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【Crystal Palace×Chelsea】またもジエゴ・コスタの一発!チェルシーは3試合連続の1-0で11連勝!

ペドロをウィリアン、以上。コンテ監督がプレミアリーグに持ち込んだ戦術メモには、ターンオーバーという言葉は書き込まれていないのかもしれません。前半戦も残り3試合となる17節、セルハーストパークで行われるのはクリスタル・パレスとチェルシーの一戦です。プレミアリーグ10連勝、2位に勝ち点6差をつけたコンテ監督のチームは、15位ながら得点28でリーグ5位につけているクリスタル・パレスの猛攻をかわせるのでしょうか。パーデュー監督が選んだスタメンは、トップにベンテケ、中盤にはパンチュン、マッカーサー、ザハ、レドリー、キャバイェ。イングランド代表のタウンゼントこそベンチにいるものの、攻め勝つ気満々のラインナップです。アザール、ジエゴ・コスタ、ヴィクター・モーゼス、マルコス・アロンソ、カンテ、マティッチらいつもの顔ぶれを揃えた白いユニフォームのチェルシーは、慎重にゲームに入っています。

左サイドのウォードとパンチュンが縦に突破できる隙を窺い、ベンテケやザハにフィニッシュさせようとするクリスタル・パレス。ダヴィド・ルイスが飛び出すとマルコス・アロンソが中に絞ってアタッカーをケアするチェルシーの中央の守備は万全です。9分、アザールとジエゴ・コスタのワンツーはリターンに足を出され、カンテの敵陣でのインターセプトから仕掛けたショートカウンターは、左へのパスを読んだキャバイェがスライディングで止めました。10分過ぎからギアを一段上げたチェルシーは、左右からクロスを上げてホームチームを揺さぶりますが、精度が低くことごとくDFにはね返されます。17分、正面からのFKは、壁の足元を狙ったダヴィド・ルイスのキックがディフレクションでCK。プレミアリーグ17位の31失点と脆いホームチームの守備陣は、何とか耐えています。

20分、クリスタル・パレスが逆襲に転じ、右からケリーがグラウンダーを入れるも、中に入ってきたパンチュンがミートできません。この直後、ジエゴ・コスタがやってしまいました。後ろからレドリーを引っかけ、イエローカードをもらって次のボーンマス戦は出場停止です。チェルシーの速攻に対するクリスタル・パレスの戻りは速く、38分のアスピリクエタのミドルは浮いてしまいました。40分、ボックス手前やや右でザハがマルコス・アロンソを誘って得たFKは、パンチュンのシュートがバーのすぐ上にアウト。ここまでストライカーに勝負させられなかったチェルシーは、43分の最初のチャンスで先制しました。

アザールのパスを右サイドで受けたのは、攻め上がったアスピリクエタ。狙い澄ました逆サイドへのアーリークロスは、走り込んだジエゴ・コスタにぴったりでした。ヘディングシュートがGKヘネシーの左手の先を越え、ゴールラインの向こうに落下します。前半はこのまま0-1。ベンテケにシュートがないまま45分を終えてしまったホームチームは、後半はリスクを冒して攻めなければなりません。

47分、前線で競り合ったこぼれ球をキャバイェが拾い、右からニアを狙ったミドルシュートはクルトワがセーブ。ヴィクター・モーゼスのクロスにファーから飛び込んだマルコス・アロンソは、左足を伸ばすも打ち切れませんでした。50分にボックス手前まで上がったカンテの右足は、ヘネシーがセーフティを期して前にパンチ。前半よりもゴール前での攻防が増え、スリリングな展開です。クリスタル・パレスは、55分過ぎから徐々にゲームを支配し始め、ベンテケにボールを集められるようになりました。64分、ウィリアンに代わってセスク登場。プレミアリーグ4試合連続出場となった4番は、入って早々にボックス右を完全に崩しますが、ゴールライン際からの速い折り返しはマルコス・アロンソが枠に押し込めませんでした。

おとなしかったアザールが左から突破に成功した70分のチャンスは、ラストパスを受けたセスクの左足シュートがヘネシーの正面にいってしまいます。72分、速攻からジエゴ・コスタが右に流れたアザールに預けると、落としを受けたヴィクター・モーゼスがカンテに流し、クロスに素晴らしいシュート。右に飛んだヘネシーが何とか触ったものの、チェルシーのシュートが増えてきました。マルコス・アロンソの強烈なシュートもGKがセーブ。77分、パーデュー監督はパンチュンを下げ、タウンゼントで勝負です。ヴィクター・モーゼスがイヴァノヴィッチに後を託すと、パーデュー監督はキャバイェをフレイザー・キャンベルに代えて、ベンテケと2トップを組ませます。

84分にマルコス・アロンソが蹴った直接FKはクロスバー直撃。1分後にマルコス・アロンソがジエゴ・コスタにクロスを合わせると、こぼれたボールに右足を振り抜いたセスクの一撃は、ヘネシーが足でブロックします。クリスタル・パレスはサイドを攻められなかったのか。ベンテケにハイボールを入れるか、中に斬り込んでミドルを狙うしかなかった攻撃は、堅牢な3バックにつかまってしまい、クルトワを慌てさせることはできませんでした。1点を守り切ったチェルシーは、プレミアリーグ11連勝。2008-09シーズンから翌シーズンにまたがって記録したクラブレコードに並びました。

正確なクロスを通したアスピリクエタ、6試合の1点差勝利のうち5発の決勝ゴールを叩き込んでいるジエゴ・コスタはもちろん素晴らしかったのですが、MVPは断然マルコス・アロンソです。疲れしらずの上下動でたびたびゴール前に現われ、クロス、ミドルシュート、ゴール前への飛び出し、直接FKと、何度となく決定機を創っていました。セスクが試合を重ねるごとにフィット感を高めているのも収穫で、さほど危険なシュートを打たせていないCB陣と2センターもよくやっていたと思います。ジエゴ・コスタに続いてカンテもイエローカード5枚で次戦を失ったのは痛手ですが、ズマかダヴィド・ルイスを中盤に上げれば守備力が格段に落ちることはないでしょう。

クリスタル・パレスは健闘しましたが、終盤にパーデュー監督が勝負を賭けた2トップは空振りに終わりました。サイド攻略にこだわって横からベンテケに合わせるボールを執拗に入れられれば、もっとチャンスを創れたのではないでしょうか。それにしても、堅い、チェルシー!3月に4つ連続の1-0を決めて優勝に近づいた昨季のレスターを思い出させる3試合連続の1-0です。スコアレスドローで終わらず、追いつかせずの勝負強さは、プレミアリーグを制するチームにしか見えません。(セザル・アスピリクエタ 写真著作者/Aleksandr Osipov)

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“【Crystal Palace×Chelsea】またもジエゴ・コスタの一発!チェルシーは3試合連続の1-0で11連勝!” への5件のフィードバック

  1. blue より:

    更新お疲れ様です
    ここ数試合2点目がとれないのは気になりますが11試合で2失点は素晴らしいですね
    あとやはりセスクがピッチにいると攻撃が活性化されてチャンスが増えるので重要な選手だと改めて思いました
    次節攻守の要がいないのは痛いですが誰を使うのかどんなシステムでいくのか楽しみです

  2. nori より:

    素早い更新お疲れ様です。
    ゴール前を固められる対策はきついですが、90分間のどこかに現れるほんの僅かな綻びにアタックできる辺り、勝負に必ず勝つメンタリティを感じます。次節、替えの効かない2人の欠場がどう変化をもらたらすのか、楽しみです。

  3. トーレス より:

    毎回楽しみに記事を読ませていただいています。
    厳しい時期に1-0で勝つというのが
    強いチームの証拠ですよね。
    黄金時代のマンUを見てるようです。
    リーグ戦は余程の戦力差がなければ
    守備がしっかりしてるチームのほうが
    優勝可能性が高いと思います。
    極度の主力依存は気になりますが
    長期離脱さえなければこのまま行きそうですね。
    リバプールファンとしては
    冬の補強をちゃんとして守備を立て直し
    今1度盛り上げて欲しいです。

  4. 雨好 より:

    更新お疲れ様です。
    とうとうカード累積が来てしまいました。パレス戦で躍動していた2人が消えるのは痛いですね。2人にはしっかり休んで貰うとして中盤はセスク、マティッチでしょうが、コスタの代わりに無難にバチュアイなのか奇策でアザールトップなどなのか。そもそも3バック継続?コンテはどう選手を使ってくるのか今から非常に気になります。

  5. makoto より:

    blueさん>
    堅いです。セスクとマティッチは、相手によってスイッチしてもいいかもしれません。

    noriさん>
    ジエゴ・コスタ不在が激痛ですね。両ウイングの奮起に期待です。

    トーレスさん>
    ありがとうございます。チェルシー、レスターと堅守の優勝が続いていることもあり、今季はレッズやスパーズのようなチームに暴れてもらいたかったのですが、チェルシーが圧倒的優位にみえますね…。

    雨好さん>
    アザールトップのほうがおもしろそうですが、バチュアイがスターターで、ゴールが奪えなければ前線を動かすのではないでしょうか。

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