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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【MAN.CITY×Tottenham】強かったマン・シティは、枠内シュート2本のスパーズに痛恨のドロー!

シックスポインター、あるいはサバイバルゲーム。プレミアリーグ22節の最注目カードがいよいよ始まります。会場はエティハド、マンチェスター・シティVSトッテナム。ペップ・グアルディオラ監督のチームは、1月にパルメイラスから合流したガブリエウ・ジェズスと主将コンパニがベンチ入りしています。GKは結果を出したいブラボ、最終ラインはサバレタ、オタメンディ、コラロフ、クリシー。フェルナンジーニョが出場停止の中盤には、ヤヤ・トゥレ、ダヴィド・シルヴァ、デブライネが並びます。前線にはサネ、アグエロ、スターリング。エヴァートンに4-0で惨敗したチームは、気持ちを切り替えて大事なゲームに臨めるでしょうか。

対するトッテナムは、GKロリス、3バックにアルデルヴァイレルト、ヴィマー、エリック・ダイアー。アウトサイドにカイル・ウォーカーとダニー・ローズの最強SBコンビが入り、中央にはワニャマとデンベレ。調子を上げてきたハリー・ケインとデル・アリ、エリクセンが前の3枚です。ハリー・ケインとアグエロのストライカー対決も気になるゲームは、キックオフから間もなく、ホームのマンチェスター・シティが主導権を握ります。

7分、速攻を仕掛けたマン・シティ。デブライネのパスが中央を切り裂き、スターリングが独走態勢に入ります。GKと1対1になるかと思いきや、ダニー・ローズが追いつき、左にまわったスターリングのクロスは味方に届きません。11分、ダヴィド・シルヴァがバイタルエリアでデブライネに流したボールを、プレミアリーグアシスト王がダイレクトでラインの裏へ。飛び出したサバレタのシュートは枠にいかず、スパーズは事なきをえます。直後、最終ラインのパスミスを拾ったサバレタがアグエロにつなぐと、左足の強烈なシュートは惜しくもバーの上。下位クラブを相手にしているかのように、マン・シティの攻勢が続きます。

20分、ダヴィド・シルヴァがクロスに狙ったミドルは、ロリスがナイスセーブ。CKからのサバレタの左足シュートは、ロリスは見送ったのではなく、動けなかったのでしょう。ポストに向かったボールは、わずかに外。0-0の均衡は崩れません。何とか耐えていたスパーズは、25分にようやく反撃。カイル・ウォーカーの高速クロスで得たCKは、エリクセンからデンベレに渡りますが、ミドルシュートは完全にコースを切られてしまいます。ここから攻勢に転じたトッテナムは、32分にダニー・ローズのグラウンダーを中央やや左で受けたワニャマがミドル。マン・シティも負けじと左サイドに展開し、クリシーのクロスを倒れながら合わせたサネのダイビングヘッドは、ポスト左に逸れていきます。

38分、ヴィマーのパスを敵陣でインターセプトしたのはスターリング。パスをもらった右のデブライネは、ファーサイドのアグエロを見てうまく浮かしますが、ヘディングシュートはロリスが右に飛んでキャッチします。縦パス1本からアグエロがアルデルヴァイレルトに勝負を挑んだシーンは、最後まで我慢して当たらず、コースを切ってロリスにセーブさせたCBの勝ち。前半は0-0で終わりますが、マンチェスター・シティに厳しいプレスと敵陣でのインターセプトから始まるショートカウンターが戻ってきました。プレミアリーグ開幕時の強さを思い出させるペップのチームは、攻めているうちに先制点を決めたいでしょう。

ハーフタイムのポチェッティーノ監督は、危なっかしかったヴィマーを下げてソン・フンミンを投入。アルデルヴァイレルトとエリック・ダイアーがCBに入る4バックです。49分、驚愕のパス1発で、マンチェスター・シティが先制しました。右から中に走り込んだレロイ・サネに、ロングフィードをピタリと合わせたのはデブライネ!ボックスの外に飛び出したロリスがダイビングヘッドでクリアしようとすると、ボールはサネに当たり、21歳のアタッカーは無人のゴールにプレミアリーグ2ゴールめを流し込みました。リードしてカウンター狙いにスイッチしたホームチームは、54分に望外の2点めをゲットします。右サイドに展開した速攻から、スターリングがクロスを入れると、名手ロリスが痛恨のファンブル。詰めていたデブライネが難なくプッシュすると、守護神は天を仰ぎます。

枠内シュートがなかったスパーズに、2点差は厳しいのではないかと思っていた矢先の58分、カイル・ウォーカーが素晴らしいクロスをゴール前に上げます。飛び込んだのは、デル・アリ。完璧に合わせたヘッドがネットを揺らし、20歳のプレーメイカーは直近のプレミアリーグ6試合で8発の固め獲りです。62分、デブライネがまたもキラーパスをラインの裏に入れると、抜け出しかけたスターリングをダニー・ローズが必死にチェックしてシュートを許しません。スパーズに悲劇が訪れたのは、この後でした。再三、楔を前線に入れて攻撃に貢献していたアルデルヴァイレルトが太ももの裏を押さえてリタイア。代わって入った20歳のハリー・ウィンクスは、ビッグマッチでサポーターを納得させるプレイができるでしょうか。

76分、縦パス1本でスターリングが独走。ロリスと1対1になり、シュート態勢に入った瞬間、カイル・ウォーカーに背中を押されてシュートを正面に打ってしまいます。その直後、ついにスパーズが追いつきました。ボックス右でエリクセンのパスをもらったハリー・ケインが右足アウトで中央に落とすと、走り込んだソン・フンミンがダイレクトでシュート。ブラボの指先を抜けたボールは左のサイドネットに突き刺さりました。ポチェッティーノ監督はデンベレをシソコ、ペップはスターリングをガブリエウ・ジェズス。19歳のブラジル代表FWは、入ってすぐに危険なクロスとシュートを披露し、82分にはデブライネのシュートに詰めてプレミアリーグデビュー戦ゴールかとスタンドを熱狂させますが、オフサイドの旗が上がっており、初ゴールはお預けです。追加タイムには両者とも決め手がなく、タイムアップ。両者とも勝ち点1という着地は、トッテナムは納得、ゲームを手の内に入れていたマン・シティは悔しいでしょう。

カイル・ウォーカーの右手をスルーしたジャッジが話題になりそうな一戦。勝者にふさわしかったのはプレスが見事だったマンチェスター・シティですが、少ないチャンスを活かしたトッテナムの勝負強さもリスペクトされるべきでしょう。問題を抱えていたヴィマーを45分で見切り、アルデルヴァイレルトのアクシデントを限られた手駒で乗り越えたポチェッティーノ監督の采配は、素晴らしかったと思います。4つの上位クラブがすべて勝てなかった土曜日。このうえは、ハル・シティと戦うチェルシーの足踏みという小さな可能性の実現を祈るほかはありません。

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“【MAN.CITY×Tottenham】強かったマン・シティは、枠内シュート2本のスパーズに痛恨のドロー!” への6件のフィードバック

  1. スパーズ推し より:

    拾った試合でした
    ヤンの不在の影響、代役ヴィマーの役不足をこれでもかと痛感する試合です
    ウォーカーのプッシュは普通ならpkだと思います

    一方、シティからすれば前半のうちに終わらせなければならなかった試合ではないでしょうか?
    あれだけ攻めて、得点がロリスのミス絡みでの2得点とは如何でしょう?
    スパーズ側から審判で拾った勝ち点、というのは分かりますが
    シティ側から審判で落とした勝ち点、というのは説得力がないくらい一方的な試合内容でした

    あとジェススはいい選手ですね、今後が大いに期待されます
    そして、ブラボの不名誉な記録が更新されることになりましたが、この試合に関しては彼に責任は無いと思います…^^;

    長くなりますが、最後に一つだけ、ケインのナイスアシストが各所でオフサイド呼ばわりされているのだけは納得いかないので(笑)
    例のシーン、オタメンディにラインがあると思った人から見れば
    半身分出ているケインはオフサイドですが(オタ自身もオフサイドを主張して片手を挙げアピールしている)
    実際のオフサイドラインは、それより後ろのサバレタ、彼の自陣ゴール方向に一歩踏み出した足の所に引かれています
    ケインはこのラインをギリギリ超えていないため、オンサイドです
    シティ選手のジェスチャーを見ると面白いくらい分かりやすいですが、
    オフを主張しているのはケインの真後ろにいたオタメンディだけ
    その後ろで見ていたサバレタは自身が最後列であることを分かっていたのでアピール出来ず
    ゴール後もオタはラインズマンに激昂していますが、サバレタは自分のラインミスに頭を抱えています
    (サバレタとオタのリアクションの差には少し笑ってしまいましたw)
    とは言えかなり分かりにくいオンサイドなので、ラインズマンはよく見ていましたね

    長文失礼致しましたm(_ _)m

  2. nori より:

    更新お疲れ様です。
    正直なんでスパーズが負けなかったのかよく分からないくらい一方的な内容でしたがよく耐えましたね。
    特にダイアーは3バック、ボランチ、4バックの右CB、左CBと一試合に4つのポジションをさせられて、よく対応してくれたと思います。
    ワニャマがふつーにCBやってるのにも驚きました。
    たぶん3年前のスパーズなら5-0で負けてると思います(笑)

    ペップはこの試合絶対勝ちたかったでしょうね。
    昨日の結果に、ロンドンの赤と青のチームは笑いが止まらないでしょうね。。

    あと最後に、この試合で今月5点目を決めたアリの月間MVP期待してます!

  3. ホタ より:

    ペップシティ、吹っ切れたのでしょうか?これほど何もできなかった試合は久しぶりですね。恐らくシティにとっては今季のベストゲームの一つ、スパーズにとっては最も出来の悪かった試合でしょう。常にプレスを前線からかけられ中盤を制圧されるわパスは悉くカットされるわと内容的には完敗でしたが、スコアシート上ではよくぞドローに持ち込めました。枠内シュート2本で2得点はスパーズと思えない効率の良さですが笑
    序盤に両サイドのCBが立て続けにイエローカードを貰いフォーメーションを変更し、後半シティの激しいプレスに対応すべく再びフォーメーションを変更し…とスパーズのフレキシビリティ、引き出しの多さは確認できました。このクオリティは今季のスパーズの強さを支えていると思います。ロリスに関しては、彼のスーパーセーブで拾ったポイントが数え切れないほどあるので、この試合の2つのミスに関しては何も言うべきではないですね。あと、アルデルヴァイレルトは、ハムストリングに違和感を感じ、予防措置としてピッチを後にしたそうです。よかったよかった。

    試合のあったトップ6が皆足踏み。西ロンドンの青いクラブが高笑いする声が聞こえてきそうです

  4. シティサポ より:

    いきなりですが、BBCでシアラーが語ったようにウォーカーは決定機阻止でPK+退場になるべきだったと思います。しかしフットボールでこのようなジャッジはよくあることなので余り気にしません。
    さて、肝心の試合内容ですが見事にシティはハイプレスショートカウンターが復活しましたね。結果的に引き分けになったものの見てて非常に面白い試合でした。あと最近批判に晒されるブラボですが、私は少しの間休養が必要だと思います。いつかのハートのように、ベンチ落ちを味わって一皮剥けて欲しいものです。

  5. sini より:

    スパーズ推しさん>
    デブライネがあれだけよかったので、勝たなければならないゲームでしたね。私も、ハリー・ケインはオフサイドではなかったという認識で、ジャッジは妥当だった(妥当でなくてもジャッジを尊重すべしというスタンスですが)と思います。ガブリエウ・ジェズスは怖ろしいですね。「合流して間もないチーム」「プレミアリーグの上位対決は初めて」「短時間」という厳しい条件が並ぶなか、あれだけのプレイができる選手はなかなかいません。

    noriさん>
    ポチェッティーノ監督の采配によく選手が応えてくれたゲームでしたね。デル・アリMVP、賛成です。

    ホタさん>
    5~6回フォーメーションいじってましたよね。そこだけ追いかけて書いてもおもしろいと思ったのですが、マン・シティもまた素晴らしかったので、両方書きたいと思い、普通のレポートになりました。

    シティサポさん>
    マン・シティは開幕当初の圧倒的なサッカーを見せてくれました。これが続けられれば、優勝はともかく、2位はいけるのではないかと思います。ブラボ休養に関しては、賛成です。ジョー・ハートにも苦難の時期がありましたね。いただいたコメントで思い出しました。

    —–
    好調スパーズといえども、牙を剥いたシティにはあそこまやられてしまうのだという、シティの恐ろしさを見せ付けられた試合でした。強かったです。

    ヴィマーは試合感の問題なのか、あるいは3バックに慣れていないせいなのか、もしかしたらベンチ生活が続いたことによるモチベーション低下のせいかな、という気がします。
    昨季はヤンさんと大差ない素晴らしいパフォーマンスぶりでしたので、ここから頑張って欲しいです。ヤンさんとトビーがいない今、最終ラインの柱となってもらうには彼が必要です。
    もちろんロリスも。

  6. makoto より:

    siniさん>
    ヴィマー、昨季はよかったですよね。狙い撃ちされるような展開になり、難しい対応を迫られました。次のチャンスで、落ち着いてプレイしていただければと思います。

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