イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【West Ham×MAN.UTD】モウリーニョ采配が的中!マタのボレーで10人のウェストハムに完勝!

選手層の厚い両チームは、プレミアリーグ名物のタイトなスケジュールをどう克服するのでしょうか。後半戦最初のゲームとなった、オリンピックスタジアムのウェストハムVSマンチェスター・ユナイテッド。直近の12戦を9勝3分、プレミアリーグ5連勝中のマン・ユナイテッドにマイケル・キャリックが帰ってきました。GKデ・ヘア、DFはバレンシア、フィル・ジョーンズ、ロホ、ダルミアン。キャリックの左右にはポグバとエレーラ、リンガードとムヒタリアンが両サイドに入り、トップにはイブラヒモヴィッチです。パイェ、フェグリを前線に置いたウェストハムは、最近の好調ぶりを確認するかのように立ち上がりから攻勢です。7分、ゴール正面から右に持ち出したパイェがミドルを放つと、10分にはノルトヴェイトを起点とした中央突破。パイェのパスを受けたランシーニの右足は、フィル・ジョーンズを巻いて右隅に届きますが、デ・ヘアが指先でセーブしました。アウェイチームは、失点を避けることが最優先とでもいうように慎重にボールをまわしています。

15分に、試合の展開を左右するような事件が発生しました。スライディングでフィル・ジョーンズの足をさらったフェグリが一発レッド。攻撃のキーマンを失ったビリッチ監督は、戦い方の変更を余儀なくされます。19分、ムヒタリアンやダルミアンが次々とクロスを放り込む波状攻撃は、ランドルフにキャッチされて終わりました。ハマーズの中盤のチェックが厳しく、ポグバは定位置の左インサイドから前に出ていけません。圧倒的なポゼッションながら、足元へのパスに終始していたマンチェスター・ユナイテッドは35分に決定機を迎えます。イブラヒモヴィッチが右から入れたクロスは、ゴール前を横切りファーのムヒタリアンへ。ダイレクトで折り返したボールをプッシュしたバレンシアのボレーは、ランドルフがラインすれすれで弾き、フォローしたリンガードのキックはポストに当たってGKの懐に収まってしまいます。

44分、クヤテの素晴らしいインターセプトから、ハマーズが久々のチャンスを創ります。右のマイケル・アントニオが速いボールを中央に通すと、フィル・ジョーンズを左右に揺さぶったランシーニがインフロントでカーブをかけたシュート。ゴール右上に向かったボールは、デ・ヘアが飛んで外に弾き出しました。前半は0-0。マンチェスター・ユナイテッドにシュートを3本しか打たせなかった、ハマーズ守備陣の冷静な対応が印象的な45分でした。モウリーニョ監督は、ハーフタイムにダルミアンをマタにチェンジ。ロホが左、キャリックCB、アンカーにエレーラという布陣です。

後半も敵陣で試合を進めるマンチェスター・ユナイテッドは、左右からのクロスがことごとく味方に合いません。53分、ハマーズが右サイドでFKを得ると、パイェの素晴らしいボールがマイケル・アントニオの頭を捉えますが、当たりが薄く左に外れてしまいます。モウリーニョ監督は、縦へのドリブルを封じられていたリンガードを下げて、ラシュフォードを投入。60分、自陣でボールをロストしたマンチェスター・ユナイテッドはラインコントロールが乱れました。ドリブルで上がったランシーニがスルーパスを出す瞬間、バレンシアが迷ってしまい、マイケル・アントニオの飛び出しに旗は上がらず。しかし1対1のチャンスは、的確なダッシュでコースを塞いだデ・ヘアに軍配が上がりました。アウェイチームに先制ゴールがもたらされたのは、この直後です。左サイドでロングボールを受けたラシュフォードが縦に勝負。マイナスのグラウンダーをボレーで叩き込んだのは、いいタイミングでニアに入っていたファン・マタ!0-1とすると、モウリーニョ監督はムヒタリアンをスモーリングに代え、セーフティな戦い方に舵を切ります。

残り20分、ビリッチ監督はパイェを諦めアンディ・キャロル。76分、またもラシュフォードが左サイドを完全に崩しますが、フリーだったポグバのボレーは右に外れてしまいます。76分のカウンターは、ズラタンが右に流したボールをラシュフォードが右足で狙うもランドルフの正面。2点めがほしかったマン・ユナイテッドは、78分に幸運な形で勝負を決めました。ミドルシュートをオグボンナに止められたエレーラは、諦めずに詰めてオビヤングのパスをカット。このボールがズラタンの足元に入り、右足一閃、プレミアリーグ13発めです。前節、スパイクの裏で合わせたボレーを厳しいジャッジで取り消されたエースは、明らかなオフサイドポジションを咎められませんでした。

ラシュフォードは、85分にも左サイドを崩してファーから走り込んだエレーラに絶妙な浮き球を通します。ボレーはランドルフがとっさに出した左足に阻まれましたが、ゴールシーンに負けず劣らず決定的でした。交代選手2人で先制点を挙げるなど、モウリーニョ采配がピタリとはまったマンチェスター・ユナイテッドがクリーンシートで完勝。相手が10人になる幸運はあったものの、ラシュフォードが入ってから左サイドを執拗に突いた攻撃は見事でした。そしてもうひとり、疲れを感じさせないプレイで中盤を活性化したエレーラもリスペクトしたいと思います。彼の存在は、チームに欠かせないものとなりました。戦術浸透に時間がかかりましたが、今の4-3-3はベストチョイスで、守備におけるイージーミスが減れば、チェルシー相手でも充分戦えるのではないでしょうか。

FAカップ、EFLカップ、プレミアリーグのリヴァプール戦と忙しい日々が続きますが、ホーム3連戦は全勝で乗り切ってもらえればと思います。優勝となるとチェルシーのコケ待ちですが、2位リヴァプールとの勝ち点差5は射程圏内です。(ファン・マタ 写真著作者/ Станислав Ведмидь)

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“【West Ham×MAN.UTD】モウリーニョ采配が的中!マタのボレーで10人のウェストハムに完勝!” への5件のフィードバック

  1. グッチ より:

    レッズサポとしては「先月当たりたかった」。これに尽きます。戦力の見極めを済ませてきたユナイテッドにOTでぶつかるのは厄介極まりないです。こうなった以上は全力でぶつかった上で、他の青いチームを纏めて潰してくださいって感じですね(笑

  2. 雨好 より:

    更新お疲れ様です。

    両チーム共に入りが良かっただけにピリピリした試合になりそうでしたが、退場してしまったプレーが妥当で本当に軽率で勿体無かったですね…。
    10人になってからも何度かウェストハムもいい攻撃をしていましたが、ユナイテッドはデヘアを中心によく集中して守っていましたね。
    やはり守備がある程度安定すると前線のチャレンジも増えて攻撃も安定する。そんな試合だと感じました。

  3. おはむ より:

    審判に壊された試合ですね。
    納得いかない試合でした

  4. yuto より:

    特にあのレッドカードはジョーンズが本来レッドカードを貰うべき 非常に危険なタックルでした。

    —–
    後半から仕掛けたモウリーニョ監督の采配が光った試合ではないでしょうか。
    不安なのは今のエレーラの代わりとなる選手だと思います。
    豊富な運動量と広い視野を持つ選手となると期待するのはセインツ時代のシュネイデルランですが・・・
    マーケットも開きましたし、フロントの動向も気になりますね。

  5. makoto より:

    グッチさん>
    最終ラインは危なっかしいプレイがありますが、前は相当よくなってきました。レッズ戦、楽しみです。

    雨好さん>
    ときどきヒヤリとさせられますが、ドロー地獄の頃と比べれば落ち着きましたね。

    おはむさん>
    本気でおっしゃってますか?フィル・ジョーンズはまっすぐボールにいっています。

    yutoさん>
    そうなんですよね。シュナイデルラン、復活を祈っております。

グッチ へ返信するコメントをキャンセル