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【Middlesbrough×Chelsea】6試合連続無失点!ジエゴ・コスタの一発でチェルシーが首位奪取!

GKクルトワ、CBケーヒル、ダヴィド・ルイス、アスピリクエタ。ウイングバックはマルコス・アロンソとヴィクター・モーゼス、セントラルMFにカンテとマティッチ。ペドロ、ジエゴ・コスタ、アザールが前線に並んだチェルシーの3-4-3は、今やプレミアリーグ最強の布陣です。12節の相手は、守備力に定評があるミドルズブラ。リヴァーサイド・スタジアムでの一戦の注目ポイントは「クリーンシートで5連勝中のチェルシーが、無失点記録を6に伸ばすか」「アーセナルとマンチェスター・シティ相手にドローに持ち込んだボロが、コンテ監督のチームから勝ち点を奪えるか」です。好調だった左SBフレンドを負傷で失ったカランカ監督は、ファビオを起用。バラガン、チャンバース、ギブソンが揃う4バックは、アザールとペドロの中央への侵入をケアしなければなりません。

開始早々、ロングボール1本でガストン・ラミレスが抜け出しかけたボロが積極的に攻めています。5分、自陣左からの縦パスで、ガストン・ラミレスがサイドを突破。中のデローンがフリーでしたが、パスはやや後ろに出てしまい、時間がかかったシュートは戻ったチェルシーの守備網に捕まります。慎重だったチェルシーは、10分を過ぎると前線からの厳しいチェックと縦への素早いフィードが目立ち始めます。アザールやヴィクター・モーゼスがサイドで優位に立つシーンはあるものの、ラストパスが中に通らず。17分、右サイドからアザールとのコンビでボックスに入ったモーゼスの左足シュートは、DFに当たって枠に届きません。

25分、ペドロが前線のアザールに斜めのボールを通し、ダイレクトの落としにジエゴ・コスタが走ると、勇敢に飛び出したヴィクトル・バルデスがスライディングでクリア。2分後、スルーパスからヴィクター・モーゼスが抜け出し、完璧な折り返しにペドロが合わせた決定的なボレーも、守護神が指先で弾き出すビッグセーブを披露し、先制を許しません。36分、ボロのチャンス。右から縦に突破したアダマ・トラオレの速いクロスをダヴィド・ルイスがクリアすると、拾ったバラガンがファーに浮かしたボールは、ネグレドのヘッドが枠を捉えられません。反撃に転じたチェルシーは、アザールのパスを右に出たジエゴ・コスタがダイレクトで落とし、ペドロがボレー。リバウンドを受けたカンテがマルコス・アロンソにつなぐと、強烈な左足シュートはヴィクトル・バルデスのセーブに阻まれます。

ここまではよく守っていたボロは、41分のCKの競り合いで浮いたボールを見失ってしまいました。落下点にいち早く入ったのは、抜け目ないジエゴ・コスタ。DFの間を確実に通した左足ボレーは、早くもプレミアリーグ10発めです。前半は0-1。勝てばプレミアリーグ首位に浮上するコンテ監督のチームは、いつも通りの安定感でゲームを支配しています。今季3ゴールのストゥアーニがいないボロは、サブの選手を投入してもゲームの流れを変えられないかもしれません。ネグレドにハイボールを集めるなど、チェルシーの3バックが嫌がることを徹底するのが、ゴールへの近道なのではないでしょうか。

後半の立ち上がり、いきなりチェルシーに決定機が訪れます。ヴィクター・モーゼスのクロスをアザールが左に展開すると、マルコス・アロンソが左足を振り抜き、右隅を襲ったボールはヴィクトル・バルデスが体を伸ばしてセーブ。こぼれ球にはチャンバースが先着し、ピンチを脱します。52分のガストン・ラミレスの直接FKは壁にヒット。ボロはこういうチャンスを活かしたいところです。55分、右からのアダム・クレイトンのパスをネグレドが絶妙なスルー。一瞬空いたガストン・ラミレスは、左足のシュートを打ち上げてしまいました。ゲームはいつしかボロのペース。時折高いクロスが上がるのは、クルトワの目の前です。

63分、ダヴィド・ルイスの攻め上がりからチェルシーが久しぶりに決定機を創りました。右から上がったCBのロングクロスをジエゴ・コスタがヘッドで落とすと、走り込んだペドロの丁寧なインサイドボレーはクロスバーを叩きます。2分後、ジエゴ・コスタが縦に通したスルーパスでヴィクター・モーゼスがバルデスと1対1になりますが、GKをかわしきれずに放ったシュートは左にアウト。ボロの中盤は下げられてしまい、マルコス・アロンソとヴィクター・モーゼスは敵陣深くに張り付いています。カランカ監督は、70分にファビオをダウニング、3分後にアダム・クレイトンをヴィクトル・フィッシャーで勝負。75分にカンテの珍しいミスパスをさらったアダマ・トラオレは、バーの上に抜けていった自らのシュートの弾道を見て頭を抱えています。

78分のボロのカウンターは、成就するかに思われました。左からドリブルで上がったアダマ・トラオレに誰も当たれず。右に流したパスをもらったネグレドのワントラップボレーは、クルトワが左に飛んでビッグセーブ!残り10分、この展開でもコンテ監督はペドロに代えて若いチャロバーを起用しました。86分にダヴィド・ルイスが狙ったFKは、うまく落とせずにバーの上。残り2分になって、コンテ監督はヴィクター・モーゼスをイヴァノヴィッチ。カランカ監督はフォーショーをレッドビターです。92分、アザールが下がってオスカル。セスクには今日も出番はありません。前節のマンチェスター・シティは追加タイムにデローンにやられましたが、チェルシーの守備陣に隙はありませんでした。3-4-3にシフトしてから1ゴールは最少ですが、クルトワのセービングがたった1回のクリーンシートなら問題はありません。6試合連続の無失点勝利で、チェルシーがプレミアリーグ首位に躍り出ました。

敗れはしたものの、ボロはよく戦ったと思います。ジャーメイン・デフォーのように、少ないチャンスを確実に決めてくれるストライカーがいれば、勝ち点1でゲームを終えられていたのではないでしょうか。勝ちきったチェルシーは、ボールを奪われるとすぐに取り返しにいく守り方を徹底しており、縦に出されても対峙したカンテやDFがしっかりディレイさせ、カウンターのリスクを最小限に抑えていました。ジエゴ・コスタの勝負強さは健在。こういう試合で勝ち点3をゲットできるチームが、順位テーブルのいちばん上にいるのは納得です。次の相手は未だプレミアリーグ無敗のスパーズ。調子が上がってきたハリー・ケインと安定感抜群の青い3バックはどちらが勝つのか、今から楽しみです。(ジエゴ・コスタ 写真著作者/Aleksandr Osipov)

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“【Middlesbrough×Chelsea】6試合連続無失点!ジエゴ・コスタの一発でチェルシーが首位奪取!” への3件のフィードバック

  1. nori より:

    クリーンシートでの勝利は羨ましいですね
    チームがよくまとまって完成度が高く安定性もありますね
    シティもなんとか優勝争いに加わって欲しいですが
    下とも勝ち点が近くて油断なりません

    —–
    迫力ある攻めを展開していたものの、ボロの好守で決定機は少なかったように思います。そんな中でも試合決めてくれたコスタに感謝。逆にラミレス、トラオレの突破に何度か裏を突かれていたので、フィニッシュ次第ではわからない、カップ戦のような緊張感のある良い試合でしたね。
    チェルシーは代表疲れもあるのか後半のガス欠とミス、交代メンバーが馴染めていない感じが気になりました。CLがないので今季は踏ん張れそうですが、徹底した攻守切替とプレスによる肉体と集中力の疲労が固定メンバーに蓄積する後半、どんなチームになるのか今は期待を持って見守りたいと思います。

  2. 雨好 より:

    更新お疲れ様です。

    クリーンシートで終われたものの最近勝った試合の中では一番ヒヤヒヤした戦いで、あの状態でよく勝てたと思います。試合を通して疲労感が全体から出ており、決めきれていた決定機もバーにやられる等ドローでもおかしくない内容でした。コスタ様様です。
    そして、ボロはトラオレが本当に凄いの一言でした。足元がもう少し上手くなれば確実に活躍出来そうだと…少しチェルシーに合いそうな選手だと思いました。

  3. makoto より:

    シティふぁんさん>
    完成度高いですよね。ストップアンドゴーに迷いがありません。

    noriさん>
    後半はやや疲れてましたね。それでもクリーンシートなので、「強い!」のひとことですが。

    雨好さん>
    ペドロの2発のどちらかが決まっていれば楽でしたね。ジエゴ・コスタに停滞期が訪れたとき、どうやってゴールを奪うのかに興味があります。

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