もありません。ヴェンゲル監督の勝負カードは、コクランをジャカ、ジェンキンソンをチェンバレン。モウリーニョ監督はマタを下げ、シュナイデルランで逃げ切りを図ります。

89分まで順調に試合を進めていたマン・ユナイテッドは、初めてのオンターゲットで同点に追いつかれてしまいました。入ったばかりのチェンバレンが右サイドでラシュフォードを抜き去り、ファーに浮かしたクロスを完璧に叩いたのはジルー!バレンシアは、いちばん危険な男のマークを外してしまいました。エジルは消え、ラシュフォードもルーニーも何もできなかったつぶし合いは、1-1のドロー。モウリーニョ監督は、ヴェンゲル監督の必死の采配に屈して最後の最後で勝ちゲームを落としました。

戦前、「勝つとすれば、0-0で後半まで持ちこたえて一発」と書かせていただいており、ラスト1分まで理想的な展開だったのですが、痛恨の失点を喫してしまいました。最終盤まで押していたゲームで切る3枚めのカードは、「攻撃を仕切っていたマタを下げてシュナイデルラン」ではなかったのではないでしょうか。下がりめの選手を入れたことで、それまで少なかった攻撃を受ける時間を増やしてしまったように思います。うーん、これは痛い。ウォルコットを抑え、エジルとアレクシス・サンチェスに横にしかボールを出させなかった守備は、いじらなくてもいいと思える出来だったのですが…。負けに等しいドローで終えたホームチームと、執念で想定内の勝ち点1に持ち込んだアウェイチーム。この結果は、双方にとって、今季のプレミアリーグの最終着地に影響を与えるぐらいに大きいかもしれません。

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“【MAN.UTD×Arsenal】ラスト1分、ジルーの同点ヘッドでガナーズは執念のドロー!” への11件のフィードバック

  1. むん より:

    アーセナル側から見たら本当に酷い試合でした。今季のプレミアでここまで何も出来なかったのは初めてではないでしょうか。それくらい、キャリックとエレーラのボランチが効いてました。エジルは今日何をしたっけ?苦笑

    審判の笛にも助けられ、この試合でポイントを取れたことが後々効いてくることを祈ります。

    個人的には、結果的に采配が当たったようになりましたけど、交代のタイミングが後手でした。アウェイなので仕方ないのかな。

    にしても、アーセナル戦のユナイテッドには本当にいつも感心させられます。普通に強いし笑

  2. queen より:

    失点後はもう無理だと諦めモードでぼんやり見てましたが、まさかのジルーでした。ユナイテッドファンの方々には気の毒な試合でしたね。
    最近ムスタフィがシーズン初め頃の調子より落ちている気がするのですが、気のせいであってほしいです。

  3. のこ より:

    勝ちたい試合でした。とても悔しいです。
    右のバレンシアが間に合ってくれたのがかなり助けになっていたと思います。開幕もベストコンディションに仕上げてきましたし、今シーズンは一味違いますね。すごい男です。

  4. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    ニュートラルな目線で観てましたが、やはりキャリックは必要ですよね。しっかり効いてました。モウも少しは考え直すのではないでしょうか。
    ガナーズ執念のドローですね。

  5. ヤンガナ大好き! より:

    ガナーズ、今期最悪の出来で完敗に近い引き分けでした。ツェフのビックセーブ連発がなければ間違いなく負けていました。ツェフには本当に頭が下がります。マンUはキャリック、エレーラが効いてましたね!それにしてサンチェスのコンディション、最悪でした。あのコンディションの中、スタメンで使った代償が高く付か無いことを祈ります。

  6. シティふぁん より:

    やはりキャリックは良いですよね
    ポグバも攻撃参加しやすくなりますし
    ユナイテッドが試合頭から攻撃的なのはあまりなかったと思います
    ユナイテッドからすれば勝てた試合だったでしょう

  7. yuto より:

    想像していた以上にアグレッシブな試合をしており、失点するまではモウリーニョ監督としても文句なしの試合展開だったでしょう。
    エジルはゴール前に顔を出せず、サンチェスはどんどん下がるばかりとキープレイヤーに仕事をさせなかったことは非常に良かったと思います。
    たらればになりますが、リーグ戦ホームで3試合連続ドローは内容も悪くない試合があるだけに、どこかひとつでも勝てていれば上向きそうなのにと感じる試合でした。

  8. りっきー より:

    ユナイテッドは中盤の底がよかった。ガナが負けると思ってました。サンチェスが強行出場と下がりっぱなしなら、前半最初からジルーだと思いました。

    —–
    アーセナルは後半が最悪でしたね。。。
    後半のあの流れでヴェンゲルが全く動かなかったことに苛立ちを感じました。
    ラムジーとエルネニーが試合に入れておらず早く変えてほしいと思って見てましたが結局点を取られてから後手後手になっておりジルーとチェンバレンに救われた試合でしたね。

    それとポグバはやっぱり怖かったです。あのフィジカルと突破力は全盛期のヤヤトゥレを思い起こさせました。

    とはいえやはり11月はやはりポイントが取れませんね。次のPSGとボーンマス戦はホームで戦えるので何とか勝って復調してほしいです。

  9. エジルのパス より:

    アーセナルが元気が無かった…の一言で言ってしまえば、そこまでですが、ユナイテッドがそれ以上に上回っていたのが事実ですね。

    モウリーニョも試行錯誤しながら形にしていっているんじゃなにかと感じました…

    やはりキャリックって良い選手ですね。エジルが心配です、笑。

  10. makoto より:

    むんさん>
    ラムジー起用が裏目に出ましたね。おっしゃるとおり、マンチェスター・ユナイテッドは、とにかくキャリックが効いていました。序盤戦で出さなかったのはなぜ?とツッコミたくなる出色の出来でした。

    queenさん>
    ムスタフィは、出足が鈍っていたように思いました。アウェイだから慎重だったのか、勤続疲労なのかは今後を見てみないとわかりませんが…。

    のこさん>
    よく間に合いましたね。彼がいてくれたので、さほどメンバーをいじらずに戦えましたね。大きいです。

    Mackiさん>
    以前から、キャリックがいるといないとでは勝率が大きく変わるぐらいのインパクトがありました。パスミスがほとんどないのが素晴らしいです。

    ヤンガナ大好き!さん>
    アレクシス・サンチェスは疲れていたのでしょうね。エジルが消えていたのは確かですが、彼ばかりを責められないと思います。

  11. makoto より:

    シティふぁんさん>
    ラシュフォードは抑えられましたが、今季最高の出来でした。残念です。

    yutoさん>
    ストーク戦が痛かったですね。救世主デ・ヘア出動が減っているのも停滞の理由のひとつ…いや、逆ですね。昨季まではデ・ヘアにさんざん助けられており、「実質6~8位のチーム」だったのかもしれません。

    ジウベルトさん>
    ラニエリ、ペップならハーフタイムに動いていたかもしれません。我慢できるのはヴェンゲルさんのいいところでもあるのですが。

    りっきーさん>
    変えたいところが3つ以上あったので、見極めが難しかったのではないでしょうか。守れてはいたので、「終盤1点勝負」と腹をくくっていたようにも見えました。

    エジルのパスさん>
    キャリック、いいです。エジルの沈黙はわかりませんね。1年前の対戦では完全に呑まれたのですが…。

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