イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Chelsea×Bournemouth】速攻止まらず…3-0快勝のチェルシーは、クラブレコードの12連勝!

累積警告で出場停止となったジエゴ・コスタとカンテの欠場は、試練でも何でもありませんでした。強い、チェルシー!プレミアリーグ18戦15勝。リヴァプール相手に4発決めたボーンマスは、簡単に勝てる相手ではないと思われましたが、3戦連続で1ゴールに留まっていたチームは、得点力が落ちているという声を払いのける3-0快勝。プレミアリーグ12連勝はクラブレコードです。

ペドロ、アザール、ウィリアンの3トップとセスク、マティッチのセンターは、サポーターの多くが「予想通り」とうなずいた布陣でしょう。5分、自陣でのFKをセスクがクイックに前線に送り、ペドロがゴールに迫ったシーンは速攻チェルシーの真骨頂です。11番には、序盤からゴールの匂いが漂っていました。15分、ウィリアンのパスを受けて左足で狙ったアザールのミドルは、ボルツがキャッチ。元セインツのベテランGKは、一瞬の隙を突いて直線的にゴールに迫ってくるアタッカーたちに、息が抜けません。17分、ドリブルでボックスに侵入したのはマティッチ。彼のアグレッシブな攻め上がりは、モウリーニョ時代には多くはなかった有効なオプションです。19分にアザールのスルーパスで縦に走ったのはヴィクター・モーゼス。ウイングバックに抜擢された快足アタッカーの突進は、あと1歩早ければ決定機でした。21分、ドリブルで中央から上がったアザールは、左のペドロを使いました。切り返しから右隅を狙ったシュートは枠を外れますが、3分後、彼の一撃でチェルシーが先制します。

アザールからの縦のボールを受けたセスクは、最終ラインに張っていたペドロに柔らかいショートパス。振り向きざまに左足を振り抜いたペドロのコントロールショットは、ダイビングしたボルツの手に先を越えて、ゴール左に吸い込まれました。ボーンマスの反撃は27分。ウィリアンをかわして右足で打ったジャック・ウィルシャーのシュートは、右手を伸ばしたクルトワのビッグセーブに阻まれます。30分、ウィルシャーに置いていかれそうになり、たまらずファールで止めたセスクのプレイに、カンテ不在の弱さを感じました。チャーリー・ダニエルズが右に浮かしたFKをマティッチがヘッドでクリアすると、落下点にいたウィルシャーが強烈なボレー。アスピリクエタの足に当たってポストの外に逸れたのは、幸運以外の何物でもありませんでした。アザールやペドロが仕掛けるチェルシーの速攻は冴えているものの、フィニッシュが決まらず、勝負はまだまだわかりません。

36分にセスクがカーブをかけて狙った直接FKは、クロスバーをかすめてわずかに外。ここからのチェルシーは縦を急ぎ過ぎ、ゴールに迫れません。前半を1-0で折り返したプレミアリーグ首位チームが、待望の追加点を奪ったのは49分でした。ウィリアンから始まった速攻。セスクのパスを受けて左から縦に突破を図ったアザールを、サイモン・フランシスが引っかけてしまいます。10番が自ら蹴ったPKが右隅に転がり、2-0。今のチェルシーをこのスコアからひっくり返せるチームはないでしょう。53分、ウィリアンのパスを左サイドでもらったアザールは、中に斬り込んでシュートを放つも右に逸れ、目の前を横切ったボールにペドロは触れず。58分の速攻も自陣でボールを奪ったウィリアンが起点。左でボールを受けたアザールがボックス手前でウィリアンに戻すと、ダニエルズのチェックをかわして放ったウィリアンのシュートはボルツが体を張ってセーブします。ショートコーナーからアザールが左をえぐり、折り返しをフリーで狙ったヴィクター・モーゼスの強烈な一撃はわずかに左。チェルシーは、攻めながら着実に時間を遣っています。

ボーンマス最大の決定機は、73分にダヴィド・ルイスをかわして裏に抜けたアフォベのシュートでした。この速いスルーパスこそ、ジャック・ウィルシャーです。クルトワと向き合ったアフォベは、GKの泣き所である脇を抜こうとするも、鋭い出足でコースを塞いだ守護神に足でブロックされてしまいます。ダメ押しの3点めは93分。自陣でジョーダン・アイブからボールを奪ったペドロが単独で持ち込み、フェイントを入れて放ったシュートは、コースに入ったクックにヒットしてGKの動きと逆に転がってしまいました。3-0の完勝は、前線のスピードもさることながら、マティッチの献身的な上下動とクルトワの的確なセ-ビングが光った試合でもありました。

いやー、止まりません。次節、大みそかにウェストロンドンに来るストークは、リヴァプールに大敗したばかりでサプライズを起こすとは思えません。年明けのトッテナムが無理なら、1月末のリヴァプールか。チェルシーの連勝をストップするチームが見えなくなってしまいました。プレミアリーグ以外もカウントしていいなら、8日のFAカップ3回戦でスタンフォード・ブリッジに乗り込んでくるリーグ1(3部相当)のピーターバラがおもしろそうです。今季のプレミアリーグは、近年まれにみる独走優勝となるかもしれません。狙いめは、ダヴィド・ルイスの裏かケーヒルの外でしょうか。フィルミーノ、マネ、アレクシス・サンチェス、ウォルコット…?

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“【Chelsea×Bournemouth】速攻止まらず…3-0快勝のチェルシーは、クラブレコードの12連勝!” への8件のフィードバック

  1. nori より:

    危ないシーンもあるので勝運も引き寄せている気がしますが、負ける気がしないメンタリティを感じます。
    最近神がっているクルトワの来季の話が出てきましたが、今のチームクオリティでのCL挑戦を見たいですね。

  2. 黒船 より:

    スパーズ、シティ戦で劣勢のなか勝ちを手繰り寄せ、1ー0の接戦をものにし続けてきたチェルシーは優勝するクラブにしか思えません、他クラブのサポ的にはそろそろ勘弁して欲しいところなのですが… あとあの守備力はすごいですね、シティ戦では攻略できるじゃないかと思ったのですが他のクラブはなかなか得点を奪えません プレミアの監督さんたちが5バックに慣れていないとかがあるのかな?makotoさんはどうお考えですか?

  3. makoto より:

    noriさん>
    おっしゃるとおり、今のチームでCL戦うところがみたいですね。相当いいところまでいけるのではないでしょうか。

    黒船さん>
    明確な狙いをもってコンテチェルシーと戦っているチームが少ないという印象です。どこかが攻略に成功すれば、後に続くチームが出るかもしれませんね。

  4. おはむ より:

    レーブが取った戦術のように、コンテには3バックが効きますが…今のプレミアで柔軟に3バックに戦術変更できるチームはシティぐらいでしょうか、しかしシティとチェルシーの勝ち点が3以上離れてるので、今年はチェルシー独走ですかね。

  5. おはむ より:

    コンテも3バック対策は慣れてると思いますよ。
    4~5年前はセリエは大半のクラブが3バックシステムだったし。

    —–
    彼が慣れているとしても、クロップが調子の良かったドルトムントで苦戦した例のように、やはり対策されてしまえば、うまくいかないものです。
    実際に、ユベントスやイタリア監督時代では、対策を取ってきた相手に100%の力を出せない事が多かったです。
    加えて、圧倒的な戦力を持ったユベントスと上々の戦力を持ったチェルシーを同じ目線で見るのは、間違っていると思います。
    最後に、近年のフットボールでは戦術の流行が非常にわかりやすいです。 バルサのパスサッカーが流行り、その対策にゲーゲンプレスが流行り、今はコンテ式3バックが流行り初めて来ていると思います。
    なので、慣れているだとかは関係無い話だと思います。次のコンテ式3バック対策の戦術をするチームが増えてくると過去から少なくとも、予想できますよね。

  6. ジャカジャカ より:

    いつも楽しく拝見させてもらってます。
    考え方は色々ありますが、そうやって対チェルシーの対策を打てば、今度はそのチームの本来のサッカーが出来なくなる。。。対策に溺れると今度は自滅の道が待っている。 という事ですね。
    それに正直このサッカーが流行るとは思いませんがね。流行ってる訳ではなく、対策のひとつでここ何試合かのチェルシー相手がミラーをやってるだけだと思います。
    自己主張やプライド高い監督ばかりですから、ね。このリーグは。

  7. 雨好 より:

    更新お疲れ様です。

    勝ちましたがカンテ不在は大きかったと思う試合でした。スピードに乗った相手の対処は難しいですがウィルシャーにあれだけ自由に縦へ行かせてしまうと上位陣相手には厳しいですね。クルトワが冷静に対処してくれたので非常に助かりました。モーゼスは疲労からかコンディションをやや落とし気味なのが気がかりです。またオスカルの移籍は残念ですが、ナインゴランやケシエ等の噂があります。冬でセンターラインを補強。あとはアイナやチャロバ等の若手にWBの経験をさせれば盤石と思います。二人とも少ない時間ですが、しっかりプレーしてくれたのでこれからが楽しみです。

  8. makoto より:

    おはむさん>
    コンテ監督のユーヴェ3年めは任期中最多の勝ち点102で、ユーロで負けたのはそもそも強いドイツですので、「対策されて100%の力を出せない事が多かった」というお話には違和感があります。また、「コンテ式の3バック」が流行るかどうかはわかりません。チェルシー監督就任当初は4-2-4を試していた監督は、戦力次第で後ろを4枚に戻すかもしれませんし、3バックを導入しているチームは現状、あくまでもオプションです。「あるシステムが流行ってメインストリームになり、対策がなされ、取って代わる別なシステムが導入される」というサイクルは短くても3年はかかるもので、半年や1年でまわるものではないのではないかと思います。

    鬼さん>
    単純に3バックのチーム相手に戦うという経験は豊富ですよね。「相手が3バックだと苦しむ」というシンプルな話なのかどうかも、もうしばらく見てみないとわかりません。

    ジャカジャカさん>
    クロップ監督、モウリーニョ監督は4-3-3、ペップとポチェッティーノ監督は3と4の併用で、ヴェンゲル監督はゼロトップ導入。どういうスタイルが主流になる(あるいは複数のスタイルがパラレルで使われ続ける)のかは、後半戦も引き続きウォッチしていきたいと思います。私も、コンテ監督の現在のスタイルがプレミアリーグ全体に広がることはないのではないかと思っています。

    雨好さん>
    サポーターゆえのご懸念をお持ちなのだと思われますが、第三者的には「相当強いな」と脱帽する勝ち方でした。中央を補強されたら、さらに強くなりそうですね。

    —–
    3バックを導入しているチームは現状、あくまでもオプションです。

    3バックを導入しているチームは現状、あくまでもオプションというチームが過半です。

    すみません。言葉が抜けました。

makoto へ返信するコメントをキャンセル